ロケーション-アロケーション解析レイヤー

このトピックでは、ロケーション-アロケーション解析レイヤーのフィーチャクラスと解析プロパティについて説明します。

ロケーション-アロケーション解析の詳細

施設フィーチャクラス

施設フィーチャクラスには、ロケーション-アロケーション解析で候補地として使用されるネットワーク ロケーションが格納されます。この候補地の中から実際のロケーションが選択されます。 新しいロケーション-アロケーション解析レイヤーを作成したときの施設クラスは空です。 これは、ネットワーク ロケーションの追加時に挿入されます。 解析を実行するには、少なくとも 1 つの施設と 1 つの需要地点が必要です。

施設: 入力フィールド

入力フィールド説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

ネットワーク解析オブジェクトの地理的な位置を示すジオメトリ フィールド。

Name

ネットワーク解析オブジェクトの名前。

FacilityType

このプロパティは、施設が候補施設、必須施設、競合施設、または選択済み施設のいずれであるかを指定します。 これは、以下のリストの括弧内の整数によって表される、値のドメインによって制約されます。

  • Candidate (0) - 候補施設は、ソリューションに含められる可能性のある施設です。
  • Required (1) - 必須施設は、ソリューションに含められる必要のある施設です。
  • Competitor (2) - 競合施設は、[市場シェアの最大化] 解析タイプと [目標市場シェア] 解析タイプのみで使用されます。 これは、競合ビジネスを表す施設であり、解析から需要を除去します。
  • Chosen (3) - ロケーション-アロケーション解析で候補施設がソリューションに含められることが決定したら、この解析により、FacilityType 値が Candidate から Chosen に変更されます。 解析の前に施設の FacilityTypeChosen に設定されると、その施設は解析では候補施設として処理されます。

Weight

施設に対する相対的な加重の割り当て。これは、1 つの施設ともう 1 つの施設を比較した場合の魅力、利用価値、または傾向を格付けするのに使用されます。

たとえば、ある施設に対して値を「2.0」に設定すると、2 対 1 の割合で、もう 1 つの施設ではなくその施設で買い物をすることを好む顧客を獲得できます。 施設の加重に影響する可能性のある要因には、面積、周辺地域、建物の築年数などがあります。 Weight 値 (「1」を除く) は、[市場シェアの最大化] 解析タイプと [目標市場シェア] 解析タイプのみで考慮されます。

Capacity

Capacity[カバー容量の最大化] 解析タイプに固有のプロパティであるため、それ以外の解析タイプでは Capacity が無視されます。

このプロパティは、施設が供給可能な加重需要の量を指定します。 施設の容量を超える需要は、施設のインピーダンス カットオフの範囲内であっても、その施設には割り当てられません。

この施設プロパティに割り当てられた値は、ネットワーク解析レイヤーのデフォルトの容量よりも優先されます。

ネットワーク ロケーション フィールド

  • SourceID
  • SourceOID
  • PosAlong
  • SideOfEdge
  • SnapX
  • SnapY
  • SnapZ
  • DistanceToNetworkInMeters

これらのプロパティを組み合わせて、オブジェクトが配置されているネットワーク上のポイントを表します。

ネットワーク上での入力の特定の詳細

CurbApproach

CurbApproach フィールドには、車両がネットワーク ロケーションに到着する方向およびネットワーク ロケーションから出発する方向を指定します。2 つの地点の間の最短パスは、到着または出発するときに許可されている移動の方向によって異なります。このプロパティには 4 つの値を設定できます (それぞれのコード値は括弧内に示されています)。

  • Either side of vehicle (0) - その地点において、車両はどちらの方向でも到着および出発できます。U ターンは許可されます。車両がその場所で U ターンできる場合または車道や駐車場で方向転換できる場合は、この設定を選択します。
  • Right side of vehicle (1) - 車両がその地点に到着するとき、およびその地点から出発するとき、縁石は車両の右側にある必要があります。U ターンは許可されません。
  • Left side of vehicle (2) - 車両がその地点に到着するとき、およびその地点から出発するとき、縁石は車両の左側にある必要があります。U ターンは許可されません。
  • No U-Turn (3) - 車両がその地点に到着するときはどちらの側でも到着できますが、方向転換せずに出発する必要があります。
U ターンとアプローチ制限の詳細

