格納の関連付け

格納の関連付けは、ネットワーク内のフィーチャの高密度なコレクションをモデル化し、マップの散在を制御します。

フィーチャおよび関連付けのアセンブリとしての変圧器バンク

上記の図では、変圧器バンクが格納器です。 これはヒューズや変圧器ユニットといった、マップ上に頻繁に表示されないデバイスを含みます。

格納の関連付けについて

格納では、フィーチャの高密度なコレクションを 1 つのフィーチャで表現できます。 たとえば、デバイス、ワイヤー、および導体を、変電所、スイッチギヤ、溝、ダクトなどのフィーチャ内に配置することができます。 マップ ビューで格納物フィーチャを表示または非表示にして、見やすさを向上させ、マップの散在を減らすことができます。 他のフィーチャを含むフィーチャは格納器と呼ばれ、格納されているフィーチャは格納物と呼ばれます。

次に、格納器フィーチャの例を示します。

  • ポリゴン フィーチャ - 電力ネットワークでは、変電所にボールト、変圧器、スイッチ、バスバーを含めることができます。 ガス ネットワークでは、レギュレーター ステーションにポンプ、バルブ、パイプを含めることができます。 水道ネットワークでは、ポンプ ステーションにポンプ、バルブ、メーターを含めることができます。
  • ライン フィーチャ - 電力ネットワークでは、集合ダクトなどのリニア格納器に複数の地下ラインを含めることができます。 水道ネットワークでは、破棄されたパイプに使用中のパイプを含めることができます。
  • ポイント フィーチャ - 電力ネットワークでは、ボールトに多数の電力デバイス、ジャンクション、ラインを含めることができます。
  • エッジ オブジェクト - 電力通信ネットワークでは、ケーブルに多数の繊維ストランドを含めることができます。
  • ジャンクション オブジェクト - 電力通信ネットワークでは、ネットワーク スイッチに複数のポートを含めることができます。

ユーティリティ ネットワークは、ネストされた格納や、格納物と格納器の間の 1 対多のリレーションシップをサポートしています。 ネストされた格納では、格納器フィーチャは別の格納器フィーチャを格納することができ、この別の格納器フィーチャがさらに格納物を格納します。 たとえば、変電所にジャンクション ボックスを入れ、そのジャンクション ボックスに電子機器を格納できます。 1 対多のリレーションシップでは、1 つの格納物フィーチャが複数の格納器に格納されます (たとえば、多くの集合ダクトに広がる 1 つの地下ライン)。

注意:

1 つのポイント フィーチャを複数の格納器フィーチャの格納物として指定することはできません。

構造物付属物の関連付けの構造と同様に、資源は格納器を通過できません。 言い換えると、電力フィーチャを横断するように構成されたトレースは、架空線の全長に沿ってトレースするということです。 トレースは格納器がなくても構成できるので、電線とバンク内の変圧器は返されるものの、変圧器バンクそのものは返されなくなります。

格納の関連付けに含まれるフィーチャのトレース結果を制御する方法の詳細

格納の関連付けの構成

ユーティリティ ネットワークを構成して、格納の関連付けを使用するためには、いくつかの手順が必要です。

初めに、有効な格納の関連付けについて、ユーティリティ ネットワークのフィーチャ制限を確認します。 フィーチャを格納器として設定するには、そのアセット グループとアセット タイプに格納器の関連付けロールが割り当てられている必要がありあります。

関連付けロールを割り当てる場合、格納の関連付けを操作する際のユーザー エクスペリエンスを制御するその他の設定があります。

  • [削除ルール] - 格納器を削除するときの動作を制御できます。 たとえば、格納器フィーチャを正常に削除するには、格納器内のすべての格納物フィーチャを最初に削除する必要があるかどうかを指定できます。 格納器を削除すると、すべての格納物フィーチャが自動的に削除されるように指定できます。 または、格納器フィーチャを削除すると、格納物フィーチャは格納されないフィーチャとして維持されるように指定することもできます。
  • [ビューの縮尺] - 格納物フィーチャを操作するために格納モードに入るとき、格納器ビューが開く縮尺を制御できます。
  • [スプリット ポリシー] - リニアおよびポリゴンの格納器がスプリットされるときの動作を管理できます。 たとえば、リニア格納器が半分にスプリットされるとき、格納器の格納物を 2 つにスプリットします。

詳細については、「関連付けロール」および「削除ルール、ビューの縮尺、格納器のスプリット ポリシー」をご参照ください。

格納器の関連付けロールを割り当てると、格納の関連付けルールを使用してユーティリティ ネットワークを構成できます。 格納の関連付けにフィーチャの制限が適用される限り、格納の関連付けがフィーチャ間で作成されるようにネットワーク ルールを作成できます。

