正距方位図法

説明

正距方位図法では、中心点からの距離と方向の両方が維持されます。地球上の任意のポイントから平面上に世界が投影されます。すべての地域 (赤道、極、斜軸) で使用できますが、最もよく使用されるのは極地点です。この場合は、正距性を維持するためにすべての経線と緯線が均等に分割されます。

この投影法は、最初にエジプト人が星図のために使用したと考えられています。ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。

正距方位図法の例
北極を中心とした正距方位図法による地図投影を示します。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、正距方位図法のプロパティについて説明します。

経緯線

正距方位図法は方位図法です。

極座標面では、子午線は極を原点とする直線として投影され、直線間の角度は正確です。緯線は、等間隔の同心円として表示されます。経緯線の交点はすべて 90°です。反対極は円として投影され、地図の端を表します。経緯線は対称的です。

赤道アスペクトでは、赤道と中心子午線は 2 本の垂直線として投影されます。中央子午線から 90°東および西にある 2 つの子午線は、円として投影されます。他の子午線は、赤道に沿った等間隔の複素曲線になります。すべての緯線は、中央子午線および中央子午線から 90°東および西にある子午線に沿って等間隔に配置されます。これらの複素曲線は、近いほうの極に向かってくぼんでいます。両極がポイントとして投影されます。投影の中心にある対蹠点は円として投影され、地図の端を表します。経緯線は赤道と中心子午線に対して対称的です。

斜軸の場合、中央子午線と 180 度経線のみが直線として投影されます。他の子午線および緯線は複素曲線になります。経線は極で交差し、極はポイントとして投影されます。緯線は中央子午線に沿って等間隔に配置されます。投影の中心にある対蹠点は円として投影され、地図の端を表します。経緯線は中心子午線に対して対称的です。

歪み

この図法は、中心点からの距離と方向の両方を保持します。マップの中心から放射状に伸びる直線に沿った縮尺のみが正確です。極座標面では、子午線に沿った縮尺が対象です。その他の領域では、形状、縮尺、および面積の歪みは中心点から外側に向かうにうつれて増加します。経緯線の対称性に従って、歪みも対称的になります。

使用法

この図法は地球全体を表示できますが、実際は半球に限定して使用される場合がほとんどです。この図法は、極地域の地図と、適切な縦横比を備えた航空または海上ナビゲーションのルート検索に最もよく使用されます。斜軸法は、重要な都市およびその周辺地域で使用されることがあります。

オプション

ArcGIS には 2 つのオプションがあります。

  • 正距方位図法は、ArcGIS Pro 1.0 以降および ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。
  • 正距方位図法 (球体補正) は、ArcGIS Pro 1.0 以降および ArcGIS Desktop 9.3 以降で使用できます。このオプションは楕円体をサポートしていないため、ユーザーが [球体補正タイプ] パラメーターで指定した球体による球体ベースの条件式を使用します。このオプションで楕円体を使用すると、中心点からの正確な距離および方向は維持されません。

制限事項

この図法で楕円体をサポートしているオプションは、正距方位図法のみです。

パラメーター

正距方位図法のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線
  • 原点の緯度

正距方位図法 (球体補正) のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線
  • 原点の緯度
  • 球体補正タイプ (値は以下のとおり):
    • 0 = 地理座標系の長半径または半径を使用
    • 1 = 短半径または半径を使用
    • 2 = 正積半径を計算および使用
    • 3 = 正積半径を使用し、地理緯度を正積緯度に変換

ソース

Snyder, J. P. (1987). Map Projections: A Working Manual. U.S. Geological Survey Professional Paper 1395. Washington, DC: United States Government Printing Office.

Snyder, J. P. (1993). Flattening the Earth. Two Thousand Years of Map Projections. Chicago and London: University of Chicago Press.

Snyder, J. P. and Voxland, P. M. (1989). An Album of Map Projections. U.S. Geological Survey Professional Paper 1453. Washington, DC: United States Government Printing Office.