このトピックでは、ロケーターをサービスとして ArcGIS Enterprise ポータルで共有する方法、ロケーター パッケージを作成する方法、モバイル マップ パッケージを作成する方法をそれぞれ説明します。 それぞれの方法の詳細は、「ロケーターの共有の概要」に記載されています。
ロケーターをホスト サービスとして共有
ロケーターを作成したら、アクティブな ArcGIS ポータルで共有することができます。 ロケーターをホストされたサービスとして ArcGIS Enterprise で共有すると、組織内のすべてのユーザーがジオコーディングを常に利用できるようになります。 これによって、インターネット ユーザーやイントラネット ユーザーは、Web アプリ、ArcGIS Desktop、ArcGIS Online、およびその他のクライアント アプリケーションでホストされているロケーターを使用できるようになります。
ロケーターを共有する前に、サーバー上のロケーター データを管理するオプションをいくつか検討する必要があります。 ロケーターがサーバー上の特定の場所に保存されている、または保存する必要がある場合 (ロケーターのサイズが 1 GB を超える場合など)、「フォルダーの場所をデータ ストアとして登録」します。 データ ストアを使用すると、サービスを再起動または上書きするときのサービスのダウンタイムを最小限に抑えることができます。 ロケーターがローカル コンピューターに保存されている場合、公開プロセスはそのロケーターをサーバーにコピーします。 ロケーター データの管理の詳細については、次のトピックをご参照ください。
注意:
ロケーターを ArcGIS Enterprise ポータルや、ArcGIS Enterprise on Kubernetes で共有したり、ロケーターをスタンドアロンの ArcGIS Server に公開したりできます。 ロケーターのサイズが 1 GB を超える場合は、ロケーターを公開できないことがあるため、データ ストアを使用してロケーターを共有または公開する必要があります。 フェデレーション サーバーにデータ ストアとして登録されるサーバー上のフォルダーにロケーターをコピーします。
- [住所ロケーターの作成 (Create Address Locator)] ツールを使用して作成されたロケーターをポータルで共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 10.5 に、公開者権限または管理者権限でサイン インする必要があります。 ただし、[住所ロケーターの作成 (Create Address Locator)] ツールで作成されたロケーターのポータルへの共有をサポートする最終リリースは ArcGIS Enterprise 10.9 です。 [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して、ArcGIS Pro 2.3 以降でロケーターを「再作成」してください。
- [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成されたロケーターをポータルで共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 10.6.1 以降に、公開者権限または管理者権限でサイン インする必要があります。
- [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成された「パーセル」ロールに基づいてロケーターまたは [フィーチャ ロケーターの作成 (Create Feature Locator)] ツールを使用して作成されたロケーターをポータルで共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 10.8 以降に、公開者権限または管理者権限でログインする必要があります。
- [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成され、[精度タイプ] パラメーターが [グローバルで極めて高い] または [ローカルで極めて高い] に設定されたロケーターをポータルで共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 10.8.1 以降に、公開者権限または管理者権限でサイン インする必要があります。
- ArcGIS Pro 2.7 以降で [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成されたカスタム「オフセット」と「交点コネクタ」に対応した「ストリート住所」ロールに基づくロケーターを共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 10.9 以降に、公開者権限または管理者権限でサイン インして設定を管理する必要があります。
- ArcGIS Pro 2.8 以降で [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成されたサブアドレスに対応した [ポイント住所] ロールに基づくロケーターを共有している場合は、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 10.9 以降に公開者権限または管理者権限でサイン インして、リバース ジオコーディングを実行し、サブアドレスの結果が返されるようにする必要があります。
