多次元モザイク データセットおよび多次元 CRF (Cloud Raster Format) データセットをイメージ サービスとして公開し、Web 環境で共有および解析できます。
多次元イメージ サービスを公開する際の考慮事項
多次元イメージ サービスを公開する前に、データに最適な管理構造を特定することが重要です。多次元ラスター データ管理の基本となるデータ管理構造は、多次元モザイク データセットと多次元 CRF です。各データ管理オプションには利点と制限があり、選択する形式はデータの処理内容によって異なります。目的に応じた最適なデータ構造については、「多次元ラスター データの管理」をご参照ください。
ソース データ構造のほか、公開するサービスの数や使用する圧縮タイプも考慮する必要があります。たとえば、異なる時間分解能を持つ変数、異なるバンド数を含む変数、またはベクトル場レンダラーで表示するデータに対しては、別々のサービスを公開することをお勧めします。
処理テンプレートの構成
サービスに複数の変数が含まれている場合は、定義済み処理テンプレートでサービスを構成することで、データ アクセスを向上させることができます。
処理テンプレートとは、ラスター データをリアルタイムで処理および視覚化する際に使用するラスター関数またはラスター関数チェーンのことです。CRF データセットもモザイク データセットも、多次元イメージ サービスとともに公開できる処理テンプレートを格納できます。
たとえば、ユーザーが複数の変数のそれぞれに迅速にアクセスできるよう、多次元フィルター関数を処理テンプレートとして CRF データセットに格納することができます。また、多次元フィルター関数と熱指数関数を組み合わせたラスター関数チェーンを作成し、同じモザイク データセットに格納されている温度変数と相対湿度変数の両方を使用して熱指数を生成することもできます。
イメージ サービスの公開
ArcGIS Pro から多次元イメージ サービスを公開する準備ができたら、Web レイヤーを共有する標準的なワークフローを使用できます。データセットから多次元情報を追加する場合、それ以上の手順は必要ありません。
ソースの多次元データセットを更新し、その更新内容をイメージ サービスに反映させる場合は、次の設定を使用します。
- CRF データセットおよびモザイク データセットの場合 - [Web レイヤーとして共有] ウィンドウの [一般] タブで、[レイヤーおよびデータ タイプ] オプションを [登録済みデータを参照] に設定します。Web レイヤーは、ソース データセットを参照して生成されます。
- CRF のみ - [Web レイヤーとして共有] ウィンドウの [構成] タブで、イメージ レイヤーの [Web レイヤー プロパティの構成] ボタン をクリックし、[ライブ データを含む] チェックボックスをオンにします。ソース CRF が更新されると、イメージ サービスも更新されます。この操作は、多次元モザイク データセットの場合は必要ありません。
イメージ サービスの更新
モザイク データセットまたは CRF から公開された多次元イメージ サービスは、サービスを停止せずに更新できます。
CRF を更新するには、[多次元ラスターの管理 (Manage Multidimensional Raster)] ツールを使用してスライスを追加または置換します。スライスを追加する場合、新しいスライスの日付は、既存のスライスの日付よりも後になっている必要があります。データに多次元転置が構築されている場合は、[転置の更新] チェックボックスをオンにして、新しいスライスの転置を更新します。または、[多次元転置の構築 (Build Multidimensional Transpose)] ツールを使用して転置を再構築します。
モザイク データセットを更新するには、[モザイク データセットにラスターを追加 (Add Rasters To Mosaic Dataset)] ツールを使用して、新しいスライスを追加するか、既存のスライスを上書きします。スライスを削除するには、[モザイク データセットからラスターを削除 (Remove Rasters From Mosaic Dataset)] ツールを使用します。順序に制限はないため、必要に応じてスライスを挿入または削除できます。
データを更新したら、REST リクエストを使用してサービスを更新する必要があります。
サービスを更新したら、サービスを使用する Web クライアントを更新し、ArcGIS Pro ユーザーが ArcGIS Pro を再起動すると更新内容が表示されます。