登録済みデータの参照とすべてのデータのコピーの概要

ArcGIS Pro から Web レイヤーを共有するときに、登録済みデータを参照したり、すべてのデータをコピーしたりできます。 このトピックでは、各オプションの違いと利点、コピー時にデータが保存される場所、それぞれを使用するタイミングについて説明します。 このトピックの情報を理解することは、データの管理方法と Web レイヤーの共有方法を決定する上で重要です。

アクティブなポータルによって、登録済みデータを参照する Web レイヤーを共有できるか、すべてのデータのコピーのみが可能かが決まります。 ArcGIS Enterprise は、両方のオプションをサポートしますが、ArcGIS Online は、すべてのデータをコピーする Web レイヤーの共有のみをサポートします。

登録済みデータを参照

登録済みデータを参照する Web レイヤーを共有する場合、データは、フォルダー、データベース、クラウド ストアなど、ユーザーが管理する場所で参照されます。 たとえば、Microsoft SQL Server またはユーザーが管理する、その他のデータ ソースに存在するデータを公開できます。 共有時にデータを参照する場合、Web レイヤーのデータは、データ ソースに残り、保守され、継続的に更新されます。 Web レイヤーは、データ ソースの利用可否に依存し、データへの変更を自動的に反映します。 同様に、Web レイヤーに加えられた編集も、データ ソースに反映されます。

Web レイヤーがデータを参照するには、データ ソースをサーバーに登録し、データが含まれる場所にアクセスできるようにする必要があります。 データを参照しない場合、可能なときに未登録のデータがコピーされます。 データ ソースの登録については、ArcGIS Server のデータ ソースおよび登録済みデータストアの管理をご参照ください。

データを参照する Web レイヤーを共有する場合、データは、ソースからコピーされないため、公開処理にかかる時間は短くなり、追加のサーバー ストレージ領域は必要ありません。

登録済みデータの参照オプションは、マップ イメージ、フィーチャ、ベクター タイル、イメージ、シーン、および標高レイヤーを共有する際に使用できます。 参照オプションを使用して、Web フィーチャ レイヤー、ベクター タイル レイヤー、Web シーン レイヤーを共有する際は、マップ イメージ レイヤーが含まれます (登録済みデータを参照するベクター タイル レイヤーと Web シーン レイヤーには、編集をサポートする Web フィーチャ レイヤーも含まれます)。

すべてのデータをコピー

すべてのデータをコピーする Web レイヤーを共有する場合、データがソースからサーバーにコピーされるか、キャッシュを含むパッケージがポータルにアップロードされます。 データ ソースがサーバーに登録されている場合でも、データはコピーされます。 Web レイヤー データがコピーされると、ユーザーが管理する場所では参照されず、ArcGIS によって管理されます。

すべてのデータをコピーする Web レイヤーは、元のデータ ソースに依存していないため、元の場所にあるデータにアクセスすることなく、Web レイヤーを通じて、コピーされたデータまたはキャッシュを操作できます。 ただし、このために、ソース データへの変更が Web レイヤーに表示されません。 ソース データへの変更を反映するには、Web レイヤーを上書きするか、新しい Web レイヤーを共有する必要があります。

共有する Web レイヤーのタイプに応じて、ソース データがホスティング サーバー上のリレーショナル データ ストアまたはサーバー ディレクトリにコピーされるか、キャッシュを含むパッケージがアップロードされます。 次に、いくつかの例を示します。

  • Web フィーチャ レイヤーを共有する場合、データは、ホスティング サーバー上のリレーショナル データ ストアにコピーされます。
  • マップ イメージ レイヤーを共有する場合、データは、サーバー システム ディレクトリにコピーされます。
  • ローカルにキャッシュされた Web レイヤーを共有する場合、キャッシュを含むパッケージが、ポータルにアップロードされ、サーバー キャッシュ ディレクトリに抽出されます。

登録済みデータの参照とすべてのデータのコピーの違いについて、概要を次の表に示します。

登録済みデータを参照すべてのデータをコピー

目的

フォルダー、データベース、クラウド ストア内のデータを参照します

データのコピーを作成するか、キャッシュを含むパッケージをアップロードします

Web レイヤーの編集

元のデータ ソースに加えられた変更を反映します

元のデータ ソースに加えられた変更を反映しません

データの管理者

ユーザー

ArcGIS

データの場所

データは、登録されたデータ ソースの場所に格納されたままになります。

データは、ホスティング サーバー上のリレーショナル データ ストア、サーバー ディレクトリにコピーされるか、サーバー キャッシュ ディレクトリに格納されるキャッシュの作成に使用されます。

サポートされているポータル

ArcGIS Enterprise

ArcGIS Enterprise および ArcGIS Online

登録済みデータの参照またはすべてのデータのコピーの使用

登録済みデータを参照する Web レイヤーを共有するか、すべてのデータをコピーする Web レイヤーを共有するかを決定する際は、以下の情報を考慮します。

登録済みデータの参照は、次のシナリオで、推奨または必須のオプションです。

  • データが頻繁に更新される場合に、ソース データへの変更を Web レイヤーに反映するか、Web レイヤーへの編集をデータに表示する場合。
  • サーバーにデータが蓄積されるのを防ぐ場合。

    データをコピーするには、サーバーに十分なストレージ領域が必要であるため、データを参照することで、サーバー領域を節約できます。

  • データが、大規模または複雑な場合。

    イメージ データや複雑なジオメトリを持つフィーチャなどの大規模なデータセットを公開する場合、登録済みデータを参照するほうが、コピーするよりも効率的です。

  • データが、クラウド ウェアハウスに格納されている場合。

    登録済みデータを参照する場合のみ、クラウド データ ウェアハウスで、データを共有できます。

  • データがバージョン対応登録されている、または履歴管理が有効化されている場合。

    複数ユーザーによる編集ワークフローで、バージョン管理などの機能を使用するには、登録済みデータを参照するマップ イメージ レイヤーを共有し、編集をサポートするために、関連付けられた Web フィーチャ レイヤーを含める必要があります。

  • ユーティリティ ネットワーク、ネットワーク解析、パーセル ファブリックなど、参照するデータが必要なタイプのデータを公開する場合。

すべてのデータのコピーは、次のシナリオで、推奨または必須のオプションです。

  • Web レイヤーのデータを元のデータ ソースから分離する場合。
  • 組織のネットワーク外で、Web レイヤー データへのアクセスが必要な場合。
  • Web レイヤーのキャッシュをローカルに作成する場合。

詳細については、ArcGIS Enterprise でのデータおよび公開をご参照ください。

関連トピック