マップでの時間プロパティの設定

空間参照と同様、マップは時系列参照を持つことができます。 これは、マップのタイム ゾーンを定義することで行えます。 マップのタイム ゾーンは、コンテンツをフィルターする際にタイム スライダーに表示される時間値を説明するため、そして必要に応じて、すべての日時の値の表示を 1 つの共通のタイム ゾーンに調整するためといった 2 つの目的で使用されます。 マップのタイム ゾーンは、マップ内の個々のレイヤーのタイム ゾーン プロパティと連動しています。

マップに異なるタイム ゾーンのレイヤーが含まれる場合、データの時間を適切に整合させるためには、マップのタイム ゾーン設定が極めて重要になります。 たとえば、停電を (GMT-5) ニューヨーク時間 (東部標準時、一般に EST と呼ばれる) で示すレイヤーと、落雷を (GMT+0) 協定世界時 (一般に UTC と呼ばれる) で示すレイヤーを正確にフィルターして比較するには、データ値を共通のリファレンス ポイントにオフセットする必要があります。 マップのタイム ゾーンがこのリファレンス ポイントを提供します。 つまり、4:03 p.m. EST に発生した停電の原因は、9:03 p.m. UTC の落雷のみと考えられます。

次の図に、隣接するタイム ゾーンの 2 つのレイヤーを使用し、このマップ時間値の調整を示します:

時間値の調整
左の図は、それぞれのタイム ゾーンが設定された時間対応レイヤーを示します。 黄色の場所は、山地標準時 (UTC-7) のコロラド州に位置します。オレンジ色の場所は、中央標準時 (UTC-6) のオクラホマ州に位置します。 この図の値は、マップ時間に合わせて調整されていません。 右の図は、同じ値を山地標準時で表示するよう調整したものです。 その結果、オレンジ色の値は 1 時間遅れの時間が反映されています。

マップのタイム ゾーンによりこのような時間の調整が行われる場合、属性テーブル、[属性] ウィンドウ、ポップアップ、レイアウト、レポートを含むソフトウェアのすべての領域において、時系列値の表示が調整されます。

単一のタイム ゾーン内でのみ作業する場合は、マップとレイヤーに対してタイム ゾーン プロパティを定義する必要はありません。フィルターや表示に、時間値の変換は必要ないからです。 ただし、特にコンテンツをサービスとして公開する場合、または異なるタイム ゾーンにいる人々とコンテンツを共有する場合は、マップのタイム ゾーンを設定することをおすすめします。

マップ時間プロパティの設定

マップまたはシーンのすべての時系列値にタイム ゾーンを適用するには、次の手順を実行します:

  1. [コンテンツ] ウィンドウでマップ名を右クリックし、[プロパティ] をクリックして [マップ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
  2. [時間] タブで、[タイム ゾーン] ドロップダウン メニューからタイム ゾーンを選択します:

    • [<デバイスのタイム ゾーン>] - ArcGIS Pro を開いたときの、コンピューターの動的なシステム タイム ゾーン値。 このオプションを使用し、定期的にタイム ゾーンを変更するコンピューターに合わせて、タイム ゾーンを動的にシフトできます。
    • [<コンピューターのタイム ゾーン>] - コンピューターの現在のタイム ゾーン。 このオプションを使用し、コンピューターの現在のタイム ゾーンを選択します。 いったん選択したタイム ゾーンは、コンピューターのタイム ゾーンが変わっても固定されます。

    必要に応じて、タイム ゾーンが表示される際に使用する形式を次のように選択することもできます:

    • [IANA] - タイム ゾーンは、IANA (Internet Assigned Numbers Authority) の拡張名を使用して表示され、標準時間およびサマータイムのオフセットを含みます。
    • [IANA (省略形)] - タイム ゾーンは、IANA の場所名(標準オフセットのみを含む) を使用して表示されます。
    • [Microsoft Windows] - タイム ゾーンは、Microsoft Windows オペレーティング システム名を使用して表示されます。 これがデフォルトです。
    注意:

    マップごとではなくアプリケーション レベルで設定する場合は、プロジェクトの [オプション] ダイアログ ボックスの [マップおよびシーン] タブでデフォルト値を設定します

  3. 必要に応じて、[サマータイムを適用] をオンにすると、サマータイムでデータを表示できます (該当する場合)。オフにすると、常に標準時間でデータが表示されます。
  4. 必要に応じて [このタイム ゾーンで値を表示] チェックボックスをオンにして、選択したタイム ゾーンに合わせてすべての時系列値の表示を調整します。
  5. [OK] をクリックして変更内容を適用し、[マップ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

マップ タイム ゾーンで表示されるよう、時系列値を編集

[このタイム ゾーンで値を表示] マップ時間オプションが有効になっている場合、列ヘッダーの上にカーソルを合わせた時にツールチップとして属性テーブルに表示されます。また、値を編集する際にカレンダー コントロールにも表示されます。

時間属性をレイヤーまたはマップのタイム ゾーンで編集できます。 デフォルトでは、値はマップのタイム ゾーンにあると見なされ、保存時にレイヤーのタイム ゾーンに調整されます。

代わりに、レイヤーのタイム ゾーンを一時的に使用するには、属性テーブルか [属性] ウィンドウのセル内でカレンダー コントロールを開き、[マップのタイム ゾーンを使用] オプションをオフにします。 カレンダー コントロールに反映されたタイム ゾーンが更新され、レイヤーのタイム ゾーンを表示します。 表示の調整は使用されないので、このオプションが無効の間に入力された時間値は入力されたまま保存されます。

関連トピック