パッケージ マネージャー

ArcGIS Pro から、Python パッケージの大規模なコレクションにアクセスできます。 Python パッケージに対応するために、ArcGIS Pro には conda というパッケージ管理システムが用意されています。 ArcGIS Pro では、conda が [パッケージ マネージャー] ページに統合されています。 コマンド プロンプトから conda にアクセスすることもできます。

Python パッケージの汎用性と有用性をさらに拡張するために、複数の Python 環境をそれぞれ独立して 1 台のワークステーションに共存させることができます。 Python 環境ごとに固有の一連のパッケージを組み込めるため、毎回パッケージのアンインストールと再インストールを実行しなくても、Python の機能セットを切り替えることができます。

デフォルトで、ArcGIS Pro には、arcgispro-py3 という 1 つの conda 環境が含まれています。この環境は、ArcGIS Pro で使用されるすべての Python ライブラリと、scipypandas などの他のいくつかのライブラリで構成されています。

注意:

ArcGIS Pro のデフォルト Python 環境 (arcgispro-py3) を変更することはお勧めしません。変更すると、予期しない結果が生じる可能性があります。 クローン作成した環境のみ変更することをお勧めします。

ライセンス:

Esri 製品 (ArcGIS ProArcGIS Enterprise など) で使用する -c esri チャンネルを使用してパッケージをインストールしているユーザー、または Esri 環境で使用するアプリケーションを導入しているユーザーは、現在のすべてのライセンスでカバーされています。 アプリケーションを外部環境に配置しているか、Anaconda リポジトリまたはコンポーネントをミラーリングしている場合、Anaconda ベース パッケージの使用をカバーする追加の Anaconda ライセンスが必要です。 詳細については、「Anaconda との Esri のライセンス契約」をご参照ください。

コマンド プロンプトから conda にアクセス

コマンド プロンプトから conda コマンドを使用して conda 機能にアクセスすることができます。 アクティブな Python 環境は、現在のディレクトリの前にあるプロンプトで括弧に囲まれて示されます。 [Python コマンド プロンプト] ショートカットを使用すると、ArcGIS Pro のアクティブな conda 環境で初期化されたコマンド プロンプト ウィンドウが開きます。

conda コマンドの例を次に示します。

アクティブな環境にあるパッケージを一覧表示します。

conda list

すべての conda 環境を一覧表示します。

conda env list

デフォルトの arcgispro-py3 環境のクローンを作成して、my_env という環境を作成します。

conda create --clone arcgispro-py3 --name my_env --pinned

コマンドのヘルプを表示するには、conda コマンドの後に --help または -h フラグを入力します。

--pinned フラグは、ピン留めされたファイルをソース環境から、クローン作成した環境に引き継ぐために Esri が導入したフラグです。 このフラグを使用すると、パッケージのアップグレード後またはインストール後にクローン作成した環境の整合性が維持されるようになります。

現在のコマンド ライン セッションの環境を有効にするには、activate コマンドを使用します。

activate my_env

conda の使用方法と操作方法の詳細については、「conda の概要」をご参照ください。

ArcGIS Pro は、proswappropy など、Esri が導入したその他のコマンドにも対応しています。

現在のコマンド ライン セッションの環境を有効にして、その環境がこれ以降の ArcGIS Pro セッションとコマンド ライン セッションの新しいデフォルトになるように設定するには、proswap コマンドを使用します。

proswap my_env

propy コマンドを使用して Python セッションをアクティブな環境で開き、次の形式を使用して Python スクリプトを実行することができます。

propy yourscript.py

ArcGIS Pro 環境には、conda が標準的な Python の完全ディストリビューションではなく、スタンドアロンの実行可能ファイルとして含まれているため、ArcGIS Pro のインストールがより小規模かつ高速になります。 proswap などの conda ベースのコマンドを実行するごとに、conda の実行可能ファイルによって、Python の静的ビルドを読み込むために必要なファイルが、システム環境変数の %TMPDIR%%TEMP%、または %TMP% で識別された一時ディレクトリに抽出されます。 コマンドの実行が完了すると、テンポラリ ファイルが削除されます。

環境を作成し、パッケージをインストールするためのネットワーク アクセス

conda 環境を作成し、パッケージをインストールするには、インターネット接続が必要です。 ファイアウォールの内側から環境のクローンを作成する際には、次のサイトをネットワークのファイアウォール設定の許可リストに追加しなければならない場合があります。

  • https://conda.anaconda.org
  • https://repo.anaconda.com

pip

conda と同様、pip もパッケージ管理システムです。pip は、Python Package Index (PyPI) から Python パッケージをインストールするためのコマンドライン ツールで、Python の標準ディストリビューションの一部です。

pip と conda の機能は部分的に重複しているものの、根本的には異なるシステムです。 conda と pip はそれぞれ異なる目的で使用されますが、一緒に使用することが可能です。

conda は、任意の言語で記述されたバイナリとしてさまざまなパッケージをインストールします。pip は Python の標準ディストリビューションの一部であり、Python パッケージのみをインストールします。pip を正常にインストールするには、追加のコンパイラやライブラリの要件が必要になる場合があります。

pip は PyPi から数十万ものパッケージをインストールできます。一方で、conda のサブセットは小さいものの、最も人気の高いパッケージが含まれます。

ヒント:

conda と pip を併用する場合、pip パッケージをインストールする前に conda パッケージをインストールします。 両方のシステムのパッケージがある場合、conda を使用してパッケージをインストールします。

pip でパッケージをインストールするには、pip install コマンドを使用します。

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