画像異常値の検出 (Detect Image Anomalies) (Image Analyst)

Image Analyst ライセンスで利用できます。

サマリー

マルチバンドまたはハイパースペクトル画像を処理し、異常スコア ラスターを作成します。 異常スコア ラスターとは、0 ~ 1 の値を持つシングル バンド ラスターです。

使用法

  • 画像内の異常値とは、背景値とは著しく異なるピクセルを指します (海上の船舶、道路上の車両、自然地域の人為的な開発など)。このツールは、RXD (Reed-Xiaoli Detector)、UTD (Uniform Target Detector)、KMEANS 画像異常検出法をサポートしています。

  • [異常の計算方法] パラメーターの [RXD] オプションは、平均によって定義される背景に対するピクセルのマハラノビス距離を計算します。 次の式を使用します。

    δRXD(r)=(r-µ)TK-1LxL(r-µ)

    ここで r はサンプルのピクセル スペクトル、µ は平均スペクトル、K は共分散、L はバンド数を表します。

  • [異常の計算方法] パラメーターの [UTD] オプションは、単位ベクトルを用いて背景を抽出する点を除き、[RXD] と似ています。 次の式を使用します。

    δUTD(r)=(1-µ)TK-1LxL(1-µ)

    RXD 手法の (r-u) の代わりに (1-u) を使用して、異常値を定義します。

  • [異常値の計算方法] パラメーターの [KMEANS] オプションでは、K 平均クラスタリング アルゴリズムを使用して、データ内で確立されたクラスターから著しく逸脱しているピクセルを特定します。

  • 出力は 0 ~ 1 の小数値を持つ異常スコア ラスターです。ここで 0 は背景値で、1 に近い大きな値は潜在的な異常値を表します。 異常値ピクセルは、再分類関数やマスク関数などのラスター関数を使用してフィルターできます。 異常検出ワークフロー全体は、異常検出ウィザードを使用して実行できます。

  • 出力レイヤー シンボルの DRA (ダイナミック レンジ調整) を使用すると、異常値ピクセルをより効果的に視覚化できます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力ラスター

マルチバンドまたはハイパースペクトル画像。

Raster Dataset; Raster Layer; Mosaic Dataset; Mosaic Layer; Image Service
出力ラスター

0 ~ 1 の間の異常スコアを浮動小数点として格納するシングル バンド ラスター。 ゼロ (0) は背景値で、1 に近い大きな値は潜在的な異常ピクセルを表します。 .tif (TIFF)、.crf (CRF)、.mrf (MRF)、.dat (ENVI DAT) などのファイル拡張子を使用して出力形式を指定します。

Raster Dataset
異常の計算方法
(オプション)

異常の計算方法を指定します。

  • RXD背景ピクセル値から著しく異なるピクセルを抽出するには、RXD 法が使用されます。 これがデフォルトです。
  • UTD入力画像から背景ピクセルを抽出するには、UTD 法が使用されます。
  • KMEANSK 平均クラスタリング アルゴリズムを使用し、データ内で確立されたクラスターから著しく逸脱しているピクセルを抽出するには、KMEANS 法が使用されます。
String
クラスター数
(オプション)

[異常の計算方法] パラメーターが [KMEANS] に設定されている場合に使用されるクラスター数。

Long
背景領域
(オプション)

[異常の計算方法] パラメーターが [RXD] または [UTD] に設定されている場合に、背景統計の計算に使用される領域を定義するポリゴン フィーチャクラス。

Feature Set
統計情報の再計算
(オプション)

[異常の計算方法] パラメーターが [RXD] または [UTD] に設定されている場合に、入力ラスターの統計情報を再計算するかどうかを指定します。 [RXD] オプションと [UTD] オプションでは、統計情報を計算する際に、スキップスキップ ファクターが 1 である正確な統計情報が必要です。

  • オン - 入力ラスターの統計情報を再計算します。 これがデフォルトです。
  • オフ - 入力ラスターの統計情報を再計算しません。
Boolean

DetectImageAnomalies(in_raster, out_raster, {method}, {num_cluster}, {background_region}, {recompute_stats})
名前説明データ タイプ
in_raster

マルチバンドまたはハイパースペクトル画像。

Raster Dataset; Raster Layer; Mosaic Dataset; Mosaic Layer; Image Service
out_raster

0 ~ 1 の間の異常スコアを浮動小数点として格納するシングル バンド ラスター。 ゼロ (0) は背景値で、1 に近い大きな値は潜在的な異常ピクセルを表します。 .tif (TIFF)、.crf (CRF)、.mrf (MRF)、.dat (ENVI DAT) などのファイル拡張子を使用して出力形式を指定します。

Raster Dataset
method
(オプション)

異常の計算方法を指定します。

  • RXD背景ピクセル値から著しく異なるピクセルを抽出するには、RXD 法が使用されます。 これがデフォルトです。
  • UTD入力画像から背景ピクセルを抽出するには、UTD 法が使用されます。
  • KMEANSK 平均クラスタリング アルゴリズムを使用し、データ内で確立されたクラスターから著しく逸脱しているピクセルを抽出するには、KMEANS 法が使用されます。
String
num_cluster
(オプション)

method パラメーターが KMEANS に設定されている場合に使用されるクラスター数。

Long
background_region
(オプション)

method パラメーターが RXD または UTD に設定されている場合に、背景統計の計算に使用される領域を定義するポリゴン フィーチャクラス。

Feature Set
recompute_stats
(オプション)

method パラメーターが RXD または UTD に設定されている場合に、出力スコア ラスターの統計情報を再計算するかどうかを指定します。 RXD オプションと UTD オプションでは、スキップ ファクターが 1 である正確な統計情報が必要です。

  • RECOMPUTE_STATS出力スコア ラスターの統計情報を再計算します。 これがデフォルトです。
  • NOT_RECOMPUTE_STATS出力スコア ラスターの統計情報を再計算しません。
Boolean

コードのサンプル

DetectImageAnomalies の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、RXD オプションを使用してハイパースペクトル画像を処理し、異常スコア ラスターを作成します。

# Import system modules
import arcpy
from arcpy.ia import *

# Check out the ArcGIS Image Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")

tempanomaly = arcpy.ia.GenerateMultidimensionalAnomaly(
	"c:/data/climateData.nc", "temperature", "DIFFERENCE_FROM_MEAN", 
	"ALL", "DATA", None)
	
tempanomaly.save("c:/data/TempAnomaly.crf")
DetectImageAnomalies の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、KMEANS オプションを使用してハイパースペクトル画像を処理し、異常スコア ラスターを作成します。

# Import system modules
from arcpy.ia import *

# Check out the ArcGIS Image Analyst extension license 
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst") 

#Define variables 
input_image = r"c:\data\hsi_image.tif"
num_of_cluster = 1 

anomaly_raster = arcpy.ia.DetectImageAnomalies(
    in_raster=input_image, 
    method="KMEANS", 
    num_cluster=num_of_cluster,  
    recompute_stats="RECOMPUTE_STATS"
)
anomaly_raster.save(r"c:/test/anomaly_score_raster.tif")

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Image Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Image Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Image Analyst

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