Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
IBM Db2 および ArcGIS クライアントをインストールおよび構成し、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用して Db2 データベースにジオデータベースを作成します。
ArcGIS Pro 3.5 からジオデータベースを作成する場合、そのジオデータベースのバージョンは 11.5.0.x になります。
前提条件
ジオデータベースを Db2 内に作成する前に、以下を実行します。
- 使用する ArcGIS、Db2、およびオペレーティング システムのバージョンに互換性があることを確認します。
- ジオデータベースの格納に使用する Db2 のバージョンへの接続に必要な Db2 クライアントを入手します。
- ArcGIS Server の認証時に作成された ArcGIS Server キーコード ファイルを入手し、ジオデータベースの作成に使用する ArcGIS クライアントからアクセスできる位置に配置します。
- Db2 をインストールして構成します。
Db2 のインストールと構成
[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ツールまたはスクリプトを実行して、ジオデータベースを Db2 内に作成するには、まず自身で (または IT 部門/データベース管理者が) Db2 データベース管理システムをインストールして構成する必要があります。
Db2 インスタンスをインストールおよび構成する場合は、最初に、IBM から提供された手順に従ってください。 その後、ジオデータベースを使用するために、以下の手順に従ってデータベースとログインを構成します。
- Db2 サーバー上に sde というオペレーティング システム ログイン名を作成します。
ジオデータベースを作成するために、sde ログインを使用してデータベースに接続します。
- Db2 データベースを作成し、Spatial Extender モジュールに登録します。
- sde ユーザーに、データベースの DBADM 権限を付与します。
- 一時表領域を作成して、そのテーブル スペースへのアクセス権をジオデータベース ユーザーに付与します。
一時表領域のページ領域は 8K 以下である必要があります。
次の例では、geospace という名前のユーザー一時表領域が 8K のページ サイズで作成されます。 表領域の使用は geodatausers という名前のグループに許可されます。このグループには、ジオデータベース アーカイブの作成や、フィーチャ ビンの使用、ジオデータベースのログ ファイル テーブルを生成する大きな選択セットの作成といったジオデータベースの操作を実行するすべてのデータベース ユーザーが含まれます。
CREATE USER TEMPORARY TABLESPACE geospace PAGESIZE 8 K MANAGED BY AUTOMATIC STORAGE BUFFERPOOL IBMDEFAULTBP; GRANT USE OF TABLESPACE geospace TO geodatausers WITH GRANT OPTION;
次に、ArcGIS クライアントを構成し、そこから Db2 データベースに接続してジオデータベースを作成します。
クライアントの構成
ArcGIS Pro (Desktop Standard または Desktop Advanced) または ArcGIS Server (エンタープライズ エディション) から Python スクリプトを実行して、ジオデータベース作成できます。 スクリプトの代わりに [エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ジオプロセシング ツールを実行するには、ArcGIS Pro を使用します。
注意:
次のセクションでは、ArcGIS Server (エンタープライズ) のキーコード ファイルを使用してジオデータベースを認証する必要があります。 Python コンピューターから ArcGIS Server スクリプトを実行してジオデータベースを作成する場合以外でも、ArcGIS Server をインストールして認証し、キーコード ファイルを取得する必要があります。 場合によって、ArcGIS Server コンピューターから、ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトがアクセスできる場所にファイルをコピーする必要があります。
- ジオデータベースの作成に使用する ArcGIS クライアントをインストールします。
ソフトウェア インストール ガイドに記載されている手順に従います。
- ほとんどの場合、ArcGIS クライアントは、Db2 サーバーとは異なるコンピューターにインストールされます。そのため、Db2 クライアントを ArcGIS クライアント コンピューターにインストールして構成します。
IBM Data Server Runtime Client for Db2 を My Esri からダウンロードするか、独自の Db2 クライアントのインストールを使用することができます。 インストール手順については、Db2 のドキュメントをご参照ください。 Db2 クライアントを 64 ビット オペレーティング システムにインストールする場合、64 ビットの実行可能ファイルを実行します。これによって、32 ビットと 64 ビットの両方のファイルがインストールされ、32 ビットおよび 64 ビットの両方の ArcGIS クライアントから接続できます。
- 必要に応じて、データ ソース名を使用して接続できるようにデータベースをカタログ化します。
データ ソース名の作成手順については、IBM Db2 のドキュメントをご参照ください。
ArcGIS から Db2 データベースに接続するのにデータデータ ソース名は必要ありません。代わりに DSNless 接続文字列を使用できます。
これで、ジオデータベースを作成できるようになりました。
ジオデータベースの作成
以下のいずれかの方法を使用して、Db2 データベースにジオデータベースを作成します。
エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase) ツールの使用
ArcGIS Pro をインストールして Db2 データベースに接続するように構成してある場合、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ツールを実行できます。
ArcGIS Pro でジオデータベースを作成するには、次の手順に従います。
- ArcGIS Pro を起動します。
