説明
平射図法は平面の投射図法であり、接点と反対側の地球上のポイントから見ています。 回転楕円体上のポイントが直接平面に投影されます。また、この図法は唯一の正角図法でもあります。 この図法は、一般的に、極域の地形図の極座標面で使用されています。 中でも有名なのは Universal Polar Stereographic (UPS) 図法によるマップで、ユニバーサル横メルカトル (UTM) 座標系に含まれない 84°N よりも北と 80°S よりも南の地域を表示します。
平射図法は ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。
投影のプロパティ
次のサブセクションでは、平射図法のプロパティについて説明します。
経緯線
平射は方位図法です。
極座標面では、子午線は極を中心の原点とする直線として投影され、その間のすべての角度は正確です。 緯線は、同心円として表示されます。 極点から離れるにつれて、間隔は急速に大きくなります。 経緯線の交点はすべて 90°です。 反対極を表示することはできません。
赤道面では、赤道と中心子午線は 2 本の垂直線として投影されます。 他の子午線と緯線は、間隔が不均等な曲線であり、子午線については中心子午線、緯線については極に向かうにつれて凹形になります。
斜軸の場合は、中央の緯線と中心子午線に対して異符号を持つ緯線のみが直線になります。 他の緯線は、直線の緯線の両側で極に向かうにつれて凹形になります。 他の子午線は、極で交差する円弧です。 投影の中心にある対蹠点は、どの座標面でも表示できません。
歪み
平射は正角図法です。 正確な方向は維持しませんが、角度と形状は無限縮尺で維持されます。 縮尺歪みのない円弧は、標準緯線または縮尺係数パラメーターで指定できます。 標準緯線から離れるにつれて、面積、距離、縮尺の歪みは急速に大きくなります。 歪みの値は、中心点を囲む円弧に沿って同一です。
使用法
平射図法は、航路や地形図など大縮尺で極域をマッピングする場合に適しています。 UTM 座標系に含まれない 84°N よりも北と 80°S よりも南の地域を表示する UPS 図法によるマップで使用されます。
バリアント
ArcGIS には 7 つのバリアントがあります。
- 平射図法は、投影図のどのアスペクトもサポートします。 ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。
- 平射図法 (北極) は、北極に限定されています。 ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.1.2 以降で使用できます。
- 平射図法 (南極) は、南極に限定されています。 ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.1.2 以降で使用できます。
- 平射図法球体補正は楕円体をサポートしない唯一のバリアントです。代わりに、球体補正タイプ パラメーターで指定した球体で、球体ベースの数式を使用します。 このバリアントで楕円体を使用する場合、正角性のプロパティは維持されません。 この図法は ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 9.3 以降で使用できます。
- 極平射バリアント A はステレオグラフィック図法バリアントと実装を共有しますが、EPSG パラメーター定義を一致させます。 縮尺歪みのない円弧は、縮尺係数パラメーターで指定できます。 ArcGIS Pro 1.2 以降と ArcGIS Desktop 10.4 以降で使用できます。
- 極平射バリアント B はステレオグラフィック図法バリアントと実装を共有しますが、EPSG パラメーター定義を一致させます。 縮尺歪みのない標準緯線は、標準緯線パラメーターで指定できます。 グリッド座標の原点は極です。 ArcGIS Pro 1.2 以降と ArcGIS Desktop 10.4 以降で使用できます。
- 極平射バリアント C はステレオグラフィック図法バリアントと実装を共有しますが、EPSG パラメーター定義を一致させます。 縮尺歪みのない標準緯線は、標準緯線パラメーターで指定できます。 グリッド座標の原点は、標準緯線と原点の緯度が交わる部分です。 ArcGIS Pro 1.2 以降と ArcGIS Desktop 10.4 以降で使用できます。
制限事項
平射図法は、地球の約 4 分の 3 しか表示できません。 投影の中心にある対蹠点はどの座標面でも表示できません。つまり、極座標面では、反対極は投影できず、マップにも表示されないということです。 歪みも非常に大きいため、通常、投影は半球に限定されます。
パラメーター
平射図法のパラメーターは次のとおりです。
- 東距
- 北距
- 中央子午線
- 縮尺係数
- 原点の緯度
平射図法 (北極) のパラメーターは次のとおりです。
- 東距
- 北距
- 中央子午線
- 標準緯線 1
平射図法 (南極) のパラメーターは次のとおりです。
- 東距
- 北距
- 中央子午線
- 標準緯線 1
平射図法球体補正のパラメーターは次のとおりです。
- 東距
- 北距
- 中央子午線
- 縮尺係数
- 原点の緯度
- 球体補正タイプ、値は次のとおりです。
- 0 = 地理座標系の長半径を使用
- 1 = 短半径を使用
- 2 = 正積半径を計算して使用
- 3 = 正積半径を使用し、測地緯度を正積緯度に変換
注意:
地理座標系で球体が使用される場合、球体補正タイプでは、上記の 4 つすべてのケースで球体の半径を使用します。
極平射図法のバリアント A のパラメーターは次のとおりです。
- 東距
- 北距
- 原点の経度
- 縮尺係数
- 原点の緯度
極平射図法のバリアント B のパラメーターは次のとおりです。
- 東距
- 北距
- 原点の経度
- 標準緯線 1
極平射図法のバリアント C のパラメーターは次のとおりです。
- 東距
- 北距
- 原点の経度
- 標準緯線 1
ユニバーサル極心平射図法
UPS は UTM 座標系に含まれない 84°N よりも北と 80°S よりも南の地域をマッピングします。 北極または南極を中心にし、両極域を網羅する 2 つの座標系があります。
子午線は、極を原点とする直線として投影されます。 緯度のラインは同心円です。 同心円の間隔は、中心の極から離れるにつれて大きくなります。 縮尺が正確となる緯度は 81°06' 52.3" N または S で、極点における縮尺係数は 0.994 になります。 経線の交点にある原点の東距と北距には、それぞれ 2,000,000m が設定されます。 UPS 図法によるマップは通常、北極で 84°N まで、南極で 80°S までに限定されます。
ソース
Snyder, J. P. (1987). Map Projections: A Working Manual. U.S. Geological Survey Professional Paper 1395. Washington, DC: United States Government Printing Office.
Snyder, J. P. and Voxland, P. M. (1989). An Album of Map Projections. U.S. Geological Survey Professional Paper 1453. Washington, DC: United States Government Printing Office.
The Universal Grids and the Transverse Mercator and Polar Stereographic Map Projections. NGA.SIG.0012_2.0.0_UTMUPS (2014). 2021 年 4 月 19 日にアクセス。https://earth-info.nga.mil/