Location Referencing ライセンスで利用可能です。
イベント レイヤーの属性テーブルのレコードを更新して、フィーチャ サービスのイベントを編集できます。
属性テーブルを編集することで、エラーの修正、関連ルート上のメジャーへの変更の反映、一意のイベント属性の値の更新 (車道タイプの変更や特定日に発生する制限速度の変更など) を実行できます。
属性テーブルの行に編集を行った後、システム提供のロケーション エラー値が更新され、ステータスが示されます。
注意:
イベントを編集するイベント レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] を選択して、ArcGIS Pro サブパネルに属性テーブルを開きます。 イベント レコードを編集するには、その行内をクリックして、イベントの値を更新します。
ロックの取得やリコンサイルに関するメッセージが表示された場合、競合の防止が有効になっています。
ステーショニングと対象が構成されたイベントは ArcGIS Pro でサポートされています。 属性テーブルで対象イベントまたはステーショニング イベントを編集するとき、ステーショニング列または対象列に値を指定できますが、イベントはメジャー フィールドで指定された値のみに基づいて描画されます。
注意:
イベント属性を編集した後、既存のイベントを廃止し、指定された廃止日を開始日 (From Date) とする新しいイベントを作成し、更新されたイベント属性を含めることができます。 一致するライン イベントをマージすることもできます。
ロケーション エラー
ロケーション エラーを使用すると、LRS イベントに伴うデータ品質の問題を判定できます。 属性テーブルやその他の方法を使用してイベントが正確に定義されると、ロケーション エラー フィールドの値は「エラーなし」になります。
注意:
ロケーション エラーの完全なリストを確認することもできます。
次のいずれかのステータスは、解決する必要がある問題を示しています。
ロケーション エラー | 説明 |
---|---|
始点ルートと終点ルートのライン ID が異なります | 始点ルートと終点ルートのライン ID が異なります。 これは、ライン ネットワークに関連付けられたイベントに適用されます。 |
日付が無効です | イベントの開始日がイベントの終了日の前になっています。 注意:属性テーブルを使用してイベントの開始日が終了日の後になるように編集すると、自動的に入れ替わります。 |
ルート ライン ID が無効です | ルートのライン ID が無効です。 これは、ライン ネットワークに関連付けられたイベントに適用されます。 |
ルート ライン順序が無効です | ルートのライン順序が無効です。 これは、ライン ネットワークに関連付けられたイベントに適用されます。 |
ロケーションのルート ID が無効です | ルート ロケーションのルート ID が無効です (NULL、空、または無効な値)。 |
メジャーの表示範囲が無効です | 少なくとも 1 つのルート ロケーションのメジャー値が無効です。 |
ルート ID が無効です | ルート ロケーションのルート ID が無効です (NULL、空、または無効な値)。 |
ルート メジャー範囲外の計測範囲 | ルート ロケーションの形状がルート上に存在しません (ルートに M 値が含まれていないか、ルート ロケーションのメジャーがルート上に存在しません)。 |
複数のルート ロケーションが見つかりました | 複数のポイント ロケーションが見つかりました。 ルートに沿ったメジャーが一意でない可能性があります。 |
範囲が NULL です | 始点メジャーが終点メジャーと等しくなっています。 |
親イベントが見つかりません | 始点メジャーと終点メジャーがルート メジャーの外側にあるため、ルート ロケーションの形状が見つかりませんでした。 |
始点メジャーおよび終点メジャーとの部分一致 | ルート ロケーション全体の形状が見つかりませんでした。 始点メジャーと終点メジャーがルート メジャーの範囲の外側にあります。 |
始点メジャーとの部分一致 | 始点メジャーがルート メジャーの範囲の外側にあります。 |
終点メジャーとの部分一致 | 終点メジャーがルート メジャーの範囲の外側にあります。 |
反転されたライン順序 | 始点ルートのライン順序が終点ルートより低くありません。 これは、ライン ネットワークに関連付けられたイベントに適用されます。 |
ルート メジャーが NULL です | ルートに M 値が含まれていないか、M 値が NULL です。 |
ルートが見つかりません | イベントがアクティブなタイム スライス内にルートが存在しません。 |
ルート形状が空です | ルートに形状がないか、形状が空です。 |
ルートが M 対応ではありません | ルートが M 対応ポリラインではありません。 |
属性テーブルを使用したライン イベントの編集のシナリオ
以下のシナリオでは、イベント レイヤーの属性テーブルの非スパニング イベント値を編集した結果を詳しく説明します。
イベント メジャーの編集
次の図は、編集前のルートと関連イベントを示しています。
次の表は、ルート属性の詳細を示したものです。 Route1 のイベントの有効なメジャーは 0 ~ 20 である必要があり、有効な日付は 1/1/2000 以降である必要があります。
ルート ID | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|
Route1 | 1/1/2000 | <NULL> |
次の表は、属性テーブルを使用して編集する前のイベントの詳細を示したものです。
イベント ID | ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2005 | <NULL> | 10 | 20 | エラーなし | 55 |
次の図は、イベントの始点メジャーの変化を示しています。
以下の表は、メジャーが 10 から 5 に変更された後のイベントの詳細です。この編集で形状が変更されます。
イベント ID | ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2005 | <NULL> | 5 | 20 | エラーなし | 55 |
イベント メジャーの編集後に生じたロケーション エラー
次の図は、編集前のルートと関連イベントを示しています。
次の表は、ルート属性の詳細を示したものです。 Route1 のイベントの有効なメジャーは 0 ~ 20 である必要があり、有効な日付は 1/1/2000 以降である必要があります。
