Location Referencing ライセンスで利用可能です。
ArcGIS Pipeline Referencing は、LRS (リニア リファレンス システム) ネットワーク、LRS ライン ネットワーク、LRS 派生ネットワークという 3 つのタイプのネットワークをサポートしています。
LRS ネットワーク
LRS ネットワークとは、特定のリニア リファレンス方法 (LRM) に基づいて計測されたルートのコレクションです。
例
走行距離計ネットワークおよび郡ネットワーク
LRS ライン ネットワーク
LRS ライン ネットワークとは、ラインへのルートを論理的にグループ化したもので、メジャー値は単調に増加または減少します。 このネットワーク タイプは、ルートにまたがるイベントをサポートし、数式もサポートします。
例
エンジニアリング ステーション ネットワーク フィーチャクラスは、ライン ネットワークとしてモデル化するために必要なフィールドを保持しています。
ルート ID | Route Name | ライン順序 | ライン ID | ライン名 |
---|---|---|---|---|
{1838BE01-0BC9-4C58-9829-0F1D77717DCB} | Route 1 | 100 | {C043CAF0-2BF7-4598-8AC8-B382647AD490} | Line A |
{26710A05-C499-42C1-BB73-D3A8D402B109} | Route 2 | 200 | {C043CAF0-2BF7-4598-8AC8-B382647AD490} | Line A |
{5582FB08-84E3-49D4-8781-1D3EF7B4F2E2} | Route 3 | 300 | {C043CAF0-2BF7-4598-8AC8-B382647AD490} | Line A |
LRS 派生ネットワーク
派生ネットワークとは、ライン ネットワークから生成されるネットワークです。 派生ネットワークでは、同じラインに属するルートがマージされ、始点メジャーが 0 のルートが 1 つ作成されます。
例
エンジニアリング ステーション ネットワーク フィーチャクラスを親ネットワークとして使用することで、連続的なネットワーク ルートを生成できます。 派生ネットワークは、メジャー値が連続しているルートのコレクションであり、分岐していない物理的パイプのコースです。 これらのメジャー値は、長さの報告やダイナミック セグメンテーション分析に使用することができます。
異なるタイプの LRS ネットワークが必要な理由
Pipeline Referencing は、1 つのジオデータベース内での複数のリニア リファレンスをサポートします。 組織内の部署が、多くの異なる LRM でメジャーを報告する必要が生じることがあります。 たとえば、建設や土木では、エンジニアリング メジャー (エンジニアリング ステーションとも呼ばれる) でイベントを収集、維持、および報告する必要があったり、他の事業体ではパイプの連続的な長さに基づいてメジャーを報告する必要があったりします。
Location Referencing では、現在、LRS (リニア リファレンス システム) で作成できるネットワークの数に制限がありません。 ただし、必要な LRS ネットワークのタイプは、組織のビジネス プロセスによって異なります。 次のビジネス ケースを考えてみます。
パイプライン組織では、パイプライン アセットを収集、管理、および維持する 3 つの事業部門があります。 この 3 つの事業部門はそれぞれ、測量、エンジニアリングおよび建設、規制およびコンプライアンスを担当しています。
測量グループはインライン検査 (ILI) データの収集を担当し、エンジニアリングおよび建設グループは新規の建設、再配置、作業指示管理を担当しています。 規制およびコンプライアンス グループは、パイプラインおよび有害物質安全局 (PHMSA) などの政府機関への報告書の提出と作成を担当しています。
この場合、3 つの事業部門をそれぞれ運営するには、3 種類の LRS ネットワークが必要になります。
- LRS ネットワーク - ILI の実行は、[イベントの追加 (Append Events)] ツールを使用してこのネットワーク タイプに読み込むことができ、走行距離計の計測値に基づいて ILI データの途切れのない連続的なメジャーを保持します。
- LRS ライン ネットワーク - [イベント メジャーの変換 (Translate Event Measures)] ツールを使用して ILI データから異常値などのデータを抽出し、LRS ライン ネットワークに変換できます。 その後、異常イベントを使用して、作業指示管理または運用グループに、エンジニアリング メジャーに基づくメジャーを報告することができます。
- LRS 派生ネットワーク - このネットワーク タイプは、距離レポートまたは PHMSA への報告に使用できます。 イベントはこのネットワーク タイプに登録できません。
異なるタイプの LRS ネットワークが必要な場合
ビジネス プロセスは、組織によって異なります。 ビジネス プロセスが 1 つのタイプのネットワークだけを必要とする場合は、複数の LRS ネットワークを構成する必要はありません。 たとえば、ビジネス プロセスが連続的なメジャーの維持と報告を必要とする場合は、非ライン LRS ネットワークのみをサポートするように LRS を構成できます。 同様に、ビジネス プロセスがイクエーション ポイントや他のエンジニアリング ステーショニングでデータを収集および維持する場合は、データ収集の際にデータを維持するよう LRS ライン ネットワークを構成し、連続的なメジャーの報告に向けて LRS 派生ネットワークを構成できます。 このシナリオでは、派生メジャーを格納するようにイベントを構成することもできます。
注意:
LRS 派生ネットワークは、LRS ライン ネットワークから生成されます。 LRS ライン ネットワークを構成しない場合は、LRS 派生ネットワークを構成できません。