ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect) の詳細

[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツールは、ペアワイズ比較手法を使用して 2 つのフィーチャ レイヤーまたはフィーチャクラス内のフィーチャ間の交差を計算します。両方の入力に共通の (交差する) フィーチャまたはフィーチャの部分が、出力フィーチャクラスに書き込まれます。

インターセクト (Intersect) とペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect) の比較

[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] では、1 番目の入力の 1 つのフィーチャと、2 番目の入力の 1 つのフィーチャとの間で交差が計算されます。これは、[インターセクト (Intersect)] ツールの動作とは根本的に異なります。[インターセクト (Intersect)] では、フィーチャがどの入力レイヤーに属するかにかかわらず、すべてのフィーチャ間の交差が計算されます。

[インターセクト (Intersect)] ツール

  • 複数のフィーチャ レイヤーまたはフィーチャクラスの交差を計算できる
  • 入力フィーチャがどの入力フィーチャ レイヤーに所属するかにかかわらず、すべてのフィーチャ間の交差が検出され、すべてのフィーチャの交差部分を表すトポロジ構造が作成される

[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツール

  • 2 つのフィーチャ レイヤーまたはフィーチャクラスのみを処理する
  • 1 番目の入力フィーチャ レイヤーからフィーチャを受け取り、それらのフィーチャと、2 番目の入力レイヤー内の各フィーチャとの間の交差を 1 つずつ計算し、各交差を表す新しいフィーチャを作成する

インターセクト (Intersect) ツール

フィーチャがどの入力フィーチャ レイヤーに属するかにかかわらず、すべてのフィーチャ間のオーバーラップ (交差) が計算されます。すべての交差が計算されるため、結合されたすべての入力フィーチャの数よりもはるかに多くのフィーチャが出力に含まれる可能性があります。入力に合わせて数万個のフィーチャが含まれていることがよくありますが、その場合、すべてのフィーチャ間に存在する複雑なオーバーラップにより、出力には数億個のフィーチャが含まれることになります。

例として、2 つのフィーチャ レイヤーを以下に示します。1 つのフィーチャ レイヤーには 10 個のフィーチャ (ポイントの周囲のバッファー) が含まれ、もう 1 つのフィーチャ レイヤーには 1 つのフィーチャが (四角形) 含まれています。

入力 1

入力 1 には、OID でラベル付けされた重複する 10 個のポリゴン フィーチャが含まれています。

入力 2

入力 2 - OID でラベル付けされた 1 つのポリゴン。

下の図は、上の 2 つのフィーチャ レイヤーに対する [インターセクト (Intersect)] の結果を示しています。フィーチャがどの入力フィーチャ レイヤーに属するかにかかわらず、すべてのフィーチャ間のオーバーラップ (交差) が計算されていることに注意してください。そのため、元の入力に含まれているフィーチャよりもはるかに多くのフィーチャが生成される場合があります。結合された入力に含まれるポリゴン (合計で 11 個の入力フィーチャ) よりも多くのポリゴン (167 個のフィーチャ) が出力に存在しています。[インターセクト (Intersect)] ツールが出力する新しいフィーチャの数は、入力でのオーバーラップの複雑度に応じて急激に増加する場合があります。

[インターセクト (Intersect)] の出力
[インターセクト (Intersect)] ツールの出力: OID でラベル付けされた 167 個の出力フィーチャ

ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect) ツール

[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツールでは、出力は非常にシンプルになります。各出力フィーチャは、入力 1 の 1 つのフィーチャと入力 2 の 1 つのフィーチャとの間の交差を表します。[インターセクト (Intersect)] ツールでは入力 1 内の各フィーチャ間の交差が計算されますが、[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ではそれは計算されません。

[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] の出力
[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] の出力: 10 個の出力フィーチャ

ポリゴン入力とポイント出力

次の図は、[出力タイプ] パラメーターを [ポイント] に設定して、2 つのポリゴン フィーチャ レイヤーを交差させた結果を示しています。

[インターセクト (Intersect)] ツールでは、いずれかの入力フィーチャ レイヤーのポリゴンに、その他の入力フィーチャ レイヤーのポリゴンの境界と交差する頂点が含まれている場合、それらの頂点が出力ポイント フィーチャになります。

[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツールでは、いずれかの入力フィーチャ レイヤーのポリゴンに、その他の入力フィーチャ レイヤーのポリゴンの境界と接触する頂点が含まれている場合、それらの頂点が出力ポイント フィーチャになります。各ポリゴンが交差しているポイントは返されません。

ポイントでのポリゴンの [インターセクト (Intersect)] の出力
ポイントでのポリゴンの [インターセクト (Intersect)] の出力
ポイントでのポリゴンの [ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] の出力
ポイントでのポリゴンの [ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] の出力

主な違い

パフォーマンス

重複する大量のフィーチャの交差を計算する場合、[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツールによって、パフォーマンスの大幅な向上が得られることがあります。オーバーラップ量が少ないシンプルなケースでは、[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツールを使用することによるパフォーマンスの向上が見られない可能性があります。

注意:

2 つのツール間で、出力が極めて異なることに注意してください。出力を分析してどちらのツールが解析のニーズに適しているかを判断するために、対象データの小さいサブセットを使用して試行することをお勧めします。

[インターセクト (Intersect)] ツールは、入力内の全フィーチャ間のオーバーラップの発生を一意に検出する高度に複雑なツールです。この種の演算の複雑さを考えると、[インターセクト (Intersect)] は極めて効率的であり、データ量の増加に非常にうまく対応することができます。入力内の全フィーチャ間のオーバーラップの発生を一意に検出する必要がある場合、[インターセクト (Intersect)] ツールは最も適しています。

どちらのツールを使用するべきか

どちらのツールを使用するかを判断する場合、処理速度と、どちらの出力が目的の解析に適しているかが問題になります。[インターセクト (Intersect)] ツールが妥当な処理時間内に完了し、目的の解析に適した出力を作成する場合は、引き続きこのツールを使用してください。

ただし、[インターセクト (Intersect)] によって以下のいずれかの問題が発生する場合、[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツールが作成する出力が目的の解析に適していれば、[ペアワイズ インターセクト (Pairwise Intersect)] ツールの使用を検討することをお勧めします。

  • 実行に時間がかかりすぎる
  • リソースの不足によって実行が失敗する
  • 入力フィーチャの数と比較して大量の出力フィーチャが作成される (たとえば、数万〜数 10 万個の入力フィーチャに対して数千万〜数億個のフィーチャが出力される)