ラベル | 説明 | データ タイプ |
入力ラスター、または目的地フィーチャ データ | 最小コストのソースまでの最小コスト パスが求められるセルを識別するラスターまたはフィーチャ データセット。 ラスターを入力とした場合、そのラスターを構成するセルに目的地の有効値が含まれていて、残りのセルに NoData が割り当てられている必要があります。 ゼロは有効値です。 | Raster Layer; Feature Layer |
入力コスト距離ラスターまたはユークリッド距離ラスター | ソースから目的地までの最小コスト パスを決定するために使用されるコスト距離ラスター。 コスト距離ラスターは通常、[コスト距離 (Cost Distance)]、[コスト アロケーション (Cost Allocation)] または [コスト バック リンク (Cost Back Link)] ツールを使用して作成します。 コスト距離ラスターは、各セルから一連のソース セルまでのコスト サーフェス上での最小累積コスト距離を、セルごとに格納しています。 | Raster Layer |
入力コスト バックリンク ラスター、バック方向ラスター、またはフロー方向ラスター | 最小コスト パスまたは最短パスでソースに戻るパスを決定するために使用するコスト バックリンク ラスター。 バックリンク、バック方向、または流向ラスターの各セルについて、値は、そのセルからソース セルまでのパス上にある次のセルである近傍を識別します。 | Raster Layer |
出力ポリライン フィーチャ | 最小コスト パスを保持する出力フィーチャクラス。 | Feature Class |
パスの種類 (オプション) | 入力目的地データの値とゾーンを、コスト パスの計算の中でどのように解釈するかを定義するキーワードを指定します。
| String |
目的地フィールド (オプション) | 目的地の位置の値を取得するために使用するフィールド。 入力フィーチャ データには、少なくとも 1 つの有効なフィールドがある必要があります。 | Field |
強制的にバックリンク ラスターを流向に変換 (オプション) | 入力バック リンクラスターをフロー方向ラスターとして処理するかどうかを指定します。 流向ラスターには、0 ~ 255 の範囲に含まれる整数値を指定できます。
| Boolean |
Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
サマリー
ソースから目的地までの最小コストパスをライン フィーチャとして算出します。
使用法
コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline) ツールは、ソースから累積コスト サーフェス上でコスト距離が最も近い目的地までの最小コスト パスを記録する出力ポリライン フィーチャを作成します。
[コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline)] を実行する前に、通常は、1 つ以上の加重コスト ツール ([コスト距離 (Cost Distance)]、[コスト バック リンク (Cost Back Link)]、または [コスト アロケーション (Cost Allocation)]) を実行して、入力のコスト距離とバック リンク ラスターを作成しておく必要があります。 これらは、[コストパス (ポリライン) (Cost Path as Polyline)] の必須入力ラスターです。
入力目的地データがラスターの場合、一連の目的地セルは、有効な値を持つ [入力ラスター、または目的地フィーチャ データ] 内にあるすべてのセルから構成されます。 値が NoData のセルは、ソース セットには含まれません。 値ゼロは、正式な目的地と見なされます。 目的地ラスターは、[抽出] ツールを使用して作成できます。
ソース入力がフィーチャの場合、デフォルトで、最初の有効な利用可能フィールドが使用されます。 有効なフィールドが存在しない場合は、ObjectID フィールド (たとえば、フィーチャ入力のタイプによって、OID または FID など) が使用されます。
特に、入力目的地フィーチャにポリゴン フィーチャを使用する際、出力セル サイズが入力フィーチャよりも粗い場合の処理方法に注意する必要があります。 [セルの中心] の [集約タイプ] のデフォルト設定で、[ポリゴン → ラスター (Polygon to Raster)] ツールを使用する内部的なラスター化処理が適用されます。 つまり、セルの中心に配置されていないデータは、ラスター化された目的地の出力に含まれず、距離の計算では表されません。 たとえば、目的地が出力のセル サイズに比べて小さい一連のポリゴン (建物のフットプリントなど) である場合は、一部のポリゴンだけが出力ラスター セルの中心に分類され、多くのポリゴンが解析で失われたように見える可能性があります。
この状況を回避するには、中間的な手順として、[フィーチャ → ラスター (Feature to Raster)] ツールを使用して入力フィーチャを直接ラスター化し、[フィールド] パラメーターを設定します。 次に、結果の出力を距離ツールの入力として使用します。 または、入力フィーチャから適切な量の情報を捕捉できる、小さいセル サイズを選択することもできます。
出力ポリライン フィーチャには、各ラインの目的地を識別する DestID というフィールドがあります。 出力がファイル ジオデータベースに書き込まれる場合は、最小コスト パスの全長が格納される shape_length というフィールドがあります。
[コストパス (ポリライン) (Cost Path as Polyline)] は、[セル サイズ] 環境設定を無視し、出力ラスターの [入力コスト バック リンク ラスター] のセル サイズを使用します。 バック リンク ラスターのパターンは、別の解像度にリサンプリングされた場合は、大幅に変化します。 混乱を避けるために、このツールを使用するときは、セル サイズを設定しないでください。
コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline) を使用して、D8 流向ラスターに基づいた流路を決定できます。 コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline) をこの目的で使用するには、[入力コスト バック リンク ラスター] の入力として D8 流向ラスターを使用します。 [入力コスト距離ラスター] も指定する必要があります。[入力コスト距離ラスター] はパスの決定に使用されません。 定数ラスターまたはデジタル標高モデル (DEM) のどちらを使用しても、パスは同じになります。パス上の属性値のみが変化します。 D8 流向ラスターの詳細については、[流向ラスターの作成 (Flow Direction)] ツールをご参照ください。
コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline) を使用して、ユークリッド ツールから生成された [出力バック方向ラスター] に基づいたバリア周りのパスを決定できます。 コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline) をこの目的で使用するには、はじめに [出力コスト距離ラスター] と [出力バック方向ラスター] を生成するために定義された [入力ラスター、またはフィーチャ バリア データ] を使ってユークリッド ツールを実行します。 コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline) への入力としてユークリッド ツールから生成された出力を使用します。
このツールに適用されるジオプロセシング環境の詳細については、「解析環境と Spatial Analyst」をご参照ください。
パラメーター
CostPathAsPolyline(in_destination_data, in_cost_distance_raster, in_cost_backlink_raster, out_polyline_features, {path_type}, {destination_field}, {force_flow_direction_convention})
名前 | 説明 | データ タイプ |
in_destination_data | 最小コストのソースまでの最小コスト パスが求められるセルを識別するラスターまたはフィーチャ データセット。 ラスターを入力とした場合、そのラスターを構成するセルに目的地の有効値が含まれていて、残りのセルに NoData が割り当てられている必要があります。 ゼロは有効値です。 | Raster Layer; Feature Layer |
in_cost_distance_raster | ソースから目的地までの最小コスト パスを決定するために使用されるコスト距離ラスター。 コスト距離ラスターは通常、[コスト距離 (Cost Distance)]、[コスト アロケーション (Cost Allocation)] または [コスト バック リンク (Cost Back Link)] ツールを使用して作成します。 コスト距離ラスターは、各セルから一連のソース セルまでのコスト サーフェス上での最小累積コスト距離を、セルごとに格納しています。 | Raster Layer |
in_cost_backlink_raster | 最小コスト パスまたは最短パスでソースに戻るパスを決定するために使用するコスト バックリンク ラスター。 バックリンク、バック方向、または流向ラスターの各セルについて、値は、そのセルからソース セルまでのパス上にある次のセルである近傍を識別します。 | Raster Layer |
out_polyline_features | 最小コスト パスを保持する出力フィーチャクラス。 | Feature Class |
path_type (オプション) | 入力目的地データの値とゾーンを、コスト パスの計算の中でどのように解釈するかを定義するキーワードを指定します。
| String |
destination_field (オプション) | 目的地の位置の値を取得するために使用するフィールド。 入力フィーチャ データには、少なくとも 1 つの有効なフィールドがある必要があります。 | Field |
force_flow_direction_convention (オプション) | 入力バック リンクラスターをフロー方向ラスターとして処理するかどうかを指定します。 流向ラスターには、0 ~ 255 の範囲に含まれる整数値を指定できます。
| Boolean |
コードのサンプル
次の Python ウィンドウ スクリプトは、このツールの使用方法を示しています。
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"
CostPathAsPolyline("observers", "costdistraster", "backlink2", "c:/sapyexamples/output/outcostpth01.shp")
ソースから目的地までの最小コスト パスを計算します。
# Name: CostPathAsPolyline_Ex_02.py
# Description: Calculates the least-cost path from a source to
# a destination.
# Requirements: Spatial Analyst Extension
# Import system modules
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *
# Set environment settings
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"
# Set local variables
inDestination = "observers.shp"
inCostDistRaster = "costdistraster"
inBacklink = "backlink2"
outCostPathFeat = "c:/sapyexamples/output.gdb/outcostpathfeat02"
method = "EACH_CELL"
destField = "FID"
# Check out the ArcGIS Spatial Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("Spatial")
# Execute
CostPathAsPolyline(inDestination, inCostDistRaster, inBacklink,
outCostPathFeat, method, destField)
環境
ライセンス情報
- Basic: 次のものが必要 Spatial Analyst
- Standard: 次のものが必要 Spatial Analyst
- Advanced: 次のものが必要 Spatial Analyst