Advanced のライセンスで利用可能。
オルソ マッピング ワークスペースを作成したら、次の手順では [調整] および [改善] グループのツールを使用してブロック調整を実行します。 調整ツールは、重なり合う画像からの一致ポイント (タイ ポイント) の計算、TIN 化計算の実行、および粗いオルソ幾何補正の処理をカプセル化します。 調整ツールは、それぞれのオルソ マッピング ワークスペース タイプに適したアルゴリズムと処理手順を使用します。 たとえば、衛星画像には RPC の TIN 化、航空画像にはフレームの TIN 化のアルゴリズムが実行されます。 調整計算に使用されるパラメーターは、[調整] ダイアログ ボックスで定義できます。 [品質レポート] ツールを使用すると、調整品質レポートを表示できます。
注意:
ArcGIS Pro のオルソ マッピング プロジェクト内の空中三角測量には、次のような制限があります。
- ドローンおよびデジタル フレーム画像では 100 GP (ギガピクセル)
- スキャンされた航空写真では 1000 GP
- 衛星画像にはサイズ制限なし
ギガピクセル単位のプロジェクト サイズを算出するには、画像の数に画像のメガピクセル サイズを乗算して求められた値を 1,000 で除算します。
たとえば、航空写真が 10,000 x 12,000 ピクセルの場合、その画像は 120 メガピクセルになります。
120 メガピクセルの画像が 400 個含まれているプロジェクトの場合は、(400 x 120)/1000 = 48 ギガピクセルになります。
これらの制限は、効果的に処理できるブロック サイズの予想制限を表します。 これより大きいブロックは、現在のバージョンの ArcGIS Pro で機能することもありますが、将来のリリースで制限がさらに適用される可能性があります。 これらの制限は、適切なハードウェア上で ArcGIS Image Server の一部として実行されるオルソ マッピングには課せられません。
調整ツール
[調整] ツール は、現在のオルソ マッピング ワークスペースで、画像コレクションのブロック調整を実行するために使用されます。 画像のソース解像度で処理することができ、ソース画像からタイ ポイントが計算され、計算されたタイ ポイントを使用して TIN 化が実行されます。または、低い解像度で実行され、画像の外部標定を推定し、GPS 位置を改善します。 ドローンおよびスキャンされた航空写真には通常、品質が低いか、外部標定要素のない粗い GPS 情報が含まれます。 ドローン画像のメタデータに方向情報が含まれる場合は、[メタデータの方向を使用] チェックボックスをオンにします。 それ以外の場合は、オメガ、ファイ、カッパの方向パラメーターが計算されます。 ほとんどの場合、低い解像度で初期調整が実行されます。ユーザーが定義したピラミッド レベルを使用して画像の向きが推定され、ソース解像度で調整が実行されます。 初期調整で生成されたタイ ポイントは、精度の高い [調整] を使用した計算で、ソース解像度でのタイ ポイントの計算と TIN 化計算を開始するために使用されます。 オルソ マッピング ワークスペースの作成前または作成中に画像コレクションのピラミッドを構築すると、初期調整処理の時間を短縮できます。
調整オプション
ブロック調整を計算する際に使用されるパラメーターは、[調整] ダイアログ ボックス で定義します。 ここには、次に示すように、変換タイプ、タイ ポイント密度、ソース画像と計算後の調整ポイントの相対精度、その他のパラメーターが含まれます。 指定したワークスペースのタイプに応じて、適切なパラメーター セットがダイアログ ボックスに表示されます。 たとえば、衛星画像ワークスペース向けのパラメーターは、ドローン画像固有のパラメーターとは異なります。
リセット ツール
[リセット] ツール は、前に選択された状態にワークスペースを戻します。 これにより、調整パラメーターを変更し、画像コレクションを再処理し、結果を絞り込むことができます。 [初期状態にリセット] オプションを使用すると、ワークスペースを初期の未調整の状態に戻すことができます。 [クイック調整状態にリセット] オプションを使用すると、ワークスペースをクイック調整した状態に戻すことができます。または、[フル調整状態にリセット] オプションを使用すると、ワークスペースを以前のフル調整状態に戻すことができます。 現在のオルソ プロダクトを保持するには、リセット前にコピーを保存します。 [リセット] オプションを利用できない場合、この機能は有効化されていません。
