Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
ジオデータベースを SAP HANA 内に作成するには、前提条件に目を通した後、SAP HANA をインストールして構成し、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用して、ジオデータベースをデータベース内に作成する手順を実行します。
前提条件
ジオデータベースを SAP HANA 内に作成する前に、次のことを行っておく必要があります。
- 使用する ArcGIS、SAP HANA、およびオペレーティング システムの組み合わせに互換性があることを確認します。
- ジオデータベースの格納に使用する SAP HANA のバージョンに接続する必要のある SAP HANA クライアントをダウンロードします。
- ArcGIS Server キーコード ファイルを入手し、ジオデータベースの作成に使用する ArcGIS クライアントからアクセスできる位置に配置します。
- SAP HANA をインストールして構成します。
1. SAP HANA のインストールと構成
[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ツールまたはスクリプトを実行して、ジオデータベースを SAP HANA 内に作成するには、まず自身で (または IT 部門/データベース管理者が) SAP HANA データベース管理システムをインストールして構成する必要があります。SAP の指示に従って SAP HANA をインストールして構成します。
2. クライアントの構成
ジオデータベースを作成する前に、SAP HANA に接続するように ArcGIS クライアントを構成する必要があります。SAP HANA 内のジオデータベースの作成に使用できる ArcGIS クライアントは、ArcGIS Pro Standard、ArcGIS Pro Advanced、または ArcGIS Server (エンタープライズ エディション) です。これらのクライアントのいずれかから Python スクリプトを実行することができ、ArcGIS Pro から [エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ジオプロセシング ツールを実行することもできます。サポートされている最小ソフトウェア バージョンは ArcGIS Pro 2.1 および ArcGIS Server 10.6 です。
注意:
次のセクションでは、ArcGIS Server (エンタープライズ) のキーコード ファイルを使用してジオデータベースを認証する必要があります。 ArcGIS Server コンピューターから Python スクリプトを実行してジオデータベースを作成する場合以外でも、ArcGIS Server をインストールして認証し、キーコード ファイルを取得する必要があります。 場合によって、ArcGIS Server コンピューターから、ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトがアクセスできる場所にファイルをコピーする必要があります。
ジオデータベースを SAP HANA データベース内に作成した後は、ArcMap とそれに関連するクライアント (ArcGlobe や ArcCatalog など) を接続できなくなります。
次の手順に従って、ジオデータベースを作成する必要のあるクライアントをインストールして構成します。ソフトウェアをインストールする権限がない場合は、代わりに IT 部門にこの手順を行ってもらう必要があります。
- ジオデータベースの作成に使用する ArcGIS クライアントをインストールします。
ソフトウェア インストール ガイドに記載されている手順に従います。
- ほとんどの場合、ArcGIS クライアントは、SAP HANA データベース サーバーとは異なるコンピューターにインストールされます。このため、SAP HANA ODBC ドライバーを ArcGIS クライアント コンピューターにインストールして構成する必要があります。ArcGIS クライアントに適用される次のクライアント構成手順に従ってください。
3. sde ユーザーの作成
SAP HANA ツールまたは SQL を使用して、標準データベース ユーザーである sde ユーザーを作成します。標準ユーザーを作成しない場合は、ジオデータベース管理者に必要な最小限の権限を sde ユーザーに付与しなければなりません。
SAP HANA 管理者でない場合は、sde ユーザーの作成と必要な権限の付与を管理者に依頼してください。
4. sde ユーザーとしてデータベースに接続
[データベース接続の作成 (Create Database Connection)] ジオプロセシング ツールまたは ArcGIS Pro の [新しいデータベース コネクション] オプションを使用して、SAP HANA データベースに接続できます。sde ユーザーとして接続し、接続に使用するパスワードを保存します。
5. ジオデータベースの作成
次のセクションで説明する方法のいずれかを使用して、ジオデータベースを SAP HANA データベース内に作成します。
エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase) ツールの使用
ArcGIS Pro をインストールして、SAP HANA に接続するように構成している場合は、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ツールを実行できます。このツールは、セクション 4 で作成したデータベース接続ファイル (*.sde) を使用して、データベースに接続し、ジオデータベース システム テーブル、ビュー、関数、およびプロシージャを作成します。
Python スクリプトの使用
ArcGIS Pro または ArcGIS Server コンピューターから Python スクリプトを実行するには、次の手順に従います。
- ArcGIS クライアント コンピューター上でテキスト ファイルを作成し、そのファイルに以下のスクリプトをコピーします。ローカル コンピューター上で、ArcGIS Server キーコード ファイルの格納場所を変更します。
import arcpy, os, sys, tempfile if len(sys.argv) != 3: print ("usage: enable_gdb.py database_dsn sde_pwd") sys.exit(3) path = tempfile.gettempdir() if os.path.exists(path + r'\enable_gdb.sde'): os.remove(path + r'\enable_gdb.sde') arcpy.management.CreateDatabaseConnection(path ,r'enable_gdb.sde', 'SAP HANA',sys.argv[1], 'DATABASE_AUTH','sde',sys.argv[2], 'SAVE_USERNAME') arcpy.management.EnableEnterpriseGeodatabase(path + r'\enable_gdb.sde', r"\\mykeycodes\Server_Ent_Adv") if os.path.exists(path + r'\enable_gdb.sde'): os.remove(path + r'\enable_gdb.sde') sys.exit(0)
- *.py 拡張子を付けてファイルを保存します。
- ユーザーの環境に固有のオプションと情報を指定して、スクリプトを実行します。
次の例では、SAP HANA データ ソース hana1 に対してファイル enable_gdb.py が実行されます。パスワード M@kagdb4me を使用して sde ログインで接続が確立されます。
enable_gdb.py hana1 M@kagdb4me
ジオデータベース作成に関連するメッセージは、sde_setup.log ファイルにあります。このファイルは、Python スクリプトを実行したコンピューター上の TEMP 変数または TMP 変数で指定されたディレクトリに作成されます。ジオデータベースの作成時に問題が発生した場合は、このファイルを確認して問題を解決します。
ジオデータベースが SAP HANA データベース内に作成されます。
次に、ユーザーとユーザー グループを作成し、作業の実行に必要な権限をユーザーに付与します。
ヒント:
[データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ジオプロセシング ツールを使用して、標準の SAP HANA データベース ユーザーを作成できます。