ポイント シンボルは、「マップ」、「シーン」、および「レイアウト」でポイント フィーチャとポイント グラフィックスを描画するために使用されます。 ポイント シンボルは、「ライン」、「ポリゴン」、「テキスト」の各シンボルでも使用できる点が特徴です。
ポイント シンボルは、すべての「シンボル タイプ」と同様、「シンボル レイヤー」で構成されています。 通常、ポイント シンボルには 1 つの「マーカー シンボル レイヤー」が含まれていますが、他のレイヤーを含めることもできます。 ごくまれに、ポイント シンボルに「ストローク」または「塗りつぶしシンボル レイヤー」も含まれることがあります。 このような場合は「シンボル効果」も適用して、ラインまたはポリゴン ジオメトリを動的に作成し、ストロークや塗りつぶしを描画します。 ストローク シンボル レイヤーが追加されるときには、[半径] シンボル エフェクトが含まれます。また、塗りつぶしシンボル レイヤーが追加されるときには、[バッファー] シンボル効果が含まれます。 これらのシンボル効果のプロパティの変更や削除、異なるエフェクトでの置き換えを行うことはできますが、シンボル内で「ジオメトリック ロジック」を必ず維持してください。
ポイント シンボルのプロパティ
ポイント シンボルのプロパティは、主にポイント シンボル内のシンボル レイヤーのプロパティから取得されますが、ポイント シンボル全体に対して調整できるグローバル プロパティもあります。 これらをシンボルの基本プロパティと呼ばれています。 [シンボル] ウィンドウのシンボルの書式設定モードの [プロパティ] タブを使用して、ポイント シンボルのすべてのプロパティにアクセスできます。 シンボル プロパティは次の表に示すとおり、3 つのタブに分かれています。
タブ | 説明 |
---|---|
[シンボル] タブ | ポイント シンボルにグローバルに適用されるすべての基本プロパティが表示されます。 複数のポイント シンボルが選択されている場合、これらのプロパティのみ使用できます。 |
[レイヤー] タブ | ポイント シンボルを構成する各シンボル レイヤーの全プロパティが表示されます。 ここでは、シンボルの外観や動作に関する詳細なプロパティを制御できます。 |
[構成] タブ | ポイント シンボルの構成方法が表示されます。 このタブでは、「シンボル レイヤー」と「シンボル効果」を追加、複製、削除、順序変更することができます。 |
ポイント シンボルの基本プロパティ
ポイント シンボルには、[色]、[サイズ]、[角度]、[角度基準]、[ハロー]、および [3D 動作] (シーンの [3D レイヤー] カテゴリなど、3D コンテキストにポイントがある場合のみ使用可能) といった基本プロパティがあります。 これらのプロパティは、ポイント シンボル全体にグローバルに適用されます。 これらのプロパティは、[シンボル] タブにあります。 基本プロパティを使用すると、すばやくシンボルに簡単な変更を加えることができます。 シンボルを詳細に変更するには、[レイヤー] タブでシンボルを構成する個別のシンボル レイヤーのプロパティにアクセスする必要があります。
ソース データ内の属性によってフィーチャ レイヤーのシンボル (「透過表示」、「色」、「回転」、または「サイズ」) を変更する際、各ポイント シンボルの基本プロパティが動的に変更されます。
複数のシンボルを選択した場合 (たとえば、「個別値」でシンボル表示されたレイヤー内のすべてのシンボルを書式設定する場合)、シンボルの基本プロパティにのみアクセスできます。 選択したすべてのシンボルで構成される個別のシンボル レイヤーのプロパティを表示または変更することはできません。
色の基本プロパティ
[色] 基本プロパティは、ポイント シンボル内で「色のロックが解除された」すべてのシンボル レイヤーに適用されます。
フィーチャ レイヤーのすべてのシンボルの「色」を属性によって変更すると、色のロックが解除されたシンボル レイヤーのみが影響を受けます。 フィーチャ レイヤー内のすべてのシンボルの「透過表示」を属性によって変更すると、シンボル内で色のロックが設定されているかどうかにかかわらず、シンボル全体に反映されます。
図形塗りつぶしシンボル基本プロパティ
[シンボル] タブ で、[図形塗りつぶしシンボル] プロパティを [色]、[アウトライン色]、[アウトライン幅] サブプロパティとともに使用できる場合があります。 複数のシンボルが選択されている場合、それらのアウトラインの色およびサイズを同時に変更できます。
