モルワイデ図法

説明

モルワイデ図法は正積擬円筒図法で、2:1 の比率の軸を持つ楕円として世界を表します。この図法は、バビネ図法、楕円図法、ホモログラフ図法、またはホマログラフ図法とも呼ばれます。この図法は主題世界地図や、正確な面積を必要とするその他の世界地図に適しています。

モルワイデ図法は、1805 年に Karl B. Mollweide によって考案されました。ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。

Esri

モルワイデ図法の例
グリニッジを中心にしたモルワイデ図法による地図投影を示します。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、モルワイデ図法のプロパティについて説明します。

経緯線

モルワイデは擬円筒図法です。赤道と中心子午線は 2 本の垂直線として投影されます。中心子午線は、投影された赤道の半分の長さになります。2 つの子午線 (中心子午線の 90°E と 90°W) は、円として投影されます。他の子午線は等間隔に並ぶ半楕円で、中心子午線に対してくぼんだ形状になります。すべての緯線は、中心子午線に対して垂直な不等間隔の直線です。その間隔は、赤道から離れるにつれて小さくなります。投影図のアウトラインは楕円形になります。極はポイントとして表され、楕円の頂点となります (短軸上)。経緯線は赤道と中心子午線に対して対称的です。

歪み

モルワイデ図法は、等積 (正積) 図法です。一般に、形状、方向、角度、距離には歪みが生じます。中心子午線の 40 度 44 分 N および S 上の点には歪みは生じません。縮尺は 40 度 44 分 N および S 上で正確にあり、特定の緯線に沿って一定になります。特に高緯度の場所では、外側子午線の隆起により、投影図のエッジに近づくにつれて著しい歪みが生じます。歪みの値は、赤道と中心子午線で対称的となります。

使用法

モルワイデ図法は小縮尺のマッピングに適しています。特に、地域の特徴を描写する世界全体の主題図や、正確な面積を必要とする分析に向いています。

バリアント

ArcGIS には 2 つのバリアントがあります。どちらのバリアントも、球体ベースの地球モデルを正確にサポートします。

  • モルワイデ図法は ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。楕円体の場合、このバリアントは長半径と球体の数式を使用します。
  • モルワイデ図法球体補正は ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 9.3 以降で使用できます。楕円体の場合、このバリアントでは球体補正タイプのパラメーターで指定された球体と、球体の数式を使用します。

制限事項

回転楕円体の場合、等面積のプロパティは、モルワイデ図法球体補正バリアントで球体補正タイプ 3 が使用されている場合にのみ保持されます。それ以外の場合は、面積は楕円体で保持されません。

パラメーター

モルワイデ図法のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線

モルワイデ図法球体補正のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線
  • 球体補正タイプ、値は次のとおりです。
    • 0 = 地理座標系の長半径か半径を使用
    • 1 = 短半径または半径を使用
    • 2 = 正積半径を計算して使用
    • 3 = 正積半径を使用し、測地緯度を正積緯度に変換

ソース

Snyder, J. P. (1987). Map Projections: A Working Manual. U.S. Geological Survey Professional Paper 1395. Washington, DC: United States Government Printing Office.

Snyder, J. P. (1993). Flattening the Earth. Two Thousand Years of Map Projections. Chicago and London: University of Chicago Press.

Snyder, J. P. and Voxland, P. M. (1989). An Album of Map Projections. U.S. Geological Survey Professional Paper 1453. Washington, DC: United States Government Printing Office.