ルート ID | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|
Route1 | 1/1/2000 | <NULL> |
次の表は、属性テーブルを使用して編集する前のイベントの詳細を示したものです。
イベント ID | ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2000 | <NULL> | 10 | 20 | エラーなし | 55 |
次の図は、イベント メジャーへの変更を示しています。 終点メジャーは 30 に更新されましたが、Route1 上に存在していないため、「終点メジャーとの部分一致」エラーが発生しました。
次の表は、Location Error フィールドのシステムが提供する終点メジャーとの部分一致の値の例を示しています。 30 が見つからないため、イベント形状は引き続き、ルートの実際の終点メジャー 20 で終了します。
イベント ID | ルート名 | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2000 | <NULL> | 10 | 30 | 終点メジャーとの部分一致 | 55 |
属性テーブルを使用したスパニング イベントの編集のシナリオ
以下のシナリオでは、レイヤーの属性テーブルのスパニング イベント値を編集した結果を詳しく説明します。
スパニング イベントのメジャーの編集
次の図は、編集前のルートと関連イベントを示しています。
次の表は、ルート属性の詳細を示したものです。 LineA のイベントの有効なメジャーは 0 (Route1) ~ 40 (Route3) である必要があり、有効な日付は 1/1/2000 以降である必要があります。
ルート ID | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|
Route1 | 1/1/2000 | <NULL> |
Route2 | 1/1/2000 | <NULL> |
Route3 | 1/1/2000 | <NULL> |
次の表は、属性テーブルを使用して編集する前のイベントの詳細を示したものです。 Event1 は Route1 の 5 から Route3 の 35 までのメジャーを持つスパニング イベントです。
イベント ID | 始点ルート ID | 終点ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | Route3 | 1/1/2000 | <NULL> | 5 | 35 | エラーなし | 55 |
次の図は、ライン イベント (Event1) を更新した後のルートを示しています。 1/1/2005 に 5 から 0 に変更された Event1 の始点メジャー。
以下の表は、Route1 のメジャーが 5 から 0 に変更された後のイベントの詳細です。この編集で形状が変更されます。 また、イベント レコードの制限速度の値が 55 から 65 に更新されています。
イベント ID | 始点ルート ID | 終点ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | Route3 | 1/1/2000 | <NULL> | 0 | 35 | エラーなし | 65 |
スパニング イベント メジャーの編集後に生じたロケーション エラー
次の図は、編集前のルートと関連イベントを示しています。
次の表は、ルート属性の詳細を示したものです。 LineA のイベントの有効なメジャーは 0 (Route1) ~ 40 (Route3) である必要があり、有効な日付は 1/1/2000 以降である必要があります。
ルート ID | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|
Route1 | 1/1/2000 | <NULL> |
Route2 | 1/1/2000 | <NULL> |
Route3 | 1/1/2000 | <NULL> |
次の表は、属性テーブルを使用して編集する前のイベントの詳細を示したものです。 Event1 は Route1 の 5 から Route3 の 35 までのメジャーを持つスパニング イベントです。
イベント ID | 始点ルート ID | 終点ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | Route3 | 1/1/2000 | <NULL> | 5 | 35 | エラーなし | 55 |
編集時に、Event1 の終点メジャーは Route3 で 35 から 40 に正しく編集されてましたが、To Route ID 値が誤って削除されたため、システムが提供する Location Error フィールドに対して「ロケーション ルート ID が無効です」エラーが発生しました。
次の図は、属性テーブル行の転記エラーのためにイベント形状が生成されなくなった後のルートを示しています。
次の表は、欠落している To Route ID 値および To Measure 値 (NULL) を示しています。
イベント ID | 始点ルート ID | 終点ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2000 | <NULL> | 5 | <NULL> | ロケーションのルート ID が無効です | 55 |
この場合、属性テーブルを確認して、欠落しているまたは誤っている値を復元して、イベント形状を生成します。 この場合、終点ルート ID を元に戻して、消去された終点メジャー値 40 を再度入力します。
イベント ID | 始点ルート ID | 終点ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | Route3 | 1/1/2000 | <NULL> | 5 | 40 | エラーなし | 55 |
次の図は、To Route ID 値と To Measure (40) を復元した後のイベント メジャーの編集を示しています。
属性テーブルを使用したライン イベントのタイム スライスのシナリオ
イベントに対して行われた編集のタイプに応じて、特定の日付に発生する現実社会の変化を反映するために、イベントの開始日と終了日を変更する必要がある場合があります。 既存のイベント レコードを使用するか、異なる日付を持つ同じイベント ID とルート ID を使用してイベントを追加することで開始日と終了日を更新して、特定の時間範囲を表すことができます。 この方法でイベントへの変更を表すことはタイム スライスと呼ばれ、各時点のイベントの変更内容が正確に保存されます。
