ArcGIS Enterprise と ArcGIS Online のどちらを操作しているかによって、シーン レイヤーを編集するワークフロー シナリオが異なります。
Web シーン レイヤーのジオメトリと属性の編集
フィーチャ レイヤーの編集と同じ方法で、関連するフィーチャ レイヤーを含むシーン レイヤーを編集できます。 どのフィーチャの編集内容も、最初にフィーチャ レイヤーに格納されます。 シーン レイヤーの再構築後、変更内容はシーン レイヤーにも保持されます。 編集中、変更されたフィーチャは、関連付けられているフィーチャ レイヤーから描画されています。 シーン レイヤーのタイプおよび公開場所に応じて、編集オプションが異なります。
アクティブなポータルおよびデータ オプション | ArcGIS Enterprise: 登録済みデータを参照 | ArcGIS Enterprise: すべてのデータをコピー | ArcGIS Online |
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ファイル ジオデータベース ポイント レイヤー | 編集不可能。 | 属性は Web シーン レイヤーから編集可能。 ジオメトリは関連するフィーチャ レイヤーから編集可能。 | 属性は Web シーン レイヤーから編集可能。 ジオメトリは関連するフィーチャ レイヤーから編集可能。 シーン レイヤーの再構築時にすべての変更内容が含められる。 |
エンタープライズ ジオデータベース ポイント レイヤー | Web シーン レイヤーから編集可能。 | 属性は Web シーン レイヤーから編集可能。 ジオメトリは関連するフィーチャ レイヤーから編集可能。 | 属性は Web シーン レイヤーから編集可能。 ジオメトリは関連するフィーチャ レイヤーから編集可能。 シーン レイヤーの再構築時にすべての変更内容が含められる。 |
ファイル ジオデータベース マルチパッチ レイヤー | 編集不可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 |
エンタープライズ ジオデータベース マルチパッチ レイヤー | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 |
ファイル ジオデータベース 3D オブジェクト フィーチャ レイヤー | 編集不可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 |
エンタープライズ ジオデータベース 3D オブジェクト フィーチャ レイヤー | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 |
Revit ビルディング レイヤー | 編集不可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 |
ファイル ジオデータベース ビルディング レイヤー | 編集不可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 |
エンタープライズ ジオデータベース ビルディング レイヤー | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 | Web シーン レイヤーから編集可能。 |
シーン レイヤーの編集に関する推奨事項
フィーチャの編集中、変更されたフィーチャは、関連付けられているフィーチャ レイヤーから描画されています。 これにより、編集中にパフォーマンスへの悪影響が生じることがあります。 単にデータを表示する他のユーザーには、影響がありません。
一度に 500 を超えるフィーチャを編集しないことをお勧めします。 大規模な更新が必要な場合は、属性の更新を使用して、すべての属性を変更し、すぐにシーン サービス キャッシュを再構築します。
ビルディング シーン レイヤーの属性の編集
ビルディング シーン レイヤーには、さまざまな分野の複数のカテゴリ レイヤーが含まれています。 各カテゴリ レイヤーは、特定のカテゴリのフィーチャを含む 3D オブジェクト シーン レイヤーです。 3D オブジェクト シーン レイヤーの編集と同じ方法で、ビルディング シーン レイヤーを編集します。 アセットの属性を編集する際は、個別のカテゴリ レイヤーを編集できます。
- [ポータル] タブの [カタログ] ウィンドウで、以下のいずれかの方法で編集される Web シーン レイヤーを追加します。
- Web シーン レイヤーを含む Web シーンを右クリックし、[追加して開く] をクリックします。
- Web シーン レイヤーを右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックするか、[新しく追加] をポイントして [グローバル シーン] か [ローカル シーン] のどちらかをクリックします。
- Web シーン レイヤーの属性は、次のいずれかの方法で編集します。
- 1 つ以上のフィーチャを選択し、属性ウィンドウから該当の属性値を更新します。 詳細については、「フィーチャ属性の編集」をご参照ください。
- Web シーン レイヤーは、入力データの属性を修正するジオプロセシング ツール ([フィールド演算 (Calculate Field)] など) への入力として使用します。
編集内容は、関連するフィーチャ レイヤーに保存され、すべてのユーザーから見える状態ではありません。
- 編集内容がすべてのユーザーに表示されるようにするには、Web シーン レイヤーを再構築します。
属性のみが更新されているため、属性更新オプションを使用できます。 詳細については、「Web シーン レイヤーの再構築」をご参照ください。
ポイント Web シーン レイヤーの属性の編集例
ポイント Web シーン レイヤーで木の高さを更新するには、ポイント高さを定義するときに使用したフィールドの属性を更新します。
- [ポータル] タブの [カタログ] ウィンドウで、以下のいずれかの方法で編集される Web シーン レイヤーを追加します。
- Web シーン レイヤーを含む Web シーンを右クリックし、[追加して開く] をクリックします。