格納器および格納物の操作

[関連付けの変更] ウィンドウを使用して、格納の関連付けを作成および変更できます。 この対話型のウィンドウでは、マップまたは属性テーブル上の既存のフィーチャを選択して、格納器フィーチャと格納物フィーチャの間に格納の関連付けを確立することができます。 [格納の開始] コマンドを使用して、格納モードで格納物フィーチャを作成することもできます。 格納編集モードを使用するには、最初にマップ内の格納器フィーチャを選択する必要があります。作成されたフィーチャは格納物としてこの格納器に自動的に関連付けられます (ただし、関連付けをサポートするルールが存在している場合)。

格納の関連付けで、マップに表示される詳細の量を制御できます。 マップ上に格納器フィーチャのみを表示するか、内部の格納物フィーチャも表示するかを制御できます。 これを実行するには、格納物フィーチャの表示状態を設定し、[格納物の表示] コマンドを使用します。 格納器フィーチャおよび格納物フィーチャの両方を表示するか、格納器フィーチャのみを表示するかを設定できます。 ネットワーク ダイアグラムを構成して、ダイアグラム ビュー内の格納器フィーチャの内部に格納物フィーチャを表示することもできます。

詳細については、「関連付け表示設定の制御」をご参照ください。

サブネットワーク トレースを実行する場合、格納器フィーチャ内の格納物フィーチャのステータスおよびレイアウトが適用されます。 内部スイッチまたはバルブが開いている場合、サブネットワーク トレースはそこで停止します。 格納器フィーチャを他の格納器フィーチャに接続することもできます。 たとえば、ボールトを集合ダクトに接続できます。

格納物フィーチャの表示

格納の関連付けの格納物フィーチャの表示は、表示フィルターやフィルター設定の使用に関するマップの構成方法に大きく依存します。 格納の関連付け格納物フィーチャの表示ステータス値を表示フィルターまたはフィルター設定で使用することで、マップ上で格納物フィーチャを表示/非表示にできます。 AssociationStatus フィールド値を使用してマップの表示フィルターまたはフィルター設定を設定しない場合、格納の関連付けの格納物フィーチャは (フィーチャの表示ステータスに関係なく) すべて表示されます。

デフォルトでは、格納物の作成時や格納器への割り当て時、その格納物フィーチャの表示ステータスは False になっています。 表示設定は、[格納] タブの [関連付けの変更] ウィンドウで変更できます。 すべての格納物フィーチャに設定されている表示ステータス値を使用して、マップ ビューに表示される格納物フィーチャをフィルタリングできます。 表示フィルターは、AssociationStatus 属性フィールドが [表示可能な格納物] の値と同じであるすべてのネットワーク レイヤー上で設定できます。

非表示の格納物に一時的にアクセスするには、[格納物の表示] コマンドと表示フィルターを組み合わせて使用するか、ネットワーク ダイアグラムを生成します。 AssociationStatus フィールドで表示フィルターの表示ステータスを正しく構成した後は、次のように [格納物の表示] コマンドを使用して、マップ ビューのすべてのユーティリティ ネットワーク レイヤーの表示フィルターの設定を切り替えることができます。

  • [表示] - すべてのユーティリティ ネットワーク レイヤーの表示フィルターを無効にして、すべての格納物を表示します。
  • [非表示] - すべてのユーティリティ ネットワーク レイヤーの表示フィルターを有効にして、非表示の格納物を非表示にします。

格納物フィーチャの表示の詳細については、「関連付けの表示の制御」をご参照ください。

格納器と格納物フィーチャのスプリット

格納の関連付けの一部であるライン フィーチャをスプリットするとき、格納器と格納物のフィーチャ間のリレーションシップを維持するために、追加のロジックが使用されます。 格納器であるライン フィーチャをスプリットする場合、システムはデフォルトで格納物フィーチャをスプリットしません。 格納の関連付けは、格納器フィーチャと格納物間のスプリット操作の後に再確立されます。 同様に、格納物フィーチャをスプリットすると、格納物フィーチャと格納器の間で格納の関連付けが再確立されます。

親の格納器がスプリットされたときの格納物の扱い方を管理するために、構造物ライン フィーチャクラスに属するフィーチャに対して追加のスプリット ポリシーを設定できます。 このポリシーを構成するには、ネットワーク フィーチャに対して格納の関連付けロール タイプが設定されているときに、[関連ロールの設定 (Set Association Role)] ツールを使用します。

  • スプリット ポリシーが True に設定されている格納器フィーチャをスプリットする場合、地理解析が実行され、格納物フィーチャのそれぞれのスプリット位置に類似ポイントが特定されます。 スプリット後、システム アルゴリズムを使用して、格納器と格納物フィーチャの間に適切な格納の関連付けレコードが生成されます。

  • スプリット ポリシーが False に設定されている格納器フィーチャをスプリットする場合、格納物フィーチャはスプリットされませんが、新しい格納物フィーチャと格納物の間に格納の関連付けが再確立されます。

すべての場合で、ユーザーが格納物をスプリットしている場合は、格納器はスプリットされません。 スプリット操作の後に、適切な格納器の関連付けレコードが再生成されます。