正射図法

説明

正射図法とは、地球を無限遠から平面に投影する方位図法です。 地球を 3 次元に見ているような印象を与えるため、差し込みマップや、宇宙から見た地球を絵画的に表現した地図として使われます。 この地図投影は局所投影と同じですが、球体のみをサポートします。

この図法は、古代エジプト人とギリシャ人が考案したものと言われています。 ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.1.1 以降で使用できます。

正射図法の例
カリブ海を中心にした正射図法の地図投影を示します。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、正射図法のプロパティについて説明します。

経緯線

正射図法は、3 つのアスペクトで使用できる方位図法です。

極座標面では、子午線は極を中心の原点とする直線として投影されます。 その間の角度は真方位です。 緯線は、不等間隔の同心円弧として表示されます。 その間隔は、中心から離れるにつれて小さくなります。 経緯線の交点はすべて 90°です。 反対極を投影することはできません。 経緯線はすべての子午線に対して対称的です。

赤道面では、赤道と中心子午線は 2 本の垂直線として投影されます。 2 本の子午線 (中心子午線から 90°東と西) は円として投影され、投影図のエッジを表します。 その他の子午線は複素曲線です。 その間隔は、中心子午線から離れるにつれて小さくなります。 すべての緯線は、中心子午線に対して垂直な直線です。 その間隔は、赤道から離れるにつれて小さくなります。 両極は、投影図のエッジでポイントとして投影されます。 経緯線は赤道と中心子午線に対して対称的です。

斜軸の場合、中央子午線と 180 度経線のみが直線として投影されます。 他の子午線は、中心から最も近い極 (ポイントとして投影される) で半楕円になります。 緯線は、不等間隔の完全楕円か部分楕円であり、その間隔は投影図の中心から離れるにつれて小さくなります。 経緯線は中心子午線に対して対称的です。

歪み

正射図法は正角でも正積でもありません。 一般に、形状、面積、距離、方向、角度には全体的に歪みが生じます。 歪みがないのは、地図の中心のみです。 歪みの値は、原点から放射状に大きくなります。

使用法

この図法の斜軸法は、差し込みロケーター マップとして、または宇宙から地球を見た絵画的なマップで使用されます。

バリアント

ArcGIS には 2 つのバリアントがあります。

  • 正射図法バリアントでは、半径は長半径であり、球体の数式を使用します。 楕円体はサポートされません。 ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.1.1 以降で使用できます。
  • 正射図法球体補正バリアントでは、球体補正タイプのパラメーターで指定した球体で、球体ベースの数式を使用します。 楕円体はサポートされません。 ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 9.3 以降で使用できます。

制限事項

正射図法による投影は片方の半球に限定され、地球全体は表示できません。 どちらのバリアントも楕円体はサポートしていません。

パラメーター

正射図法のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中心の経度
  • 中心の緯度

正射図法球体補正のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中心の経度
  • 中心の緯度
  • 球体補正タイプ、値は次のとおりです。
    • 0 = 地理座標系の長半径を使用
    • 1 = 短半径を使用
    • 2 = 正積半径を計算して使用
    • 3 = 正積半径を使用し、測地緯度を正積緯度に変換
    注意:

    地理座標系で球体が使用される場合、球体補正タイプでは、上記の 4 つすべてのケースで球体の半径を使用します。

ソース

Snyder, J. P. (1987). Map Projections: A Working Manual. U.S. Geological Survey Professional Paper 1395. Washington, DC: United States Government Printing Office.

Snyder, J. P. (1993). Flattening the Earth. Two Thousand Years of Map Projections. Chicago and London: University of Chicago Press.

Snyder, J. P. and Voxland, P. M. (1989). An Album of Map Projections. U.S. Geological Survey Professional Paper 1453. Washington, DC: United States Government Printing Office.