Location Referencing ライセンスで利用可能です。
ArcGIS Pipeline Referencing は、ルート ID とメジャーに加えて、対象ロケーションとメジャーをイベントとともに保持できます。 これは、イベントの元のロケーションを特定する方法を取り込む場合や、ルートとメジャーの代わりに対象オフセットを使用して、カートグラフィックの再配置によって影響を受けるイベント ロケーションを特定する場合に特に便利です。
次のシナリオでは、Intersection1 と Intersection2 の間の Route1 のセグメントで、カートグラフィックの再配置が実行されます。
ルートの編集は、メジャーの格納に使用される次のイベント位置決定方法に応じて、2 つのイベントに異なる影響を与えます。
- ルートおよびメジャーとして保存されたイベント位置 - ルートのメジャーの長さが増えても、メジャーは編集後もそのままです。結果として得られるイベントは、交点 2 に接触しません。 イベントの位置は、交点 2 に応じて変わります。
- 対象およびオフセットとして保存されたイベント位置 - メジャーは、保存された対象およびオフセットの値との関係に応じて、編集後に変更されます。 交点の位置はそのままで、結果として得られるイベントは、引き続き交点 1 と交点 2 の間に位置します。
次の図は、ルートとメジャーを使用して位置が保存されているイベント (黒いライン) と、対象とオフセットを使用して位置が保存されているイベント (緑色のライン) に再配置が与える影響を示しています。
対象ロケーションは、以下の方法で格納できます。
- ジオデータベースの任意のポイント フィーチャからのオフセット距離
- 交点ポイント フィーチャからのオフセット距離
- ポイント イベント フィーチャからのオフセット距離
- x,y 座標からのオフセット距離
- ステーションからのオフセット距離
対象およびオフセット情報を使用するには、イベント レイヤーで、対象メソッド、対象ロケーション、対象オフセット用の追加列を構成する必要があります。 ライン イベントの場合は、下表に示すように、これらの列が 2 組あります。1 つは始点メジャー用、もう 1 つは終点メジャー用です。 ポイント イベントの場合は、新しい列が 1 組のみ必要です。
Pipeline Referencing イベント データ モデルのイベント参照フィールドの詳細
これらの列の追加後、[対象フィールドの有効化 (Enable Referent Fields)] ツールを使用して、イベントでこれらの列を有効にできます。
LRS イベントに対して対象が構成され、有効化されると、イベントの振舞いルールを変更 (Modify Event Behavior Rules) ツールで、カートグラフィックの再配置に対して Honor Referent Location イベント動作を構成できます。
始点メジャー | 始点対象メソッド | 始点対象ロケーション | 始点対象オフセット | 終点メジャー | 終点対象メソッド | 終点対象ロケーション | 終点対象オフセット |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0.26 | 交点 | {-6E5F} | 10 | 0.43 | 交点 | {-6E5F} | -26.2 |
0 | 交点 | {-6928} | 0 | 2.359 | X/Y | 468465.683, 361690.902 | 100 |
0.41 | ステーション | 5 | -134.682 | 0.68 | ステーション | 5 | 1+38.998 |
0 | ポスト | 11 | -20 | 1 | 長さ | 6336 |
イベント対象フィールド
イベント レイヤーに手動で追加された対象およびオフセットの列のプロパティについては、残りのセクションで説明します。
対象方法
この列には、イベント位置を参照するために指定された方法が格納されます。 さらに、同じレイヤーのイベントに、異なる対象メソッドを設定できます。 たとえば、レイヤーのあるイベントを x,y 座標のオフセットによって配置し、同じイベント レイヤーの別のイベントを交点とオフセットによって配置することができます。
対象メソッド情報は、ジオデータベースの dReferentMethod という名前のコード値ドメインに格納されます。 このドメインは、LRS が作成され、次のデフォルト値が設定されている場合に、自動的に作成されます。
- x,y 位置のオフセットに対してコード 0
- ポイント位置からの距離にコード 1
- ステーショニング オフセットにコード 2
残りのコード値は、ネットワークの追加、ラインまたはポイント イベントの登録、LRS 交点クラスの作成、またはステーショニング イベントの追加を行うと、自動的に追加されます。
注意:
- LRS の一部ではないポイント フィーチャクラスのイベントをオフセットする場合は、そのフィーチャクラスのコードと説明 (名前) を dReferentMethod ドメインに手動で追加する必要があります。
- ドメインにアクセスするには、ジオデータベースを右クリックして、[プロパティ] > [ドメイン] の順にクリックし、dReferentMethod ドメインをクリックします。
コード値は、対象方法の格納と、対象フィーチャに使用されるフィーチャクラスの名前の保存に使用されます。 このようにすると、フィーチャクラスの名前が変更された場合にイベント データの更新が不要です。
対象ロケーション
この列には、フィーチャの位置を特定するための対象ロケーション情報が格納されます。 次の表では、このフィールドに格納される情報のタイプを説明します。
対象方法 | 対象ロケーション フィールドの内容 |
---|---|
ルート ID とメジャー | メジャー |
交点とオフセット | 交点 ID 注意:対象ロケーションとして使用される交点 ID は、イベントが配置されているルートと同じルート上にある必要があります。 |
イベント ID とオフセット | イベント ID |
フィーチャクラスとオフセット | Object ID 注意:これは、マップ サービスのフィーチャクラスの Display フィールドとして設定される必要があります。 |
x,y 座標 | カンマ区切りの座標 |
ステーション メジャー (ステーション イベントレイヤーに対する) | 対象ステーションのイベント ID |
開始ステーションとオフセット | 対象ステーションのイベント ID |
対象オフセット
対象オフセット列には、対象ロケーションのオフセット メジャーが格納されます。 次の表では、このフィールドに格納される情報のタイプを説明します。
対象方法 | 対象オフセット フィールドの内容 |
---|---|
ルート ID とメジャー | メジャー |
交点とオフセット、イベントとオフセット、x,y 座標、またはフィーチャクラスとオフセット | 負または正の値としてオフセット (ユーザーが指定したコンパスの方向が、格納時に + または – オフセットに変換される) |
ステーション メジャー (ステーション イベントレイヤーに対する) または開始ステーションとオフセット | ユーザーが入力した、ステーション形式 (たとえば 100+22.65) のステーション メジャー |
格納用の計測単位は、イベント レイヤーの登録時に構成されます。