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推定法としてクリギングを使用する場合、データが正規分布している必要はありません。 ただし、各種クリギング モデルについてで説明しているように、通常クリギング、単純クリギング、普遍クリギングの分位マップと確率マップを取得するには正規性が必要です。 加重平均から導かれる推定量のみについて考えた場合、データが正規分布しているかどうかにかかわらず、クリギングが最良の不偏推定法となります。 ただし、データが正規分布している場合、クリギングは加重平均だけでなくすべての不偏推定法の中で最良の推定法となります。
クリギングはすべてのランダム誤差が 2 次定常性であるという仮定に基づいており、これはランダム誤差の平均はゼロであり、2 つのランダム誤差間の共分散はこれらの厳密な位置ではなくこれらを隔てる距離と方向のみに依存するという仮定です。
変換とトレンド除去によって正規性と定常性の仮定を正当化することができます。 一般的な ボックス-コックス変換、アークサイン変換、対数変換に通常クリギング、単純クリギング、普遍クリギングを使用する推定をトランスガウス クリギングと呼びます。 対数変換はボックス-コックス変換の特殊なケースですが、特別な推定特性を持ち、対数正規クリギングと呼ばれます。
プライマリ変数の変換とトレンド
以下の表に、各クリギング法でプライマリ変数に使用可能な変換とトレンドのオプションを示します。 以下の表には、変換とトレンド除去の両方を選択した場合にどちらが先に実行されるかも示しています。
クリギングのタイプ | BAL | NST | トレンド |
---|---|---|---|
通常 | はい (TR の場合は先) | いいえ | TR (BAL の場合は後) |
単純 | はい | はい | いいえ |
普遍 | はい (T の場合は先) | いいえ | T (BAL の場合は後) |
指標 | いいえ | いいえ | いいえ |
確率* | いいえ | いいえ | いいえ |
分離 | はい (TR の場合は先) | はい (TR の場合は後) | TR (NST の場合は先、BAL の場合は後) |
経験ベイズ | いいえ | はい | T (NST と同時) |
経験ベイズ 3D | いいえ | はい | T (NST と同時)、Z |
EBK 回帰予測 | いいえ | はい | いいえ |
*確率クリギングの場合、プライマリ変数は元の変数の指標変数から構成され、元の変数はコクリギングのセカンダリ変数と見なされます。
セカンダリ変数の変換とトレンド (コクリギング)
以下の表に、各クリギング法でセカンダリ変数に使用可能な変換とトレンドのオプションを示します。 以下の表には、変換とトレンド除去の両方を選択した場合にどちらが先に実行されるかも示しています。
クリギングのタイプ | BAL | NST | トレンド |
---|---|---|---|
通常 | はい (TR の場合は先) | いいえ | TR (BAL の場合は後) |
単純 | はい | はい | いいえ |
普遍 | はい (T の場合は先) | いいえ | T (BAL の場合は後) |
指標 | いいえ | いいえ | いいえ |
確率 | はい (TR の場合は先) | はい | TR (BAL の場合は後) |
分離 | はい (TR の場合は先) | はい (TR の場合は後) | TR (NST の場合は先、BAL の場合は後) |
定義と略語
上記の表で使われている定義と略語の意味については、以下をご参照ください。
定義
- プライマリ変数 - クリギングまたはコクリギングを使用している場合の推定対象の変数
- セカンダリ変数 - コクリギングを使用している場合の (推定対象でない) 共変数
- トレンド - 線形モデルで使用される空間的座表から構成される固定効果
略語
- BAL - ボックス-コックス変換、アークサイン変換、対数変換
- NST - 正規スコア変換
- SV - 変数 (コクリギングでは共変数)
- T - (内部トレンド)
- TR - 除去 (外部トレンド)
- Z - 垂直方向のみにおけるトレンド除去