マルチスケール地理空間加重回帰分析 (MGWR) (空間統計)

サマリー

空間的に変化する関係をモデリングするローカル線形回帰である、マルチスケール地理空間加重回帰分析 (MGWR) を行います。

MGWR は地理空間加重回帰 (GWR) に基づいています。 MGWR は、説明変数の係数値が空間内で変動するローカル回帰モデルです。 各説明変数は異なる空間スケールで操作される可能性があります。 GWR ではこれは考慮されませんが、MGWR では説明変数ごとに異なる近傍 (バンド幅) を使用することでこれが考慮されます。 説明変数の近傍 (バンド幅) によって、ターゲット フィーチャに適合する線形回帰モデルの説明変数の係数の推定に使用されるフィーチャが決まります。

マルチスケール地理空間加重回帰分析 (Multiscale Geographically Weighted Regression (MGWR)) の詳細

マルチスケール地理空間加重回帰分析の図
各説明変数の近傍にはバイスクエア カーネルが適用されます。 各説明変数は、別のバンド幅を使用して、変動する空間関係を捕捉します。

使用法

  • このツールは、数百個以上のフィーチャを伴うデータセットで最も効果的です。 このツールは、小規模なデータセットには適していません。 このツールをマルチポイント データに使用することはできません。

  • [入力フィーチャ] パラメーターは、モデル化している現象 ([従属変数] の値) を表すフィールドと [説明変数] の値を表す 1 つ以上のフィールドとともに使用します。 これらのフィールドは数値で、値の範囲を含む必要があります。 従属変数または説明変数に欠損値があるフィーチャは、解析から除外されます。ただし、[欠損値の補完 (Fill Missing Values)] ツールを使用して、[マルチスケール地理空間加重回帰分析 (Multiscale Geographically Weighted Regression)] ツールを実行する前にデータセットを完全なものにすることができます。

  • 現在のモデルは、連続する値を表す従属変数のみを受け付けます。 ツールをカウント、レート、またはバイナリ (インジケーター) の従属変数とともに使用しないでください。 現在は、[モデル タイプ] パラメーターの [連続] オプションのみがサポートされています。 その他のオプションは、今後のリリースで追加される予定です。

    非連続従属変数が与えられると、負のカウント数や 1 より大きい確率など、意味のない結果がもたらされる場合があります。

    注意:

    説明変数 (従属変数ではなく) は、どのようなタイプでもかまいませんが、カウント、レート、またはバイナリの説明変数を使用する場合は注意してください。 非連続説明変数を使用するローカル回帰モデルでは、ローカル多重共線性の問題がよく発生します。 説明変数がグローバルまたはローカルで高い相関性を示す場合、ツールでは、多重共線性によるエラー 110222 が発生することがあります。

    多重共線性の詳細

  • [従属変数] [説明変数] パラメーターにも必要です。 単一の定数を含むフィールド、異なる複数の空間様式を表すインジケーター説明変数を含むフィールド、または空間的にクラスタリングされたカテゴリ変数を含むフィールドを使用しないでください。

  • カテゴリ説明変数を使用するには、[フィールドのエンコード (Encode Field)] ツールを使用して、カテゴリをインジケーター (0 または 1) 変数に変換する必要があります。 これらのインジケーター変数は、[マルチスケール地理空間加重回帰分析 (Multiscale Geographically Weighted Regression)] ツールで説明変数として使用できます。

  • このツールは、フィーチャクラスを出力し、局所的な診断値を含むフィールドを追加します。 [出力フィーチャ] の値と関連するチャートはコンテンツ ウィンドウに自動的に追加され、モデルの残差に分散配色が適用されます。

