ArcGIS は、空間解析の実行や GIS データの管理に使用できる包括的なジオプロセシング ツール スイートを提供しています。 特定のタスクに対して適切なツールを見つけることは非常に重要です。 ジオプロセシング ツールを検索し、開くことのできる主な場所は、[解析] リボン タブと [ジオプロセシング] ウィンドウです。 ジオプロセシングは、ArcGIS Pro の多くの部分のエンジンです。したがって、ジオプロセシング ツールは、アプリケーションの多くの場所に統合されています。
ArcGIS Pro では、次の場所でジオプロセシング ツールを検索および開くことができます。
- [解析] リボン タブの [ツール] ギャラリー
- [ジオプロセシング] ウィンドウの上部にある検索バー
- [ジオプロセシング] ウィンドウの [お気に入り] タブ
- [ジオプロセシング] ウィンドウの [ツールボックス] タブ
- [カタログ] ウィンドウのプロジェクト ツールボックス
- フォルダー接続のツールボックスまたは [カタログ] ウィンドウのジオデータベース
- [カタログ] ウィンドウの ArcGIS Server コネクション
- [解析] リボンの [ポータル] グループまたは [ジオプロセシング] ウィンドウの [ポータル] タブ
- リボン タブの複数のボタン、ツールバー、コンテキスト (右クリック) メニュー、および UI コマンド
- カスタム リボン タブまたはグループ
- [クイック アクセス ツールバー]
解析ツール ギャラリー
[解析] リボン タブの [ツール] ギャラリーは、一般的に使用される多くの空間解析ツールをいくつかのカテゴリに分類して表示します。 [ツール] ギャラリーには、デフォルトでは一部のツールしか表示されませんが、展開またはスクロールして表示されるツールを増やすことができます。 プロジェクトがテンプレートから作成された場合や、過去に構成されてユーザーと共有されている場合、ギャラリー内のツールが、GIS プロジェクト専用にカスタマイズされている場合があります。
検索
ジオプロセシング ツールを検索するには、[ジオプロセシング] ウィンドウの上部にある検索バーに検索語を入力します。 ジオプロセシング ツールは、名前や、実行する処理のタイプ (「近接」など) を入力して検索できます。
セマンティック検索
ジオプロセシング ツールの検索には、セマンティック検索エンジンが使用されます。 セマンティック検索を使用すると、AI を活用したスマート検索技術により、検索結果が向上します。 従来の検索エンジンは、検索クエリと、ジオプロセシング ツールの名前、説明、キーワードとの間の完全一致または部分一致を見つけることで機能します。 セマンティック検索は、自然言語または会話言語をサポートし、言語の意味および関連する単語間の関係を理解して、検索内容の隠れた意味に最も近いものを提供する検索結果を返します。
ジオプロセシング ツールのセマンティック検索は、AI チャット アシスタントではありません。 その目的は、検索クエリに基づいて、すべてのジオプロセシング ツールの中から最も一致するツールの検索結果を返すことです。 セマンティック検索は、ジオプロセシング ワークフローの実行に利用できる手順、ガイダンス、ステップは提供しません。
注意:
セマンティック検索は、ArcGIS Pro のインストールの際に [セマンティック検索] AI モデルを追加した場合に、[ジオプロセシング] ウィンドウの検索バーで使用できます。 ArcGIS Pro がインストールされた後でオプションの機能を有効にするには、セットアップを変更できます。
注意:
セマンティック検索には、AVX2 命令セットをサポートするプロセッサが必要です。 このハードウェア要件を満たしていない場合、セマンティック検索モデルのファイルがインストールされていても、セマンティック検索は無効になります。 従来の検索エンジンを使用してジオプロセシング ツールを検索し、以前のバージョンの ArcGIS Pro と一致する検索結果を取得できます。
注意:
セマンティック検索は、インストールして有効化された ArcGIS Pro 言語パックと同じ言語を使用した検索語句をサポートします。 一部の言語は、他の言語よりも効果的な結果を提供します。
検索結果
ジオプロセシング検索結果は、詳細タイルまたはリストとして表示できます。検索結果の下部に 2 つのビューを切り替えるボタンがあります。
- 説明と詳細付きでツールを表示
- リストでツールを表示
[説明と詳細付きでツールを表示] がアクティブなビューである場合、検索結果の各アイテムでは、各ツールの詳細を示すツール説明文およびアイコンが表示されます。
アイコン | 説明 |
---|---|
このツールは Esri の組み込みツールです。 | |
このツールはモデル ツールです。 | |
このツールはスクリプト ツールです。 | |
このツールはライセンスによりロックされています。 | |
このツールはクレジットを消費します。 | |
このツールは ArcGIS Server または ArcGIS Online でリモートで実行されます。 | |
このツールは、並列または分散プロセスをサポートします。 | |
このツールは Spark を使用し、大きいデータセットでの分析を実行します。 | |
このツールは、グラフィックス カード (GPU) の処理能力を利用してパフォーマンスを向上します。 | |
このツールは、ビッグ データ ファイル共有をサポートします。 |
お気に入り
[ジオプロセシング] ウィンドウのカスタマイズ可能な [お気に入り] タブで、ジオプロセシング ツールを検索できます。 [お気に入り] タブには、次のツールのお気に入りが表示されます。
- [提案] - ジオプロセシング ワークフローの次のステップに進むのに役立つ可能性があるツールのリスト。 提案は、現在のプロジェクトで実行した以前のツールに基づきます。
- [お気に入り] - ユーザー プロフィール内に保存され、開いているプロジェクトに関係なく表示されるツール。
- [プロジェクトのお気に入り] - 開いているプロジェクトに固有のツール。 プロジェクトを作成すると、一般的に使用されるツールがデフォルトで追加されます。
