ArcMap からドキュメントとスタイル ファイルを ArcGIS Pro にインポートできます。
ドキュメントのインポート
ArcMap (.mxd)、ArcGlobe (.3dd)、ArcScene (.sxd) ドキュメントは、リボンの [挿入] タブの [マップのインポート] ツールを使用してインポートできます。
ほとんどの場合、インポートされたマップの外観は、元のマップ ドキュメントと同じです。 ただし、ArcGIS Pro では ArcMap と異なる描画エンジンを使用しているため、わずかな表示の違いが生じることもあります。
以下に、マップをインポートする具体的なシナリオと ArcGIS Pro での結果を示します。
シナリオ | ArcGIS Pro での結果 |
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マップにレイアウトが含まれます。 | マップとレイアウトの両方がインポートされます。 レイアウトのすべてのエレメントは配置を保持し、レイアウトは ArcMap と同じ向きになります。 |
マップに定義クエリを持つレイヤーが含まれます。 | 定義クエリが適用された状態でマップがインポートされます。 |
マップ ドキュメントには複数のデータ フレームがあります。 | データ フレームはそれぞれ、別個のマップとしてインポートされます。 [カタログ] ウィンドウの [マップ] コンテナー から追加のマップを開くことができます。 |
マップには、データドリブン ページ (ArcGIS Production Mapping Desktop のマップ シリーズ) が含まれます。 | データドリブン ページがマップ シリーズとしてインポートされます。 レイアウト ビューが開いている状態で、[コンテンツ] ウィンドウの [マップ シリーズ ページのリスト表示] タブを使用して、個々のマップ ページを切り替えることができます。 |
マップにレイアウトは含まれません。 | デフォルトのレイアウトが作成され、[カタログ] ウィンドウの [レイアウト] コンテナー に表示されます。 |
グローブ ファイルがインポートされます。 | グローブ ファイルがグローバル レイヤーという名前の新しいグローバル シーンにインポートされます。 |
シーン ファイルがインポートされます。 | シーン ファイルがシーン レイヤーという名前の新しいローカル シーンにインポートされます。 |
注意:
また、ArcGIS Pro に ArcMap マップ パッケージ (.mpk) をインポートすることもできます。 しかし、その逆はできません。 ArcGIS Pro プロジェクトを ArcMap にインポートしたり、マップ パッケージ (ArcGIS Pro) やマップ ファイル (.mpkx) などのアイテムを .mapx ファイル形式で開いたりすることはできません。
スタイルのインポート
ArcMap のスタイル ファイル (.style) の多くは ArcGIS Pro スタイル形式 (.stylx) に変換され、ArcGIS Online から追加できます。 また、ArcMap からスタイルをインポートすることもできます。 インポート処理により、.style ファイルから .stylx ファイルに変換されます。
データ移行
ArcMap で使用するデータ タイプとデータセットの多くは ArcGIS Pro で使用できますが、一部のアイテムはアップグレードまたは変換する必要があります。 アップグレードまたは変換したデータセットは、ArcMap では使用できなくなるので、最初にデータセットのバックアップ コピーを作成する必要があります。 さらに、ArcMap に固有の機能を使用してデータセットを変更すると、ArcGIS Pro で使用できなくなります。 たとえば、条件値や属性ルールをジオデータベース データセットに追加すると、ArcMap で使用できなくなります。
ArcGIS Pro で使用できるデータの包括的なリストについては、「サポートされているデータ タイプおよびデータ アイテム」をご参照ください。
ジオデータベース データ
ArcGIS Pro では、ファイル ジオデータベース (.gdb) とエンタープライズ ジオデータベース (.sde) がサポートされています。 次のデータセットをアップグレードまたは変換する必要があります。
- アノテーション フィーチャクラスはアップグレードされるまで読み取り専用です。
- ディメンション フィーチャクラスはアップグレードされるまで読み取り専用です。
- ジオメトリック ネットワークは ArcGIS Pro のトレース ネットワークに変換する必要があります。
- パーセル ファブリックは ArcGIS Pro のパーセル ファブリックにアップグレードする必要があります。
- ラスター カタログはモザイク データセットに移行するか、[カタログ データセットにアイテムを追加] ツールで個々の画像をカタログ データセットに追加できます。
フィーチャ データセット、ネットワーク データセット、モザイク データセット、トポロジ、リレーションシップ クラス、属性ドメイン、サブタイプなど、他のジオデータベースのアイテムと動作をアップグレードまたは変換する必要はありません。
ArcGIS Pro は、リレーショナル データベースに格納されたデータもサポートしています。
注意:
パーソナル ジオデータベース (.mdb) は ArcGIS Pro でサポートされていませんが、ファイル ジオデータベースに変換することができます。 詳細については、「Migrating Data: Tools to migrate a personal geodatabase to a file or mobile geodatabase」ブログ記事をご参照ください。
ラスター データ
ジオデータベースは、ラスター データを格納するための ArcGIS Pro のネイティブ データ モデルです。 ただし、この他にもサポートされているファイル形式は数多くあります。
その他のファイルベースのデータ
ArcMap で使用されるファイルベースのデータセットの多くは、変更せずに ArcGIS Pro で使用できます。 これには、シェープファイル、CAD データセット、KML ファイル、TIN データセット、LAS データセット、dBASE テーブル、Excel シート、テキスト形式のテーブル データ (.csv ファイルなど) が含まれます。 サポートされているファイルベースのデータのリストをご参照ください。
ジオプロセシング モデルの移行
ArcGIS Pro の ModelBuilder は ArcMap の ModelBuilder に似ています。 互換性の問題やその他の違いについては、「ModelBuilder の ArcGIS Pro への移行」をご参照ください。
Python スクリプトの移行
ArcMap では Python 2.7 を使用し、ArcGIS Pro では Python 3 を使用します。 ArcMap で実行するスクリプトは、Python 3 で動作するよう修正する必要があります。
以下に、ArcPy で使用可能な ArcGIS Desktop モジュールと、ArcGIS Pro での同等のモジュールを示します。 モジュールをプログラムで参照する際の拡張子が異なるものがあります。
ArcMap モジュール | ArcGIS Pro モジュール |
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ArcPy (arcpy) | ArcPy (arcpy) |
データ アクセス (arcpy.da) | データ アクセス (arcpy.da) |
マッピング (arcpy.mapping) | マッピング (arcpy.mp) |
Network Analyst (arcpy.na) | Network Analyst (arcpy.na、一部の関数では arcpy.nax) |
Spatial Analyst (arcpy.sa) | Spatial Analyst (arcpy.sa) |
タイム (arcpy.time) | ListTimeZones はマッピング モジュールで使用できます |
詳細については、「10.x から Python への ArcGIS Pro の移行」と「arcpy.mapping から ArcGIS Pro への移行」をご参照ください。
アドイン
ArcMap 用に作成されたアプリケーション レベルの .NET アドインは、ArcGIS Pro では動作しません。