  • [近傍選択方法] パラメーターには、各説明変数について最適な空間スケールを推定するために使用される以下の 4 つのオプションがあります。

    • [黄金探索] - 黄金探索アルゴリズムを使用して、各説明変数の近傍数または距離バンドを特定します。 この手法では、指定された最小値と最大値の間の各説明変数の値の複数の組み合わせが検索されます。 この手続きは反復され、前の値を使用して次に検証する新しい各組み合わせが選択されます。 選択される最終値が最小の AICc を持つことになります。 近傍数オプションについては、[最小近傍数] パラメーターと [最大近傍数] パラメーターを使用して、最小値と最大値を指定します。 距離バンド オプションについては、[最小検索距離] パラメーターと [最大検索距離] パラメーターを使用して、最小値と最大値を指定します。 最小値と最大値は、すべての説明変数で共有されますが、推定される近傍数または距離バンドは説明変数ごとに異なります (複数の説明変数の空間スケールが同じである場合を除きます)。 このオプションでは、特に大規模なデータセットか高次元データセットの場合、計算に最も時間がかかります。

    • [勾配探索] - 勾配に基づいた最適化アルゴリズムを使用して、各説明変数の近傍数または距離バンドを特定します。 勾配探索は、各説明変数の最適なバンド幅を見つけるため、バンド幅に関する AICc の導関数をとり、最小の AICc が見つかるまでバンド幅を更新します。 近傍数オプションについては、[最小近傍数] パラメーターと [最大近傍数] パラメーターを使用して、最小値と最大値を指定します。 [距離バンド] オプションについては、[最小検索距離] パラメーターと [最大検索距離] パラメーターを使用して、最小値と最大値を指定します。 黄金探索と同様に、最小値と最大値は、すべての説明変数で共有されますが、推定される近傍数または距離バンドは説明変数ごとに異なります (複数の説明変数の空間スケールが同じである場合を除きます)。 このオプションは黄金探索と同等の近傍を推定しますが、実行時のパフォーマンスが高く、メモリ使用量は大幅に抑えられます。

    • [手動間隔] - 近傍数または距離バンドを最小値から増分することにより、各説明変数の近傍数または距離バンドを特定します。 近傍数オプションの場合、この方法は、[最小近傍数] パラメーターの値から開始されます。 その後、近傍数は、[近傍数の増分] パラメーターの値だけ増加します。 この増分は、[増分数] パラメーターを使用して指定された回数分、繰り返されます。 距離バンド オプションの場合、この方法では、[最小検索距離] パラメーター、[検索距離の増分] パラメーター、[増分数] パラメーターを使用します。 各説明変数によって使用される近傍数または距離バンドは、検証対象の値の 1 つとなりますが、これらの値は、説明変数ごとに異なる場合があります。 このオプションは、黄金探索より処理が速く、同等の近傍を頻繁に推定します。

    • [ユーザー定義] - すべての説明変数によって使用される近傍数または距離バンド。 この値は、[近傍数] パラメーターまたは [距離バンド] パラメーターを使用して指定されます。 このオプションは、最適値がわかっている場合に最も高い制御効果を発揮します。

    デフォルトでは、各近傍選択方法の従属近傍パラメーターがすべての説明変数に適用されます。 ただし、近傍のタイプと選択方法に対応するオーバーライド パラメーター、すなわち [黄金探索の近傍数][勾配探索の近傍数][手動間隔の近傍数][ユーザー定義の近傍数][黄金探索の検索距離][勾配探索の検索距離][手動間隔の検索距離]、または [ユーザー定義検索距離] を使用して、特定の説明変数に、カスタマイズされた近傍選択パラメーターを指定できます。 特定の説明変数に合わせてカスタマイズされた近傍を使用するには、対応するオーバーライド パラメーターの最初の列で説明変数を指定し、他の列でカスタマイズされた近傍のオプションを指定します。 これらの列には、オーバーライドされるパラメーターと同じ名前が表示されます。たとえば、手動間隔と距離バンドを一緒に使用する場合、[検索距離の増分] 列では、[検索距離の増分] パラメーターの値が指定されます。 [ジオプロセシング] ウィンドウでは、カスタマイズされた近傍パラメーターは [カスタマイズされた近傍オプション] パラメーター カテゴリに表示されます。

