Indoors ジオデータベースの作成

Indoors エクステンションのライセンスが付与された ArcGIS 組織で利用できます。

フロア プラン データを追加する前に、[Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールを使用して、Indoors ジオデータベースを作成します。 このツールによって作成された Indoors ジオデータベースは、ArcGIS Indoors Information Model に準拠し、フロア プランのマッピング、ルート検索、スペース プランニング、ワークスペースの予約に必要なフィールドとテーブルが含まれています。

注意:

別の方法として、[Indoor データセットの作成 (Create Indoor Dataset)] ツールを使用して、既存のファイルまたは エンタープライズ ジオデータベース の中に、基本的なフロア プランのマッピング用の Indoor データセットを作成することができます。 Indoor データセットには、ArcGIS Indoors Information Model に準拠する、効率化されたスキーマが含まれていますが、Space Planner、Indoor Viewer、および Indoors モバイル アプリで必要なフィーチャクラス、フィールド、テーブルの一部は含まれていません。

Indoors ジオデータベースの作成

Indoors ジオデータベースを作成するには、次の手順を実行します。

1. ArcGIS Pro を起動します。
2. [新規] セクションの [マップ] をクリックします。

   [新しいプロジェクトの作成] ダイアログ ボックスが表示されます。

3. プロジェクトの名前を入力し、プロジェクト フォルダーを選択して、[OK] をクリックします。
4. ファイル ジオデータベースを作成します。
5. サイトまたは建物にちなんで、空のファイル ジオデータベースに名前をつけます。
6. [解析] タブで [ツール] ボタン をクリックして、表示される [ジオプロセシング] ウィンドウで [ツールボックス] をクリックします。
7. [Indoors ツール] を展開して、[Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールをダブルクリックします。
8. [パラメーター] タブで、必要に応じてパラメーターを指定します。
   1. [ターゲット ジオデータベース] ダイアログ ボックスで、空のジオデータベースを参照します。
   2. [座標系] パラメーターに、水平 (XY) 座標系と鉛直 (Z) 座標系を指定します。
   3. 必要に応じて、[Indoors ネットワークの作成] チェックボックスをオフにします。

      デフォルトで、[Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールは、屋内ルート検索をサポートするネットワーク データセットを使用して Indoors ワークスペースを作成します。 施設のフロア プランのデータのみをマッピングする場合、必要に応じて、[Indoors ネットワークの作成] チェックボックスをオフにして、ネットワーク データセットを Indoors モデルから除外します。

      注意:

      ネットワーク データセットを作成せずに、このツールを実行した場合は、後から [Indoor ネットワーク データセットの作成 (Create Indoor Network Dataset)] ツールを使用して、Indoors モデルのネットワーク データセットを作成することができます。 後からネットワーク データセットを作成する場合は、Indoor データセットの作成に使用した座標系と同じ座標系を [座標系] パラメーターに指定します。

   4. 必要に応じて、[属性ルールの作成] チェックボックスをオフにします。

      デフォルトで、[Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールを実行すると、品質管理ワークフローで使用する属性ルールが Indoors データベース内に作成されます。 ブランチ バージョニングが有効になっているファイル ジオデータベースまたはエンタープライズ ジオデータベースをターゲット ジオデータベースにする必要があります。 トラディショナル バージョニングはサポートされていません。

      [属性ルールの作成] パラメーターをオンにして、このツールを実行すると、次のアイテムが作成されます。

      • Global ID フィールドが Indoors データセットのフィーチャクラス内に作成されます。
      • 編集情報の記録フィールドが Indoors データセットのフィーチャクラス内に作成され、編集情報の記録が有効になります。
      • 整合チェック ステータス フィールドが Indoors データセットのフィーチャクラス内に作成されます。 このフィールドは、[エラー インスペクター] ウィンドウで管理され、属性ルールが最後の更新以降にフィーチャに対して実行されているかどうかを確認する目的に使用されます。
      • ポイント、ポリライン、ポリゴン、およびテーブル エラーに相当する 4 つのエラー データセットがジオデータベースにスタンドアロン レイヤーとして追加されます。 これらのデータセットは [エラー インスペクター] ウィンドウで管理されます。
      • フロア対応マップでエラーを視覚化できるように、LEVEL_ID フィールドがエラー データセット内に作成されます。
      • 一連の整合チェック ルールと計算ルールが Sites、Facilities、Levels、Units、および Details フィーチャクラスに適用されます。 整合チェック ルールは、データに問題があるかどうかを確認するために指定したタイミングで実行されます。 適用された計算ルールは、整合チェック ステータス フィールドの管理に使用され、フィーチャに対して整合チェックを実行するかどうかが決定されます。
9. [実行] をクリックします。
10. [カタログ] ウィンドウで、新しく作成した Indoors ジオデータベースを参照し、コンテンツを検査します。

