方向付き画像は、方向付き画像ビューアーに表示されます。方向付き画像ビューアーには、方向付き画像レイヤー内の画像を探索および管理できるツールが用意されています。 マップまたはシーン上のポイントをクリックし、そのポイントを表すコレクション内の画像を表示します。 アセットは複数の方向から参照でき、コントラスト、明るさ、シャープニングを強化して画像の外観を向上できます。 画像を画面移動およびズームすると、カメラの視野がマップ上で動的に更新され、マップ内のベクター データと関連付けられます。
画像の探索
[画像の探索] ツールを選択してマップまたはシーンを選択します。 その位置の画像で最も品質が高いものが読み込まれます (方向付き画像レイヤーがその位置をカバーしていることが前提)。 読み込まれた画像の赤の十字
が、選択した位置の最適な推定位置に表示されます。

方向付き画像ビューアーでその他の画像を探索
[方向付き画像ビューアー] でその他の画像を調べるには、以下の手順を実行します。
- [ナビゲーション] ツール
を選択し、コンパスを使用して、マップで選択した位置を含む画像を探索します。
。選択した場所は、[ナビゲーション] ツールの中心に赤色の十字
として表示されます。 選択したマップ位置を含む画像のカメラ位置が、赤色の十字
を基準とした距離と向きに基づいて、配置されてツール上にポイントとして表示されます。 このツールは 4 つの四分円 (東西南北) に分割されており、各四分円は 3 つのセグメントに分割されていて、マップ上で選択した場所から各カメラ位置までの相対距離を示しています。 画像のあるセグメントは白、画像のないセグメントはグレーになります。 [方向付き画像ビューアー] の現時点の画像では、赤色の十字
を基準としたカメラの位置と向きが赤色で表示されています。 選択したマップ位置を表すその他のカメラ位置は青色で表示されています。 選択したマップ位置の別の画像を表示するには、青色のドットをクリックするか、別のセグメント (白色) をクリックします。 - [画像ギャラリー]
を選択して、選択したマップ位置を表すすべての画像の低解像度サムネイルのカルーセルを探索します。 サムネイルをクリックすると、方向付き画像ビューアーに最大解像度の画像が表示されます。注意:
[画像ギャラリー] カルーセルは、.mrf や .cog など、内部でタイル化されている画像形式でのみ使用できます。 [画像ギャラリー] は JPEG 画像では使用できません。 画像形式が [画像ギャラリー] でサポートされていない場合は、このツールを使用できません。

画像の品質を向上
[画像調整] ツール
を選択すると、対話的なスライダーを使用して、方向付き画像ビューアーの画像の明るさ、コントラスト、シャープネスを調整できます。 新しい設定は、方向付き画像ビューアーに読み込まれた後続の画像に適用できるよう保持されます。 [リセット] ボタン
を使用すると、いつでも元の値にリセットできます。
注意:
360 度画像に対して [画像調整] ツールを使用することはできません。

