空間的にバランス調整されたポイントの作成の仕組み

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

サンプリング ネットワークを設計する際には考慮すべき事柄が多数あります。 とりわけ、空間的にバランス調整された設計は、サンプル位置間の空間的独立性を最大化することで推定値の効率を改善するように構築されています。 また、各サンプルは母集団全体に分布しているため、サンプル単位あたりの情報を増やすことによってサンプリングが効率化します。 これらの解説は、サンプリング設計に適用可能ないくつかの基準の 1 つである、統計的効率について言及したものです。

空間的にバランス調整されたポイントを作成するアルゴリズムは、David Theobald et al. によって提唱され、そのアルゴリズムの一部は Don Stevens and Anthony Olsen によって開発された方法に基づいています。 この方法は以下に基づいています。

  • RRQRR (Reverse Randomized Quadrant-Recursive Raster) アルゴリズムを使用して 2D 空間が 1D 空間にマッピングされ、1D 空間で連続するサンプルによって、空間的にバランス調整されたサンプリング設計が構成されます。
  • 不等包含確率を使用してサンプリング強度のばらつきが処理されます。 包含確率は、ある位置 (ラスター セル) が選択される確率を他の位置が選択される確率と比較した 0 ~ 1 の範囲 (0 と 1 を含む) の相対値です。

このツールへの入力は以下を同時に定義するラスターです。

  • 解析の最大外接矩形
  • 包含確率 (分析範囲内の各位置は Null でない、0 より大きい包含確率を持ちます)
  • サンプル フレーム (分析範囲)
  • サンプル位置が生成されるときの最高解像度

この結果として空間的にバランス調整された設計は次のような特性を持ちます。

  • サンプル採取地から生成されたボロノイ ポリゴンの面積のばらつきは小さくなります (つまり、分析範囲全体における各サンプル ポイントが代表する割合はほぼ同じです)。
  • 柔軟性があるため、時間経過、サンプル採取地へのアクセスのしやすさ、予算などに応じてサンプル位置を更新できます。 このためには前述のランダム化プロセスが制御され、再現可能である必要があります (ランダム化プロセスを制御するには、乱数発生器でシード値を設定します)。 シード値を 0 に設定すると、ツールが実行されるたびに再現不可能な (新しい) 出力が生成されます。 0 より大きい固定値をシード値として使用した場合、再現可能な結果が生成され、設計の空間的なバランスを犠牲にすることなくサンプル ポイントの数を増減することができます。

最適な結果を得るため、サンプル数を分析範囲内の可能なすべてのサンプル位置の 1 パーセント未満にすることが Theobald et al. によって提言されています。

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