等級色シンボルを使用すると、シンボルの色を変化させて、マッピングされたフィーチャ間の定量的な差異を示すことができます。 データが範囲に分類され、範囲ごとに、その範囲を表す配色内の異なる色が割り当てられます。 たとえば、分類方式に 5 つのクラスがある場合は、5 つの異なるシンボル色が割り当てられます。 シンボルのサイズは同じままです。 このように色で変化するマップを一般にコロプレス マップと呼びます。 通常は、連続配色を選択して同じ色の異なる階調を適用し、薄い色が小さいデータ値を表し、濃い色が大きいデータ値を表すようにします。
クラスの数が比較的少ない場合は、色の変化を区別できるため、シンボル色は事象の規模の差異を表現できる効果的な方法です。 マップ上でわかりやすく区別できる色の数の大まかな上限は、全部で 7 色です。 特に、薄い色を使用している場合は、クラスの数が多くならないようにします。 シンボル色は配色から適用されますが、各シンボル クラスの色を変更することもできます。 つまり、それぞれのクラスを区別するのに十分なばらつきのある一連の色を独自に作成することができます。
データを分類すると、維持することが重要となる特定の値 (中央値や他の重要な閾値など) を中心にデータが変動する場合があります。 たとえば、プラスの変化とマイナスの変化を示すデータが値 0 を中心に変動することがあります。 連続配色を使用して 0 に近い値に中間色を適用するのではなく、0 がデータ分布における変曲点であることを明確に示したい場合があります。 この場合には、該当するシンボル クラスに重要な分岐点を追加して、分散配色を適用します。 設定すると、あるクラスの上限と次のクラスの下限で重要な分岐値が強制的に使用されます。
等級色シンボルの基準をデータセット内の属性フィールドにするか、シンボル表示する数値を生成する Arcade 条件式を作成することができます。
[プライマリ シンボル] タブ には 3 つのサブタブがあり、そこで等級色によるシンボル表示を指定できます。
- [クラス] タブでは、シンボルの管理、クラスへの値の手動割り当て、説明ラベルの作成、シンボル クラスのグループ化を行えます。
- [ヒストグラム] タブでは、シンボル クラスのデータ範囲を表示して編集できます。 詳細については、「ヒストグラム」をご参照ください。
- [縮尺] タブでは、各シンボル クラスを描画する縮尺範囲を指定できます。
- [コンテンツ] ウィンドウでフィーチャ レイヤーを選択します。 リボンの [フィーチャ レイヤー] タブで [描画] グループにある [シンボル] をクリックして [等級色] をクリックし、[シンボル] ウィンドウを開きます。
- [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] タブ で、マップ化するデータの数値フィールドを選択します。
- または、式のボタン をクリックして、[式の設定] ダイアログ ボックスを開きます。 式を作成し、[確認] をクリックして整合チェックを実行します。
式が有効であっても有効な数値を返さない可能性があることに注意してください。 これを回避するには、数値フィールドのみを表示するように、[式の設定] ダイアログ ボックスのフィルター ボタン を使用します。
- データを正規化するには、[正規化] メニューからフィールドを選択します。 [全体の割合] を選択し、データ値を除算して比率を作成するか、[Log] を選択し、各値の対数に基づいてシンボル表示します。
データセットに有意な外れ値が含まれている場合は、これが小さな範囲の値を生成する効果的な方法となることがあります。 正規化を使用できるのは、等級色シンボルの基準がフィールドの場合に限ります。 式に基づいてシンボル表示される場合は、[正規化] フィールドが無効になります。
- 適切な分類方法とクラス数を使用して、データを分類します。
- 配色を選択します。
レイヤー内の分類方法とクラス数によって、主要なスタイルの中からリスト内に表示される配色が決定されます。 たとえば、標準偏差でデータを分類する場合は、分散配色を使用できます。 5 つのクラスを表示する場合は、連続配色と 5 つのクラスを持つ配色のみが表示されます。 お気に入りスタイルまたはカスタム スタイルに格納された配色は、色のタイプや数に関係なく、このリストに常に表示されます。
注意:
デフォルトでは、配色の色がすべてのシンボル クラスに適用されます。 シンボル クラスのサブセットにのみ配色を適用するには、[シンボル] ウィンドウの [クラス] タブにあるテーブルで強調表示することで対象のクラスを選択します ([上限値] 列か [ラベル] 列をクリックしながら、Shift か Ctrl を押したままシンボル クラスを選択します)。シンボル クラス行を選択した状態で、[シンボル] ウィンドウの上部にある [配色] ドロップダウン リストから配色を選択します。
必要に応じて、[選択の解除] ボタン をクリックしてシンボル クラスの選択を解除します。
配色ターゲットの設定
ポリゴンをシンボル表示する場合は、[配色オプション] ボタン をクリックし、配色のターゲットを選択します。 ポリゴン塗りつぶしまたはポリゴン アウトライン、もしくはその両方に色を適用できます。
配色ターゲットを変更すると、各シンボル クラスをシンボル表示している、ポリゴンの片方のシンボル レイヤーは更新されなくなります。 たとえば、配色ターゲットを [アウトラインに適用] に設定している場合、塗りつぶしシンボル レイヤーは更新されず、配色ターゲットを [塗りつぶしに適用] に設定した場合、ポリゴンのアウトラインは変更されません。 これは、カスタマイズされたシンボルが失われることがないようにするためです。 色が固定されているシンボル レイヤーは、配色ターゲットの設定にかかわらず、配色の変更によって更新されることはありません。
配色ターゲット設定に一致するようにすべてのシンボル レイヤーを更新するには、[詳細] ドロップダウン メニューをクリックし、[すべてのシンボルの再生成] をクリックします。