詳細:
このプロパティ セットは、特定の条件下でのみ表示されます。 有効なシンボルは、[図形] タイプの 1 つの「マーカー シンボル レイヤー」を持つシンボルです。 内部では、マーカー シンボル レイヤーは、1 つの CIMMarkerGraphic で構成されるタイプ CIMVectorMarker でなければなりません。 マーカー シンボル レイヤーに適用される「ポリゴン シンボル」は、「色がロック解除されたストローク シンボル レイヤー」を少なくとも 1 つ持つ必要があります。
現在選択されているすべてのポイント シンボルがマーカー シンボル レイヤーでグラデーション ポリゴン シンボルを使用する場合、1 つではなく 2 つのカラー コントロールが表示されます。 これらは、グラデーションの両端に対応しています。
サイズ基本プロパティ
[サイズ] 基本プロパティは、シンボル内で最大の「マーカー シンボル レイヤー」のサイズを表します。 [サイズ] 基本プロパティを変更すると、すべてのマーカー シンボル レイヤーのサイズが比例して変更されます。
ヒント:
非常に大きいポイント シンボルが [コンテンツ] ウィンドウ内の最大サイズまで縮小され、ウィンドウが引き続き使用可能になります。 つまり、[コンテンツ] ウィンドウにはシンボルの相対サイズが忠実に表示されない可能性があります。 デフォルトでは、パッチ面積は 48 pts 平方です。 このパッチのサイズを調整して、もっと大きなシンボルを表示することができます。 リボンの [プロジェクト] タブをクリックします。 メニューから [オプション] をクリックします。 [アプリケーション] 見出しの下にある [マップおよびシーン] タブをクリックします。 [コンテンツ ウィンドウ] 見出しの下で、[コンテンツ] ウィンドウ内のポイント シンボルのパッチ サイズを調整できます。
縮尺ベースのサイズ設定
ポイント シンボルが、(「スタイル」内のスタンドアロン シンボルでも、「レイアウト」でグラフィックスに適用されるシンボルでもなく)「複数縮尺マップ」内のフィーチャ レイヤーをシンボル表示する場合、[縮尺ベースのサイズ設定を有効化] をオンにすることで、縮尺に応じてシンボルのサイズを調整できます。 縮尺が小さくなるほどシンボルが小さく描画されるようにすると効果的で、これによって「マップ」の視覚的な煩雑さや干渉を低減できます。 「シーン」で縮尺ごとにポイント シンボルのサイズを変更することはできません。
この設定を有効にすると、スライダーが表示され、「マップ縮尺」から取得されたストップも合わせて表示されます。 スライダー自体は、スライダーの左端の小縮尺 (最大縮小率) から、スライダーの右端の 0 という大縮尺 (最大拡大率) まで、マップの全縮尺範囲をカバーします。 スライダーの暗い部分には、「シンボル クラスの表示可能な縮尺範囲」が表示されます。 この表示可能な縮尺範囲が特に設定されていない場合、スライダーの暗い部分は、「フィーチャ レイヤーの縮尺範囲」に対応します。 縮尺ストップをクリックし、[サイズ] プロパティでその縮尺でのシンボル サイズを定義します。 ストップをドラッグすると、別の縮尺でサイズを定義できます。 スライダーに沿ってクリックし、定義済みのマップ縮尺に基づいて新しいストップを追加できます。 ポイント シンボルのサイズは、各縮尺に設定されているサイズの間で直線的に変わります。 「基準縮尺」を使用せずに縮尺ベースのサイズ設定を使用する必要があります。
角度基本プロパティ
[角度] 基本プロパティはシンボル全体に適用され、度を単位として、反時計回りに適用されます。 負の値を使用すると時計回りに回転します。 マーカー シンボル レイヤーが 1 つしかない場合、[角度] 基本プロパティはそのレイヤーの角度に一致します。 ポイント シンボルに複数のマーカー シンボル レイヤーが存在する場合、[角度] 基本プロパティを変更すると、各マーカー シンボル レイヤーの角度が更新されます。 たとえば、5 度の角度と 10 度の角度を持つ 2 つのマーカー シンボル レイヤーで作成されたポイント シンボルがあるとします。 ポイント シンボルの [角度] 基本プロパティを 20 度に設定すると、マーカー シンボル レイヤーの角度はそれぞれ 25 度と 30 度に更新されます。
3D コンテキストでは、[角度] 基本プロパティは Z 軸周りの回転にのみ影響します。
