ツールボックスのバージョンを解析 (Analyze Toolbox For Version) (データ管理)

サマリー

ツールボックスのコンテンツを解析し、前のバージョンの ArcGIS ソフトウェアとの互換性の問題を特定します。

このツールは、ツールボックス (ModelBuilderPython ベースの両ツール) を評価し、それに格納されている ArcGIS Pro ジオプロセシング ツールを決定します。 その後、ツールは使用されているソフトウェアのバージョンと指定されたターゲット バージョン間の互換性の問題を特定します。 互換性の問題は警告メッセージとして表示され、必要に応じてテキスト ファイルに書き込むことができます。

前のバージョンにツールボックスを保存する方法の詳細

使用法

    注意:

    ArcGIS Pro はジオプロセシング ツールの下位互換性をサポートしています。 以前のバージョンのソフトウェアで作成されたモデルとスクリプトは、新しいバージョンのソフトウェアで使用できます。 たとえば、ArcGIS Pro 2.9 で作成されたモデルは、ArcGIS Pro 3.0 で使用できます。 [ツールボックスのバージョンを解析 (Analyze Toolbox For Version)] ツールの目的は、ツールボックスが新しいバージョンのソフトウェア (ArcGIS Pro 3.0 など) で作成 (または編集) され、以前のバージョンのソフトウェア (ArcGIS Pro 2.9 など) で使用されるときに問題となる互換性の問題を特定することです。

  • 入力ツールボックスは変更されません。 ツールボックスを更新するには、[ツールボックスをバージョンに保存 (Save Toolbox To Version)] ツールを使用します。

  • このツールの互換性解析ツールは、各ターゲット バージョンに対してジオプロセシング ツールごとに互換性に関する既知の問題のリストをトラッキングします。

  • ArcGIS Pro システム ツールボックスの互換性の問題だけがトラッキングされます。

  • このツールの解析ツールは、ArcPy のジオプロセシング ツール機能以外のジオプロセシング ツール機能の互換性はトラッキングしません。 ジオプロセシング機能以外の機能を変更する (たとえば、arcpy.da.SearchCursor に変更する) と、互換性の問題が生じる可能性があります。

  • 互換性解析ツールは、次の互換性の問題を特定しレポートします。

    • ターゲット バージョンに存在しないシステム ツールボックスのジオプロセシング ツール。 たとえば、[PDF → TIFF (PDF to TIFF)] ツールは、2.9 より前のバージョンの ArcGIS Pro では使用できませんでした。
    • モデル変数またはツール パラメーターのジオプロセシング データ タイプはターゲット バージョンに存在しません (モデルのみ)。 たとえば、[ボクセル レイヤー] (GPVoxelLayer) のデータ タイプは ArcGIS Pro 2.6 以降でのみサポートされます。
    • ターゲット バージョンに存在しないツール パラメーター。 たとえば、[テンプレート テーブル] パラメーターは、ArcGIS Pro 2.6 で [フィールドの追加 (複数) (Add Fields)] ツールに追加されました。
    • ツール パラメーターの特定のプロパティへの変更。 次のパラメーター プロパティを変更すると、互換性の警告が生成されます。
      • パラメーター タイプ - パラメーターのタイプには、必須、任意、または派生を指定できます。
      • 方向 - パラメーターの方向には、入力と出力があります。
      • 値 - パラメーターのデフォルト値。
      • 複数値 - パラメーターは 1 つまたは複数の値に対応できます。
      • データ タイプ - パラメーターのデータ タイプ。[フィーチャクラス] (DEFeatureClass) など。
      • フィルター リスト - パラメーターに有効と見なされる値を制限するオプションとフィルター。
      • フィルター タイプ - パラメーターに関連付けられたフィルターのタイプ。 たとえば、パラメーターにフィルターなし、値のリスト、または値の範囲 (0 〜 10 など) を指定できます。 通常、フィルター タイプは、フィルターなしからフィルターありに変更されます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力

解析対象の入力ツールボックス (.tbx または .atbx)。

Python ツールボックス (.pyt) 形式は入力としてはサポートされていません。

Toolbox
ターゲット バージョン

ツールボックスの互換性解析に使用されるソフトウェア バージョンを指定します。

  • 10.6.0ArcGIS Desktop 10.6.0 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 10.7.0ArcGIS Desktop 10.7.0 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 10.8.0ArcGIS Desktop 10.8.0 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 10.8.2ArcGIS Desktop 10.8.2 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.2ArcGIS Pro 2.2 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.3ArcGIS Pro 2.3 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.4ArcGIS Pro 2.4 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.5ArcGIS Pro 2.5 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.6ArcGIS Pro 2.6 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.7ArcGIS Pro 2.7 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.8ArcGIS Pro 2.8 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.9ArcGIS Pro 2.9 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
String
出力ファイル
(オプション)

解析ツールによって特定された互換性の問題を含む、作成されるテキスト ファイル。

File

arcpy.management.AnalyzeToolboxForVersion(in_toolbox, version, {report})
名前説明データ タイプ
in_toolbox

解析対象の入力ツールボックス (.tbx または .atbx)。

Python ツールボックス (.pyt) 形式は入力としてはサポートされていません。

Toolbox
version

ツールボックスの互換性解析に使用されるソフトウェア バージョンを指定します。

  • 10.6.0ArcGIS Desktop 10.6.0 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 10.7.0ArcGIS Desktop 10.7.0 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 10.8.0ArcGIS Desktop 10.8.0 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 10.8.2ArcGIS Desktop 10.8.2 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.2ArcGIS Pro 2.2 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.3ArcGIS Pro 2.3 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.4ArcGIS Pro 2.4 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.5ArcGIS Pro 2.5 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.6ArcGIS Pro 2.6 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.7ArcGIS Pro 2.7 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.8ArcGIS Pro 2.8 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
  • 2.9ArcGIS Pro 2.9 がツールボックスの互換性の問題解析に使用されます。
String
report
(オプション)

解析ツールによって特定された互換性の問題を含む、作成されるテキスト ファイル。

File

コードのサンプル

AnalyzeToolboxForVersion の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、イミディエイト モードで AnalyzeToolboxForVersion 関数を使用する方法を示しています。

import arcpy
arcpy.management.AnalyzeToolboxForVersion(r"C:\toolboxes\MyTools.atbx", "2.7")

環境

このツールは、ジオプロセシング環境を使用しません。

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

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