ロケーション-アロケーション解析では、[U ターンを許可しない] (3) の値は [車両の両側] (0) と同様に機能します。

施設: 入力/出力フィールド

入力/出力フィールド説明

Status

ネットワーク上の位置を基準としたその地点のステータスと解析の結果を示します。 出力される可能性のある値は次のとおりです。

  • 0 (OK) - その地点がネットワーク上で特定されました。
  • 1 (未配置) - その地点はネットワーク上で特定されなかったため、解析の対象外となりました。
  • 2 (ネットワーク エレメントが未配置) - その地点のネットワーク ロケーション フィールドで特定されたネットワーク エレメントが見つかりません。 これは、その地点があるはずのネットワーク エレメントが削除され、ネットワーク ロケーションが再計算されなかった場合に発生する可能性があります。
  • 3 (エレメントを通過できません) - その地点があるネットワーク エレメントを通過できません。 この状態は、規制属性によってエレメントが規制されている場合に発生する可能性があります。
  • 4 (無効なフィールド値): フィールド値が、範囲またはコード値ドメインから外れています。 たとえば、正の数値が必要な箇所に負の数値が存在しています。
  • 5 (未到達) - 解析でその地点に到着できません。 他の入力から切り離された別個のネットワーク領域にその地点が存在するか、バリアまたは制限によってその地点との往来が禁止されています。
  • 6 (タイム ウィンドウ違反) - 指定されたタイム ウィンドウ内にその地点に到着できませんでした。 このステータスは、タイム ウィンドウをサポートしているネットワーク解析タイプにのみ適用されます。
  • 7 (最寄りの位置にない) - 規制またはバリアによって、その地点に最も近いネットワーク ロケーションを通過できません。このため、代わりに、最も近い通過可能なネットワーク フィーチャ上にその地点が配置されました。

施設: 出力フィールド

出力フィールド説明

DemandCount

このフィールドには、施設に割り当てられている需要地点の数が格納されます。 ゼロ以外の値は、施設がソリューションの一部として選択されていることを意味します。

DemandWeight

このフィールドには、施設に割り当てられている全需要地点の有効な加重の合計が格納されます。 値は、施設に割り当てられている需要地点の全 Weight 値の合計です。 [アテンダンスの最大化] 解析タイプと [市場シェアの最大化] 解析タイプの場合、需要が距離に伴って減少したり、多数の施設の間で分割されたりするため、値は Weight フィールド値の分配合計です。

Total_[Cost]

(たとえば、Miles 属性が移動コストである場合は Total_Miles となります)

このフィールドには、施設と施設に割り当てられている各需要地点の間のネットワーク コストの合計が格納されます。 フィールド名の [Impedance] の部分は、ネットワーク属性名に置き換えられます。たとえば、Total_Meters の場合、Meters がネットワーク属性の名前です。

TotalWeighted_[Cost]

(たとえば、TotalWeighted_Miles 属性が移動コストである場合は Miles となります)

このフィールドには、施設の累積加重コストが格納されます。 需要地点の加重コストは、その加重に施設と需要地点の間の最小コスト パスを掛けたものです。 施設の加重コストは、施設に割り当てられている需要地点の全加重コストの合計です。 たとえば、加重が 2 である需要地点が 10 マイル離れたところにある施設に割り当てられている場合、TotalWeighted_Miles 値は「20」(2 x 10) になります。 加重が 3 である別の需要地点が同じ施設に割り当てられており、5 マイル離れたところにある場合、TotalWeighted_Miles 値は「35」(3 x 5 + 20) に増えます。

需要地点フィーチャクラス

需要地点フィーチャクラスには、特定のロケーション-アロケーション解析レイヤーの一部である需要地点が格納されます。 一般的に、需要地点とは、施設が提供する商品とサービスを必要とする人または物を表すロケーションのことです。 需要地点は、その内部に居住している住民の数によって加重された郵便番号重心であったり、予測されるこれらの住民による消費の量によって加重された郵便番号重心であったりします。 需要地点は、ビジネス顧客を表すこともあります。 ビジネスに供給する在庫の回転率が高い場合、これらのビジネスの加重は、回転率が低いビジネスよりも重くなります。

