[フィッシュネットの作成 (Create Fishnet)] ツールは、四角形のセル網を含むフィーチャクラスを作成します。 フィッシュネットの作成では、基本設定として、フィッシュネットの空間範囲、行数と列数、回転角度の 3 つが必要とされます。 これらの情報を指定するには、さまざまな方法があります。 たとえば、正確な行数と列数がわからなくても、四角形の各セルが厳密に 110 メートル x 63 メートルであり、別のフィーチャクラスの空間範囲をカバーするという要件がわかっている場合があります。
このツールには 11 個のパラメーターがあります。これらのパラメーターは次の 4 つのグループに区別されます。
- フィッシュネットの空間範囲
- フィッシュネット内の各セルの行数と列数、および高さと幅
- フィッシュネットの回転角度
- 出力フィーチャクラスの名前とタイプ (ポリゴンまたはライン) および各セルの重心を含むオプションのポイント データセットを定義するパラメーター
注意:
ツールのダイアログ ボックス内のパラメーターの順序は、Python の構文内のパラメーターの順序と異なります。
空間範囲の設定
次のいずれかの方法でフィッシュネットの範囲を設定できます:
- [テンプレート範囲] パラメーターに既存のデータセットを指定します。 このデータセットの範囲が、フィッシュネットの範囲として使用されます。
- [テンプレート範囲] パラメーターに、最小 XY 座標および最大 XY 座標の両方をしています。
- [フィッシュネットの原点座標] と [フィッシュネットの対角] パラメーターを使用して、フィッシュネットの原点と対角を指定します。
- [フィッシュネットの原点座標]、[セルの幅]、[セルの高さ]、[行数]、[列数] パラメーターをそれぞれ使用して、原点、セル サイズ、行数、列数を指定します。
行数と列数の設定
上記の最初の 3 つのオプションのいずれかを使用してフィッシュネットの範囲を設定した場合は、行数と列数を設定する必要があります。 行数と列数は、次のいずれかの方法で指定できます:
- [セルの幅] と [セルの高さ] パラメーターを使用してセルの幅と高さを定義し、[行数] と [列数] パラメーターを空のままにするか 0 に設定します。 ツールの実行時に、フィッシュネットの範囲をカバーするのに必要な行数と列数が計算されます。
- 上記のとおりにセルの幅と高さを定義して、さらに、行数と列数を指定します。
- [行数] と [列数] パラメーターを使用して行と列の数を定義し、[セルの幅] と [セルの高さ] パラメーターを空のままにするか 0 に設定します。 ツールの実行時に、行と列の数および [フィッシュネットの対角] パラメーターの値に基づいてセルの幅と高さが計算されます。
- 上記のとおりに行数と列数を定義して、さらに、セル サイズと幅を指定します。 この方法で実行した場合は、[フィッシュネットの対角] パラメーターが無視されます (ツールのダイアログ ボックスではこのパラメーターが使用不可になります)。 対角は、ツールの実行時に計算されます。
回転角度
これは、Y 軸および [フィッシュネットの原点座標] 値と [Y 軸座標] 値を結ぶラインの間の角度です。
回転させたフィッシュネットを作成するには、[Y 軸座標] 値を指定して回転角度を定義します。これにより、下図のように、原点からこのポイントへのラインによって、目的の角度が北を基準として作成されます。 詳細については、下記の Y 軸座標の値の計算セクションをご参照ください。
以下で説明する例では、次のパラメーター値を使って、回転されたフィッシュネットを作成します。
- [フィッシュネットの原点座標] - (0, 0)
- [フィッシュネットの対角] - (6.9, 4)
- [行数] - 3
- [列数] - 4
- [Y 軸座標] - (6.9, 4)
ツールが実行されると、まず次の図のように回転していないフィッシュネットが構築されます:
次のステップでは、原点を中心にフィッシュネットを右回りに 60 度回転させます。これで、次の図のような最終的なフィッシュネットが得られます:
Y 軸座標の値の計算
回転角度がわかっている場合は、以下に示すように [Y 軸座標] パラメーターの値を計算できます。
フィッシュネットを右回りに 60 度回転させると仮定します。 垂直軸から右回りに 60 度の角度になるように、フィッシュネットの原点から線を引きます (次の図を参照)。 このライン上のポイントはすべて、[Y 軸座標] パラメーターの値として使用できます。 操作しやすい値を Y 座標に使用して、原点を (0, 0) と仮定し、その関係から X 座標を算出します:
角度の正接 = X 座標/Y 座標
たとえば、角度は 60 度の場合です。 Y 座標が 10 の場合、X 座標は 17.32 になります:
X 座標 = tan(60) * 10出力フィーチャクラス
ライン フィーチャクラスまたはポリゴン フィーチャクラスを作成できます。 オーバーレイ ツールセット内のツールを使用してフィッシュネットを既存のデータセットとオーバーレイする場合は、[ジオメトリー タイプ] パラメーターに [ポリゴン] を選択します。 表示目的でフィッシュネットを使用したい場合は、[ジオメトリー タイプ] パラメーターに [ポリライン] を選択します。 セルが多数存在する場合は、[ポリゴン] オプションを使用してフィッシュネットを作成すると、[ポリライン] オプションを使用した場合よりも処理が大幅に遅くなります。
[ラベル ポイントの作成] パラメーターをオンにして、ポイント フィーチャクラスを作成することもできます。 ポイントは、各セルの中心に配置されます。 ポイントを出力するだけで、それ以外は何も表示したくない場合は、[ジオメトリー タイプ] パラメーターの [ポリライン] を選択して (最も速いフィッシュネットの作成方法)、[ラベル ポイントの作成] パラメーターをオンにします。 ツールの実行後に、出力されたライン フィーチャクラスを削除します。