ガウシアン スプラット レイヤーの操作

ガウシアン スプラット レイヤーは、従来の写真測量手法では実現できない複雑なジオメトリーを非常に写実的に表示できます。 たとえば、電力線、ガードレール、アンテナなどの細く複雑な構造物や植物などの有機物の形状をさまざまなインフラストラクチャー ワークフローで表現できます。 人造構造物における透過表示や反射も表現でき、たとえば建物の窓や金属表面の反射を捉えることができます。

ガウシアン スプラット レイヤーは、ローカルまたはグローバル シーンの 3D レイヤー カテゴリーに属する 3D レイヤーです。 シーンにガウシアン スプラット レイヤーを追加し、他のレイヤーと組み合わせることができます。 ガウシアン スプラット レイヤーと一緒に、フィーチャ、画像、その他の 3D レイヤーなどを視覚化および探索できます。

ガウシアン スプラット ビルディング
ガウシアン スプラット レイヤーは、構築された環境を表します。

人造構造物に加えて、植生などの自然物も忠実に視覚化できます。 これには樹木の葉も含まれ、樹種や他の種類の植生の分類が可能になります。 霧、煙、水面の反射などの追加の視覚効果も視覚化でき、可能な限り自然な外観を再現できます。

ガウシアン スプラット植生
ガウシアン スプラット レイヤーは樹木を表します。

ガウシアン スプラットの視覚化

3D ガウシアン スプラッティングは、リアルタイム放射輝度フィールド レンダリングで使用される手法です。 2 次元画像からシーンの 3 次元のリプレゼンテーションを再構築するために、ニューラル フィールドを使用します。 このボリューム レンダリング手法は、数百万のファジー楕円体に基づいており、適応的なプロセスを使用して作成されます。 各ガウシアン スプラットは、その位置、回転、サイズ、色、透過表示によって定義されます。 これらのガウシアン スプラットは、一緒にレンダリングされるとブレンドされ、滑らかな写実的な 3D 表現を形成します。

個々のスプラットを示す図
図は、画面にレンダリングされた個々のスプラットを示しています。

ビューアーの視点または表示方向に応じて、ガウシアン スプラットは色と強度を動的に適応させます。 これにより、その周囲をナビゲートする際に反射性のある素材を写実的に表現できます。 処理中に利用可能なエリアの斜め撮影画像が不足している場合、ガウシアン スプラットが欠落するか、楕円の表示のみが存在します。

ガウシアン スプラット レイヤーに関する一般情報と表示オプションは、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスで確認できます。 プロパティにアクセスするには、[コンテンツ] ウィンドウでガウシアン スプラット レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

注意:

[可視領域] などの探索的 3D 解析ツールはサポートされていません。 個々のガウシアン スプラットは選択できません。

ガウシアン スプラット レイヤー データ ソース

[データの追加] ダイアログ ボックスで JSON や 3TZ などのサポートされている形式の 3D Tiles データセットを選択してガウシアン スプラット レイヤーを作成するか、[パスからのデータの追加] ダイアログ ボックスを使用して、ArcGIS Online でホストされている 3D Tiles サービスを操作できます。 ガウシアン スプラット レイヤーには、3D Tiles 仕様に従って、3D Tiles データセットに ESRI_crs と 3DTILES_content_gltf エクステンションが含まれている必要があります。

ESRI_crs エクステンション

GIS でデータを操作するためには、座標系を正しく定義することが不可欠です。 ESRI_crs エクステンションを使用すると、水平座標系および鉛直座標系に対して任意の明確な座標系 (WKID) で作業できます。 たとえば、プロジェクトに必要な投影座標系で、ArcGIS Pro またはその他の ArcGIS アプリケーションでガウシアン スプラット レイヤーを表示できます。 ガウシアン スプラット レイヤーを他のサード パーティー アプリケーションにも提供したい場合は、同じデータを WGS 1984 で表示することもできます。 このエクステンションを使用すると、楕円体の鉛直座標系を持つ WGS 1984 でデータを提供する必要がなくなります。 独自の座標系を定義し、データを複製することなく、WGS 1984 として定義されたシーンでデータを使用できます。

3DTILES_content_gltf

ガウシアン スプラットを正しくレンダリングするには、正しいガウシアン スプラッティングと圧縮を含める必要があります。

ガウシアン スプラット レイヤーの共有

ガウシアン スプラット レイヤーは、サービス レイヤーとして公開できます。 [3D Tiles のパッケージ化 (Package 3D Tiles)] ツールを使用して .3tz ファイルを作成し、[パッケージの共有 (Share Package)] ツールで ArcGIS Online にアップロードします。 ガウシアン スプラット レイヤーは、Web レイヤーとして、または Web シーン内で共有することもできます。

注意:

ガウシアン スプラット レイヤーは、現在 ArcGIS Enterprise、または ArcGIS OnlineScene Viewer 内ではサポートされていません。

ファイルからガウシアン スプラット レイヤーを追加する

.json ファイルまたは .3tz ファイルからガウシアン スプラット レイヤーを追加するには、次の手順を実行します:

  1. [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] データの追加 をクリックします。
  2. [データの追加] ダイアログ ボックスで、JSON または 3TZ 形式 3D Tiles レイヤー パッケージ のタイルセットを参照し、[OK] をクリックします。

    ファイル名が tileset.json の場合のみ、JSON 形式のタイルセットが認識されます。

ガウシアン スプラット レイヤーがシーンに追加されます。