    たとえば、最小近傍数が 30 個、最大近傍数が 40 個で、近傍タイプが黄金探索の 3 つの説明変数を使用するとしましょう。 これらのパラメーターを使用してツールを実行すると、3 つの各説明変数が 30 ~ 40 個の近傍を使用します。 2 番目の説明変数にのみ 45 ~ 55 個の近傍を使用したい場合は、[黄金探索の近傍数] パラメーターの列で 2 番目の説明変数、カスタム最小値、カスタム最大値を指定できます。 これらのパラメーターを使用する場合、最初の説明変数と 3 番目の説明変数が 30 ~ 40 個の近傍を使用し、2 番目の説明変数が 45 ~ 55 個の近傍を使用します。

  • 複数のモデル診断がジオプロセシング メッセージに表示され、これを使用して、MGWR モデルの信頼性を判定できます。 これらの診断を確認してから、他のツール出力を確認してください。 モデル診断に問題がなければ、結果をより深く理解するため、出力フィーチャのチャートとシンボルを確認してください。

    モデル診断とツール出力の詳細

  • 結果を評価し、各説明変数と従属変数の関係が線形であるか、欠落している (正しく指定されていない) 説明変数や冗長 (多重共線性) である説明変数がないか、外れ値があるか、残差が正規分布していないかどうかを検討します。 回帰モデルについて考えられる問題の詳細については、「回帰分析の基本」をご参照ください。

  • 最も正確な結果が得られるよう、座標が緯度と経度として保存されている場合は、投影座標系に従ってデータを投影します。 最適化には距離の正確な測定が必要なため、[近傍タイプ] パラメーターの [距離バンド] オプションを使用する場合に、これが特に重要となります。

  • [データのスケーリング] パラメーターをオンにすると、スケーリング済み係数ごとにレイヤーが作成されます。 元のデータ単位に再度スケーリングされた係数は、出力フィーチャクラスのフィールドとして保存されます。 [係数ラスター ワークスペース] パラメーターを使用して係数ラスターを作成すると、スケーリング済み係数ラスターのレイヤーが作成され、再スケーリング済みラスターがワークスペースに保存されます。

    説明変数と従属変数をスケーリングすることをお勧めします。 スケーリングによって説明変数の値の差異が埋められるため、変数の値の範囲が大幅に変動する場合にこれが特に重要となります。 各ローカル モデルのバンド幅と係数を数的に推定する場合、通常は、各変数がデータの全分散に同等量の寄与を果たしている場合に、推定値がより速く収束し、より正確な値に近づきます。 説明変数に異なる分散がある場合、分散が大きい変数の方が反復推定の各ステップへの影響が大きくなります。 大半のケースでは、モデルの最終的なバンド幅と係数にこれがマイナスの影響を及ぼします。

  • 場合により、[近傍選択方法] パラメーターの [手動間隔] オプションによって、同じ範囲の距離または近傍を検索する場合であっても、[黄金探索] オプションより小さな AIC 値が推定されることがあります。 同様に、黄金探索または手動間隔を実行してから、[ユーザー定義] オプションを使用して推定バンド幅または推定近傍数を求める場合、出力はまったく同じにはなりません。 これらの動作はともに、MGWR モデル パラメーターの推定に使用される黄金探索バックフィッティング アルゴリズムのパス依存関係に起因するものです。 同じ MGWR の結果を再現するには、パラメーター設定をすべて同じにしてツールを実行する必要があります。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力フィーチャ

従属変数と説明変数を格納したフィーチャクラス。

Feature Layer
従属変数

モデル化される観測値を含む数値フィールド。

Field
モデル タイプ

従属変数の値に基づき回帰モデルを指定します。 現在は、連続データのみがサポートされており、このパラメーターは [ジオプロセシング] ウィンドウに表示されません。 カテゴリ従属変数、カウント従属変数、バイナリ従属変数は使用しないでください。