角度基準基本プロパティ
デフォルトでは、ポイント シンボルはディスプレイに合わせて配置されます。つまり、ポイント シンボルは、常にモニターまたはページに対し上を向くように配置されます。 マップを変換または回転させる場合は、ポイント シンボルがマップに合わせて配置されるように設定を変更できます。 この場合、ポイント シンボルの配置は、常にマップの「座標系」を基準にして上を向きます。 シンボルがシーン内で 3D コンテキストで描画されている場合は、この設定は無効になります。
レガシー:
インポート済みの ArcMap マップ ドキュメント (*.mxd ファイル) から生成されたポイント シンボルでは、ドキュメントの設定に基づく配置設定が採用されます。 ほとんどの場合、この結果として、ArcGIS Pro でマップに合わせて配置されたポイント シンボルが生成されます。 このプロパティは、ArcMap の Advanced ArcMap Settings ユーティリティで設定します。
ハロー基本プロパティ
ポイント シンボルにはハローを含めることができます。ハローは、「ポリゴン シンボル」で描画され、シンボルから外向きに一定の距離まで放射状に広がります。 ハローは、ポイント シンボルを強調するためか、競合する背景情報からそれらのシンボルを視覚的に切り離すために使用されます。 デフォルト設定ではハローを使用しません。 ハローを設定するには、[ハロー シンボル] プルダウン ギャラリーから既定のポリゴンを選択するか、そのギャラリー内の [その他のポリゴン シンボル] をクリックして、利用可能な「スタイル」の中からポリゴン シンボルを選択します。
ハローのその他のプロパティを編集するには、[ハロー シンボル] メニューをクリックし、[ポリゴン シンボルの書式設定] をクリックします。 ハローの描画に使用されるポリゴン シンボルが、[埋め込みポリゴン シンボルの書式設定] サブウィンドウで開きます。 他の「ポリゴン シンボル」と同様に、ハロー ポリゴン シンボルのプロパティを調整します。 「再利用のためにカスタム ポリゴン シンボルを保存」するには、右上隅にあるメニュー ボタン をクリックして、[スタイルに埋め込みシンボルを保存] をクリックします。 [前のシンボル ページに戻る] をクリックして、[ポイント シンボルの書式設定] ウィンドウに戻ります。
3D ポイント シンボルのプロパティ
3D コンテキストでは、グローバルなビルボード表示の振舞いを設定し、[3D 動作] 見出しで回転の計算順序を調整できます。 シーンをナビゲートする際、[ビルボード] をオンにすると、ポイント シンボルを常にビューアーと同じ方向を向けることができます。 これは、シンボル内のすべてのマーカー レイヤーに適用されるグローバル シンボル設定です。 個別のシンボル レイヤーにおけるビルボード表示の振舞いを修正することもできます。 次のプルダウン メニューからビルボード表示の振舞いのオプションを選択します。
オプション | 説明 |
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1 回転 | シンボルは、表示角度に関係なく、常にビューアー正面に表示されます。 |
標識の回転 | シンボルは、垂直の標識を中心に回転しているかのような外観で、常にビューアー正面を向きます。 上から見ると、シンボルの正面は表示されず、シンボルの頂上部が表示されます。 |
注意:
「影を付ける」ようにシーンを設定すると、「固定された現実世界の空間」に存在するシンボルにのみ影が表示されます。 つまり、ビルボード表示されているシンボルや現実世界の単位でないシンボルには、影が付けられません。
[回転順序] を設定することで、3D でポイント シンボル内の「マーカーに回転が適用される」順序が定義されます。 [XYZ]、[ZXY]、[YXZ] のいずれかを選択します。ここで、[X] は傾斜角、[Y] はロール角、[Z] はシンボルの向きを表します。 一般的に、[YXZ] オプションが使用されます。このオプションは、ロール角を最初に適用し、次に傾斜角、最後にポイント シンボルへの向きを適用します。 このオプションは、シンボルの順方向が北向きで Z 軸が上方向になっている、適切に作成された「3D モデル マーカー シンボル レイヤー」において最も効果的です。 必要に応じて、この方法で作成されていない「インポート済み 3D モデルの向きを変更」することができます。