マスキングは、あるレイヤーのフィーチャを見えないようにすることで高密度なマップまたは詳細なマップの内容を明確にしたり、重なり合っている別のレイヤーのフィーチャをマスクするのに使用される手法です。 マスキングの一般的用途は、アノテーションの周囲のフィーチャをマスクして、テキストの読みやすさを保つことです。
たとえば、以下のような海抜高度標高マップでは、等高線とテキストが競合する場合があります。 黒色の等高線の一部をマスクすると、マップの標高が伝える内容は保たれたまま、等高線のテキストが読みやすくなります。
マスキングの方法には、次の 2 つのタイプがあります。
- レイヤー マスキング - フィーチャ レイヤーまたはマスキング レイヤーにより、マップまたはシーン内の別のレイヤーの重なり合っているすべてのフィーチャをマスクします。
- フィーチャレベル マスキング - 2 つのレイヤー間のリレーションシップ クラスによって指定されたとおりに、マスキングがフィーチャごとに処理されます。
いずれのマスキング方法でも、マスキング フィーチャのジオメトリが、マスクされるフィーチャのシンボルをマスクします。 マスキング フィーチャのシンボル表示された形状がジオメトリと異なっている場合でも (たとえば、シンボル バッファーが適用される場合)、フィーチャ ジオメトリの形状でマスキングが実行されます。 ただし、マスクされるフィーチャのシンボルが影響を受けます。 マスクされるフィーチャはホールを含んでいるように見えますが、それらのホールは、単に表示されているシンボル内のホールです。 フィーチャ ジオメトリは変更されません。
マスキング レイヤーの作成
任意のフィーチャ レイヤーをマスクすることができますが、フィーチャをマスクできるのはポリゴン フィーチャ レイヤーのみです。 このため、フィーチャ レイヤー用のマスキング レイヤーを作成する必要がある場合もあります。
注意:
シーン内の 3D レイヤーはマスクできませんが、マスキング レイヤーとして使用することはできます。
マスキング レイヤーの作成には、次のようなジオプロセシング ツールを使用できます。
これらのツールは、現在のマップまたはシーン内で適用可能な任意のレイヤーで使用できます。 ポリゴン フィーチャクラスは、ジオデータベースの出力として生成されます。ジオデータベースは、特定のシンボルまたはアノテーション フィーチャの下にあるレイヤーの一部をマスクするために使用されます。
マスクは、余白、またはフィーチャとマスクのエッジ間の領域を識別し、アウトライン メソッドを使用して、マスクのポリゴンを作成します。 マスキング レイヤー ツールとその目的については、「マスキング ツールセットの概要」をご参照ください。
フィーチャ レイヤー用のマスキング レイヤーを作成するには、次の手順に従います。
- [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[カートグラフィ ツール] > [マスキング] の順に移動し、目的のツールをクリックして開きます。
- パラメーターを設定して、ツールを実行します。
ポリゴン フィーチャクラスがコンテンツ ウィンドウに追加されます。
レイヤー マスキングの使用
マップまたはシーン内での 1 つ以上のマスク ソースからのフィーチャを使用して、選択したレイヤーのシンボル表示されたフィーチャをマスクできます。 たとえば、水域上で行政区画をマスクするには、行政区域の境界を含むポリゴン フィーチャ レイヤーを選択し、[マスキング] ドロップダウン メニューで水域フィーチャを含むレイヤーのチェックボックスをオンにします。
レイヤーをマスクするには、次の手順に従います。
- [コンテンツ] ウィンドウで、マスク対象の 1 つ以上のレイヤーを選択します。
- [フィーチャ レイヤー] タブの [描画] グループで [マスキング] をクリックします。
- ドロップダウン メニューで、リスト内の 1 つ以上のレイヤーをオンにします。
チェック マークの付いたレイヤーにより、選択したレイヤーがマスクされます。
レイヤー シンボルのマスク
レイヤーの特定のシンボルのみをマスクすることで、レイヤーのマスク方法を詳細に定義できます。 たとえば、道路のタイプごとにシンボル表示が異なる道路のライン フィーチャ レイヤーでは、高速道路全体をマスキングするのではなく、高速道路シンボルのどのレイヤーをマスクするかを指定できます。
マップにポリゴン フィーチャ レイヤーが存在する限り、フィーチャ レイヤーまたはグループ レイヤーにシンボル レイヤー マスキングを使用できます。
レイヤーのシンボルをマスクするには、次の手順に従います。
- [コンテンツ] ウィンドウで、マスキングを適用するフィーチャ レイヤーを選択します。
- [フィーチャ レイヤー] タブの [描画] グループで、[マスキング] ドロップダウン メニュー をクリックし、[高度なマスキング] をクリックします。
- [高度なマスキング] ダイアログ ボックスの [ソースのマスク] チェックボックス リストで、1 つ以上のマスク ソースをオンにします。
- [シンボル レイヤー] リストには、[コンテンツ] ウィンドウから選択したフィーチャ レイヤー内の各シンボル レイヤーが表示されます。 ハイライト表示されたマスク ソースでマスクするシンボル レイヤーをオンにします。
- [OK] をクリックして、シンボル レイヤーにマスクを適用します。
フィーチャ レベル マスキングの使用
個々のフィーチャに対するマスキングを確立するには、マスクされるレイヤーとマスキング ポリゴン レイヤーの間で、多対多のリレーションシップ クラスを設定します。 リレーションシップ クラスを使用して、マスキング ポリゴンを、特定のマスクされるフィーチャと結び付けます。 リレーションシップ クラスの開始としてマスクになるポリゴンを設定します。 リレーションシップ クラスの目的としてマスクになるフィーチャを設定します。
フィーチャ レベル マスキングを取得する方法の 1 つは、ジオプロセシングを使用してフィーチャの競合を自動的に検出してマスクを作成することです。 [オーバーパスの作成 (Create Overpass)] ツールまたは [アンダーパスの作成 (Create Underpass)] ツールを使用して、自動的に競合を識別し、マスク:ポリゴンを生成し、リレーションシップを設定します。 必要に応じて、出力されたマスキング ポリゴンを編集して新しいマスクを作成することができます。
または、[リレーションシップ クラスの作成 (Create Relationship Class)] ツールで既存のポリゴン フィーチャクラスを使用して、そのポリゴン フィーチャクラスとマスクされるレイヤーの間に多対多のリレーションシップ クラスを作成することができます。
フィーチャ レベル マスキングを設定するには、次の手順を実行します。
- マスキング ポリゴン フィーチャクラスは、必ず、それをマスクされるレイヤーに関連付ける多対多のリレーションシップ クラスとともにマップ内に存在するようにします。
[コンテンツ] ウィンドウで、マスキング ポリゴン フィーチャをオンにしてフィーチャを確認できますが、マスキングを適用してマスキング効果を明らかにする場合は、マスキング ポリゴン フィーチャをオフにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、マスキングを適用するフィーチャ レイヤーをクリックします。
- [フィーチャ レイヤー] タブの [描画] グループで、[シンボル] をクリックして [シンボル] ウィンドウを開きます。
- [高度なシンボル オプション] タブ をクリックします。
- [フィーチャ レベル マスキング] 見出しを展開し、リレーションシップ クラスをオンにしてマスキングを有効化します。
複数のリレーションシップ クラスを使用できる場合は、それらを有効化できます。
マスキング ポリゴンは、現在のレイヤーのフィーチャをマスクします。