- ArcGIS Pro 2.9 以降で [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成されたサブアドレスに対応した [ポイント住所] ロールに基づくロケーターを共有しており、[部分的サブアドレスの候補] が有効になっている場合は、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 10.9.1 以降に公開者権限または管理者権限でサイン インして、入力された部分的なサブアドレスの有効な候補が返されるようにする必要があります。
- ArcGIS Pro 3.0 以降で [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成された「サブアドレス」に対応した [ポイント住所] ロールに基づくロケーターを共有しており、[ベース アドレスの候補表示でサブアドレスのサマリーを表示]、「部分的なユニットが入力されたときに候補を表示」、または「ベース アドレスが入力されたときに候補を表示」プロパティが有効になっている場合は、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 11.0 以降に公開者権限または管理者権限でサイン インして、「サブアドレス」またはサブアドレス サマリーの有効な候補が返されるようにする必要があります。
- ArcGIS Pro 3.0 以降で [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールを使用して作成された [ポイント住所] ロールに基づくロケーターを共有しており、[部分的な番地の候補を表示] が有効になっている場合は、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 11.0 以降に公開者権限または管理者権限でサイン インして、入力された部分的な番地の有効な候補が返されるようにする必要があります。
- ArcGIS Pro 3.2 以降で [フィーチャ ロケーターの作成 (Create Feature Locator)] ツールを使用して作成されたロケーターがカスタム出力フィールドを含む場合にそのロケーターを共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 11.2 以降に、公開者権限または管理者権限でサイン インして、ジオコード結果にカスタム出力フィールドを返す必要があります。
- ArcGIS Pro 3.2 以降で [ポリゴン フィールドをロケーターに追加 (Add Polygon Fields To Locator)] ツールを使用してポリゴン出力フィールドが追加されたロケーターを共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 11.2 以降に、公開者権限または管理者権限でサイン インして、ジオコード結果にポリゴン出力フィールドを返す必要があります。
- ArcGIS Pro 3.2 以降で [フィーチャ ロケーターの作成 (Create Feature Locator)] ツールまたは [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールで作成されたロケーターが Z 対応のポイント データに基づく場合にそのロケーターを共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 11.2 以降に、公開者権限または管理者権限でサイン インして、ジオコード結果に Z 座標を返す必要があります。
- ArcGIS Pro 3.2 以降で [ロケーターの作成 (Create Locator)] ツールで作成されたロケーターがカテゴリをサポートする [POI] ロールに基づく場合にそのロケーターを共有するときは、少なくとも 1 つのフェデレーション サーバーがある ArcGIS Enterprise 11.2 以降に公開者権限または管理者権限でサイン インして、「リターン コレクション」パラメーターを使用する必要があります。
- リボンの [共有] タブにある [共有] グループで、[ロケーター] ドロップダウン メニューをクリックしてから [ロケーターの共有] をクリックします。
ヒント:
あるいは、[カタログ] ウィンドウの [フォルダー] カテゴリ の [ロケーター] またはフォルダー接続 を展開し、共有するロケーターを右クリックして、[ロケーターとして共有] を選択します。
[共有するロケーターの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。
- 参照して共有するロケーターを選択し、[OK] をクリックします。
[ロケーターの共有] ウィンドウが表示されます。
- [ロケーターの共有] ウィンドウの [一般] タブに情報を入力します。
- [名前] テキスト ボックスには、ロケーター名が自動的に入力されますが、名前を変更することもできます。
- 必要に応じて、[サマリー] フィールドと [タグ] フィールドに情報を追加します。
サマリーとタグは、ArcGIS Enterprise 10.9 以前のポータルで共有する場合は必須です。
最大 128 個のタグを入力できます。
- [場所] で、[ポータル フォルダー] メニューを使用して、ロケーターを保存するポータル コンテンツのフォルダーを選択します。 必要に応じて、フォルダーを作成します。
デフォルトでは、ロケーターはポータル コンテンツのルート レベルに格納されます。
ヒント:
参照ボタン をクリックし、ポータル コンテンツのフォルダーを参照します。 テキスト ボックスにフォルダー名を入力することもできます。