  • 連続従属変数は連続する値を表します。 これがデフォルトです。
String
説明変数

回帰モデルで独立説明変数として使用されるフィールドのリスト。

Field
出力フィーチャ

MGWR モデルの係数、残差、有意水準を含む新しいフィーチャクラス。 このフィーチャクラスは [コンテンツ] ウィンドウのグループ レイヤーに追加されます。

Feature Class
近傍タイプ

近傍を固定距離とするか、フィーチャの密度に応じて空間範囲の変化を許容するかを指定します。

  • 近傍数近傍サイズは、各フィーチャの最も近い近傍の指定数となります。 フィーチャの密度が高い場合、近傍の空間範囲は小さくなります。フィーチャの密度が低い場合、近傍の空間範囲は大きくなります。
  • 距離バンド近傍サイズは、各フィーチャに対して定数または固定距離となります。
String
近傍選択方法

近傍サイズの決定方法を指定します。

  • 黄金探索黄金探索アルゴリズムを使用して AIC 値を最小化することにより、最適な距離または近傍数が特定されます。 このオプションでは、特に大規模なデータセットか高次元データセットの場合、計算に最も時間がかかります。
  • 勾配探索勾配に基づいた最適化アルゴリズムを使用して AICc 値を最小化することにより、最適な距離または近傍数が特定されます。 このオプションは、実行速度が最も速く、黄金探索よりもメモリ使用量が大幅に抑えられます。
  • 手動間隔値の範囲を検証し、AICc が最も小さい値を選択することで、近傍の距離または数が特定されます。 [近傍タイプ] パラメーターを [距離バンド] に設定すると、この範囲の最小値が [最小検索距離] パラメーターによって指定されます。 その後、[検索距離の増分] パラメーターで指定された値だけ、増分されます。 これは、[増分数] パラメーターを使用して指定された回数分、繰り返されます。 [近傍タイプ] パラメーターを [近傍数] に設定すると、最小値、増分サイズ、増分数がそれぞれ [最小近傍数] パラメーター、[近傍数の増分] パラメーター、[増分数] パラメーターで指定されます。
  • ユーザー定義近傍サイズは、[近傍数] パラメーター値または [距離バンド] パラメーター値によって指定されます。
String
最小近傍数
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最小の近傍数。 少なくとも 30 の近傍を使用することをお勧めします。

Long
最大近傍数
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最大の近傍数。

Long
距離単位
(オプション)

フィーチャ間の距離を測定するために使用する距離の単位を指定します。

  • 国際フィート距離が国際フィート単位で測定されます。
  • 法定マイル距離が法定マイル単位で測定されます。
  • 米国測量フィート距離が米国測量フィート単位で測定されます。
  • メートル距離がメートル単位で測定されます。
  • キロメートル距離がキロメートル単位で測定されます。
  • 米国測量マイル距離が米国測量マイル単位で測定されます。
String
最小検索距離
(オプション)

各説明変数に適用される最小検索距離。 各フィーチャに 30 以上の近傍がある最小距離を指定することをお勧めします。

Double
最大検索距離
(オプション)

すべての変数に適用される最大近傍検索距離。

Double
近傍数の増分
(オプション)

近傍テストごとに、この近傍数だけ手動間隔が増やされます。

Long
検索距離の増分
(オプション)

近傍テストごとに、この距離だけ手動間隔が増やされます。

Double
増分数
(オプション)

手動間隔の使用時に検証する近傍サイズの数。 最初の近傍サイズは、[最小近傍数] パラメーターまたは [最小検索距離] パラメーターの値です。

Long
近傍数
(オプション)

ユーザー定義近傍タイプに使用される近傍数。

Long
距離バンド
(オプション)

ユーザー定義近傍タイプに使用される距離バンドのサイズ。 この距離内のすべてのフィーチャがローカル モデルに近傍として含められます。

Double
黄金探索の近傍数
(オプション)

カスタマイズされた黄金探索のオプション。 個々の説明変数用に カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小近傍数、最大近傍数を列で指定します。

