パフォーマンスを向上するためのアプリケーション設定

ArcGIS Pro をインストールした管理者は、アプリケーション設定を変更してパフォーマンスを向上できます。たとえば、複数の ArcGIS Pro インスタンスが共有リソースにアクセスする場合などです。 各設定はユーザー入力なしで事前に構成でき、必要に応じて変更できないようロックしたり、ユーザーから非表示にしたりできます。

エンタープライズ ジオデータベースフィーチャ サービスなどのリモート データを頻繁に使用する ArcGIS Pro の配置を管理する管理者は、これらの設定を使用して、マルチユーザー環境での共有リソースへのアクセスを最適化できます。 これらの設定がパフォーマンスに与える影響を理解し、構成する設定を決定するために、以下にリンクするヘルプ トピックを一読することをおすすめします。

システム管理者向けの参考用として、使用ガイドラインとサンプルの設定ファイルを用意しています。

おすすめのアプリケーション設定

以下の表に、パフォーマンスとスケーラビリティを向上させるために推奨される ArcGIS Pro のアプリケーション設定について説明します。

概念アプリケーション設定デフォルト値推奨値

フィーチャ キャッシュ - フィーチャ キャッシュを使用すると、過去に訪問した空間範囲でクエリされたデータを格納し、再利用することで、パフォーマンスを向上できます。

キャッシュとパフォーマンスの詳細

ManageFeatureCaching

false

true

自動更新 - 属性テーブル以外の場所で行われる一部の編集操作は、テーブルが開くとテーブルを更新できます。 このような更新では、追加のクエリが必要です。 この設定を使用して自動更新を無効にすることで、パフォーマンスを向上できます。

テーブルの更新とパフォーマンスの詳細

DisableAutoRefresh

true

true

マップチップ - マップチップを使用すると、マップ フィーチャの上にカーソルを合わせたときに、マップフィーチャに関する追加情報を表示できます。 マップ チップを表示するたびに、データベース クエリが必要です。 この設定でマップ チップを許可しないことで、パフォーマンスを向上します。

マップチップとパフォーマンスの詳細

PermitMapTips

false

false

トランジション時間 - トランジション時間では、範囲から範囲へ移動する際に、マップ上でナビゲーションを可視化できますが、追加のクエリが必要です。 トランジション時間を 0 にするとパフォーマンスを向上できます。

トランジション時間とパフォーマンスの詳細

TransitionTime

0

0

画面移動ジェスチャ - 画面移動ジェスチャは、マウスを離したときに、マウスが移動していた方向にマップまたはシーンを滑らかに動かし続けます。 これにより、画面移動時のユーザーへのフィードバックがより自然になりますが、単純な画面移動よりも多くのデータをクエリし、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

画面移動ジェスチャとパフォーマンスの詳細

EnablePanningGestures

true

false

表示の縮尺 - 表示の縮尺を使用し、ズームを限られた縮尺に制限します。 この制限により、キャッシュされた表示の使用が増え、パフォーマンスが向上します。

表示の縮尺とパフォーマンスの詳細

DisplayTheseScalesWhenZooming

false

true

サンプルの設定ファイル

Pro.settingsConfig というサンプル設定ファイル (推奨設定によって構成されている) は、ArcGIS Pro のインストール ディレクトリ <installation folder>\ArcGIS\Pro\Resources\XmlSamples\ApplicationPerformance にあります。

サンプルの設定ファイルは、以下の場所にもあります。

Pro.settingsConfig ファイルを配置する方法の詳細

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<ArcGISProSettings xmlns="http://schemas.esri.com/ProSettings"
        xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
        xsi:schemaLocation="http://schemas.esri.com/ProSettings .\prosettings.xsd">
	<MapAndScene>
		<!-- Enable displaying the Feature Cache group on the Map tab -->
		<!-- Setting is locked and cannot be changed by user -->
		<ManageFeatureCaching isLocked="true">true</ManageFeatureCaching>
	
		<!-- Do not permit MapTips -->
		<!-- Setting is locked and cannot be changed by user -->
		<PermitMapTips isLocked="true">false</PermitMapTips>
	
		<!-- Enable 'snapping to scales' -->
		<!-- Setting is not locked and can be changed by user -->
		<DisplayTheseScalesWhenZooming isLocked="false">true</DisplayTheseScalesWhenZooming>
	</MapAndScene>
	
	<Table>
		<!-- Disable attribute table refresh during editing events-->
		<!-- Setting is locked and cannot be changed by user -->
		<DisableAutoRefresh isLocked="true">true</DisableAutoRefresh>
	</Table> 
	
	<Navigation>
		<!-- Disable Transition Time -->
		<!-- Setting is locked and cannot be changed by user -->
		<TransitionTime isLocked="true">0</TransitionTime>
		
		<!-- Disable Panning Gestures -->
		<!-- Setting is locked and cannot be changed by user -->
		<EnablePanningGestures isLocked="true">false</EnablePanningGestures>		
	</Navigation>

</ArcGISProSettings>

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