[リセット] 機能はデフォルトでは有効になっていません。これを有効にするには、[ワークスペースの作成] ウィザードの [ワークスペースの構成] ページにある [調整のリセットを許可] チェックボックスをオンにします。
調整の改善
基準地表面を使用して調整精度をさらに高めるために、[改善] グループの [GCP の管理] ツール を使用して、地上コントロール ポイント (GCP) を追加できます。 [GCP マネージャー] テーブルで GCP 残差を確認し、調整品質を評価できます。 GCP 残差情報は、dX、dY、および dZ フィールドに表示され、それぞれ x、y、z 方向における真の地上座標からの計測位置の偏差を表します。 フィールド タイトルをクリックすると、残差を昇順または降順で並べ替えることができます。 GCP の残差の値が予想と異なる場合は、測量された地上座標、記録された座標、または計測された画像位置のいずれかに誤りがあることを示しています。 残差の値が大きい GCP 計測位置が検出された場合、確認、再計測、および再調整することで変更を組み込むことをお勧めします。 残差の値に改善が見られない場合、GCP ラベルを右クリックし、[チェック ポイント] をクリックしてポイントのステータスを変更します。 GCP と同様に、チェック ポイントは、重なり合う複数の画像に表示される既知の地上座標とキャプチャ フィーチャを含むポイントです。 ただし、チェック ポイントは、調整処理を制御するための入力として使用されるのではなく、 代わりに、チェック ポイントは調整結果の精度を測定します。 各チェック ポイントについて、既知の地上の場所と、調整プロセスを行った後の対応するピクセルの場所との距離を使用して RMSE (二乗平均平方根誤差) が計算されます。 調整処理で変更を組み込むには、ポイントのステータスを変更した後に、調整を再実行する必要があります。 ブロック調整の精度に関連する追加の統計情報が [調整レポート] ウィンドウに表示されます。
タイ ポイント範囲、タイ ポイント数、二乗平均平方根 (RMS) などの個別の画像の調整情報を表示するには、[レビュー] グループの [画像検査] を使用します。 これにより、調整統計に基づいて画像のフィルタリングまたは削除を行うことができたり、調整で使用されなかった画像を有効化することができたりします。 調整エラーが予想より大きい場合、[タイ ポイントの管理] ツール を使用してタイ ポイントを確認、編集します。 [タイ ポイントの管理] ツールは、画像の再アクティブ化にも使用できます。
レイヤー レンダリング
調整を実行した後、[コンテンツ] ウィンドウにあるソリューション データ レイヤーとコントロール ポイント レイヤーが入力されます。 レイヤー シンボルを調整するには、そのレイヤーを右クリックして、レイヤー シンボルを選択し、関連付けされているポイントを表示する方法を選択します。 レイヤー グループのオン/オフを切り替えることもできます。
タイ ポイントの管理
[タイ ポイントの管理] ウィンドウには、タイ ポイントを操作するツールがいくつか表示されます。 [タイ ポイント エディター] ツール を使用して、タイ ポイントのフィルタリング、追加、削除を行い、画像のつながり具合と調整精度を高めます。 [タイ ポイントの分析] ツール を実行して、対象範囲のフィーチャクラスと重複ポリゴンのフィーチャクラスを生成します。 それらは [QA/QC データ] エンティティに追加され、[画像検査] テーブルに含まれます。 この 2 つのフィーチャクラスは、十分なタイ ポイントが存在するかどうかと、タイ ポイントを追加する必要がある場所を理解するのに役立ちます。 画像コレクション内に特定のエリアのタイ ポイントを追加したい場合や、異なるパラメーターを使用してタイ ポイントを再計算したい場合は、[タイ ポイントの再計算] ツール を実行します。 タイ ポイント マップ位置の生成プロセスは、特に大規模プロジェクトにおいて、時間がかかることがあります。 そのため、これは初期調整プロセスの後に [タイ ポイントの投影変換] を使用して実行できるオプション手順になっています。
注意:
[タイ ポイントの投影変換] オプションは、調整プロセスの際に [調整] ウィンドウ内でのみ使用できます。 当初にスキップし、その後の調整プロセスでこのタスクを実行するには、[タイ ポイントの管理] ドロップダウン メニューの [タイ ポイントの投影変換] オプションを使用します。
