空間マップ シリーズとダイナミック エレメント

レイアウトにダイナミック エレメントを追加することで、空間マップ シリーズを強化できます。 ダイナミック エレメントは、データまたはマップ範囲の変更に応じて更新されます。 空間マップ シリーズはページごとにマップ範囲が異なっているので、ダイナミック エレメントはそのページに固有の情報を提供します。

方位記号縮尺記号格子線は、レイアウトでのマップ シリーズの有無に関係なく同じ動作をするダイナミック エレメントです。 ダイナミック テキスト凡例テーブル フレームチャート フレームピクチャ表示範囲枠には、空間マップ シリーズで役立つ追加のプロパティがあります。

ダイナミック テキスト

ダイナミック テキストは、プロジェクトやマップ フレームなどの現在のプロパティに基づいて変化するテキストです。 HTML などのタグの使用によって機能します。 レイアウトには多数のダイナミック テキスト タグがあり、マップ フレーム名、フィールドの平均値、マップのメタデータなどの情報を表示します。 ダイナミック テキスト タグの使用方法については、「ダイナミック テキストの追加と変更」および「ダイナミック テキストのタグ」をご参照ください。

注意:

ダイナミック テキストは更新され、テキストの長さもページごとに異なるため、テキストが複数のページに分割されないように、四角形のテキスト Rectangle text を使用してテキストの調整ルールを適用することを検討してください。 直線状のテキスト Straight Text をすでに使用している場合には、四角形のテキストに変換 Rectangle text して、調整ルールを使用できます。

空間マップ シリーズには、マップ シリーズ プロパティに一意の追加のタグがあります。 たとえば、ダイナミック テキストを使用してマップ シリーズ ページ番号を表示できます。

次のタグは空間マップ シリーズでのみ使用できます。

名前説明構文の例出力例

ページ名

マップ シリーズの名前フィールドによって定義されるページ名。

<dyn type="page" property="name"/>

イタリア

ページ番号

マップ シリーズのページ番号オプションによって定義されるページ番号。

Page <dyn type="page" property="number"/>

1 ページ

総ページ数付きページ番号

現在のページのページ インデックスと総ページ数。

ページ インデックス タグは開始ページ番号の設定を無視します。 マップ シリーズ ページ数が 10 で、開始ページ番号が 3 に設定されている場合、最初のページは「1 / 10 ページ」と示されます。

これは実際には 2 つのダイナミック テキスト タグで、1 つはページ インデックス用、もう 1 つはマップ シリーズ ページ数用です。

Page <dyn type="page" property="index"/> of <dyn type="page" property="count"/>

1 / 10 ページ

ページ インデックス

マップ シリーズ内のページの連番であるページ インデックス。 ページ番号やグループ設定は無視されます。

<dyn type="page" property="index"/>

3

属性

インデックス レイヤー内の選択した属性の値。 これには、インデックス レイヤーに結合されているフィールドが含まれます。

デフォルトでは、コード値の説明が使用されます (存在する場合)。 コード値の説明を使用しない場合は、タグを domainlookup="false"/> に変更します。

テーブル属性ダイナミック テキストを使用して属性を表示することもできます。ここでは追加の設定を利用できます。

<dyn type="page" property="attribute" field="<Field Name>" domainlookup="true"/>

公園

マップ シリーズでダイナミック テキストを使用する 1 つの方法は、隣接ラベルを作成することです。 ページ上のこれらのラベルは、現在のページの上下左右のいずれかにページの名前を表示します。 隣接ラベルは、グリッド インデックス マップ シリーズまたはストリップ マップ シリーズを作成するときによく使用されます。 これらのラベルを追加するには、マップ シリーズのインデックス フィーチャに、隣接するページの情報を含んだフィールドが必要です。 [隣接図郭情報の追加 (Calculate Adjacent Fields)] ジオプロセシング ツールを使用して、隣接ページをラベリングするフィールドを作成し、設定することができます。 ストリップ マップを作成するときに、[インデックス フィーチャ (帯状) の作成 (Strip Map Index Features)] ジオプロセシング ツールを使用してインデックス レイヤーを作成すると、左と右および上と下のラベルに使用可能な計算済みのフィールドがレイヤーに追加されます。