Value Table
手動間隔の近傍数
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた手動間隔オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、最小近傍数、近傍数の増分、増分数を列で指定します。

Value Table
ユーザー定義近傍数
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされたユーザー定義オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、近傍数を指定します。

Value Table
黄金探索の検索距離
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた黄金探索オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小検索距離、最大検索距離を列で指定します。

Value Table
手動間隔の検索距離
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた手動間隔オプション。 カスタマイズされる各変数について、変数、最小検索距離、検索距離の増分、増分数を列で指定します。

Value Table
ユーザー定義検索距離
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされたユーザー定義オプション。 カスタマイズされる各変数について、変数と距離バンドを列で指定します。

Value Table
予測位置
(オプション)

推定を計算する位置を示すフィーチャクラス。 このデータセット内の各フィーチャには、指定された各説明変数の値が含まれています。 これらのフィーチャの従属変数は、入力フィーチャクラス データに対してキャリブレーションされたモデルを使用して推定されます。 これらのフィーチャの位置は、入力フィーチャと同じ分析範囲の付近 (範囲の 115% 以内) か同じ分析範囲内に置く必要があります。

Feature Layer
照合する説明変数
(オプション)

入力フィーチャの対応する説明変数と照合する、予測位置の説明変数。

Value Table
出力予測済みフィーチャ
(オプション)

各予測位置の従属変数の推定値を受け取る出力フィーチャクラス。

Feature Class
ロバスト予測
(オプション)

予測計算に使用されるフィーチャを指定します。

  • オン - 平均より 3 標準偏差を超える値 (値の外れ値) とウェイトが 0 のフィーチャ (空間的な外れ値) は予測計算から除外されますが、出力フィーチャクラスで予測を受け取ります。 これがデフォルトです。
  • オフ - 予測計算にすべてのフィーチャが使用されます。

Boolean
ローカル加重方式
(オプション)

モデルの空間的な加重を提供するために使用されるカーネル タイプを指定します。 カーネルは、各フィーチャと近傍内にある他のフィーチャとの関連性を定義します。

  • バイスクエア指定された近傍の外部にあるフィーチャには、ゼロのウェイトが割り当てられます。 これがデフォルトです。
  • ガウスすべてのフィーチャがウェイトを受け取りますが、ウェイトはターゲット フィーチャから遠いほど、指数的に小さくなります。
String
出力近傍テーブル
(オプション)

MGWR モデルの出力統計情報を格納したテーブル。 推定バンド幅または推定近傍数の棒グラフが出力とともに掲載されます。

Table
係数ラスター ワークスペース
(オプション)

係数ラスターが作成されることになるワークスペース。 ワークスペースを設けると、インターセプトとすべての説明変数についてラスターが作成されます。 このパラメーターは Desktop Advanced ライセンスでのみ利用可能です。 ディレクトリが指定されている場合、ラスターは、TIFF (.tif) ラスター タイプとなります。

Workspace
データのスケール
(オプション)

モデルをフィッティングする前に、平均が 0、標準偏差が 1 になるように説明変数と従属変数の値を標準化 (Z スコア標準化とも呼ぶ) するかどうかを指定します。

  • オン - 変数の値がスケーリングされます。 結果には説明変数係数のスケーリングされたバージョンとスケーリングされていないバージョンが含まれます。
  • オフ - 変数の値がスケーリングされません。 すべての係数がスケーリングされず、データの元の単位のままになります。

Boolean
勾配探索の近傍数
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた勾配探索オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小近傍数、最大近傍数を列で指定します。

Value Table
勾配探索の検索距離
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた勾配探索オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小検索距離、最大検索距離を列で指定します。

Value Table

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
係数ラスター レイヤー

説明変数係数の出力ラスター。

Raster
出力レイヤー グループ

出力のグループ レイヤー。 [出力フィーチャ] パラメーター値の末尾に _MGWR_Results を付加したものがグループ レイヤーの名前になります。 標準化残差と各説明変数のサブグループ レイヤーが含まれています。 各サブグループ レイヤーには係数レイヤーと有意性レイヤーが含まれています。 グループ レイヤーは [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。