これらのツールは、オルソ マッピング ワークスペース内のコントロール ポイントを更新します。 [調整] ツールをもう一度実行して、変更を組み込んで画像コレクションを更新します。 タイ ポイント エディターと画像検査を使用した完全なワークフローについては、「お使いのオルソ マッピング ワークスペースでタイポイントを管理する」をご参照ください。
アイコン | 名 | 説明 |
---|---|---|
画像の読み込み | オーバーラップしている画像を選択してマップから読み込みます。 | |
画像の追加 | オーバーラップしている画像を追加します。 | |
ID で画像を追加 | 画像 ID によって画像を追加します。 | |
画像の削除 | 画像を削除します。 | |
ポイント セットの追加 | 選択したタイ ポイントからポイント セットを作成します。 | |
タイ ポイントの追加 | [プレビュー] ウィンドウで画像内の場所をクリックするとタイ ポイントを作成します。 次に、他の画像に対応するタイ ポイントを追加します。 | |
フィルタリングされたすべてのポイント セットを削除 | リストされたすべてのポイント セットを削除します。 | |
ポイント セットの削除 | 選択したポイント セットを削除します。 | |
タイ ポイントの削除 | 選択したタイ ポイントを削除します。 | |
タイ ポイントの前回の編集を元に戻す | タイ ポイントの前回の編集を元に戻します。 | |
ダイナミック レンジ調整 | 画像表示ウィンドウ内のデータのみを使用して、ストレッチを調整します。 | |
タイ ポイントを中央に配置 | ビューアーをタイ ポイントの中央に配置します。 | |
ポイント セットのフィルタリング | 選択、現在のマップ範囲、および属性別のポイントをフィルタリングします。 | |
マップ上のポイント セットのタイ ポイントをフラッシュ | マップ上で選択されたポイント セットをハイライト表示します。 | |
リストされたタイ ポイントをマップ上に選択された状態で表示 | リストされたタイ ポイントをマップ上にハイライト表示します。 | |
ソリューション ポイントの表示 | ビューアーにソリューション ポイントを表示します。 | |
同期された拡大 | すべての画像表示を最初の画像の縮尺に調整します。 | |
同期された縮小 | プレビュー内のすべての画像を固定縮尺に縮小します。 | |
ズーム | 全画像の範囲にズームします。 | |
回転 | タイ ポイント画像ビューを回転します。 | |
画面移動の同期 | 画面移動時にビューを同期します。 | |
手動タイ ポイントの表示 | プレビュー ウィンドウに手動タイ ポイントを表示します。 |
GCP マネージャー
[GCP マネージャー] ウィンドウは、オルソ マッピング プロジェクトに使用できるようにコントロール ポイントを追加、編集、管理するために使用します。 [GCP マネージャー] ウィンドウのテーブルに行がない場合は、現時点で、オルソ マッピング プロジェクトに関連付けられている GCP もタイ ポイントもないことを意味します。 ファイルに GCP を保存している場合は、[GCP のインポート] ボタン を使用してインポートできます。 GCP ファイルがない場合は、[GCP の管理] ドロップダウン メニューの [GCP の計算] を使用して GCP を作成できます。 [GCP またはタイ ポイントを追加] ツール を使用して、GCP およびタイ ポイントを作成することもできます。
[GCP マネージャー] ウィンドウに GCP を手動で追加するには、[手動での GCP の追加] ボタン をクリックします。 ボタンを押したら、新しい行が [GCP マネージャー] テーブルに追加されます。 GCP ID、X、Y、Z の各フィールドを、各座標情報を使用して編集または更新できます。 XY Accuracy フィールドまたは Z Accuracy フィールドを使用して、GCP を 1D ポイント、2D ポイント、または 3D ポイントに分類できます。 GCP を再分類するときは、以下を参考にしてください。
- 1 次元 (1D) GCP - 垂直方向の値、すなわち z 値のみを持つ GCP。 この GCP タイプの XY Accuracy フィールドは NA に設定し、Z フィールドに高さ、すなわち z 値のみを入力する必要があります。
- 2 次元 (2D) GCP - x 値と y 値 (東距と北距) のみを持つ GCP。 この GCP タイプの Z Accuracy フィールドは NA に設定し、該当するフィールドに x 値と y 値を入力する必要があります。
- 3 次元 (3D) GCP - x 値、y 値、z 値 (東距、北距、高さ) を持つ GCP。
