複数の日付のラスター データを含むモザイク データセットの作成

Standard または Advancedのライセンスで利用可能。

多くの組織で、さまざまな日付に取得された、同じエリアを含む画像を大量に保有しています。 多くの場合、このデータは、異なるファイル形式、投影法、およびピクセル サイズで格納されています。 たとえば、林業会社は、収穫を管理できるよう、さまざまな時期に撮影した森林の画像や、さまざまな年に撮影した画像を保有している場合があります。 また、多くの都市および州は、毎年または毎半年に取得されたオルソ画像の大規模なコレクションを保有しています。 これらのコレクションを 1 つのモザイク データセットにまとめることで、オンプレミスで使用したり、取引先にイメージ サービスとして提供したりすることができます。

以下のワークフローでは、複数年のオルソ画像を 1 つのモザイク データセットにまとめ、ユーザーがデフォルトで最新の画像を表示できるようにすることを想定しています。 これには、複数のモザイク データセット (各年のモザイク データセットと最終的なプライマリ モザイクデータセット) を作成します。 これは、各年のオルソ画像を単一のモザイク データセット コレクションで管理し、ユーザーに影響を与えることなく、新しいコレクションをプライマリ モザイク データセットに迅速に追加できるため、最適な設計です。

ジオデータベースの作成

モザイク データセットをジオデータベースで作成します。 1 つのジオデータベースまたは複数のジオデータベースを使用することができます。 このワークフローでは、すべてのモザイク データセットが単一のファイル ジオデータベースに作成されることを想定しています。

[カタログ] ウィンドウでフォルダーを右クリックし、[新規作成] > [ファイル ジオデータベース] の順にクリックするか、[ファイル ジオデータベースの作成 (Create File GDB)] ツールを使用します。 この新しいジオデータベースをデフォルト ジオデータベースに設定するには、[カタログ] ウィンドウで右クリックし、[デフォルト ジオデータベースに設定] をクリックします。 これにより、ジオプロセシング環境の現在のテンポラリ ワークスペースの場所がこのジオデータベースに設定されます。

各年のモザイク データセットの作成

モザイク データセットを作成するため、画像データがディスク上のアクセス可能な場所に格納されていることを確認します。 この場所にサービスを提供する場合、ArcGIS Image Server から表示 (読み取りアクセス) できる必要もあります。 モザイク データセットはラスター データを管理しないため、ソース ファイルを移動および変更しません。 ソース データへのリンクが含まれています。

画像の各年のコレクションに対して、モザイク データセットを作成します。 たとえば、コレクションを 1995 年、1998 年、2000 年、2010 年、2016 年、2020 年のように 6 つの年にグループ化できる場合、各年に対して 1 つ、すべての年を含むプライマリとして 1 つの計 7 個のモザイク データセットを作成します。 次の手順を 6 回実行します。

1. [カタログ] ウィンドウでジオデータベースを右クリックし、[新規作成] > [モザイク データセット] をクリックするか、[モザイク データセットの作成 (Create Mosaic Dataset)] ツールを使用して、各年のモザイク データセットを作成します。

   追加する画像の一部が同じ座標系に存在しない場合、その画像に適した座標系を選択します。

2. [モザイク データセットにラスターを追加 (Add Rasters To Mosaic Dataset)] ツールを使用して、各モザイク データセットに画像を追加します。

   1995 年の画像を 1995 年のモザイク データセットに、1998 年の画像を 1998 年のモザイクデータセットに追加し、以降のデータも同様に操作します。

   1. [オーバービューの更新] パラメーターをオンにして、モザイク データセットのオーバービューを構築します。
   2. [高度な設定] をクリックして、[ラスター ピラミッドの構築] および [統計情報の計算] をオンにします。

      これらのオプションをオンにすると、すべての入力ラスター データセットのピラミッドと統計情報が存在しない場合は構築されます。 また、[ピラミッドと統計情報の構築 (Build Pyramids And Statistics)] ツールを使用して、この情報を個別に計算することもできます。

これで 6 つのモザイク データセットが作成されました。 これらのモザイク データセットの境界または範囲が同一であっても、ピクセル サイズが異なっていても問題ありません。これらをすべて組み合わせて、プライマリ モザイク データセットを作成することができます。
3. 各モザイク データセットの画像が正しく表示されることを確認します。