- [サーバー] および [フォルダー] ドロップダウン メニューを使用して、サービスを公開するフェデレーション サーバーと、サービスを保存するフォルダーを指定します。 必要に応じて、フォルダーを作成します。
デフォルトでは、サービスはホスティング サーバーのルート フォルダーに格納されます。
注意:
ロケーターが 1 GB を超える場合、[データ ストア] ボタン をクリックして、[登録済みデータ ストアの管理] ウィンドウを開きます。 このウィンドウを使用して、フェデレーション サーバーに「フォルダーを登録」します。
- また、[共有オプション] を変更すると、組織内でロケーターを共有するユーザーを定義することもできます。
- あるいは、[ロケーターの共有] タブの [構成] タブで、サービス プロパティを変更できます。
- [ロケーターの共有] タブの [コンテンツ] タブでは、ロケーターが共有されるフォルダー構造を確認できます。
- [共有の完了] で [分析] をクリックし、潜在的な問題や制限を特定します。
解析によって生成されたエラーや警告は [メッセージ] タブに表示されます。 メッセージを右クリックして、詳細情報を表示したり、関連するヘルプ トピックにアクセスしたり、推奨される解決策を入手したりできます。 ロケーターを共有したりサービス定義を保存したりするには、エラー を解決する必要があります。 警告 の解決は推奨されますが、必須ではありません。
- エラーを解決し、必要に応じて警告を修正したら、[公開] をクリックしてロケーターを共有します。
代わりにロケーターのサービス定義を保存する場合は、[公開] ドロップダウン矢印をクリックして [SD として保存] をクリックします。 詳細については、「ロケーターのサービス定義の保存」をご参照ください。
これでロケーターがポータルのフェデレーション サーバー上で実行され、ユーザーやクライアントがネットワーク経由でアクセスできるようになりました。 サーバー管理者としてロケーターを共有し、サービスへの Web アクセスを許可している場合は、このサービスを Web 上でも利用できます。
[カタログ] ウィンドウの [ポータル] タブを使用すると、ポータルからプロジェクトにロケーターを追加できます。 共有されたロケーターを参照して右クリックし、[プロジェクトに追加] を選択します。 [場所検索] ウィンドウ、[ジオコード テーブル] ウィンドウ、ジオコーディング ジオプロセシング ツールからロケーターを使用できるようになります。
ロケーター パッケージの共有
組織の内外にロケーターを配布するには、ロケーター パッケージを作成します。
- リボン上の [解析] タブで、[ツール] ボタンをクリックして [ジオプロセシング] ウィンドウを開きます。
[ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。
- テキスト ボックスで [ロケーターのパッケージ化 (Package Locator)] ツールを検索し、クリックして開きます。
[ロケーターのパッケージ化 (Package Locator)] ツールが開きます。
- [入力ロケーター] で、パッケージ化するディスク上のロケーターを参照して選択し、組織内の他のユーザーと共有します。
- [出力ロケーター] で、ロケーター パッケージを保存するディスク上の場所を指定します。
- [実行] をクリックして、このジオプロセシング ツールを実行します。
このツールの実行が終了すると、元のロケーター内のすべてのファイルを含む .gcpk ファイルが作成されます。これで、接続されていない環境で使用するためのロケーターを共有できるようになります。
モバイル マップ パッケージ内のロケーターの共有
接続されていない環境で使用するためのロケーターを共有するには、モバイル アプリで使用するためのモバイル マップ パッケージを作成します。
- リボン上の [共有] タブにある [パッケージ] セクションで、[モバイル マップ] をクリックします。
[モバイル マップのパッケージ化] ウィンドウが表示されます。
- デフォルトで選択されていない場合は、[パッケージをファイルに保存] オプションを選択します。
出力は、ディスクに .mmpk ファイルとして保存されます。
- 保存場所と出力ファイル名を [名前] テキスト ボックスに指定します。
デフォルトの保存場所と名前が自動的に生成されますが、変更することができます。
- [サマリー] と [タグ] にロケーターの説明を入力し、ユーザーがそのロケーターを検索したり、そのロケーターの内容を把握したりできるようにします。
注意:
最大 128 個のタグを入力できます。
- 必要に応じて、モバイル マップ パッケージに含めるマップの範囲を変更し、その範囲にデータをクリップするかどうかを指定します。
[クリップ] がオンの場合、ロケーターも指定したマップ範囲にクリップされます。 モバイル マップ パッケージのクリップされたロケーターは、指定したマップ範囲内のジオコード結果のみを返します。
- [ロケーターを含める] チェックボックスをオンにします。
このチェックボックスをオンにすると、確実にロケーターがモバイル マップ パッケージに挿入されます。
- [パッケージ] をクリックして、モバイル マップ パッケージを作成します。
このツールの実行が終了すると、元のロケーター内のすべてのファイルを含む .mmpk ファイルが作成されます。これで、接続されていないモバイル環境で使用するためのロケーターを共有できるようになります。
組織内でのロケーターの共有が必要な理由とそのロケーターの使用方法を調査すると、ホスト サービスとしてのロケーターの共有またはパッケージとしてのロケーターの共有のどちらが目標を達成する上で最適なワークフローであるかを判断できます。