以下のシナリオでは、2 つのタイム スライスがあるルートと、日付がそのルートのタイムスライスのうち 1 つだけをカバーする関連ライン イベントを詳しく説明します。 1 つ目のルート タイム スライスの日付は 1/1/2000 ~ 12/31/2010、2 つ目のルート タイム スライスの日付は 1/1/2012 ~ <NULL> です。 イベント レコードの日付は 1/1/2000 ~ 12/31/2010 です。
次の表は、タイム スライスを含むルート属性の詳細を示したものです。
ルート ID | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|
Route1 | 1/1/2000 | 12/31/2010 |
Route1 | 1/1/2012 | <NULL> |
次の表は、編集前のイベントの詳細を示したものです。
イベント ID | ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2000 | 12/31/2010 | 10 | 20 | エラーなし | 55 |
この場合、最後のルート タイム スライスの To Date に一致するように To Date を <NULL> に変更することにより、Event1 の明示的な開始日が両方のルート タイム スライスに一致するように更新されます。
次の図は、編集後のルートおよび更新されたイベント レコードを示しています。
次の表は、編集後のイベントの詳細を示したものです。 Event1 のタイム スライスは 3 つになりました。 元のタイム スライスの日付範囲は 1/1/2000 ~ 12/31/2010 に維持されます。これは、1 つ目のルート タイム スライスと一致します。 2 つ目のタイム スライスの日付は 12/31/2010 ~ 1/1/2012 ですが、その日付の間にルートは存在しないため、そのタイム スライスでルートが見つかりませんエラーが発生します。 3 つ目のタイム スライスの日付は 1/1/2012 ~ <NULL> で、最後のルート タイム スライスと一致します。
イベント ID | ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー | ロケーション エラー | 速度制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2000 | 12/31/2010 | 10 | 20 | エラーなし | 55 |
Event1 | Route1 | 12/31/2010 | 1/1/2012 | 10 | 20 | ルートが見つかりません | 55 |
Event1 | Route1 | 1/1/2012 | <NULL> | 10 | 20 | エラーなし | 55 |
属性テーブルを使用した対象オフセットとイベントの編集
Roads and Highways イベント データ モデルでは、対象イベント フィールドの構成と、[対象フィールドの有効化 (Enable Referent Fields)] ツールを使用した有効化がサポートされています。 レイヤーで対象フィールドが構成され、有効化されると、イベントが追加または編集されたときに対象ロケーションが設定され、そのレイヤーで持続します。
対象対応のレイヤーの属性テーブルを使用してライン イベントを編集する場合、親 LRS ネットワークがデフォルトで FromRefMethod 値および ToRefMethod 値として使用され、ルートは FromRefLocation 値および ToRefLocation 値として使用されます。 ライン イベントの始点メジャーと終点メジャーは、FromRefOffset 値および ToRefOffset 値として使用されます。
ライン イベントのどちらかのメジャーが更新されると、新しいメジャーを反映するよう、対応するオフセット値が更新されます。
以下の例に、属性テーブルでイベント レコードを編集したときの影響を示します。
対象を含むイベントを編集する前
この例では、Event1 は、対象対応のレイヤーのライン イベント レコードです。 PointEventLayer1 は、FromRefMethod 値および ToRefMethod 値としてポイント イベント レイヤーを参照し、そのレイヤーのポイント イベント (Point1) を FromRefLocation 値および ToRefLocation 値として使用します。
次の図に、ルートと関連イベントを示します。
次の表に、属性テーブルを使用して編集する前のイベント対象フィールドの詳細を示します。
FromRefMethod | FromRefLocation | FromRefOffset | ToRefMethod | ToRefLocation | 終点対象オフセット |
---|---|---|---|---|---|
PointEventLayer1 | Point1 | 5 | PointEventLayer1 | Point1 | 15 |
次の表に、編集前のデフォルト イベント フィールドの詳細を示しています。
イベント ID | ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー |
---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2000 | <NULL> | 10 | 20 |
対象を含むイベントを編集した後
次の図に、編集後のルートおよび関連イベントを示します。
次の表に、編集後のイベント対象フィールドの詳細を示します。
FromRefMethod | FromRefLocation | FromRefOffset | ToRefMethod | ToRefLocation | 終点対象オフセット |
---|---|---|---|---|---|
AllRoutes | Route1 | 5 | AllRoutes | Route1 | 15 |
次の表に、編集後のデフォルト イベント フィールドの詳細を示します。
イベント ID | ルート ID | 開始日 | 終了日 | 始点メジャー | 終点メジャー |
---|---|---|---|---|---|
Event1 | Route1 | 1/1/2000 | <NULL> | 5 | 15 |