Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。
放射基底関数 (RBF) は一連の厳密な内挿手法であり、サーフェスは各測定サンプル値を必ず通ります。 基底関数には次の 5 つの種類があります。
- Thin-plate スプライン
- テンション スプライン
- 完全に正規化されたスプライン
- 多重二乗関数
- 逆多重二乗関数
各基底関数の形状は異なり、異なる内挿サーフェスが生成されます。 RBF 方法はスプラインの特殊なケースです。
RBF は概念上、サーフェスの曲率の総和を最小化しながら測定サンプル値を通るようにゴム膜をかぶせることとよく似ています。 選択した基底関数によって、ゴム膜が値と値の間にどのように適合するかが決まります。 以下の図では、一連の標高サンプル値を通るように適合された RBF サーフェスが概念的に示されています。 断面を見れば、サーフェスが各データ値を通っていることがわかります。
RBF 方法は厳密な内挿法であるという点でグローバル多項式内挿法やローカル多項式内挿とは異なります。これらの多項式内挿法は厳密ではない内挿法であり、サーフェスは測定ポイントを通る必要がありません。 RBF を (もう 1 つの厳密な内挿である) IDW と比較した場合、IDW では、以下に示すサンプル データの横断面のように、最大測定値より大きい値と最小測定値より小さい値が推定されることはありません。
これに対し、RBF では、以下の断面のように最大測定値より大きい値と最小測定値より小さい値を推定できます。
最適なパラメーターを決定するには、IDW やローカル多項式内挿法で説明したときと同じ方法で交差検証を使用します。
放射基底関数を使用する状況
RBF は、多数のデータ ポイントからスムージング サーフェスを生成するときに使用します。 この関数では、標高など、緩やかに変化するサーフェスで良好な結果が得られます。
ただし、短距離でサーフェスの値が大きく変化する場合や、サンプル データに測定誤差や不確実性があると思われる場合には、この手法は適していません。
放射基底関数の概念
Geostatistical Analyst では、RBF はデータ位置ごとに作成されます。 RBF は位置からの距離とともに変化する関数です。
たとえば、放射基底関数が各位置からの単なる距離であるとした場合、各位置に円錐を逆さに置いた形になります。 y = 5 の位置で x,z 断面を作成した場合、各放射基底関数のスライスを確認できます。 今度は、y = 5、x = 7 における値を推定するとします。 その推定位置における各放射基底関数の値は上記の図の値 Φ1、Φ2、Φ3 から求めることができ、これらは各データ位置からの距離のみに依存します。 推定式は加重平均 w1Φ1 + w2Φ2 + w3Φ3 + … を求めることによって作成されます。
問題は、加重をどのように決めるかということです。 これまでは、データ値をまったく使用しませんでした。 測定済みの位置に推定が移ったときにデータ値が厳密に推定されるという条件の下で、加重 w1、w2、w3 などの値が計算されます。 これは N 個の未知数を持つ N 個の式によって表され、一意に解くことができます。 したがって、サーフェスはデータ値を通るため、厳密な推定になります。
この例に挙げた放射基底関数は多重二乗 RBF の特殊なケースです。 Geostatistical Analyst では、完全に正規化されたスプライン、Thin-plateスプライン、テンション スプライン、逆多重二乗などのその他の RBF も使用できます。 これらの関数には大きな違いはありませんが、何らかの根拠に基づいてどれか 1 つを選択することも、いくつか試して交差検証してから 1 つを選択することもできます。 各 RBF にはサーフェスの滑らかさを制御するパラメーターがあります。
逆多重二乗を除くすべての関数ではこのパラメーター値が大きいほどマップがより滑らかになり、逆多重二乗関数ではこのパラメーター値が小さいほどより滑らかになります。