配色ターゲット | 結果 | シンボルの再生成後の結果 |
---|---|---|
塗りつぶしに適用 | 配色はポリゴン シンボルの塗りつぶし (塗りつぶしシンボル レイヤー) に適用されます。 | 配色はポリゴン シンボルの塗りつぶしに適用されます。 ポリゴン アウトライン (ストローク シンボル レイヤー) はグレーの実線になります。 |
アウトラインに適用 | 配色はポリゴン シンボルのアウトライン (ストローク シンボル レイヤー) に適用されます。 | 配色はポリゴンのアウトラインに適用されます。 ポリゴン塗りつぶしは完全な透明になります。 |
塗りつぶしおよびアウトラインに適用 | 配色はポリゴン シンボルの塗りつぶしとアウトライン (塗りつぶしシンボル レイヤーとストローク シンボル レイヤー) に適用されます。 | 配色はポリゴンのアウトラインに適用されます。 配色はハッチとしてポリゴンの塗りつぶしに適用されます。 |
等級色シンボルの変更
[プライマリ シンボル] タブ の [クラス] タブでは、次の操作を実行できます。
- 分類を調整するには、各分類の [上限値] に新しい値を入力して手動で編集します。
- 重要な値を中心に重要な分岐点を設定するには、該当するシンボル クラスを右クリックして [重要な分岐点として設定] をクリックします。 分散配色を選択して、重要な値をハイライト表示します。 重要な分岐点を削除するには、該当するシンボル クラスを右クリックして [重要な分岐点の削除] をクリックします。 分類の閾値を削除するには、[上限値] セルを右クリックして [削除] をクリックします。
- (新規に追加された後、削除されたクラスに属しているか、NULL 値が含まれているために) 範囲外となった値を表示するには、[詳細] をクリックした後、[範囲外の値を表示] をクリックします。 ソース データが変更されたか、更新されている場合は、[詳細] をクリックし、[値の更新] をクリックして値の範囲を更新します。
- 各シンボル クラスのフィーチャ総数を表示するには、[詳細] メニューをクリックして、[データの個数を表示] を選択します。 数を更新するには、テーブルの [データの個数] 列を右クリックして、[データの個数を更新] を選択します。
- シンボルを編集するには、[シンボル] セルで該当するシンボルをクリックして、[シンボルの書式設定] ウィンドウを開きます。
- シンボルの凡例パッチ形状を設定するには、シンボルの横のドロップダウン矢印をクリックします。 複数の凡例パッチ形状を一度に変更するには、Shift を押しながらクリックするか、Ctrl を押しながらクリックしてシンボルを選択し、選択した値を右クリックし、[凡例パッチの更新] をクリックします。
- 現在のシンボル パラメーターに基づいて各シンボル クラスをデフォルト シンボル クラスにリセットするには、[詳細] ドロップダウン メニューをクリックし、[すべてのシンボルの再生成] をクリックします。 配色ターゲットを変更した後にこの操作を行うこともあれば、個別に多数のシンボル編集を行った後に基の設定に戻すこともあります。
- ラベルを編集するには、[ラベル] セルで該当するテキストを右クリックして [ラベルの編集] をクリックします。
[高度なシンボル オプション] タブ では、次の操作を実行できます。
- ラベルを書式設定するには、[ラベルの書式設定] を展開します。
- デフォルトでは、統計情報とクラス範囲の計算に使用されるサンプル数は 10,000 レコードに設定されます。 最大サンプル数を変更するには、[サンプル サイズ] を展開して、[最大サンプル数] の値を変更します。 サンプル数を制限するとパフォーマンスが向上しますが、データセット内の重要な外れ値を誤って除外する可能性があります。 一般的に、データセットが大きくなるほど、多くのサンプル数を使用します。
- フィーチャごとのマスクを設定するには、[フィーチャ レベル マスキング] を展開します。
- シンボル スキーマからデータ値を除外し、必要に応じて除外する値の代替シンボルを定義するには、[データの除外] を展開してクエリを定義します。 除外した値の表示を停止するには、[プライマリ シンボル] タブ で [詳細] をクリックし、[除外する値の表示] をオフにします。
ヒストグラムでのクラス閾値の変更
ヒストグラムには、クラスを編集したり、データが別の分類方法でどのように表されるかを確認したりすることができる視覚化ツールが用意されています。 [プライマリ シンボル] タブ の [ヒストグラム] タブをクリックすると、ヒストグラムにアクセスできます。
- ヒストグラムの灰色のバーは、データの分布を表します。 側面に沿って配置されるストップは、現在の分類方法がデータ分布にどのように適用されるかを示します。
- 分布とクラス閾値を簡単に確認できるようにするには、ヒストグラムの上にある拡張バーを上向きにドラッグしてウィンドウ内で拡大表示します。
注意:
ヒストグラムに動的な編集を加えると、分類方法が [手動] に切り替わります。
透過表示、回転、またはサイズで等級色シンボルに変化を付ける
等級色シンボルでフィーチャの規模を指定するだけでなく、等級色シンボルの透過表示、回転、サイズを変化させて追加属性をシンボル表示することもできます。 このような変化はビジュアル変数と呼ばれることもあります。 これらのビジュアル変数をすべて同時に適用することもできますが、変化が多すぎると、レイヤーを解釈することが難しくなるのでご注意ください。 セカンダリ ビジュアル変数シンボルは控えめに適用することをお勧めします。
- [シンボル] ウィンドウで、[属性によってシンボルを変更] をクリックします。
- [透過表示]、[回転]、または [サイズ] を展開します。
ポリゴン フィーチャの場合は、[アウトライン幅] が [サイズ] を置換し、[回転] はなくなります。