需要地点は、ロケーション-アロケーション解析タイプの距離カットオフよりも優先できます。 これは、一部の需要地点に異なるニーズまたは振舞いがある場合に便利です。 たとえば、救急車を事前に配置するとき、一般的にはコミュニティのすべての人に 4 分以内に到達できれば許容範囲内ですが、高齢者センターなどがある高齢者の密度の高い領域では、より速い応答 (2 分以内) が必要とされます。

需要地点: 入力フィールド

入力フィールド説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

ネットワーク解析オブジェクトの地理的な位置を示すジオメトリ フィールド。

Name

ネットワーク解析オブジェクトの名前。

GroupName

需要地点が属しているグループの名前。 このプロパティは、[カバー容量の最大化][目標市場シェア]、および [市場シェアの最大化] の解析タイプでは無視されます。

複数の需要地点が 1 つのグループ名を共有している場合、解析はそのグループに属するすべての需要地点を同じ施設に割り当てます。

グループ名を使用せずに距離を最小化
グループ化された需要地点を使用せずに距離を最小化
グループ名を使用して距離を最小化
グループ化された需要地点を使用して距離を最小化します。 この例では、黄色の需要地点は、同じ GroupName 値を割り当てられているため、同じ施設に割り当てられています。

距離カットオフなどの制約により、グループ内の需要地点のいずれかが同じ施設に到達できない場合、いずれの需要地点も割り当てられません。

Weight

需要地点の相対加重。 加重の値が「2.0」であれば、その需要地点は値が「1.0」の需要地点よりも 2 倍重要であることを示します。

ImpedanceTransformation

この需要地点のプロパティに割り当てられる値は、ネットワーク解析レイヤーのインピーダンス変換の値を無視します。

ImpedanceParameter

この需要地点のプロパティに割り当てられる値は、ネットワーク解析レイヤーのインピーダンス パラメーターの値を無視します。

Cutoff_[Cost]

(たとえば、Miles 属性が移動コストである場合は Cutoff_Miles となります)

この需要地点のプロパティに割り当てられる値は、ネットワーク解析レイヤーのカットオフの値を無視します。

ネットワーク ロケーション フィールド

  • SourceID
  • SourceOID
  • PosAlong
  • SideOfEdge
  • SnapX
  • SnapY
  • SnapZ
  • DistanceToNetworkInMeters

これらのプロパティを組み合わせて、オブジェクトが配置されているネットワーク上のポイントを表します。

CurbApproach

CurbApproach フィールドには、車両がネットワーク ロケーションに到着する方向およびネットワーク ロケーションから出発する方向を指定します。2 つの地点の間の最短パスは、到着または出発するときに許可されている移動の方向によって異なります。このプロパティには 4 つの値を設定できます (それぞれのコード値は括弧内に示されています)。

  • Either side of vehicle (0) - その地点において、車両はどちらの方向でも到着および出発できます。U ターンは許可されます。車両がその場所で U ターンできる場合または車道や駐車場で方向転換できる場合は、この設定を選択します。
  • Right side of vehicle (1) - 車両がその地点に到着するとき、およびその地点から出発するとき、縁石は車両の右側にある必要があります。U ターンは許可されません。
  • Left side of vehicle (2) - 車両がその地点に到着するとき、およびその地点から出発するとき、縁石は車両の左側にある必要があります。U ターンは許可されません。
  • No U-Turn (3) - 車両がその地点に到着するときはどちらの側でも到着できますが、方向転換せずに出発する必要があります。
U ターンとアプローチ制限の詳細

