鉛直座標系は、回転楕円 (楕円体の) 面または重力依存 (ジオイドの) 面の 2 種類の表面を基準とすることができます。ほとんどの鉛直座標系は、重力に関連しています。重力依存の鉛直座標系は、多くの場合、特定の地理座標系と緩やかに結び付いています。特定の鉛直座標系をさまざまな水平座標系と併用することができます。重力依存の鉛直座標系のゼロ地点には、局地的な平均海面または基準点を設定することができます。平均海面は、地形や大気の影響などにより、場所によって異なります。
重力依存の鉛直座標系は、定義の一部として鉛直測地基準系を含んでいます。次に例を示します。
VERTCS["National_Geodetic_Vertical_Datum_1929",VDATUM["NGVD_1929"],PARAMETER["Vertical_Shift",0.0],PARAMETER["Direction",1.0],UNIT["Meter",1.0]]
回転楕円体鉛直座標系は、地理座標系の回転楕円体に基づく高さを定義します。GPS (全地球測位システム) ユニットは、WGS84 (World Geodetic System of 1984) 楕円体を基準とする高さを元々出力します。GPS ユニットに搭載されたジオイド モデルは、楕円体に基づく高さを重力依存の標高に変換します。回転楕円体の高さはジオメトリ上の数値であり、地理座標系の回転楕円体が実際の地球の表面よりも上または下に位置するため、物理的には意味を成しません。ある地域の回転楕円体に基づく高さは、重力、つまり水の流れを反映しないことがあります。回転楕円体に基づく高さを扱う際には、水が上向きに流れるように表示される可能性があります。
回転楕円体に基づく高さまたは深さを持つ鉛直座標系には、鉛直測地基準系ではなく、測地基準系の定義が含まれます。次に例を示します。
VERTCS["WGS_1984",DATUM["D_WGS_1984",SPHEROID["WGS_1984",6378137.0,298.257223563]],PARAMETER["Vertical_Shift",0.0],PARAMETER["Direction",1.0],UNIT["Meter",1.0]]