ユーティリティ ネットワークは、ユーティリティ ネットワーク クラスと構造物ネットワーク クラスが含まれる基礎として確立されます。 初期作成後に、1 つ以上のドメイン ネットワークを構成プロセスの一部として追加できます。 ドメイン ネットワークは複数追加することができますが、その一方で 1 つの構造物ネットワークはドメイン ネットワーク間で共有されます。 ユーティリティ ネットワークの作成ツールと ドメイン ネットワークの追加ツールを一緒に使用すると、業界固有のニーズに合わせて構成される適切なネットワーク クラスが生成されます。
ユーティリティ ネットワークの作成ツール
ユーティリティ ネットワークの作成ツールは、指定したジオデータベース フィーチャ データセットにユーティリティ ネットワークを作成することを目的として使用します。 ユーティリティ ネットワークの作成中に、構造物ネットワークも作成されます。 構造物ネットワーク クラスは、他のフィーチャのサポートを提供する構造物フィーチャまたは他のフィーチャが格納されている構造物フィーチャのモデル化に使用されるため、すべてのドメイン ネットワークで共有されます。
要件と前提条件
ユーティリティ ネットワークを作成するための要件と前提条件を次に示します。
- 入力フィーチャ データセットとして使用する既存のフィーチャ データセット。
- エンタープライズ ジオデータベースを操作するとき、入力フィーチャ データセットは、データベース認証されたユーザーによって確立されたデータベース接続から取得する必要があります。 このユーザーは、コンテンツを作成するためのデータベース権限を持つ必要があり、このユーザーを OS 認証ユーザー、データベース管理者、またはジオデータベース管理者アカウントにすることはできません。 接続されたユーザーは、データベース ユーティリティ ネットワークの所有者になります。
- 供給エリア フィーチャクラスとしての役割を果たすフィーチャを含む、既存の M 対応および Z 対応のポリゴン フィーチャクラス。
- 供給エリア フィーチャクラスは、入力フィーチャ データセット内に存在する必要があります。 供給エリア フィーチャクラスのフィーチャの範囲は、ユーティリティ ネットワークのネットワーク範囲を定義するために使用されます。
- エンタープライズ ジオデータベースへの配置の場合、ArcGIS Enterprise 10.6 以降である必要があります。 ArcGIS Pro および ArcGIS Enterprise バージョンは、作成されたユーティリティ ネットワーク バージョンを決定します。 詳細については、「ArcGIS platform compatibility」をご参照ください。
ライセンス:
アクティブなポータル アカウントは、エンタープライズ ジオデータベースでユーティリティ ネットワークを作成、公開、操作するための ArcGIS Utility Network ユーザー タイプ エクステンションのライセンスが付与される必要があります。ジオデータベースのバージョンは、バージョン 10.8.1.2.6 以降である必要があります。
- コンテンツを公開する権限を持つポータル アカウントでログインして、アクティブな ArcGIS Enterprise ポータルを設定する必要があります。これらの権限には、サーバーベースのレイヤーを公開する権限と、コンテンツを作成、更新、削除する権限が含まれます。 デフォルトの公開者ロールには、これらの権限が組み込まれています。 アクティブな ArcGIS Enterprise ポータル アカウントは、ポータル ユーティリティ ネットワークの所有者としてネットワーク プロパティに記録されます。
- ArcGIS Server は Portal for ArcGIS とフェデレートされている必要があります。 ArcGIS Enterprise 基本配置の構成をお勧めしますが、必須ではありません。
サポートされているジオデータベース
ユーティリティ ネットワークは、エンタープライズ ジオデータベース、ファイル ジオデータベース、またはモバイル ジオデータベースに作成できます。 エンタープライズ ジオデータベースにユーティリティ ネットワークを作成するには、データベース プラットフォームが下の表の最小リリースを満たす必要があります。 詳細については、ArcGIS Pro のデータベース要件をご参照ください。
| データベース プラットフォーム | 最小リリース |
|---|---|
| SQL Server | SQL Server 2016 |
Oracle 12.1.0.2 | |
| PostgreSQL | PostgreSQL 10.17 |
| SAP HANA | HANA 2.0 SPS04 |
ユーティリティ ネットワークのジオデータベース内への作成
ユーティリティ ネットワークをジオデータベース内に作成するには、次の手順を実行します。
- [分析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール]
をクリックして [ジオプロセシング] ウィンドウを開きます。 - [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ユーティリティ ネットワークの作成] を検索して選択します。
- [入力フィーチャ データセット] で、ジオデータベース内の既存のフィーチャ データセット
を参照して選択します。 デフォルトでは、ジオデータベースは [カタログ] ウィンドウの [データベース] 
の下に作成されます。 - [ユーティリティ ネットワーク名] パラメーターに名前を指定します。
- [供給エリア フィーチャクラス] パラメーターにポリゴン フィーチャクラス
を指定します。 このフィーチャクラスは、手順 3 で指定した入力フィーチャ データセット内に存在しなければなりません。このフィーチャクラスは、ドメイン ネットワークの対象となる地理的範囲を表します。 このフィーチャクラスを使用すると、フィーチャがネットワーク エリアの外に作成されないように編集を制限できます。 ユーティリティ ネットワークの範囲 (編集領域) は、組み合わされたポリゴンの範囲です。
- [実行] をクリックして、このツールを実行します。
これで、フィーチャ データセットにユーティリティ ネットワーク データセットと構造物ネットワーク クラスが取り込まれます。
ユーティリティに固有のフィーチャを格納して管理するため、1 つ以上のドメイン ネットワークをユーティリティ ネットワークに追加できます。 詳細については、「ドメイン ネットワークの追加」をご参照ください。