ArcGIS クライアントとエンタープライズ ジオデータベース間の互換性は、使用する ArcGIS とデータベースのバージョンによって異なります。 ArcGIS クライアントとジオデータベースのバージョンが一致しない場合、データベースのバージョンが、ArcGIS とジオデータベースの両方のバージョンによってサポートされている必要があります。 使用する ArcGIS クライアントのバージョンについては、「Microsoft SQL Server に関する ArcGIS の要件」をご参照ください。 ArcGIS クライアント コンピューターにインストールするデータベース クライアントが、選択した ArcGIS のバージョンと SQL Server のバージョンに対応していることも確認してください。
ジオデータベースと ArcGIS クライアントを同じバージョンにしておく必要はありませんが、同じバージョンにしておくことをお勧めします。 ジオデータベースとクライアント ソフトウェアは連携して動作するように設計されており、一方のバージョンがもう一方のバージョンとかけ離れると、問題や予期しない動作が生じるリスクがあります。
これは、サイトで複数のクライアント バージョンを使用する場合に特に当てはまります。 新しいクライアントは、ジオデータベースに古いクライアントがアクセスできない新しいデータベース タイプを作成できます。 エンタープライズ ジオデータベースの場合、ジオデータベースのアップグレード間隔が長すぎると、ジオデータベースをアップグレードする前に、基礎になるデータベースを複数回アップグレードする必要があることがあります。
エンタープライズ ジオデータベースのジオデータベース バージョンは、システム テーブルに格納され、ジオデータベース管理者が [データベース プロパティ] ダイアログ ボックスから使用できます。 このバージョンは、ジオデータベースの作成またはアップグレードに使用したクライアント バージョンを示しています。 このジオデータベース バージョンは主に Esri サポートが問題解決のために使用しているもので、ユーザーが使用できる機能をすべて反映しているわけではありません。ジオデータベース機能の多くは、ジオデータベースそのものではなく、ジオデータベースにアクセスするクライアントに実装されているからです。
混在したバージョンの接続に関するルール
互換性には次のルールが適用されます。
- ArcGIS Pro 2.2 以前および ArcGIS 10.6.1 以前のクライアントは、SQL Server の 11.x 以降のジオデータベースに接続できません。
- クライアントとジオデータベースには、サポート対象バージョンの ArcGIS を使用してください。
- エンタープライズ ジオデータベースは、使用するジオデータベースおよび ArcGIS のバージョンに対応するバージョンの SQL Server に保存する必要があります。 ArcGIS クライアント コンピューターにインストールするデータベース クライアントが、使用する ArcGIS のバージョンに対応している必要があります。 サポートされているデータベースおよびデータベース クライアントのバージョンについては、「Microsoft SQL Server での ArcGIS 要件」をご参照ください。 古いソフトウェア バージョンとその他のオペレーティング システムの情報については、[他のバージョン] ドロップダウン リストを使用してご参照ください。
- ArcGIS クライアントには、当該クライアントの API も含まれています。 このため、API を使用してジオデータベースにアクセスする場合も、同様の混在したリリースのルールが適用されます。
- クライアントを ArcGIS Field Maps や ArcGIS Survey123 などの ArcGIS Server サービスに接続して使用する場合、実際には ArcGIS Server がジオデータベースのクライアントになります。 この場合は、ArcGIS Server とジオデータベースのバージョンに互換性があることを確認してください。
- 新しい ArcGIS クライアントから古いリリースのエンタープライズ ジオデータベースに接続する際、そのリリースのジオデータベースに最新のパッチが存在する場合は、そのパッチをジオデータベースに適用します。
- 古い ArcGIS クライアントでは、新しいリリースのジオデータベースのデータを表示、検索、編集、および保存することはできますが、新しい機能が含まれたデータセットを開くことはできません。 古い ArcGIS クライアントから新しいデータセット タイプにアクセスしようとすると、次のエラー メッセージが表示されます。
このデータセットは、このバージョンのジオデータベース クライアントとの互換性がないため開くことができません。
データを追加できませんでした。データ タイプがサポートされていません。
- ジオデータベース レプリケーションを使用する場合、子レプリカ ジオデータベースのバージョンは親レプリカ ジオデータベースと同じかそれ以降でなければなりません。
- ArcMap を使用して、ArcGIS Pro に固有の機能を使用しているデータセットにアクセスすることはできません。 たとえば、ブランチ バージョン対応データセット、ユーティリティ ネットワーク、または ArcMap の属性ルールを含むデータセットにはアクセスできません。
- ジオデータベースをアップグレードし、[データセットのアップグレード (Upgrade Dataset)] ジオプロセシング ツールを使用して特定のデータセットをアップグレードした場合、ArcMap または ArcGIS Pro 2.9 以前のいずれからもデータセットを開くことができない場合があります。