これらのフィールドを追加した後、次の手順に従って隣接ラベルをマップ シリーズに追加します。

  1. [挿入] タブの [グラフィックスとテキスト] グループで、[ダイナミック テキスト] Add Dynamic Text ボタンをクリックしてギャラリーにアクセスします。
  2. ダイナミック テキスト ギャラリーから [属性] を選択します。
  3. [ダイナミック テキストの挿入] ウィンドウが表示されるので、隣接ラベルを含むフィールド名を選択します。たとえば、北のページのラベルを含むフィールドとして「PageName_N」を選択します。
  4. 目的のレイアウト上にダイナミック テキスト エレメントを描画します。
  5. 追加する隣接ラベルごとにこの手順を繰り返します。

凡例、テーブル フレーム、チャート フレーム

凡例テーブル フレームチャート フレームには、現在のマップ範囲に表示されているデータのみを表示するオプションがあります。 空間マップ シリーズでは、このオプションが展開されます。 すべてのデータをマップ フレームに表示するか、マップ シリーズのインデックス フィーチャ内のデータのみを表示することができます。 表示されるデータをマップ シリーズ フィーチャ内のものに制限すると、インデックス フィーチャ上のページに集中しやすくなります。

凡例

凡例の場合、データ表示を制限するオプションは、凡例全体ではなく、凡例項目に対して設定します。 凡例には、常に表示される項目、マップ フレームの範囲内にある場合のみ表示される項目、マップ シリーズのインデックス フィーチャの範囲内にある場合のみ表示される項目が含まれます。 個別値でシンボル表示されたレイヤーなど、複数クラスを含むフィーチャの凡例項目の場合、このオプションは項目内のクラスのみに適用されます。 このオプションを設定するには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、凡例を展開して凡例項目を表示します。
  2. 凡例項目を右クリックし、[プロパティ] を選択して、[エレメント] ウィンドウを開きます。
  3. [マップ範囲に表示されるフィーチャのみを表示] をオンにします。
  4. ドロップダウン リストから、オプションを選択します。
    マップ フレーム シェープ内

    マップ フレームの範囲内にある項目のみを含みます。

    マップ シリーズ シェープ内

    インデックス レイヤーの範囲内にある項目のみを含みます。

テーブル フレーム

テーブル フレームでは、マップ フレームの範囲またはマップ シリーズのインデックス フィーチャによって、テーブルに表示されるレコードの数をフィルター処理できます。 この操作を行うには、テーブル フレームの [クエリ] オプションを設定します。 このクエリを設定するには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、テーブル フレームを右クリックし、[プロパティ] を選択して、[エレメント] ウィンドウを開きます。
  2. [エレメント] ウィンドウで、[クエリ] ドロップダウン メニューからクエリ タイプを選択します。
    すべての行

    テーブル内のすべてのレコードを表示します。

    表示行

    マップ範囲に表示されるフィーチャのレコードのみを表示します。

    マップ シリーズの行

    マップ シリーズのインデックス フィーチャ内のフィーチャのレコードのみを表示します。

チャート フレーム

チャート フレームでは、マップ フレームの範囲またはマップ シリーズのインデックス フィーチャによって、チャートに含まれるポイントの数をフィルター処理できます。 これを設定するには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウでチャート フレームを右クリックして [プロパティ] を選択し、[エレメント] ウィンドウを開きます。
  2. [マップ範囲に表示されるフィーチャのみを表示] をオンにします。
  3. ドロップダウン リストから、オプションを選択します。
    マップ フレーム シェープ内

    マップ フレームの範囲内にある項目のみを含みます。

    マップ シリーズ シェープ内

    インデックス レイヤーの範囲内にある項目のみを含みます。

ピクチャ

ピクチャを追加したら、そのピクチャがマップ シリーズ ページごとに動的に更新されるように設定できます。 これを実行するには、ピクチャをダブルクリックし、[エレメント] ウィンドウを開きます。 デフォルトでは、[シンプル パス] オプションが設定されています。この場合、ピクチャは 1 つのファイルの場所から取得され、マップ シリーズのページが変更されても更新されません。 [ダイナミック] オプションを選択し、各ページのピクチャ エレメントを更新します。

