方向付き画像データセットの属性テーブルでは、CameraOrientation フィールドにより、画像から地面および地面から画像への正確な座標変換がサポートされます。座標変換には、カメラの焦点距離、レンズ歪みのパラメーターなどのメタデータが使用されます。 正確な座標変換が必要な場合、カメラの方向の文字列が入力されると、これらの値は、属性テーブル内の対応するフィールド値の代わりに使用されます。
CameraOrientation フィールドを方向付き画像データセットに含めるには、CameraOrientation フィールドを持つ 方向付き画像テーブルを [方向付き画像データセットに画像を追加 (Add Images to Oriented Imagery Dataset)] ジオプロセシング ツールへの入力として使用します。
注意:
CameraOrientation フィールドが指定されている場合、CameraHeading、CameraPitch、CameraRoll、CameraHeight、HorizontalFieldOfView、HorizontalFieldOfView フィールドの値が、初期フットプリントおよび視錐台の検索と計算に使用されます。
カメラ方向パラメーターは、パイプ (|) で区切られた値が格納された文字列です。 方向付き画像は、カメラの方向の 4 種類の文字列をサポートします。 文字列の最初の数字は、カメラの方向のタイプを定義します。
各タイプのカメラ方向スキーマは、以下のように記述されます。
タイプ 1 - 進行方向、ピッチ、ロール
カメラの進行方向、カメラのピッチ、カメラのロール角が回転角度として使用されます。
スキーマ
1|H_WKID|V_WKID|X|Y|Z|RA1|RA2|RA3 または
1|H_WKID|V_WKID|X|Y|Z|RA1|RA2|RA3|A0|A1|A2|B0|B1|B2|FL|PPX|PPY|K1|K2|K3|P1|P2
パラメーター
次のサブセクションでは、パラメーターについて説明します。
座標系情報
- H_WKID - 水平座標系の WKID 値。
- V_WKID - 鉛直座標系の WKID 値。
視点ポイント
- X - カメラ位置の X 座標。 単位は、H_WKID で定義された座標系単位です。
- Y - カメラ位置の Y 座標。 単位は、H_WKID で定義された座標系単位です。
- Z - カメラ位置の Z 座標。 単位は、V_WKID で定義された座標系単位です。
回転角度
- RA1 - カメラの進行方向 (度)
- RA2 - カメラのピッチ (度)
- RA3 - カメラのロール角 (度)
アフィン変換パラメーター
フィルム空間と画像空間との関係を設定するアフィン変換の係数。
- A0、A1、A2 - X 方向の移動を表します。
- B0、B1、B2 - Y 方向の移動を表します。
A0 および B0 は、列と行のオフセットです。
カメラ パラメーター
- FL - レンズの焦点距離
- PPX - カメラの中心からの X の主点オフセット
- PPY - カメラの中心からの Y の主点オフセット
- K1、K2、K3 ‐ 半径方向の歪み係数
- P1、P2 - 接線方向の歪み係数
注意:
アフィン変換パラメーターの FL、PPX、PPY の単位は同じでなければなりません。 単位は、ミクロン、ピクセル、ミリメートルを使用できます。
タイプ 2 - Omega、Phi、Kappa
回転角度として、Omega、Phi、Kappa が使用されます。
スキーマ
2|H_WKID|V_WKID|X|Y|Z|RA1|RA2|RA3 または
2|H_WKID|V_WKID|X|Y|Z|RA1|RA2|RA3|A0|A1|A2|B0|B1|B2|FL|PPX|PPY|K1|K2|K3|P1|P2
パラメーター
パラメーターは、回転角度を除き、タイプ 1 のスキーマで定義されているものと同じです。
回転角度
- RA1 - Omega (度)
- RA2 - Phi (度)
- RA3 - Kappa (度)
すべての角度回転は正の反時計回りの方向で計測され、シーケンスは最初に Omega、次に Phi、次に Kappa でなければなりません。
タイプ 3 - ヨー、ピッチ、ロール
ヨー、ピッチ、ロールは回転角度として使用されます。 タイプ 3 は、360 度画像でのみ使用できます。
注意:
ArcGIS Pro 3.2 または Map Viewer の方向付き画像ビューアーでは、360 度画像はサポートされていません。
スキーマ
3|H_WKID|V_WKID|X|Y|Z|RA1|RA2|RA3
パラメーター
パラメーターは、回転角度を除き、タイプ 1 のスキーマで定義されているものと同じです。
回転角度
- RA1 - ヨー (度)
- RA2 - ピッチ (度)
- RA3 - ロール角 (度)
タイプ 4 - ローカル接平面
ENU (East North Up) 座標のローカル接平面 (LTP) の直交座標系を使用して、カメラ ポイントが表されます。
スキーマ
4|LTP_Lat|LTP_Lon|Ellipsoid_Rad|Ellipsoid_EE|RA_Type|V_WKID|LTPX|LTPY|LTPZ|RA1|RA2|RA3 または
4|LTP_Lat|LTP_Lon|Ellipsoid_Rad|Ellipsoid_EE|RA_Type|V_WKID|LTPX|LTPY|LTPZ|RA1|RA2|RA3|A0|A1|A2|B0|B1|B2|FL|PPX|PPY|K1|K2|K3|P1|P2
パラメーター
次のサブセクションでは、パラメーターについて説明します。
LTP 情報
- LTP_Lat - LTP 座標系の緯度 (度)
- LTP_Lon - LTP 座標系の経度 (度)
- Ellipsoid_Rad - 地球の赤道
- Ellipsoid_EE - 離心率の二乗
- V_WKID - 鉛直座標系の WKID
回転角度タイプ
- RA_Type - この数字は使用する回転角度のタイプを指定します。
- 1 - RA1、RA2、RA3 にはそれぞれ、カメラの進行方向、ピッチ、ロール角の値が入力されます。
- 2 - RA1、RA2、RA3 にはそれぞれ、Omega、Phi、Kappa の値が入力されます。
- 3 - RA1、RA2、RA3 にはそれぞれ、ヨー、ピッチ、ロール角の値が入力されます。
RA_Type が 3 の場合、アフィン変換パラメーターおよびカメラ パラメーターは使用できません。
視点ポイント
- LTPX - LTP 空間におけるカメラの中心の X 座標
- LTPY - LTP 空間におけるカメラの中心の Y 座標
- LTPZ - LTP 空間におけるカメラの中心の Z 座標
その他のすべてのパラメーターは、タイプ 1 のスキーマで説明した定義に従います。