ポップアップの表示
[ポップアップ] ボタン
ボタンをクリックすると、方向付き画像ビューアーの画像にポップアップが表示されます。 フィーチャ レイヤーのポップアップの構成に関する詳細は、「ポップアップの構成」をご参照ください。
イメージ オーバーレイ
方向付き画像ビューアーでフィーチャ レイヤーをオーバーレイとして視覚化できます。 次のタイプのオーバーレイを使用できます。
[フィーチャのオーバーレイ] - [フィーチャのオーバーレイ] ツールは、選択されているすべてのレイヤーのオーバーレイを画像上で表示または非表示にする切り替えボタン
から成ります。 ドロップダウン メニューで [レイヤーの編集] リストから画像にフィーチャをオーバーレイするフィーチャ レイヤーを選択します。- [カメラのオーバーレイ] - [カメラのオーバーレイ]
をクリックして、読み込まれた画像のフットプリントと交差する方向付き画像レイヤー内のカメラ位置をオーバーレイします。
注意:
方向付き画像ビューアーでオーバーレイするフィーチャのシンボル設定と表示設定は、マップ上に表示されるものと一致します。 フィーチャのシンボルが更新されると、更新時にビューアーに反映されます。
ポイント オーバーレイの視覚化は、フレーム画像でのみサポートされています。
データ取得
方向付き画像ビューアーから、フィーチャ レイヤー内のフィーチャを取得できます。 ただし、データ取得を有効にするには、フィーチャ レイヤーに次のフィールドが必要です:
- 画像空間で取得されたフィーチャのジオメトリーを格納する BLOB フィールド。 このフィールド名は、方向付き画像データセットの Image Geometry Field プロパティに割り当てる必要があります。
- フィーチャが取得された画像の一意の参照 ID を格納する整数または文字列フィールド。 このフィールド名は、方向付き画像データセットの Image Reference Field プロパティに割り当てる必要があります。
デフォルトでは、方向付き画像データセットの ObjectID が一意の参照 ID です。 方向付き画像データセットの Reference ID Field プロパティに、一意の ID を含むその他のフィールドを割り当てることで変更できます。
フィーチャの取得を開始するには、次の手順に従います。
- [フィーチャのオーバーレイ] ドロップダウン メニューをクリックし、[レイヤーの編集] リストからレイヤーを選択します。
- [データ取得]
をクリックし、編集ツール ポイント (
、ライン
、またはポリゴン
) を利用可能なツールのリストから選択します。注意:
編集ツール リストがない場合は、レイヤーがスキーマの要件を満たしていないことを意味します。
- 画像のフィーチャをデジタイズします。 フィーチャをダブルクリックして、デジタイズを終了します。
- [ウィンドウの編集] で [編集の保存] をクリックし、フィーチャクラスの編集を保存します。
注意:
ポイント フィーチャ レイヤーの場合、ユーザーはライン ジオメトリーかポリゴン ジオメトリーを使用してアセットを取得できます。 ただし、この形状は、元々取得された画像でのみオーバーレイとして表示されます。 その他の画像やマップでは、このアセットは引き続きポイントとして表示されます。
画像内で計測ツールの使用
[画像内で計測] ツールを使用して、方向付き画像の測地線計測値を取得できます。 計測オプションとして [地表面の距離]、[地表面の面積]、[地表からの高さ]、[サーフェスの位置] を使用できます。 このツールでは、現在選択されている計測オプションと、使用可能なすべての計測オプションから成るドロップダウン リストが表示されます。
ドロップダウン リストから以下を選択できます。
- [地表面の距離]
- 方向付き画像ビューアーで、画像上の 2 つ以上のポイントをクリックします。 これらのポイントが地表面上にあることを確認します。 最初に選択したポイントと最後に選択したポイントの間の距離が計算され、マップ単位で表示されます。 - [地表面の面積]
- 方向付き画像ビューアーで、画像上の複数のポイントをクリックします。 選択したポイントに対応する地表ポイントによって囲まれた範囲の面積が計算され、マップ単位で表示されます。 - [地表からの高さ]
- 方向付き画像ビューアーで、オブジェクトの底面にあるポイントをクリックし、ポインターを上方向に移動します。 地表平面に対して常に直角になるラバー バンドが表示され、ポインターの移動方向がロックされます。 ポインターの移動 (上/下) に基づいて、地表からのアセットの高さがマップ単位で表示されます。 - [サーフェスの位置]
- 方向付き画像ビューアーで画像をクリックします。 選択したポイントに対応するマップ内の座標が計算され、緯度と経度で表示されます。 値をコピーするには、[座標のコピー]
。
注意:
- [画像内で計測] ツールが有効になるのは、その方向付き画像レイヤーに Orientation Accuracy プロパティまたは OrientationAccuracy フィールドが定義されている場合だけです。
- 計測オプションを選択したら、[新しい計測] をクリックします ([サーフェスの位置] を除く)。
- 最後のポイントを指定するまで、すべてのポインター移動について計測値が動的に計算されて表示されます。 最後のポイントは必ずダブルクリックによって指定し ([サーフェスの位置] は該当しないので除く)、これによって最終計測値が計算されて表示されます。
- 各方向パラメーターに定義されている標準偏差の精度の影響をテストし、誤差の二乗和平方根を返すことによって、計測値の精度が計算されます。
- [地表面の距離]、[地表面の面積]、[地表からの高さ] の各オプションでは座標変換ユーティリティーを使用できます。
三角測量の計算
[画像内で計測] ツールを使用して、三角測量を行えます。 三角測量は、異なる観測点から取得された同じオブジェクトの 2 つの画像を使用して、距離、面積、または位置を決定します。 これは、各画像内の対応する計測ポイントを通る方向ベクトルをトレースして、その交点を計算することによって動作し、最終的な計測値を提供します。 画像方向のパラメーターの適切な精度に依存しており、正確なカメラ方向が定義されている場合のみ利用できます。
以下の 3 つの三角測量オプションを使用できます:
- [三角測量された距離]

- [三角測量された面積]

- [三角測量された位置]