BIM ファイルまたは CAD ファイルから Indoors ジオデータベースにフロアプランを読み込むことができるようになりました。

既存の Indoors データベースの更新

以前のバージョンの ArcGIS Pro を使用して Indoors ジオデータベースを作成した場合は、そのジオデータベースを更新し、次のアイテムを追加して予約管理のサポートを追加することができます。

• Area Roles テーブル - Indoor Space Planner、Indoor Viewer、および Indoors Mobile で予約担当を有効にする場合に使用します。 Area Roles テーブルは、ArcGIS Pro 3.0 以降の [Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールで作成します。
• Reservations フィーチャクラス - Indoor Viewer および Indoors Mobile でワークスペースの予約ができます。 Reservations フィーチャクラスは、ArcGIS Pro 2.9 以降の [Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールで作成されます。
• Reservations フィーチャクラスに対する予約の編集アクセス制御ルール - 予約担当と予約の対象者だけがオフィス ホテリングの予約を更新できるようになります。 ArcGIS Pro 3.0 以降の [Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールで作成された Reservations フィーチャクラスには、制約属性ルールがあります。

注意:

エンタープライズ ジオデータベースを更新する場合は、スキーマに変更を加える前に、ユーザーの接続を解除し、既存のロックを解除する必要があります。

既存の Indoors ジオデータベースに予約管理のサポートを追加するには、次の手順を実行します。

1. Indoors ワークスペースを含むプロジェクトを ArcGIS Pro で開きます。
2. ファイル ジオデータベースを作成します。
3. 次の設定で [Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールを実行します。

   • [ターゲット ジオデータベース] パラメーターで先ほど作成したファイル ジオデータベースを選択します。
   • 既存の Indoors ジオデータベースに使用した空間参照と同じ空間参照を [座標系] パラメーターで選択します。
   • [Indoors ネットワークの作成] チェックボックスと [属性ルールの作成] チェックボックスをオフにします。

4. Reservations フィーチャクラスを既存の Indoors ジオデータベースに追加するには (まだ存在しない場合)、次の手順を実行します。
   1. 新しく作成した Reservations フィーチャクラスを右クリックしてから [データ設計] > [属性ルール] の順にクリックします。

      属性ルール ビューが開きます。

   2. [制約] タブで、予約の編集アクセス制御ルールを右クリックしてから [削除] をクリックします。

      Reservations フィーチャクラスを既存の Indoors ジオデータベースにコピーする前に、このルールを削除しておく必要がありますが、後からもう一度追加します。

   3. [属性ルール] タブの [属性ルール] セクションで [保存] をクリックします。
   4. 新しいファイル ジオデータベースから Reservations クラスをコピーし、既存の Indoors ジオデータベース内の Indoors データセットに貼り付けます。
5. 新しいファイル ジオデータベースから Area Roles テーブルをコピーし、既存の Indoors ジオデータベースに貼り付けます。
6. 予約の編集アクセス制御ルールを既存の Indoors ジオデータベースにインポートするには、次の手順を実行します。

   ArcGIS Pro 2.9 で作成した Reservations レイヤーが存在する場合は、はじめに次のスキーマ アイテムを Reservations フィーチャクラスに追加しておく必要があります。

   • Reservations フィーチャクラスに Global ID を追加します。 ArcGIS Pro 3.0 以降では、デフォルトで Reservations フィーチャクラスの Global ID が作成されます。
   • 次のフィールドを追加して、Indoor Viewer および Indoors Mobile で他の人のためにオフィス ホテリングを予約できるようにします。 ArcGIS Pro 3.0 以降では、デフォルトでこれらのフィールドが作成されます。

     フィールド名	エイリアス	タイプ	説明
     RESERVED_BY_USERNAME	予約者のユーザー名	Text	他の人の代わりに予約を作成した人の ArcGIS 組織のユーザー名。
     RESERVED_BY_FULL_NAME	予約者のフル ネーム	Text	他の人の代わりに予約を作成した人のフル ネーム。

   1. 既存の Indoors データセットで Reservations フィーチャクラスを右クリックしてから [データ設計] > [属性ルール] の順にクリックします。
   2. [属性ルール] タブの [属性ルール] セクションで [ルールのインポート] をクリックします。
   3. ArcGIS Pro をインストールしたファイルの場所から <Installation location>\Resources\AttributeRules\Indoors\Reservations.csv というファイルを参照して選択します。
   4. [OK] をクリックします。
   5. [属性ルール] タブの [属性ルール] セクションで [保存] をクリックします。

これで、Indoors アプリの予約管理機能を利用できるようになります。