ユーティリティ ネットワークは、ArcGIS でユーティリティ ネットワークおよび通信ネットワークを管理する場合にユーザーが操作する主要コンポーネントで、電気、ガス、水、雨水、排水、通信などのユーティリティ システムをモデル化するための機能の包括的フレームワークを提供します。 これは、ワイヤー、パイプ、バルブ、デバイス、回路、ゾーンなど、システムを構成するすべてのコンポーネントをモデル化するように設計されており、モデル化するネットワーク フィーチャ内に実際の動作を構築することができます。
ユーティリティ ネットワークを使用すると、次の操作を実行できます。
- すべてのタイプのユーティリティ機器をモデル化するフィーチャおよびオブジェクトを作成し、編集すること。
- ネットワーク内のフィーチャおよびオブジェクトの接続方法を確認すること。
- ガス、水道、電気などのリソースのネットワーク内での流れをトレースすること。
- ユーティリティのダイナミック デバイスの現時点での構成方法のオペレーション ビューを提供すること。
- 暴風雨、停電、または機器の故障などの実際のイベントから受けるネットワークの影響を解析すること。
ユーティリティ ネットワークには、エンタープライズ配置またはシングルユーザー配置のいずれかを使用して構成できます。
- エンタープライズ配置は、ArcGIS Enterprise を使用するサービスベースのアーキテクチャを通じて、ユーティリティ ネットワークの豊富な機能を提供します。 このモデルにより、Web マップおよびアプリ、モバイル アプリ、デスクトップ上の ArcGIS Pro を通じて、大規模な配置と完全なネットワーク表示、編集、解析の機能が有効になります。
- ファイル ジオデータベースまたはモバイル ジオデータベースでホストされるシングルユーザー配置は、ユーティリティ ネットワークの完全な解析機能を提供します。 このモデルでは、デスクトップ上の ArcGIS Pro を通じてユーティリティ ネットワークを操作します。
ネットワークの視覚化
ユーティリティ ネットワークは、ネットワーク システムとアセットを表示するいくつかの方法を提供します。
- カスタマー サービス、現地調査、検査、分布管理など、さまざまな使用事例の主題カートグラフィック マップを表示します。
- ネットワークの接続性をすばやくチェックし、情報の簡略化されたシンボル表現でネットワークの論理ビューを作成できるネットワーク ダイアグラムを作成します。
- デバイスやライン内部の複雑なアセンブリを表示し、内部でのアセットの接続方法を管理します。
- 表示フィルターを使用して、選択した圧力ゾーンまたは回路を視覚化します。
ネットワークの解析
ユーティリティ ネットワークは、さまざまな解析ワークフローをサポートする幅広い解析およびトレース ツールを提供します。
- 激しい暴風雨などのイベント発生後のネットワークの状態を調べます。
- 資源にアクセスできる顧客の数を確認します。 たとえば、電気ネットワークの特定のサブネットワークからの供給を受ける顧客数を表すロード サマリー レポートを作成することができます。
- 特定の場所から上流または下流へとネットワーク フィーチャをトレースします。 たとえば、水道会社は、パイプが破裂したときにそのエリアを分離するため、どのバルブを閉じるべきか決定できます。
- 1 つのユーティリティ ネットワーク内の複数のユーティリティ システムをモデル化し、それらすべてでトレース解析を実行します。 たとえば、電気ネットワークの停電は、ガスや水道などの他のリソースの供給に影響を与えることがあります。 関連するすべてのシステムのトレースを実行し、問題を特定して、最適な対応策を決定することができます。
ネットワークの編集
ArcGIS Pro の主要な機能を使用してユーティリティ ネットワークを編集し、編集ワークフローを効率化することができます。
- 変圧器がすでに追加された電柱を作成するなど、テンプレートを使用して、関連するユーティリティ アセットのコレクションをシングル クリックで作成することができます。
- エンタープライズ配置では、複数のユーザーがサービスベースのアーキテクチャを使用して、ネットワーク フィーチャの編集と管理を同時に実行できます。
- ネットワーク内の編集ルールと検証により、論理的に無効なデータと関連付けが入らないようにしてデータ品質を確保することができます。 たとえば、レデューサーは適切な直径のパイプの一端に接続する必要があります。
ユーティリティ ネットワークを使用することの利点については、「ユーティリティ ネットワークの利点」をご参照ください。
ユーティリティ ネットワークを使用して、データを表示、分析、編集する方法の詳細については、各種業界向けの「はじめての ArcGIS Utility Network」チュートリアル シリーズをご参照ください。