- Web シーン レイヤーを右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックするか、[新しく追加] をポイントして [グローバル シーン] か [ローカル シーン] のどちらかをクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで Web シーン レイヤーを右クリックして [属性テーブル] をクリックします。
- [フィールド演算 (Calculate Field)] ジオプロセシング ツールを開きます。
- 木の高さを定義するために使用したフィールドを右クリックし、[フィールド演算] をクリックします。
- 式を入力します。たとえば、「!HEIGHT! + .5」と入力すると、木の現在の高さが 0.5 m ずつ高くなります。
- [実行] をクリックします。
編集内容は、関連するフィーチャ レイヤーに保存され、すべてのユーザーから見える状態ではありません。
- 編集内容がすべてのユーザーに表示されるようにするには、Web シーン レイヤーを再構築します。
詳細については、「Web シーン レイヤーの再構築」をご参照ください。
Web シーン レイヤーのジオメトリの編集
可能であれば、ジオメトリは Web シーン レイヤーを使用して編集します。
- [ポータル] タブの [カタログ] ウィンドウで、以下のいずれかの方法で編集する Web レイヤーを追加します。
- Web レイヤーを含む Web シーンを右クリックし、[追加して開く] をクリックします。
- Web レイヤーを右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックするか、[新しく追加] をポイントして [グローバル シーン] か [ローカル シーン] のどちらかをクリックします。
- 編集ツールを使用し、ジオメトリの更新、削除、新規追加を行います。
詳細については、「ArcGIS Pro での編集」をご参照ください。
編集内容は、関連するフィーチャ レイヤーに保存され、すべてのユーザーから見える状態ではありません。
- 編集内容がすべてのユーザーに表示されるようにするには、Web シーン レイヤーを再構築します。
詳細については、「Web シーン レイヤーの再構築」をご参照ください。
3D オブジェクト Web シーン レイヤーのジオメトリの編集例
住宅開発の Web シーン レイヤーに新しい住宅を追加するには、ローカル データセットからジオメトリをコピーし、それを Web シーン レイヤーに貼り付けます。
- [ポータル] タブの [カタログ] ウィンドウで、以下のいずれかの方法で編集される Web シーン レイヤーを追加します。
- Web シーン レイヤーを含む Web シーンを右クリックし、[追加して開く] をクリックします。
- Web シーン レイヤーを右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックするか、[新しく追加] をポイントして [グローバル シーン] か [ローカル シーン] のどちらかをクリックします。
- [編集] リボン タブの [クリップボード] グループで [コピー] をクリックするか、Ctrl + C キーを押します。
フィーチャとその属性値がクリップボードにコピーされます。 選択したフィーチャはマップに残ります。
- [形式を選択して貼り付け] をクリックするか、Ctrl + Alt + V キーを押します。
- クリップボード内の貼り付けたいフィーチャ タイプを選択します。
- [レイヤー] をクリックし、ドロップダウン メニューをクリックして Web シーン レイヤーを選択します。
- [ソース属性値を維持] をオンにすると、クリップボードに含まれている属性が貼り付けられます。
- 編集内容がすべてのユーザーに表示されるようにするには、Web シーン レイヤーを再構築します。
詳細については、「Web シーン レイヤーの再構築」をご参照ください。
ビルディング シーン レイヤーのジオメトリの編集
ビルディング シーン レイヤーには、さまざまな分野の複数のカテゴリ レイヤーが含まれています。 各カテゴリ レイヤーは 3D オブジェクト シーン レイヤーです。 多くの場合、ビルディング情報のジオメトリは他のソフトウェアで維持され、ArcGIS の BIM 情報を表す既存のフィーチャ データセットにコピーされます。
登録済みデータを参照するビルディング シーン レイヤーのジオメトリを編集するには、次の手順に従います:
- [解析] タブで、[ツール] をクリックします。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[BIM ファイル → ジオデータベース (BIM File To Geodatabase)] ツールを検索してツールを開きます。
- [入力 BIM ファイル ワークスペース] で、ビルディング シーン レイヤーに追加する Revit ファイルを指定します。
- [出力ジオデータベース] で、登録済みデータを参照するビルディング シーン レイヤーの共有に使用するジオデータベースを指定します。
- [データセット] で、登録済みデータを参照するビルディング シーン レイヤーの共有に使用するフィーチャ データセットを指定します。
- その他はすべてデフォルト パラメーターのままにしておき、[実行] をクリックします。
- シーン レイヤー キャッシュを再構築します。
Web シーン レイヤーに、追加したフィーチャが表示されます。
すべてのデータをコピーするビルディング シーン レイヤーのジオメトリを編集するには、次の手順に従います。
- ビルディング シーン レイヤーに追加するシーンにフィーチャクラスを追加します。
- [編集] タブをクリックします。
- ビルディング シーン レイヤーに追加するフィーチャを選択します。
- [クリップボード] グループの [コピー] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、フィーチャをコピーするビルディング シーン レイヤー カテゴリ レイヤーを選択します。
- [クリップボード] グループの [貼り付け] をクリックします。
フィーチャがビルディング シーン レイヤーに追加されます。