- [最近] - 最近実行したツールの時系列のリスト。
ツールボックス
エクステンションや業界固有のツールボックスを含む、ArcGIS に付属するすべてのジオプロセシング システム ツールは、[ジオプロセシング] ウィンドウの [ツールボックス] タブの [システム] 見出しにあります。 これらのツールは、ツールボックスやツールセットに整理され、グループ化されています。 プロジェクトのカスタム ツールボックスは、[プロジェクト] 見出しにリストされます。
プロジェクト ツールボックス
プロジェクトごとに「デフォルト ツールボックス」が設定されます。 フォルダー接続またはジオデータベースのツールボックスをプロジェクトに追加することもできます。追加すると、(実際のツールボックスのファイルではなく) ツールボックスへのリンクがプロジェクトとともに格納されます。 プロジェクト ツールボックスは、[ツールボックス] ノードの [カタログ] ウィンドウの [プロジェクト] タブに表示されます。 さらに、プロジェクト ツールボックスは、[ジオプロセシング] ウィンドウの [ツールボックス] タブの [プロジェクト] 見出しにリストされます。
フォルダーとジオデータベース
フォルダーまたはジオデータベース内のツールボックスは、[フォルダー接続] または [データベース] ノードの [カタログ] ウィンドウの [プロジェクト] タブにコンテナーが表示されるときに表示されます。
ArcGIS Server 接続のジオプロセシング サービス
ArcGIS Server コネクションのジオプロセシング サービス ツールを検索して使用できます。 これらのツールを、他のジオプロセシング ツールと同様に使用できます。 唯一の違いは、ツールが ArcGIS Server 上で実行される点です。 ジオプロセシング サービス ツールを使用するには、ArcGIS Server コネクションを追加し、[カタログ] ウィンドウの [サーバー] ノードでサーバー コネクションを展開し、[ジオプロセシング] ウィンドウでツールをダブルクリックして開きます。
ポータル ツール
アクティブなポータルを使用して ArcGIS Enterprise から解析ツールを検索し実行できます。 ポータルのツールは、ポータルとフェデレートされた ArcGIS Server で実行できるサービスを表します。 [解析] リボン タブの [ポータル] グループおよび [ジオプロセシング] ウィンドウの [ポータル] タブには、アクティブなポータルで使用できるツールが表示されます。 これらのツールを、他のジオプロセシング ツールと同様に使用できます。 唯一異なるのは、これらのツールが、ローカル デスクトップ コンピューター上ではなく、ポータルとフェデレートされたサーバー上で実行されるということです。 また、これらのツールは、ローカル フォルダーまたはジオデータベースに新しいデータを作成するのではなく、ポータルに出力レイヤーを作成します。
オンライン ツール
オンライン ツールは、ArcGIS Online のホストされたデータと解析機能を使用するジオプロセシング サービスです。 これらのツールがすぐに使用できると言われるのは、基本的な入力フィーチャをいくつか指定するだけで済むからです。解析と計算に必要な他のすべてのデータは、ArcGIS Online でホストされています。
オンライン ツールを使用すると、さまざまな空間解析の問題を解決できます。これには、次のものがあります。
- プロファイルおよび可視領域 ([標高])
- 集水域およびストリーム トレース ([水文解析])
オンライン ツールは、[解析] リボン タブの [オンライン ツール] ギャラリーにあります。 いずれかのツールをクリックし、入力パラメーターを指定します。 これらのツールを実行すると、サービス名に基づいて出力名が自動的に割り当てられ、プロジェクト ジオデータベースにコピーされ、開いているマップに追加されます。
リボンとクイック アクセス ツールバー
ジオプロセシング ツールをリボン上の任意の場所に追加するか、[クイック アクセス ツールバー] に追加することができます。 これには、システム ツールの他に、プロジェクトに追加されたカスタム モデルとスクリプト ツールも含まれます。 このカスタマイズ内容は、ユーザー ディレクトリに格納され、開いているプロジェクトに反映されます。
その他のリボン ボタンと UI コマンド
ジオプロセシング ツールを開いたり実行したりするボタンは、ArcGIS Pro のリボン タブ、ウィンドウ、ツールバー、コンテキスト (右クリック) メニュー、およびビューの多くに配置されています。 これらのボタンやコマンドは、事前定義されたパラメーターを使用して「ジオプロセシング ツールを即時実行」するか、実行前にパラメーター オプションを指定するためのツールを開きます。 ツールを開くボタンやコマンドの場合、以下で説明するように、ツールは [ジオプロセシング] ウィンドウまたはフローティング ウィンドウで開きます。
- [ジオプロセシング] ウィンドウでツールを開くと、「パラメーターおよび環境の指定」、ツールの実行や「ツールのスケジュール設定」に、標準的な方法を使用します。
- 簡素化されたユーザー インターフェイス内で焦点を絞ったより簡単な操作が求められる一部のツールは、フローティング ウィンドウで開きます。ここで、パラメーターを指定して [OK] または [適用] をクリックすると、ツールが実行されます。 これらのツールは、[ジオプロセシング] ウィンドウで実行されるジオプロセシング ツールと同じですが、ツールの実行後に閉じられる、専用の簡易ウィンドウで開きます。 ツールの実行中、進行状況ダイアログ ボックスに、メッセージおよび進捗情報と、[完了時に閉じる] オプション (デフォルトでオン) が表示されます。 このようにアクセスするツールの多くは、即時処理のため、バックグラウンドのジオプロセシング スレッドではなく「メインのアプリケーション スレッド」で動きます。バックグラウンドのジオプロセシング スレッドで、より処理時間の長いプロセスが実行中であっても同様です。