Group Layer

arcpy.stats.MGWR(in_features, dependent_variable, model_type, explanatory_variables, output_features, neighborhood_type, neighborhood_selection_method, {minimum_number_of_neighbors}, {maximum_number_of_neighbors}, {distance_unit}, {minimum_search_distance}, {maximum_search_distance}, {number_of_neighbors_increment}, {search_distance_increment}, {number_of_increments}, {number_of_neighbors}, {distance_band}, {number_of_neighbors_golden}, {number_of_neighbors_manual}, {number_of_neighbors_defined}, {distance_golden}, {distance_manual}, {distance_defined}, {prediction_locations}, {explanatory_variables_to_match}, {output_predicted_features}, {robust_prediction}, {local_weighting_scheme}, {output_table}, {coefficient_raster_workspace}, {scale}, {number_of_neighbors_gradient}, {distance_gradient})
名前説明データ タイプ
in_features

従属変数と説明変数を格納したフィーチャクラス。

Feature Layer
dependent_variable

モデル化される観測値を含む数値フィールド。

Field
model_type

従属変数の値に基づき回帰モデルを指定します。 現在は、連続データのみがサポートされており、このパラメーターは [ジオプロセシング] ウィンドウに表示されません。 カテゴリ従属変数、カウント従属変数、バイナリ従属変数は使用しないでください。

  • CONTINUOUS従属変数は連続する値を表します。 これがデフォルトです。
String
explanatory_variables
[explanatory_variables,...]

回帰モデルで独立説明変数として使用されるフィールドのリスト。

Field
output_features

MGWR モデルの係数、残差、有意水準を含む新しいフィーチャクラス。

Feature Class
neighborhood_type

近傍を固定距離とするか、フィーチャの密度に応じて空間範囲の変化を許容するかを指定します。

  • NUMBER_OF_NEIGHBORS近傍サイズは、各フィーチャの最も近い近傍の指定数となります。 フィーチャの密度が高い場合、近傍の空間範囲は小さくなります。フィーチャの密度が低い場合、近傍の空間範囲は大きくなります。
  • DISTANCE_BAND近傍サイズは、各フィーチャに対して定数または固定距離となります。
String
neighborhood_selection_method

近傍サイズの決定方法を指定します。

  • GOLDEN_SEARCH黄金探索アルゴリズムを使用して AICc 値を最小化することにより、最適な距離または近傍数が特定されます。 このオプションでは、特に大規模なデータセットか高次元データセットの場合、計算に最も時間がかかります。
  • GRADIENT_SEARCH勾配に基づいた最適化アルゴリズムを使用して AICc 値を最小化することにより、最適な距離または近傍数が特定されます。 このオプションは、実行速度が最も速く、黄金探索よりもメモリ使用量が大幅に抑えられます。
  • MANUAL_INTERVALS値の範囲を検証し、AICc が最も小さい値を選択することで、近傍の距離または数が特定されます。 neighborhood_type パラメーターを DISTANCE_BAND に設定すると、この範囲の最小値が minimum_search_distance パラメーターによって指定されます。 その後、search_distance_increment パラメーターで指定された値だけ、増分されます。 これは、number_of_increments パラメーターを使用して指定された回数分、繰り返されます。 neighborhood_type パラメーターを NUMBER_OF_NEIGHBORS に設定すると、最小値、増分サイズ、増分数がそれぞれ minimum_number_of_neighbors パラメーター、number_of_neighbors_increment パラメーター、number_of_increments パラメーターで指定されます。
  • USER_DEFINED近傍サイズは、number_of_neighbors パラメーター値または distance_band パラメーター値によって指定されます。
String
minimum_number_of_neighbors
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最小の近傍数。 少なくとも 30 の近傍を使用することをお勧めします。