Web シーン レイヤーのスキーマの編集
Web シーン レイヤーがポータルに共有された方法に応じて、Web シーン レイヤーのスキーマが変更されます。 フィールドの追加や削除などのスキーマ変更を実行する際にサービスを停止する必要があるかどうかについては、次のテーブルのとおりです。 [すべてコピー] オプションを使用してシーン レイヤーを共有する場合は、サービスを停止する必要はありません。
ArcGIS Enterprise: 登録済みデータを参照 | ArcGIS Enterprise: すべてコピー | ArcGIS Online: すべてコピー |
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サービスを停止する必要があります。 | サービスを停止する必要はありません。 | サービスを停止する必要はありません。 |
登録済みデータを参照オプションで共有されている Web シーン レイヤーのスキーマの編集
シーン レイヤーが [登録済みデータを参照] で共有された場合のスキーマの変更手順については、次のとおりです。 ジオデータベース内のすべてのロックが確実に解除されるようにするには、サービスを停止する必要があります。
- ArcGIS Server Manager を起動して、サイン インします。
この手順の詳細については、「ArcGIS Server Manager へのログイン」をご参照ください。
- [サービス] > [サービスの管理] の順にクリックします。
[サービスの管理] モジュールが表示されます。
- スキーマの変更が必要なシーン レイヤーを見つけます。
- [停止] ボタンをクリックします。
モジュールで選択したサービスが停止されます。 [停止] ボタンが利用不可になっている場合は、そのサービスが現在停止していることを示します。
- シーン レイヤーが公開された場所で元の ArcGIS Pro プロジェクトがまだ開いている場合は、プロジェクトを閉じます。
- 新しい ArcGIS Pro プロジェクトを開き、シーン レイヤーを新しいシーンに追加します。
- [解析] タブで、[ツール] をクリックします。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[フィールドの追加 (Add Field)] ツールを検索して開きます。
- [入力テーブル] にシーン レイヤーを指定します。
- [フィールド名] に任意の名前を指定します。
- [実行] をクリックします。
フィールドがシーン レイヤーに追加されます。
- ArcGIS Server Manager を開きます。
- 停止されたサービスの [開始] ボタンをクリックします。
モジュールで選択したサービスが開始されます。 [開始] ボタンが利用不可になっている場合は、サービスが開始されていて、現在実行中であることを表します。
シーン レイヤーの編集のトラブルシューティング
シーン レイヤーの編集時には、関連するフィーチャ レイヤーを操作します。 通常、3D オブジェクト シーン レイヤーと関連するフィーチャ レイヤーのジオメトリとテクスチャは非常に大きくなります。 多数のフィーチャを編集する際は、サーバー ログにエラーが発生する場合があります。 サーバー ログにそのようなエラーが見られる場合は、大規模なジオメトリやテクスチャの取得に対応できるよう、サーバーのデフォルト値を増やします。 タイムアウトとパフォーマンスに関する機能向上については、「サービスのチューニングと構成」をご参照ください。
Java ヒープ スペース エラー
[Error performing query operation Error handling service request :java.lang.OutOfMemoryError:Java heap space] エラーが発生した場合は、解決策として、SOC 最大ヒープ サイズを増やします。
- URL 形式 https://machine.domain.com:6443/arcgis/admin を使用して、ArcGIS Server Administrator Directory にログインします。
- ディレクトリのホーム ページで、[machines] をクリックします。
- コンピューターのリストから、ArcGIS Image Server のライセンスが付与された最初のコンピューターをクリックします。
- [Server Machine Properties] で、SOC 最大ヒープ サイズの値を確認します。 この値が 64 MB に設定されている場合は、[Supported Operation] リストで [Edit] をクリックします。
- SOC 最大ヒープ サイズ値を 64 から 128 に更新します。
- [Save Edits] をクリックします。
注意:
これにより、サーバーが再起動します。
- 配置内の ArcGIS Image Server ライセンスを持つコンピューターごとに、上記の手順を繰り返します。
待機時間のタイムアウト エラー
[Error performing query operation wait time of the request to the service Hosted/myservervice.mapserver has expired] エラーが発生した場合は、解決策としてサービスの待機タイムアウト値を増やします。
- URL 形式 https://machine.domain.com:6443/arcgis/admin を使用して、ArcGIS Server Administrator Directory にログインします。
- ディレクトリのホーム ページで、[services] をクリックします。
- Hosted フォルダーをクリックします。
- myserver (FeatureServer) など、シーン レイヤーの関連フィーチャ レイヤーをクリックします。
- [Supported Operations] リストで [edit] をクリックし、サービスのプロパティを編集します。
- [maxWaitTime] 値を 60 秒よりも大きい値 (300 など) に更新します。
- [Save Edits] をクリックします。
注意:
これにより、サービスが再起動します。