注意:
三角測量はフレーム画像でのみサポートされています。
三角測量の計測値を計算するには、次の手順を実行します。
- [画像内で計測] ドロップダウン メニューから、三角測量オプションを選択します。
方向付き画像ビューアーは 2 つのパネルに分割されます。 最初の方向付き画像ビューアー (上部) には現在位置の最適な画像が読み込まれます。
- [ナビゲーション ツール]
を使用して、最初のビューアーの画像に対する角度で配置する画像を選択します。選択した画像が 2 つ目のビューアーに表示されます。
- 選択した計測オプションに基づき、最初の方向付き画像ビューアー (上部) に表示されている画像にライン、ポリゴン、またはポイントを描画します。 ダブルクリックして、計測を終了します。
対応するグラフィックが 2 つ目のビューアーに表示されます。
- 最初のビューアーの位置に合わせて、2 つ目のビューアー内のグラフィックを手動で調整または移動します。
- 2 つ目のグラフィックの編集が終了したら、2 つ目の画像内の任意の場所をクリックして結果を表示します。
三角測量の値が計測ツールボックスに表示されます。
ヒント:
読み込まれた画像は変更できます。ヒント:
2 つの画像間で推奨される角度は約 45 度です。注意:
グラフィックの端点 (頂点) のみを移動してください。 線分の中点を移動しても、結果は何も表示されません。注意:
三角測量された距離の計測で傾斜角と方位角も計算されます。ヒント:
2 つ目のビューアー ウィンドウ内をダブルクリックし、編集モードに戻ります。画像上の移動
画像上の移動により、隣接するまたは連続する画像間の遷移が簡素化されます。 サポートされている画像のナビゲーション タイプは次のとおりです:
- [方位ナビゲーション]
- 次の画像の利用可否を示す方向矢印を使用して画像間を移動できます。- 矢印は灰色で表示され、矢印の上にカーソルを置くと青色でハイライト表示されます。
- 矢印をクリックすると、次の画像に遷移します。
- 矢印が無効化されているか表示されていない場合は、その方向に利用可能な画像はありません。
フレーム画像の場合、[移動の構成]
で利用できる [方向の維持] オプションと [ピッチの維持] オプションを使用してカメラの方向を維持すると、同様のカメラ角度を持つ画像に移動できます。 - [シーケンシャル ナビゲーション]
- ボタンを利用して前後の画像に移動できます。 遷移の順序は、SequenceOrder フィールド内のデータによって決まります。
ビデオのサポートの有効化
方向付き画像ビューアー、ビデオが埋め込まれた公開 OI レイヤーの 2D マップでのビデオ再生をサポートしています。 現在の拡大範囲のフットプリントまたはフラスタムが表示されます。 表示中は、再生と一時停止、ビデオ スライダー、ボリューム コントロールなどの標準的なビデオ ビューアー ツールを使用できます。 さらに、[現在のフットプリント]、[その他のフットプリント]、[その他のカメラ位置]、[画像調整ツール]、および [ポップアップ] も使用できます。
注意:
標準の Web ブラウザーと互換性があるビデオだけがサポートされています。 サポートされているビデオ タイプ (形式とコーデック) の詳細については、「Common codecs」をご参照ください。
ビデオをサポートする方向付き画像データセットを作成するには、キーフレームごとにレコードを追加する必要があります。
- ImagePath フィールドにビデオの URL を配置します。
- ビデオの開始からの時間オフセット (秒) を定義する値を OffsetFromStart フィールドに追加します。
- 方向付き画像テーブル内の OrientedImageryType フィールドに、(必要に応じて) 次のタイプを割り当てます。
- [TerrestrialFrameVideo] - 携帯用地上カメラを使用して地上から取得されたビデオ用
- [AerialFrameVideo] - 航空カメラおよびドローン カメラを使用して取得されたビデオ用
セキュリティー保護されたストレージ
公開された方向付き画像レイヤーでは、ArcGIS Enterprise 12.0 で、セキュリティー保護されたクラウド バケットに保存された画像を参照する機能のサポートが追加されました。
このワークフローを構成するには、以下の重要な指示に従ってください:
- ImagePath フィールドのすべての値の先頭に、カスタム識別子 $virtualCacheDirectory を使用します。
- 公開された方向付き画像レイヤーには、完全な ImagePath 形式 ( $virtualCacheDirectory:<cloud-folder-path>/<imagename.extension>) が必要です。
- [方向付き画像データセットからのサービスの生成 (Generate Service From Oriented Imagery Service Dataset)] ツールを使用し、公開時に Virtual Cache Directory プロパティを設定します。 このプロパティは、登録済みクラウド ストアをポイントする必要があります。
マップ上の位置をクリックすると、次のことが起こります:
- セキュリティー保護された画像の URL が ArcGIS Enterprise を通じて解決されます。
- 画像がクライアントに安全に提供されます。
注意:
セキュリティー保護されたクラウド バケットは、方向付き画像サービスが公開されているのと同じエンタープライズ サーバー上でクラウド ストアとして登録されている必要があります。
- クラウド ストア名の形式は ags-objects-<cloud-store-name> を使用する必要があります。
- Image Path Prefix Image Path Suffix プロパティはこのワークフローではサポートされていません。
インターネット非接続環境
非接続環境を使用する場合は、以下の点に注意してください:
- 方向付き画像ビューアーを、ローカルでホストされたバージョンの ArcGIS Maps SDK for JavaScriptか、Portal for ArcGIS で利用可能なバージョンにポイントすることで、非接続環境でも方向付き画像を使用できます。
- アプリケーション設定で利用可能な JavaScriptSourcePath ノードに適切な URL を追加できます。