- sde ログインを使用し、Db2データベースに接続します。
[データベース コネクション] ダイアログ ボックスで、sde ユーザーのパスワードを保存します。 保存しなかった場合、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ツールで接続ファイルは動作しません。
- [エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ツールを開きます。
ジオプロセシング ツールを開く方法に関する一般情報については、「ジオプロセシング ツールの検索」をご参照ください。
- [入力データベース] テキストボックスに、手順 2 で作成したデータベース コネクション ファイルを追加します。
- ArcGIS Server の認証時に作成された ArcGIS Server キーコード ファイルを選択し、そのファイルを [認証ファイル] テキスト ボックスに追加します。
認証ウィザードを使用して ArcGIS Server を認証する際に、ソフトウェアがインストールされているコンピューターにキーコード ファイルが書き込まれます。 まだ作成していない場合には、ArcGIS Server を認証して作成します。 Linux コンピューター上で ArcGIS Server を認証した場合、ファイルは /arcgis/server/framework/runtime/.wine/drive_c/Program Files/ESRI/License<release>/sysgen に作成されています。 Microsoft Windows サーバー上で認証した場合、ファイルは Program Files\ESRI\License<release>\sysgen に作成されています。 このファイルを、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ツールからアクセスできる場所にコピーします。
- [実行] をクリックします。
ジオデータベース作成に関連するメッセージは、sde_setup.log ファイルにあります。このファイルは、ツールを実行したコンピューター上の %TEMP% 変数で指定されたディレクトリに作成されます。 ジオデータベースの作成時に問題が発生した場合は、このファイルを確認して問題を解決します。
Db2 データベース内にジオデータベースが作成されます。
次に、ジオデータベースにデータを読み込むユーザーを作成します。 ユーザーの作成手順については、IBM Db2 Information Center をご参照ください。
Python スクリプトの使用
ArcGIS Pro (Desktop Standard または Desktop Advanced) または ArcGIS Server (エンタープライズ エディション) クライアント コンピューターから Python スクリプトを実行して、Db2 データベースにジオデータベースを作成できます。
ヒント:
ArcGIS Server コンピューターからの Python の実行については、「ArcGIS Server および ArcPy」をご参照ください。
以下の手順に従って Python スクリプトを実行し、Db2 データベースにジオデータベースを作成します。
- ArcGIS クライアント コンピューター上でテキスト ファイルを作成し、そのファイルに以下のスクリプトをコピーして、サイト固有の情報を入力します。
# Name: enable_enterprise_gdb.py # Description: Create an enterprise geodatabase in an existing Db2 database # Import system modules import arcpy, os # Local variables # Replace paths to work on your machine license = "/arcgis/path/to/authorization_file/keycodes" tempdir = "/tmp/" connection_file_name = "egdb_connection.sde" # Check for the .sde file and delete it if present connection_file_name_path = os.path.join(tempdir, connection_file_name) arcpy.env.overwriteOutput=True if os.path.exists(connection_file_name_path): os.remove(connection_file_name_path) # Create a connection to the geodatabase as the geodatabase administrator # Replace "db2prod" with the name of your database, and replace "mysdepassword" with the password of the sde user arcpy.CreateDatabaseConnection_management(tempdir, connection_file_name, "DB2", "db2prod", "DATABASE_AUTH", "sde", "mysdepassword", "SAVE_USERNAME") # Enable geodatabase try: arcpy.EnableEnterpriseGeodatabase_management(connection_file_name_path, license) except: for i in range(arcpy.GetMessageCount()): arcpy.AddReturnMessage(i)
- スクリプトに記載されているとおりに値を置換します。
- .py 拡張子を付けてファイルを保存します。
- スクリプトを実行します。
ジオデータベース作成に関連するメッセージは、sde_setup.log ファイルにあります。このファイルは、この Python スクリプトを実行したコンピューター上で TEMP 変数または TMP 変数に指定されたディレクトリに作成されます。 ジオデータベースの作成時に問題が発生した場合は、このファイルを確認して問題を解決します。
Db2 データベース内にジオデータベースが作成されます。
次に、ジオデータベースにデータを読み込むユーザーを作成します。 ユーザーの作成手順およびデータを読み込むための権限の付与については、IBM Db2 Information Center をご参照ください。