ピラミッドの環境を反映するツールは、ピラミッドが有効なラスターのみを処理します。ERDAS IMAGINE ファイルのピラミッドでは、設定可能なオプションが限定されます。
ピラミッドとは、データセットの低解像度の表現であり、パフォーマンスを改善するために使用されます。ピラミッドは、表示に必要な特定の解像度でのみデータを取得することで、ラスター データの表示速度を高めることができます。ピラミッドは元のデータのリサンプリングによって作成されます。リサンプリング方式では、ピラミッドを構築する際のデータのリサンプリング方法をサーバーに指示します。
使用上の注意
- ピラミッド レベルとは、ピラミッドを構築したときに作成される低解像度のデータセット (ピラミッド レイヤー) の数を指します。デフォルトでは、ArcGIS が最適なレベルのピラミッドを選択できるようにテキスト ボックスを空のままにします (推奨)。値を -1 にすると、空のテキスト ボックスと同じ結果が得られます。値を 0 にすると、ピラミッド レベルなしになります。指定できるピラミッド レベルの最大数は 29 です。
- ピラミッドを構築するときに制御可能なラスター格納形式については、「ラスター格納マトリックス」をご参照ください。
- 土地利用データ、スキャンしたマップ、疑似カラー画像など、名目データやカラーマップ付きのラスター データセットでは NEAREST を使用します。
- 衛星画像や航空写真などの連続データでは、BILINEAR または CUBIC を使用します。
- ピラミッドを構築しなければ格納領域が節約されますが、大きなラスター データセットでは特に表示速度が低下します。
- 最初のピラミッド レベルをスキップするとピラミッドのサイズが小さくなりますが、 縮尺を小さくしたときの表示速度が低下します。最初のピラミッド レベルが大きい場合、これをスキップしてディスク容量を節約したいときに適しています。
- JPEG 圧縮は、すべてのピクセル タイプでサポートされているわけではありません。そのため、デフォルトの圧縮方式である LZ77 が必要に応じて適用されます。
- ピラミッド圧縮は、ジオデータベースのラスター データセットでは無視されます。これは、ピラミッドがラスター データセットと同じ圧縮方式を使用するためです。
ダイアログの構文
- [ピラミッド構築] - ラスターのピラミッドを構築するには、このチェックボックスをオンにします。
- [ピラミッド レベル] - ピラミッド レベルの数を指定します。作成するレベルの数を指定するか、空白のままにしてすべてのレベルを構築することができます。
- [先頭をスキップ] - ラスターの最初のピラミッド レベルをスキップする場合に、このチェックボックスをオンにします。
- [ピラミッドのリサンプリング手法] - ピラミッドの構築に使用するリサンプリング手法。
- [最近隣内挿法] - リサンプリング時に、最も近いセルの値を使用して出力セルに値を割り当てます。これがデフォルトです。
- [共一次内挿法] - 4 つの最近隣入力セルの中心の重み付けされた距離に基づいてセルの新しい値を決定します。
- [三次たたみ込み内挿法] - 16 の最近隣入力セルの中心を通る滑らかなカーブの適合に基づいて、セルの新しい値を算出します。
- [ピラミッドの圧縮タイプ] - ラスター ピラミッドを構築するときに使用する圧縮タイプ。
- [デフォルト] - ウェーブレット圧縮を使用してソース データを圧縮すると、JPEG 圧縮タイプでピラミッドが構築されます。それ以外の場合は、LZ77 が使用されます。これがデフォルトの圧縮方法です。
- [LZ77] - LZ77 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。LZ77 はすべてのデータ タイプに使用できます。
- [JPEG] - JPEG 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。JPEG 圧縮仕様に準拠したデータだけが、この圧縮タイプを使用できます。[JPEG] を選択した場合は、圧縮品質を設定できます。
- [JPEG_YCbCr] - 輝度 (Y) および彩度 (Cb と Cr) の色空間コンポーネントを使用する非可逆圧縮方式。
- [なし] - ピラミッドを構築するときに、圧縮を行いません。
- [圧縮品質 (1 ~ 100)] - JPEG 圧縮方法でピラミッドを構築するときに使用する圧縮品質。
スクリプトの構文
arcpy.env.pyramid = "pyramid_option {levels} {interpolation_type} {pyramid_compression} {compression_quality} {skip_first}"
パラメーター | 説明 |
---|---|
pyramid_option (必須) | ピラミッドを構築するかどうかを指定します。
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levels (オプション) | 構築する低解像度データセット レイヤーの数を指定します。デフォルト値の -1 では、完全なピラミッドの構築がサーバーに指示され、そのレベルはサーバーで計算されます。値を 0 にすると、ピラミッド レベルなしになります。指定できるピラミッド レベルの最大数は 29 です。30 以上の値を指定した場合、値は -1 に戻され、ピラミッドの完全なセットが作成されます。 |
interpolation_type (オプション) | 以下のリサンプリング方法が使用されます。
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pyramid_compression (オプション) | ラスター ピラミッドを構築するときに使用する圧縮タイプは、以下のとおりです。
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compression_quality (オプション) | JPEG 圧縮法でピラミッドを構築するときに使用する圧縮品質。 |
skip_first (オプション) |
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スクリプトの例
import arcpy
# Set the pyramid environment to build all pyramids levels with cubic
# convolution resampling, LZ77 compression
arcpy.env.pyramid = "PYRAMIDS -1 CUBIC LZ77 NO_SKIP"