最適パス (ラスター) 関数

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

概要

目的地からソースまでの最適なパスを算出します。

この関数は、選択した位置から、距離累積サーフェス上でコスト距離が最も近いソース セルまでの最適なパスを記録する出力ラスターを作成します。

これはグローバル ラスター関数です。

備考

通常、最適パス (ラスター) 関数を実行するには、距離累積関数の結果が必要になります。 距離累積関数を実行すると、距離累積ラスターとバック方向ラスターが作成されます。これらのラスターは、最適パス (ラスター) 関数の入力ラスター レイヤーとして必要です。

作成された最適なパスは、D8 流向に基づいた流路です。 この方法で最適なパスを作成するには、バック方向ラスターまたは流向ラスターの入力として D8 流向ラスターを使用します。 入力距離累積ラスターも指定する必要があります。入力距離累積ラスターはパスの決定に使用されません。 定数ラスターまたはデジタル標高モデル (DEM) のどちらを使用しても、パスは同じになります。パス上の属性値のみが変化します。 D8 流向ラスターの詳細については、流向ラスター関数をご参照ください。

入力目的地データはラスター レイヤーである必要があります。 目的地セルのセットは、入力ラスター内で有効値を含むすべてのセルから構成されます。 値が NoData のセルは、このセットには含まれません。 値ゼロは、正式な目的地と見なされます。 目的地ラスターは、抽出ツールを使用して作成できます。

目的地フィーチャまたはソース フィーチャがある場合は、フィーチャのラスター化関数を使用してそれらのフィーチャをラスターに変換できます。 距離累積ラスターまたはバック方向ラスターを、このラスター化関数のラスター入力として使用します。 この結果、フィーチャが確実に、[最適パス (ラスター)] 関数に入力される他のラスターと同じセル サイズ、範囲、および空間参照を使用してラスター化されるようになります。

最適な出力パス上の値は、指定した場所でのパスの数を表します。 多くの場合、パスは同じルートをたどります。ソースを出発して、異なる目的地に分岐します。 たとえば、1 の値は指定した場所に最適なパスが 1 つだけあることを示し、5 の値はその場所でそのセルを通る最適なパスが分析範囲に 5 つあることを示します。

投影のエッジを横切るパスを作成するには、[距離累積ラスター] パラメーターと [バック方向ラスター] パラメーターへの入力として使用されるラスターが、円筒図法または地理出力座標系のいずれかと、[距離計算の方法] パラメーターの [測地線] オプションを併用し、全グローバル範囲で作成されている必要があります。

パラメーター

最適パス (ラスター) 関数のパラメーターについては、次の表をご参照ください。

パラメーター説明

目的地ラスター

(必須)

最小コストのソースまでの最適なパスが求められる位置を識別する、整数のラスター データセット レイヤー。

この入力ラスター レイヤーは、有効値 (0 は有効値) が含まれているセルで構成される必要があります。また、残りのセルに NoData が割り当てられていなければなりません。

目的地フィールド

目的地の位置の値を取得するために使用するフィールド。

距離累積ラスター

(必須)

距離累積ラスターは、目的地からソースまでの最適なパスを決定するために使用されます。 距離累積ラスターは通常、距離累積関数で作成されます。 距離累積ラスター内の各セルは、各セルから一連のソース セルまでのサーフェス上での最小累積コスト距離を表します。

バック方向ラスターまたは入力流向ラスター

(必須)

バック方向ラスターは、角度で計算した方向を含みます。 バリアを避けながら、最小累積コスト ソースに戻る最適なパスに沿った隣接セルへの方向を特定します。

値の範囲は 0 度から 360 度で、0 はソース セル用に予約されています。 真東 (右) は 90 で、値は時計回りに増加します (180 が北、270 が西、360 が北)。

パスの種類

入力目的地データの値とゾーンを、コスト パスの計算の中でどのように解釈するかを定義するキーワードを指定します。

  • [各ゾーン] - 入力目的地データの有効な値を持つ各ゾーンについて、最適パスが求められ、出力ラスターに保存されます。 このオプションを使用すると、各ゾーンの最適なパスは、ゾーン内で最低のコスト距離加重を持つセルから開始します。 これがデフォルトです。
  • [最短経路] - 入力目的地データのすべてのセルについて、最適パスは、ソース セルへの最小コスト パスの最小値を持つセルから求められます。
  • [各セル] - 入力目的地データの有効な値を持つ各セルについて、最適なパスが決定されます。 このオプションを使用すると、入力目的地データの各セルが別々に扱われ、各セルの最適なパスが決定されます。

環境設定

グローバル関数のジオプロセシング環境設定は、アプリケーション レベルで制御されます。 ArcGIS Pro での処理環境の設定は、[解析] タブの [環境] ボタンをクリックして行うことができます。 環境設定の詳細については、「解析環境と Spatial Analyst」をご参照ください。

このグローバル関数では、次の環境がサポートされています。

関連トピック


このトピックの内容
  1. 概要
  2. 備考
  3. パラメーター
  4. 環境設定