プライマリ モザイク データセットの作成

作成した各モザイク データセットを格納するプライマリ モザイク データセットを作成します。 参照モザイク データセットを作成することもできますが、今後フィールドを追加したり、場合によっては境界を変更したり、(別の Web サービスから) オーバービューを追加したりするため、標準モザイク データセットを作成することをお勧めします。

1. [カタログ] ウィンドウでジオデータベースを右クリックし、[新規作成] > [モザイク データセット] をクリックするか、[モザイク データセットの作成 (Create Mosaic Dataset)] ツールを使用して、プライマリ モザイク データセットを作成します。

   追加する画像の一部が同じ座標系に存在しない場合、すべての画像に適した座標系を選択します。

2. [モザイク データセットにラスターを追加 (Add Rasters To Mosaic Dataset)] ツールを使用して、各モザイクデータセットを追加します。
   1. [ラスター タイプ] ドロップダウン矢印をクリックして、[ラスター データセット] をクリックします。
   2. [入力] ドロップダウン矢印をクリックして、[データセット] をクリックします。
   3. [入力] 参照ボタンをクリックし、モザイク データセットのいずれかを選択します。

      プライマリ モザイク データセットを構成するすべてのモザイク データセットが表示されるまで、この手順を繰り返します。

   このワークフローでは、プライマリ モザイク データセットのオーバービューを構築する代わりに、Web サービスを使用するため、オーバービューを更新するオプションをオフにしてください。

3. [OK] をクリックします。

モザイク データセットに年フィールドを追加

モザイク データセットを時間対応にするには、モザイク データセットに属性フィールドを作成し、正しい日付を追加します。

新しいフィールドをフットプリント属性テーブルに追加

ArcGIS Pro は、さまざまなモザイク データセットに対応するために属性テーブルを変更する際に使用されます。

1. マスター モザイク データセットを ArcGIS Pro に追加します。
2. [フットプリント] レイヤーを右クリックし、[属性テーブルを開く] をクリックします。

   テーブルには、追加したモザイク データセットごとに 1 つの行が含まれています。

3. [フィールド] ウィンドウの [フィールドの追加] ボタン をクリックし、ウィンドウの下部にあるハイライト表示された Field Name フィールドをクリックします。
4. [名前] テキスト ボックスに「Year」と入力します。
5. [タイプ] ドロップダウン矢印をクリックして、[テキスト] をクリックします。
6. [OK] をクリックします。
7. [フィールド] ウィンドウを閉じ、変更を保存します。

年の値の入力

このステップでは、追加した各年を表すモザイク データセットの属性テーブルに年の値を追加します。

1. フットプリント レイヤーの属性テーブルで、各プライマリ画像の新しい Year フィールドを見つけます。
2. テーブルの各行で、対応する各モザイク データセットの Year 列に年を入力します。
3. [編集] タブで、[保存] ボタンをクリックして編集内容を保存します。 [すべての編集内容を保存] オプションが表示されたら、[はい] をクリックします。

時系列モザイク データセットの調査

モザイク データセット上の時間を有効化し、[時間] ウィンドウを使用してモザイク データセットの画像内を移動するには、次の手順を実行します。

1. モザイク データセットで、高解像度の画像 (サービス画像ではない) が見えるエリアを拡大表示します。
2. モザイク データセットを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
3. [時間] タブをクリックします。
4. [このレイヤーで時間を有効にする] をオンにします。
5. [時間フィールド] ドロップダウン矢印をクリックして [年] をクリックします。

   これは、今回作成および設定したフィールドです。

6. [時間ステップ間隔] テキスト ボックスをクリックし、データ内の個別の時間を使用して [表示] を選択します。

   これにより、モザイク データセットに追加した際に設定したカスタム間隔を使用できます。

7. [時間ステップ間隔] ドロップダウン メニューをクリックして [年] をクリックします。
8. [OK] をクリックします。

   [時間] タブが表示されます。

9. [時間] タブをクリックし、[時間] ボタン をクリックすると、時間が有効になります。
10. スライダーを使用して、各年の画像を調べます。

ArcGIS Image Server または ArcGIS Image for ArcGIS Online を使用して、モザイク データセットをイメージ サービスとして提供することもできます。