ArcGIS Pro は、ネットワーク解析の実行のために、ネットワーク データ ソースを必要とします。 ディスク上にローカル的に、あるいはネットワークの共有場所に保存されるジオデータベースのネットワーク データセットか、ポータルの URL (ArcGIS Online かルート検索サービスで構成された独自の Enterprise ポータル) をネットワーク データ ソースとして使用できます。
ArcGIS Online と ArcGIS Enterprise のルート検索サービス
ルート検索サービスを使用する場合、ArcGIS Online ルート検索サービスを使用するか、または独自のルート検索サービスを ArcGIS Enterprise で公開するかを決定する必要があります。
どちらを選択するかは、対象地域の道路データにアクセスできるかどうかに左右されます。 道路中心線の良好なデータがある場合は、それを使用して「ネットワーク データセットを作成」し、ルート検索サービスを公開できます。 良好な道路中心線データがなく、どの道路中心線データにもアクセスできない場合、ArcGIS Online ルート検索サービスの方が適切な選択です。
基本的な道路中心線からネットワーク データセットを作成できます。 ただし、データが詳細であればあるほど良好なネットワーク データセットを得ることができるとともに、ルート検索の精度も高くなります。 独自のルート検索サービスを公開するか、または ArcGIS Online のルート検索サービスを使用するかを決定する際には、道路データがあるかどうか、およびそのデータの品質を考慮する必要があります。
ArcGIS StreetMap Premium は、地球全体を網羅する詳細なデータセットです。 世界の多くの場所について、地域レベルの詳細な道路データがあります。 また、履歴交通量データのある地域も多数あります。 さらに、移動モード、コスト、規制も事前構成済みです。 ArcGIS StreetMap Premium データセットには、ArcGIS Enterprise にルート検索サービスを公開するために使用されるネットワーク データセットが含まれます。 独自の道路データにアクセスできない、またはデータの品質に問題がある場合には、ArcGIS StreetMap Premium の購入をご検討ください。
ArcGIS Enterprise ルート検索サービス
以降のセクションで、ArcGIS Enterprise でのルート検索サービスの使用方法について説明します。
要件
ArcGIS Enterprise を使用して独自のルート検索サービスを公開するには、データ以外にいくつかの要件があります。 ArcGIS Network Analyst エクステンション が有効になった ArcGIS Server サイトが必要です。 ArcGIS Server を Enterprise ポータルにフェデレートするとルート検索サービスの管理と利用で役立ちますが、必ずしも公開向けとは限りません。 ただし、ArcGIS プラットフォーム全体の最適な統合のため、ルート検索サービスをホストする ArcGIS Server サイトと Enterprise ポータルをフェデレートすることをご検討ください。
ArcGIS StreetMap Premium を道路データとして使用する場合は、ArcGIS Server で ArcGIS StreetMap Premium データを使用するためのライセンスも必要です。
メリット
独自のルート検索サービスを使用すると、次のような数々のメリットがあります。
- サービスが企業のファイアウォールの背後に格納される。
- サービスの保守と更新は、必要に応じて、自分のスケジュールに従って行える。
- サービスが、ニーズに応じて自身のデータで構築される。
- 実行できる分析のサイズについての制限がない。 ArcGIS Online のルート サービスの場合は、問題のサイズに上限があります。
- 独自のルート検索サービスを使用する場合は ArcGIS Online クレジットは不要です。 このため、解決の数が多くなる場合は、コスト効率に優れたオプションとなります。
ArcGIS Online ルート検索サービス
以降のセクションで、ArcGIS Online でのルート検索サービスの使用方法について説明します。
要件
ArcGIS Online からルート検索サービスにアクセスするには、ArcGIS Online 組織アカウント、ネットワーク解析権限が付与された指定ユーザー、サービス クレジットが必要です。 ArcGIS Pro については ArcGIS Network Analyst エクステンション ライセンスは必要ありません。
メリット
ArcGIS Online ルート検索サービスを使用すると、次のような数々のメリットがあります。
- サービスがプラットフォーム上ですぐに使用できる。
- サービスと道路データが、Esri によって保守され、定期的に更新される。
- サービスに履歴、ライブ、予測交通量を含む、詳細なグローバル データが含まれる (データの範囲と利用可能性は地域によって異なります)。
- クレジットは 1 件の解析ごとに消費されるので、使用しないソフトウェアについて支払は発生しません。
ルート検索サービスの使用
ArcGIS Pro から ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise のルート検索サービスにアクセスして、ネットワーク解析を実行できます。 自分のコンピューター上に保存されているネットワーク データセットと同様に、これらのポータルからネットワーク データ ソースを参照できます。
ArcGIS Online のルート検索サービスにアクセスするには、ネットワーク解析「権限」を持つ ArcGIS 組織アカウントが必要で、サービスが ArcGIS Online に接続している必要があります。 ArcGIS Online のアカウントを通じて ArcGIS Pro がライセンスされている場合は、おそらくすでにサービスにサイン イン済みです。 これらのサービスは、実行されるときに「クレジット」を消費します。
また、ArcGIS Enterprise ルート検索サービスを使用して、ローカル ネットワーク データセットまたは ArcGIS Online ルート検索サービスと同じワークフローを使用して、ネットワーク解析問題を解決することもできます。 ArcGIS Pro から ArcGIS Enterprise ポータルに接続して、エンタープライズ ポータルをネットワーク データ ソースとして設定します。 ArcGIS Enterprise ルート検索サービスは、各サービスにクレジットを支払うことなく必要なだけ使用できます。
ArcGIS Enterprise または ArcGIS Online でホストされているルート検索サービスに解析内でアクセスするには、次のいずれかを実行します。
- [解析] をクリックし、[ネットワーク解析] ドロップダウン メニューをクリックして、ネットワーク データ ソースを ArcGIS Enterprise または ArcGIS Online のポータルに変更します。 データ ソースの変更後は、ドロップダウン メニューのネットワーク解析ツールで、選択したポータルから提供されるルート検索サービスが使用されるようになります。
「ジオプロセシング」ツールを使用して解析レイヤーを作成し、必要な入力を追加して、解析を実行します。 ネットワーク解析レイヤーを作成する前に、ルート検索サービスがホストされているポータルに接続されていることを確認して、次の手順を実行します。
- 「ネットワーク解析レイヤーを作成」し、必要に応じて解析プロパティを設定します。 作成している解析レイヤーのネットワーク データ ソースを選択する際に、適切なポータルを選択します。
- [ロケーションの追加 (Add Locations)] ジオプロセシング ツールを使用して、入力フィーチャまたはレコードを特定のサブレイヤーに追加します。
- すべてのプロパティが設定され、入力要件を満たしたら、[解析の実行 (Solve)] ジオプロセシング ツールを実行して、解析を実行します。
「ModelBuilder」を使用して上記のワークフローの「モデルを作成」すると、いつでも使用できます。