アーカイブ履歴の切り取り

ジオデータベースの履歴管理をしばらく使用していた場合や、オフラインでデータを取得して、履歴管理対象テーブルおよびフィーチャクラスを頻繁に編集する場合、編集履歴が保存されるため、アーカイブ テーブルは時間とともに大きくなります。

アーカイブ テーブルのサイズが大きいと、ストレージとバックアップの管理に関する意思決定に影響します。また、システムに対してデータ量が大きくなると、パフォーマンスに影響する可能性があります。 一部の組織は、バージョン非対応の履歴管理を使用することがあります。これは、特定の機能に必要ではあるが、履歴レコードは必要でないためです。 最近の履歴のみが必要で特定の期間より古いレコードを削除したい、あるいは関連のないデータ変更のアーカイブ履歴を削除したいと考える組織もあります。

アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History) ツール

アーカイブ テーブルのサイズを減らすには、アーカイブ履歴の切り取りジオプロセシング ツールを使用して、バージョン非対応の履歴管理データセットから廃止された列を削除します。エンタープライズ ジオデータベースの履歴管理の無効化や同期処理ワークフローの中断は不要です。

[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ツール

要件

[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ジオプロセシング ツールの準備を行う際は、次の点を考慮します。

  • このツールは、バージョン非対応の履歴管理データセットでのみ使用できます。
  • このツールを実行するには、データ所有者としてジオデータベースに接続する必要があります。
  • このツールは、エンタープライズ ジオデータベースに格納されたデータセットのみをサポートしています。 サポートされているデータベースは以下のとおりです。
    • IBM Db2
    • Microsoft SQL Server
    • Oracle
    • PostgreSQL

関連データの操作

[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ジオプロセシング ツールでは、入力として 1 つのデータセットしか指定できません。 入力データセットが他のデータセットと関連している場合、入力データセットと関連するすべてのテーブルが、同じ設定 (たとえば、すべての廃止行や入力日付別の廃止行) を使用して削除されます。

複製されたデータの操作

[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ジオプロセシング ツールは、レプリカの同期を優先します。 入力テーブルまたは関連するテーブルがレプリカによって参照される場合、入力される切り取り日付は、参照されるレプリカの最終同期日付より古くなければなりません。 入力された切り取り日付が最終同期日付よりも新しい場合、[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ジオプロセシング ツールは失敗し、レプリカ名と最終同期日付 (UTC) を示します。 入力切り取り日付を空白のままにすると、現在の日時を入力したものと見なされます。

レプリカが原因でアーカイブ履歴の切り取りが行われない場合は、より前の日付を入力するか、[レプリカの登録解除 (Unregister Replica)] ジオプロセシング ツールを使用してレプリカの登録を解除する必要があります。 レプリカ情報は、ArcGIS Pro の [レプリカの管理] ウィンドウから取得するか、フィーチャ サービス ベースのレプリカの場合は、レプリカ (フィーチャ サービス) を使用してレプリカのリストを入手できるフィーチャ サービスから取得することができます。 今後使用されないレプリカのみを登録解除します。 レプリカの登録を解除すると、編集内容の同期処理に再度使用することはできません。

アーカイブ履歴の切り取り

[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ジオプロセシング ツールを使用して、データセットから廃止された行を削除するには、次の手順を実行します。

  1. ArcGIS Pro[ジオプロセシング] ウィンドウで、[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ジオプロセシング ツールを探します。

    [アーカイブ履歴の切り取り] ダイアログ ボックスが表示されます。

    [アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ジオプロセシング ツール

  2. 参照ボタンを使用して、アーカイブされた行を削除するバージョン非対応アーカイブ データセットを入力テーブルに追加します。 ドロップダウン メニューを使用して、マップにある履歴管理が有効なバージョン非対応データセットを追加することができます。
    注意:

    • 入力テーブルは、履歴管理が有効である必要があります。
    • 入力テーブルは、バージョン非対応である必要があります。 バージョン対応テーブルはサポートされていません。

  3. [切り取りモード][削除] を選択して、アーカイブ履歴を切り取ります。
    注意:

    ArcGIS Pro 現在のバージョンでは、[切り取りモード] では [削除] のみ使用できます。

  4. 必要に応じて [指定日よりも前を切り取り] に値を入力します。 次のオプションを使用できます。
    [指定日よりも前を切り取り] オプションが指定された [アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ツール
    • [指定日よりも前を切り取り] パラメーターを空白のままにすると、ツールは廃止されたすべての行を削除しようとします。いずれかの行が、それらの行を同期処理していないレプリカによって参照されている場合、削除は行われません。
    • [指定日よりも前を切り取り] パラメーターに値が入力されている場合、ツールは入力値より古い廃止済み行を削除しようとします。 廃止された行が、それらの行を同期処理していないレプリカによって参照されている場合は、[指定日よりも前を切り取り] により古い日付を入力するか、レプリカの登録を解除する必要があります。
    注意:

    バージョン非対応データの履歴管理では、UTC を使用して時間を表示します。したがって [指定日よりも前を切り取り] の値も UTC タイム スタンプ形式でなければなりません。

    たとえば、フィーチャが 2020 年 4 月 24 日の 3:30 p.m. (EDT) に作成された場合、GDB_FROM_DATE フィールドには「2020-04-24 19:30:00」と記録されます。この日時は UTC で表された編集日時であり、コンピューターの日付と時刻ではありません。

削除されたアーカイブ履歴の確認

入力データセットまたは関連データセットに削除する行がない場合、[アーカイブ履歴の切り取り (Trim Archive History)] ツールは正常に終了し、テーブルに削除対象の行がなかったことを示す警告を返します。 切り取りが完了すると、フィーチャクラスまたはテーブルのプロパティ ダイアログ ボックスの [ソース] タブで、データセットが最後に切り取られた日付を参照できます。 また、[ソース] タブでは、履歴管理が有効になっている日時 (UTC) を含む履歴管理プロパティと、値が入力された [アーカイブ名] プロパティを確認することもできます。

アーカイブ履歴の切り取りジオプロセシング ツールの最終実行日時を表示したフィーチャクラス プロパティ