Location Referencing ライセンスで利用可能です。
高速道路のセクションの道路幅拡張など、車道の保守作業を実行するとき、ルート上のイベントを廃止したり、廃止および置換したりする必要がある場合があります。
車道の変更中、ルートの編集されたセクションのイベントは、イベント置換構成に従って、そのままにするか、廃止するか、廃止および置換することができます。
イベント レイヤーは、イベント置換前に [イベントの置換を構成] ダイアログ ボックスで分類しておく必要があります。 イベント置換時は、ルートのメジャーは変更されません。
イベント置換シナリオ
イベント置換の構成では、フィーチャ サービス内のイベントを 3 つのカテゴリ ([そのまま]、[廃止]、[廃止と置換]) に分類する必要があります。
イベント置換前
置換前の車道セクションを次の図に示します。
置換前、車道セクションには、3 つのポイント イベント (イベント 1 ~ 3) と 5 つのリニア イベント (イベント 4 ~ 8) の 8 つのイベントがあります。
表 1: 置換前のイベント テーブル
イベント レイヤー | イベント ID | 始点メジャー | 終点メジャー | 値 | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|---|---|---|---|
イベント 1 | 1A | 1 | N/A | GGG | 1/1/2000 | Null |
イベント 2 | 2A | 2 | N/A | SSS | 1/1/2000 | Null |
イベント 3 | 3A | 3 | N/A | HHH | 1/1/2000 | Null |
イベント 4 | 4A | 0 | 10 | XXX | 1/1/2000 | Null |
イベント 5 | 5A | 0 | 10 | YYY | 1/1/2000 | Null |
イベント 6 | 6A | 0 | 10 | ZZZ | 1/1/2000 | Null |
イベント 7 | 7A | 0 | 10 | QQQ | 1/1/2000 | Null |
イベント 8 | 8A | 0 | 10 | WWW | 1/1/2000 | Null |
道路には 0 ~ 10 のメジャーが存在します。 道路上には、さまざまなライン イベントとポイント イベントがあります。
点検中に、以下に示すように、12/31/2017 にメジャー 0 と 5 の間の道路のセクションを置換する必要があると判断されました。
イベントは、次のイベント置換カテゴリに分類されます。
表 2: イベント置換カテゴリ
廃止 | 廃止と置換 | そのまま残す |
---|---|---|
イベント 2 | イベント 5 | イベント 1 |
イベント 3 | イベント 8 | イベント 7 |
イベント 4 | ||
イベント 6 |
イベント置換後
道路セクションとイベントを置換した結果を次の図と表 3 に示します。
表 3: イベント置換後
イベント レイヤー | イベント ID | 始点メジャー | 終点メジャー | 値 | 開始日 | 終了日 | ケース |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イベント 1 | 1A | 1 | GGG | 1/1/2000 | Null | A | |
イベント 2 | 2A | 2 | SSS | 1/1/2000 | 12/31/2017 | B | |
イベント 3 | 3A | 3 | HHH | 1/1/2000 | 12/31/2017 | C | |
イベント 4 | 4A | 0 | 10 | XXX | 1/1/2000 | 12/31/2017 | D |
イベント 4 | 4B | 5 | 10 | XXX | 12/31/2017 | Null | E |
イベント 5 | 5A | 0 | 10 | YYY | 1/1/2000 | 12/31/2017 | F |
イベント 5 | 5B | 5 | 10 | YYY | 12/31/2017 | Null | G |
イベント 5 | 5C | 0 | 5 | YYYOO | 12/31/2017 | Null | H |
イベント 6 | 6A | 0 | 10 | ZZZ | 1/1/2000 | 12/31/2017 | I |
イベント 6 | 6B | 5 | 10 | ZZZ | 12/31/2017 | Null | J |
イベント 7 | 7A | 0 | 10 | QQQ | 1/1/2000 | Null | K |
イベント 8 | 8A | 0 | 10 | WWW | 1/1/2000 | 12/31/2017 | L |
イベント 8 | 8B | 5 | 10 | WWW | 12/31/2017 | Null | M |
イベント 8 | 8C | 0 | 5 | WWWOO | 12/31/2017 | Null | N |
表 4: イベント置換の説明
ケース | イベント レイヤー | 説明 |
---|---|---|
A | Event 1 | イベントはそのまま残されます。 |
B | イベント 2 | イベントは [廃止] カテゴリにあるので廃止されます。 |
C | イベント 3 | イベントは廃止カテゴリにあるので廃止されます。 |
D | イベント 4 | イベント全体は廃止カテゴリにあるので廃止されます。 |