Long
maximum_number_of_neighbors
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最大の近傍数。

Long
distance_unit
(オプション)

フィーチャ間の距離を測定するために使用する距離の単位を指定します。

  • FEETINT距離が国際フィート単位で測定されます。
  • MILESINT距離が法定マイル単位で測定されます。
  • FEET距離が米国測量フィート単位で測定されます。
  • METERS距離がメートル単位で測定されます。
  • KILOMETERS距離がキロメートル単位で測定されます。
  • MILES距離が米国測量マイル単位で測定されます。
String
minimum_search_distance
(オプション)

各説明変数に適用される最小検索距離。 各フィーチャに 30 以上の近傍がある最小距離を指定することをお勧めします。

Double
maximum_search_distance
(オプション)

すべての変数に適用される最大近傍検索距離。

Double
number_of_neighbors_increment
(オプション)

近傍テストごとに、この近傍数だけ手動間隔が増やされます。

Long
search_distance_increment
(オプション)

近傍テストごとに、この距離だけ手動間隔が増やされます。

Double
number_of_increments
(オプション)

手動間隔の使用時に検証する近傍サイズの数。 最初の近傍サイズは、minimum_number_of_neighbors パラメーターまたは minimum_search_distance パラメーターの値です。

Long
number_of_neighbors
(オプション)

ユーザー定義近傍タイプに使用される近傍数。

Long
distance_band
(オプション)

ユーザー定義近傍タイプに使用される距離バンドのサイズ。 この距離内のすべてのフィーチャがローカル モデルに近傍として含められます。

Double
number_of_neighbors_golden
[number_of_neighbors_golden,...]
(オプション)

カスタマイズされた黄金探索のオプション。 個々の説明変数用に カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小近傍数、最大近傍数を列で指定します。

Value Table
number_of_neighbors_manual
[number_of_neighbors_manual,...]
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた手動間隔オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、最小近傍数、近傍数の増分、増分数を列で指定します。

Value Table
number_of_neighbors_defined
[number_of_neighbors_defined,...]
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされたユーザー定義オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、近傍数を指定します。

Value Table
distance_golden
[distance_golden,...]
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた黄金探索オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小検索距離、最大検索距離を列で指定します。

Value Table
distance_manual
[distance_manual,...]
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた手動間隔オプション。 カスタマイズされる各変数について、変数、最小検索距離、検索距離の増分、増分数を列で指定します。

Value Table
distance_defined
[distance_defined,...]
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされたユーザー定義オプション。 カスタマイズされる各変数について、変数と距離バンドを列で指定します。

Value Table
prediction_locations
(オプション)

推定を計算する位置を示すフィーチャクラス。 このデータセット内の各フィーチャには、指定された各説明変数の値が含まれています。 これらのフィーチャの従属変数は、入力フィーチャクラス データに対してキャリブレーションされたモデルを使用して推定されます。 これらのフィーチャの位置は、入力フィーチャと同じ分析範囲の付近 (範囲の 115% 以内) か同じ分析範囲内に置く必要があります。

Feature Layer
explanatory_variables_to_match
[explanatory_variables_to_match,...]
(オプション)

入力フィーチャの対応する説明変数と照合する、予測位置の説明変数。

Value Table
output_predicted_features
(オプション)

各予測位置の従属変数の推定値を受け取る出力フィーチャクラス。

Feature Class
robust_prediction
(オプション)

予測計算に使用されるフィーチャを指定します。

  • ROBUST平均より 3 標準偏差を超える値 (値の外れ値) とウェイトが 0 のフィーチャ (空間的な外れ値) は予測計算から除外されますが、出力フィーチャクラスで予測を受け取ります。 これがデフォルトです。
  • NON_ROBUST予測計算にすべてのフィーチャが使用されます。
Boolean
local_weighting_scheme
(オプション)