注意:

ダイナミック ピクチャは、空間マップ シリーズレポートでのみ利用できます。 それ以外の場合、このオプションは利用できません。

[ダイナミック] オプションを使用すると、アタッチメント、ラスター フィールド、または URL またはファイル パスを含むテキスト フィールドとして含まれるインデックス レイヤーのピクチャを参照できます。 ダイナミック ピクチャを設定するには、ドロップダウン メニューからフィールドを選択します。

完全なピクチャ名がフィールドに存在しないか、ピクチャが複数のフィールドで使用できる場合は、Arcadeを設定して、正確なピクチャを指定できます。 [式] ボタン 式の設定 をクリックして式の設定を開き、Arcade 式を作成します。

次に、2 つのフィールドを連結し、正しい URL 形式を提供する静的テキストを使用してピクチャ URL を作成する Arcade 式の例を示します。

"https://" + $feature.DomainName + TextFormatting.BackwardSlash + $feature.URLFileName + ".jpg"
注意:

特定のインデックス フィーチャでフィールドの値が空の場合、ピクチャは表示されません。

注意:

複数の添付ファイルがある場合、最初に追加された添付ファイルが表示されます。 [フィルター] 値を別の添付ファイルの名前に設定して、異なる添付ファイルを選択できます。

ピクチャ パス

ピクチャへのファイル パスを含むテキスト フィールドを使用している場合は、絶対パスまたは相対パスを使用するオプションがあります。 完全パスまたは絶対パスは、ローカル エリア ネットワーク上の共有ネットワーク フォルダーにアクセスするためのドライブ文字または UNC (Universal Naming Convention) で始まります。 次に絶対パスの例を示します。

パスの例説明
D:\Pictures\Landuse.png

ドライブ文字を使用した絶対パス

\\Projects\Pictures\Landuse.png

UNC を使用した絶対パス

相対パスは、ArcGIS Pro プロジェクト (.aprx) が格納されたディレクトリからの相対位置を参照します。 相対パスではダブル ドット (..) 特殊文字を使用します。 ディレクトリ階層を上に移動するには、ダブル ドットを使用します。 次に相対パスの例を示します。

パスの例説明
Landuse.png

ArcGIS Pro プロジェクトと同じディレクトリにあるピクチャの相対パス

Pictures\Landuse.png

ArcGIS Pro と同じディレクトリ内のフォルダーにあるピクチャの相対パス

..\Pictures\Landuse.png

ArcGIS Pro プロジェクトの上のフォルダーにあるピクチャの相対パス

表示範囲枠

表示範囲枠は、別のマップ フレーム内にある 1 つのマップ フレームの範囲を示します。 空間マップ シリーズに複数のマップ フレームが含まれる場合 (更新されたマップ フレームやロケーターのマップ フレームなど)、表示範囲枠を使用できます。 デフォルトでは、表示範囲枠と、表示範囲枠が範囲を表示しているマップ フレームの形状は同じですが、表示範囲枠の形状は変更できます。 空間マップ シリーズでは、表示範囲枠はマップ シリーズのインデックス フィーチャと一致するように描画できます。

表示範囲枠の描画形状を変更するには、[コンテンツ] ウィンドウで表示範囲枠を右クリックし、[プロパティ] を選択して [エレメント] ウィンドウを開きます。 [図形] ドロップダウン リストから描画オプションを選択します。

  • [フレーム] - 範囲を示すマップ フレームと同じ形状で、表示範囲枠を描画します。
  • [四角形] - マップ フレームの形状に関係なく、表示範囲枠を四角形として描画します。
  • [現在のマップ シリーズ シェープ] - 表示範囲枠を、マップ シリーズのインデックス フィーチャと同じ形状で描画します。

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