注意:
各フィールドをダブルクリックすると、GCP マネージャーに 3D 値を入力できます。 3D GCP を 1D GCP または 2D GCP に変換するには、XY Accuracy フィールドまたは Z Accuracy フィールドを NA に設定します。
[手動での GCP の追加] ボタン を使用して 2D GCP 座標または 3D GCP 座標を [GCP マネージャー] テーブルに入力すると、2D マップ ビューに保留中の GCP シンボルが表示され、GCP の位置が強調されます。 表示される GCP の位置の正確度は、マップの正確度と直接関連します。 測量者が提供した GCP の位置に関する説明または画像を使用して、ポイントの識別と測量を進めることをお勧めします。 x 値と y 値を持たない 1D GCP は、マップに表示されません。
以下のテーブルに、[GCP マネージャー] ウィンドウで使用できるすべてのツールを示します。 GCP を追加する詳細なワークフローについては、「オルソ マッピング ワークスペースへの GCP の追加」をご参照ください。
アイコン | 名 | 説明 |
---|---|---|
GCP またはタイ ポイントを追加 | マップの位置をクリックして、GCP を作成します。 次に、[GCP マネージャー] ビューアーに対応するタイ ポイントを追加します。 | |
手動での GCP の追加 | 1D GCP、2D GCP、3D GCP をプロジェクトに追加するには、一般的な GCP ID を持つ空の行を作成します。 対応する GCP タイ ポイントを [GCP マネージャー] プレビュー ウィンドウで計測できます。 | |
リンクの消去 | 選択した地上コントロール ポイントの画像間のリンクをすべて削除します。 | |
GCP の削除 | 選択した地上コントロール ポイントを削除します。 | |
削除された GCP を元に戻す | GCP の削除操作を元に戻します。 | |
すべて削除 | すべての地上コントロール ポイントを削除します。 | |
GCP のインポート | テキスト ファイル、.csv ファイル、またはフィーチャクラスから GCP ファイルをインポートします。 フィーチャクラスには、Shape フィールドまたは 2 つの別個のフィールドのいずれかで定義された X、Y が必要です。 | |
GCP のエクスポート | ファイルに GCP をエクスポートします。 | |
フィルター | フィルター切り替えボタンを切り替えて、すべての GCP を表示するか、現在のマップ表示の GCP のみを表示します。 デフォルトでは、すべての GCP が表示されます。 [フィルター] ボタンをクリックして、現在の範囲外にある GCP を除外します。 これは、画像コレクションのエリア外に GCP がある場合、または、対象エリア内の 1 つの GCP に絞る場合に使用できます。 | |
更新 | [GCP マネージャー] ウィンドウとマップ表示の GCP を更新します。 これは、GCP を編集した場合に、マネージャーとマップ表示を確実に同期させるために役立ちます。 | |
GCP_Manager | GCP 値の形式を定義し、計測された GCP タイ ポイントに使用されるシンボルのタイプ、色、サイズを設定します。 | |
Z 値の補正の定義 | マップ プロパティを使用して変換を定義できない場合に手動で地上コントロール ポイントを収集するために、Z 値の補正方法を定義します。 | |
GCP 精度の設定 | すべての GCP または選択した GCP の GCP 精度値を更新します。 | |
画像の追加 | 選択した画像をプレビュー ウィンドウに追加します。 | |
ID で画像を追加 | 画像 ID を使用して画像をプレビュー ウィンドウに追加します。 | |
ズーム | 画像の全範囲を表示します。 | |
GCP の表示 | 画像表示ウィンドウに、対応する GCP 位置を表示します。 | |
ダイナミック レンジ調整 | 画像表示ウィンドウ内のデータのみを使用して、ストレッチを調整します。 | |
ストレッチ | 変更された最大カットオフ デフォルト値で割合クリップ ストレッチを適用します。 | |
シャープン | プレビュー画像にたたみ込みフィルターを適用します。 |
一時的に GCP を無効にするには、[XY Accuracy] および [Z Accuracy] フィールド [<NA>] に変更します。
GCP をチェック ポイントに変更するには、テーブルの GCP 行を右クリックし、[チェック ポイントに変更] を選択します。