ラスターを使用した深さ、浸潤、サーフェスの粗さの定義

ラスター」を使用して、洪水シミュレーションの開始水位の深さと浸潤速度、最大浸潤の値、サーフェスの粗さを定義することができます。 シーンに追加されたシングルバンド ラスターのうち、サポートされている単位の数値が設定されたものを使用できます。

ヒント:

ラスター関数」を使用すると、データ変換を行う必要なく、サポートされている単位でマップ内にレイヤーを作成できます。

ラスターを使用して開始水位を定義

ラスターを使用して、開始水位の深さを定義します。 これにより、シミュレーションの実行前に対象エリアの上に水が追加されるため、一部が水浸しになった状態でシナリオを開始する場合に役立ちます。 たとえば、容量の限界に達しそうな状態にあるダムや川をモデル化できます。

開始水位の深さを設定するには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで該当するレイヤーを右クリックし、[構成] 構成 をクリックします。 また、[シミュレーション] タブの [構成] グループでランチャー ボタン ランチャー をクリックすることもできます。

    [シミュレーションの構成] ウィンドウが表示され、現在のパラメーターが読み込まれます。

  2. [開始水位] ヘッダーで [水深ラスター] ギャラリーを展開します。

    [コンテンツ] ウィンドウ内のラスターがすべて表示されます。

  3. 開始水位の定義を含むラスターを選択します。
  4. ドロップダウン リストから、ヤード (yd) などのラスターの単位を選択します。

    注意:
    サポートされている単位は、ミリメートル (mm)、センチメートル (cm)、メートル (m)、インチ (in)、フィート (ft)、およびヤード (yd) のみです。

  5. [適用] をクリックして、これらの変更内容を保存します。

ラスターを使用して浸潤速度を定義

ラスターを使用して、水が地表面に流入する速度を定義します。 これにより、水がどのように地表面に浸潤するかがより正確に表現されます。

洪水シミュレーションに浸潤速度を含めるには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで該当するレイヤーを右クリックし、[構成] 構成 をクリックします。 また、[シミュレーション] タブの [構成] グループでランチャー ボタン ランチャー をクリックすることもできます。

    [シミュレーションの構成] ウィンドウが表示され、現在のパラメーターが読み込まれます。

  2. [浸潤ラスター] ヘッダーで [浸潤速度 (単位/時)] ギャラリーを展開します。

    [コンテンツ] ウィンドウ内のラスターがすべて表示されます。

  3. 浸潤速度の定義を含むラスターを選択します。
  4. ドロップダウン リストからラスターの計測単位を選択します。

    注意:
    サポートされている単位は、ミリメートル (mm) およびインチ (in) のみです。

  5. [適用] をクリックして、これらの変更内容を保存します。

ラスターを使用して最大浸潤を定義

ラスターを使用して、最大許容浸潤レベルを定義します。 これにより、土壌が水を吸収できなくなる時点が定義されます。

洪水シミュレーションに最大浸潤速度を含めるには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで該当するレイヤーを右クリックし、[構成] 構成 をクリックします。 また、[シミュレーション] タブの [構成] グループでランチャー ボタン ランチャー をクリックすることもできます。

    [シミュレーションの構成] ウィンドウが表示され、現在のパラメーターが読み込まれます。

  2. [浸潤ラスター] ヘッダーで [最大浸潤] ギャラリーを展開します。

    [コンテンツ] ウィンドウ内のラスターがすべて表示されます。

  3. 最大浸潤の定義を含むラスターを選択します。
  4. ドロップダウン リストからラスターの計測単位を選択します。

    注意:
    サポートされている単位は、ミリメートル (mm) およびインチ (in) のみです。

  5. [適用] をクリックして、これらの変更内容を保存します。

ラスターを使用したサーフェスの粗さを定義

ラスターを使用して、サーフェスの粗さを定義します。これは対象エリアで水が流れる速度に影響します。 道路や駐車場などの滑らかな (粗さが低い) サーフェスの方が、鬱蒼と茂る草木や岩石露頭などの自然の (粗さが高い) サーフェス エリアよりも水流の速度が高くなります。

洪水シミュレーションにサーフェスの粗さを含めるには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで該当するレイヤーを右クリックし、[構成] 構成 をクリックします。 また、[シミュレーション] タブの [構成] グループでランチャー ボタン ランチャー をクリックすることもできます。

    [シミュレーションの構成] ウィンドウが表示され、現在のパラメーターが読み込まれます。

  2. [サーフェスの粗さラスター] ヘッダーの下で、[サーフェスの粗さの値] ギャラリーを展開します。

    [コンテンツ] ウィンドウ内のラスターがすべて表示されます。

  3. サーフェスの粗さの定義が含まれているラスターを選択します。

    注意:

    ラスターのセルの値はマニングの粗度係数 (Manning's n) に基づいていなければなりません。この係数は、水速の推定時に水流に適用される粗さ (摩擦) を表します。 [サーフェスの粗さの値] ドロップダウン ギャラリーに値のサンプルが含まれています。

    詳細:

    マニングの粗度係数は、開水路における水の平均速度に対する表面の影響を推定する方法です。 ロバート・マニングは、当時最も知られていた数式を比較・評価し、その結果を「On the Flow of Water in Open Channels and Pipes」という論文にまとめました。この論文は 1891 年に発表されました (Transactions of the Institution of Civil Engineers of Ireland p.173-XXX)。 この数式は現在も、水の流れに対するサーフェスの粗さの影響を計算するための標準として使用されています。

  4. [適用] をクリックして、これらの変更内容を保存します。

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