モデルの空間的な加重を提供するために使用されるカーネル タイプを指定します。 カーネルは、各フィーチャと近傍内にある他のフィーチャとの関連性を定義します。

  • BISQUARE指定された近傍の外部にあるフィーチャには、ゼロのウェイトが割り当てられます。 これがデフォルトです。
  • GAUSSIANすべてのフィーチャがウェイトを受け取りますが、ウェイトはターゲット フィーチャから遠いほど、指数的に小さくなります。
String
output_table
(オプション)

MGWR モデルの出力統計情報を格納したテーブル。 推定バンド幅または推定近傍数の棒グラフが出力とともに掲載されます。

Table
coefficient_raster_workspace
(オプション)

係数ラスターが作成されることになるワークスペース。 ワークスペースを設けると、インターセプトとすべての説明変数についてラスターが作成されます。 このパラメーターは Desktop Advanced ライセンスでのみ利用可能です。 ディレクトリが指定されている場合、ラスターは、TIFF (.tif) ラスター タイプとなります。

Workspace
scale
(オプション)

モデルをフィッティングする前に、平均が 0、標準偏差が 1 になるように説明変数と従属変数の値をスケーリングするかどうかを指定します。

  • SCALE_DATA変数の値がスケーリングされます。 結果には説明変数係数のスケーリングされたバージョンとスケーリングされていないバージョンが含まれます。
  • NO_SCALE_DATA変数の値がスケーリングされません。 すべての係数がスケーリングされず、データの元の単位のままになります。
Boolean
number_of_neighbors_gradient
[number_of_neighbors_gradient,...]
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた勾配探索オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小近傍数、最大近傍数を列で指定します。

Value Table
distance_gradient
[distance_gradient,...]
(オプション)

個々の説明変数向けにカスタマイズされた勾配探索オプション。 カスタマイズされる各説明変数について、変数、最小検索距離、最大検索距離を列で指定します。

Value Table

派生した出力

名前説明データ タイプ
coefficient_raster_layers

説明変数係数の出力ラスター。

Raster
output_layer_group

出力のグループ レイヤー。 [出力フィーチャ] パラメーター値の末尾に _MGWR_Results を付加したものがグループ レイヤーの名前になります。 標準化残差と各説明変数のサブグループ レイヤーが含まれています。 各サブグループ レイヤーには係数レイヤーと有意性レイヤーが含まれています。 グループ レイヤーは [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。

Group Layer

コードのサンプル

MGWR の例 1: (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、MGWR 関数の使用方法を示しています。


import arcpy
arcpy.stats.MGWR("r\data.gdb\house_price", "price", "CONTINUOUS", 
                 "review;beds;areas", r"data.gdb\house_price_fit_model", 
                 "DISTANCE_BAND", "GOLDEN_SEARCH", None, None, None, None, 
                 None, None, None, None, None, None, None, None, None, 
                 "review # #;beds # #; areas # #", None, None, 
                 r"data.gdb\house_price", "review review;beds beds; areas areas", 
                 r"data.gdb\house_price_prediction", "ROBUST", "BISQUARE")
MGWR の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン Python スクリプトは、MGWR 関数の使用方法を示しています。

# Run MGWR to predict house prices using "Number of Neighbors" and "Golden Search"
# Import modules
import arcpy

# Set the current workspace
arcpy.env.workspace = "C:/data"

# Run MGWR 
arcpy.stats.MGWR("r\data.gdb\house_price", "price", "CONTINUOUS", 
                 "review;beds;areas", r"data.gdb\house_price_fit_model", 
                 "DISTANCE_BAND", "GOLDEN_SEARCH", None, None, None, None, 
                 None, None, None, None, None, None, None, None, None, 
                 "review # #;beds # #; areas # #", None, None, 
                 r"data.gdb\house_price", "review review;beds beds; areas areas", 
                 r"data.gdb\house_price_prediction", "ROBUST", "BISQUARE")

ライセンス情報

  • Basic: 制限付き
  • Standard: 制限付き
  • Advanced: Yes

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