E | イベント 4 | 道路の既存のセクションに新しいイベントが作成されます。このとき、元のイベントの属性値は維持されます。 |
F | イベント 5 | イベント全体は [廃止と置換] カテゴリにあるので廃止されます。 |
G | イベント 5 | 道路の既存のセクションに新しいイベントが作成されます。このとき、古いイベントの属性値は維持されます。 |
H | イベント 5 | 道路の既存のセクションに新しいイベントが作成されます。このとき、[イベントの置換] ウィンドウで指定した新しい日付と属性が使用されます。 |
I | イベント 6 | イベント全体は [廃止] カテゴリにあるので廃止されます。 |
J | イベント 6 | 道路の既存のセクションに新しいイベントが作成されます。このとき、古いイベントの属性値は維持されます。 |
K | イベント 7 | イベントはそのまま残されます。 |
L | イベント 8 | イベント全体は [廃止と置換] カテゴリにあるので廃止されます。 |
M | イベント 8 | 道路の既存のセクションに新しいイベントが作成されます。このとき、古いイベントの属性値は維持されます。 |
N | イベント 8 | 道路の既存のセクションに新しいイベントが作成されます。このとき、[イベントの置換] ウィンドウで指定した新しい日付と属性が使用されます。 |
イベントの分類
イベント置換を構成するには、以下の手順を実行します。
- ArcGIS Pro で、イベントを廃止するか置換するフィーチャ サービスを含むマップを開きます。
- [Location Referencing] タブの [イベント] グループで、[置換の構成] をクリックします。
[イベントの置換を構成] ダイアログ ボックスが表示されます。
イベント置換の構成が存在しない場合は、[イベントの置換を構成] ダイアログ ボックスの上部に [新しいイベントの置換を作成] ダイアログ ボックスが開きます。ここで、指定の構成を作成できます。
- Shift キーを押しながらクリックしてイベントの範囲を選択するか、Ctrl キーを押しながらクリックしてイベントを順不同に選択します。次に、複数のライン イベントを [イベント レイヤー] リストから [イベントの廃止と置換] リストにドラッグします。
また、ダイアログ ボックスの矢印ボタンを使用し、選択したレイヤーを [イベント レイヤー] リストとその他のリスト間で移動したり、ライン イベント レイヤーを [イベントの廃止] リストと [イベントの廃止と置換] リスト間で上下に移動したりすることもできます。
ヒント:
構成を元の状態か最後に保存した状態に設定するには、[リセット] をクリックします。
[イベント レイヤー] リストに残されるイベント レイヤーは、イベント置換の実行時にそのまま残されます。
- Shift キーを押しながらクリックしてイベントの範囲を選択するか、Ctrl キーを押しながらクリックしてイベントを順不同に選択します。次に、複数のライン イベントを [イベント レイヤー] リストから [イベントの廃止と置換] リストにドラッグします。
ヒント:
廃止して置換されるのはライン イベント のみです。
注意:
廃止するか、廃止して置換するよう構成されているイベントがない場合は、構成を保存できません。
- 必要に応じて、[イベントの廃止と置換] リスト内のイベント レイヤーの矢印をクリックして展開します。
編集可能なイベント レイヤー フィーチャの展開可能なリストが表示されます。 チェックボックスをオフにすると、イベント置換から除外できます。
デフォルトの属性値が構成されている場合、それらが表示されます。 [イベントの置換] ウィンドウでイベント置換を行う場合、デフォルト値を上書きできます。
注意:
一部の属性フィールドは、必須の属性フィールド です。 必須の属性フィールドは、デフォルト値を持たない、NULL 値を使用できないフィールドです。 必須の属性フィールドのチェックボックスはオフにできません。
- [保存] をクリックして、イベント置換の構成を保存します。
注意:
イベント置換構成は、[イベントの置換フォルダーの場所] に指定されたパスにあるフォルダーに保存されます。 このフォルダーの場所は、デフォルトで、アクティブなプロジェクトの ArcGIS Pro プロジェクト フォルダーと同じです。
[オプション] ダイアログ ボックスの [Location Referencing] タブを使用して、Location Referencing オプションを設定できます。
指定した名前の .lrer ファイルがまだ存在しない場合は、[新しいイベントの置換を作成] ダイアログ ボックスで割り当てられた名前を使用して作成されます。
- 必要に応じて、[名前を付けて保存] をクリックし、別の名前または場所を使用して、構成を .lrer に保存します。
保存したイベント置換の構成ファイルを共有し、他のユーザーが各自の [イベントの置換フォルダーの場所] に指定された場所に配置できるようにします。
イベント置換の構成を削除するには、[イベントの置換フォルダーの場所] に指定されたフォルダーの場所から削除します。
- 必要に応じて、[デフォルトに設定] をクリックし、イベント置換の構成をプロジェクトのデフォルトにします。
- [閉じる] をクリックし、[イベントの置換を構成] ダイアログ ボックスを閉じます。