合成開口レーダー (SAR) センサーのサポート

ArcGIS Pro は、合成開口レーダー (SAR) センサーをサポートしています。 サポートされるセンサー データは、レーダーのプロパティと機能を持つラスター レイヤーとして扱われます。 サポートのレベルは、センサーによって異なります。

ArcGIS Pro に読み込まれると、サポートされているセンサー データが、利用可能な偏波の数でレンダリングされます。 センサー データが単一の偏波の場合は、シングルバンド ラスター イヤーとして扱われる。 デフォルトでは、[ストレッチ] シンボルと [標準偏差] ストレッチ タイプを使用して、シングルバンド ラスターとして表示されます。

単一の偏波
単一の偏波の SAR データに対するデフォルト レンダリング。

センサー データが二重偏波の場合 (VV、VH または HH、HV のいずれか)、データは 2 バンド ラスター レイヤーとして扱われ、RGB のシンボルでレンダリングされます。 デフォルトでは、赤 = バンド 1、緑 = バンド 2、青 = バンド 2 として表示されます。

二重偏波
二重偏波の SAR データに対するデフォルト レンダリング。

センサー データがクアッド偏波の場合 (VV、VH、HH、および HV を含む)、データは 4 バンド ラスターとして扱われ、RGB のシンボルでレンダリングされます。 デフォルトでは、赤 = バンド 1、緑 = バンド 2、青 = バンド 3 として表示されます。

クアッド偏波
クアッド偏波の SAR データに対するデフォルト レンダリング。

[ストレッチ] シンボルを使用して単一の偏波のみを表示する場合、SAR ビジュアライゼーションを強化することを目的とした次のストレッチ タイプの中からいずれかを選択できます。

  • 平方根 - ピクセルの平方根値に線形ストレッチが適用されます。
  • 対数 - 10log10 ピクセル値に線形ストレッチが適用されます。

注意:

合成開口レーダー ツールセット外のツールにより処理されたデータセットは、レーダー メタデータが利用できなくなるため、データセットはレーダー レイヤーと見なされなくなります。

以下の表に、各種 SAR センサーで使用できるジオプロセシング ツールやラスター関数の一覧を示します。 特定の偏波を使用してデータを処理する機能は、ジオプロセシング ツールでのみ利用できます。 最初の 2 つの表内の、[カラー合成の作成 (Create Color Composite)] ツールを除くすべてのジオプロセシング ツールでは ArcGIS Image Analyst エクステンションのライセンスが必要です。 ラスター関数の表に、各種機能に必要なライセンスを示します。

GRD データ用の SAR ツール

ツールSentinel-1 GRDICEYE GRDRCM GRDRADARSAT-2 SGXCapella GECCapella GEO

軌道ファイルのダウンロード (Download Orbit File)

Yes

軌道修正の適用 (Apply Orbit Correction)

Yes

熱ノイズの除去 (Remove Thermal Noise)

YesYes

コレジストレーションの適用 (Apply Coregistration)

放射量キャリブレーションの適用 (Apply Radiometric Calibration)

YesYesYesYesYesYes

放射量分析によるテレインのフラット化を適用 (Apply Radiometric Terrain Flattening)

YesYesYesYesYesYes

コヒーレンスの計算 (Compute Coherence)

デバースト (Deburst)

スペックル除去 (Despeckle)

YesYesYesYesYesYes

幾何テレイン補正の適用 (Apply Geometric Terrain Correction)

YesYesYesYesYes

SAR 単位の変換 (Convert SAR Units)

YesYesYesYesYesYes

マルチルック (Multilook)

YesYesYesYesYesYes

カラー合成の作成

YesYesYes

SAR 指数の計算 (Compute SAR Indices)

YesYesYes

明るい海洋エリアの検出 (Detect Bright Ocean Areas)

YesYesYesYesYesYes

暗い海洋オブジェクトの検出 (Detect Dark Ocean Objects)

YesYesYesYesYesYes

水域の抽出 (Extract Water)

YesYesYesYesYesYes
注意:

RADARSAR SGX データは、SGF、SCN、SCW、SCF、SCS データと機能が似ています。

複素数データ用の SAR ツール

ツールSentinel-1 SLCICEYE SICDRCM SLCRADARSAT-2 SLCCapella SICD

軌道ファイルのダウンロード (Download Orbit File)

Yes

軌道修正の適用 (Apply Orbit Correction)

Yes

熱ノイズの除去 (Remove Thermal Noise)

YesYesYes

コレジストレーションの適用 (Apply Coregistration)

YesYesYesYesYes

放射量キャリブレーションの適用 (Apply Radiometric Calibration)

YesYesYesYesYes

放射量分析によるテレインのフラット化を適用 (Apply Radiometric Terrain Flattening)

YesYesYesYesYes

コヒーレンスの計算 (Compute Coherence)

YesYesYesYesYes

デバースト (Deburst)

Yes

スペックル除去 (Despeckle)

YesYesYesYesYes

幾何テレイン補正の適用 (Apply Geometric Terrain Correction)

YesYesYesYesYes

SAR 単位の変換 (Convert SAR Units)

YesYesYesYesYes

マルチルック (Multilook)

YesYesYesYesYes

カラー合成の作成

YesYes

SAR 指数の計算 (Compute SAR Indices)

YesYesYes

明るい海洋エリアの検出 (Detect Bright Ocean Areas)

YesYesYesYesYes

暗い海洋オブジェクトの検出 (Detect Dark Ocean Objects)

YesYesYesYesYes

水域の抽出 (Extract Water)

YesYesYesYesYes

SAR ラスター関数

関数ライセンス レベルSentinel-1 GRDSentinel-1 SLCICEYE GRDICEYE SICDRCM GRDRCM SLCRADARSAT-2 SGXRADARSAT-2 SLCCapella GECCapella GEOCapella SICD

Sentinel-1 熱ノイズの除去

Desktop BasicYesYes

Sentinel-1 放射量キャリブレーション

Desktop BasicYesYes

熱ノイズの除去

ArcGIS Image Analyst エクステンション

YesYes

レーダー キャリブレーション

Desktop BasicYesYesYesYesYesYesYesYesYesYesYes

スペックル除去

Desktop BasicYesYesYesYesYesYesYesYesYesYes

テレインのフラット化

ArcGIS Image Analyst エクステンション

Yes

単位変換

Desktop BasicYesYesYesYesYesYesYes

複素数

Desktop BasicYesYesYesYesYes

カラー合成の作成

Desktop BasicYesYesYesYes

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