ロケーション-アロケーション解析では、[U ターンを許可しない] (3) の値は [車両の両側] (0) と同様に機能します。

需要地点: 入力/出力フィールド

入力/出力フィールド説明

Status

ネットワーク上の位置を基準としたその地点のステータスと解析の結果を示します。 出力される可能性のある値は次のとおりです。

  • 0 (OK) - その地点がネットワーク上で特定されました。
  • 1 (未配置) - その地点はネットワーク上で特定されなかったため、解析の対象外となりました。
  • 2 (ネットワーク エレメントが未配置) - その地点のネットワーク ロケーション フィールドで特定されたネットワーク エレメントが見つかりません。 これは、その地点があるはずのネットワーク エレメントが削除され、ネットワーク ロケーションが再計算されなかった場合に発生する可能性があります。
  • 3 (エレメントを通過できません) - その地点があるネットワーク エレメントを通過できません。 この状態は、規制属性によってエレメントが規制されている場合に発生する可能性があります。
  • 4 (無効なフィールド値): フィールド値が、範囲またはコード値ドメインから外れています。 たとえば、正の数値が必要な箇所に負の数値が存在しています。
  • 5 (未到達) - 解析でその地点に到着できません。 他の入力から切り離された別個のネットワーク領域にその地点が存在するか、バリアまたは制限によってその地点との往来が禁止されています。
  • 6 (タイム ウィンドウ違反) - 指定されたタイム ウィンドウ内にその地点に到着できませんでした。 このステータスは、タイム ウィンドウをサポートしているネットワーク解析タイプにのみ適用されます。
  • 7 (最寄りの位置にない) - 規制またはバリアによって、その地点に最も近いネットワーク ロケーションを通過できません。このため、代わりに、最も近い通過可能なネットワーク フィーチャ上にその地点が配置されました。

需要地点: 出力フィールド

出力フィールド説明

FacilityID

需要地点が割り当てられている施設の ObjectID

値が NULL であれば、需要地点は施設に割り当てられていないか、複数の施設に割り当てられています (後者は市場シェア関連の解析タイプのみで可能)。

AllocatedWeight

これは、選択済み施設と必須施設に割り当てられている需要の量です。 競合施設に割り当てられている需要はこの値に含まれません。 値には、次の 3 種類があります。

  • NULL 値は、需要地点がどの施設にも割り当てられていないことを示します。 これは、需要地点がすべてのインピーダンス カットオフの範囲外にある場合や、規制されているネットワーク エレメント上にある場合などに発生します。
  • ゼロは、需要地点が競合施設にのみ割り当てられていることを示します。
  • ゼロでない正の値は、選択済み施設と必須施設に割り当てられている需要の量を示します。

ライン フィーチャクラス

ライン フィーチャクラスは、出力専用のネットワーク解析クラスであり、解析の動作中に解析機能によって生成されるライン フィーチャを含みます。 これには、需要地点とそれらが割り当てられている施設を接続するライン フィーチャが含まれています。 需要地点が複数の施設に割り当てられている場合、需要地点は割り当てられている施設ごとに 1 本のラインで接続されます。 需要地点がどの施設にも割り当てられていない場合、その需要地点には対応するラインが 1 本もありません。 ライン フィーチャクラスでのロケーション-アロケーション出力は、マップ上に直線として表現されるか、マップにまったく表示されないかのいずれかです。いずれの場合も、解析では常に、施設と需要地点間の最短のネットワーク パスが考慮されます。したがって、コスト関連の属性には直線距離ではなく、ネットワーク コストが反映されます。 ネットワーク パスの実際の形状が出力されない理由は、それらがロケーション-アロケーションで必要とされることはほとんどなく、特に大規模な解析の場合は、パスの形状を生成すると、解析時間が大幅に長くなり、システムのリソースを使い果たす可能性があるからです。

ライン: 出力フィールド

出力フィールド説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

ネットワーク解析オブジェクトの地理的な位置を示すジオメトリ フィールド。

解析レイヤーの [出力ジオメトリの線形形状タイプ] プロパティを [ラインなし] に設定した場合、形状は表示されません。 [出力ジオメトリの線形形状タイプ] プロパティを [直線] に設定すると、需要地点または施設の各ペアを接続する直線が返されます。

Name

ラインの名前。 名前は、施設名と需要地点名が訪れる順序で示されるように形成されます。 ネットワーク解析レイヤーの移動方向が [施設から] に設定されているときは、名前の形式は [施設名] - [需要地点名] であり、[施設へ] に設定されているときは、[需要地点名] - [施設名] です。

FacilityID

ラインが関連付けられている施設の一意な ID。 ラインは、常に、1 つの施設と 1 つの需要地点に関連付けられています。

DemandID

ラインが関連付けられている需要地点の一意な ID。 ラインは、常に、1 つの施設と 1 つの需要地点に関連付けられています。

Weight

接続されている需要地点 (DemandID) から接続されている施設 (FacilityID) に割り当てられている加重。

TotalWeighted_[Cost]

(たとえば、TotalWeighted_Miles 属性が移動コストである場合は Miles となります)

施設から需要地点に移動する加重コスト。 これは、施設に割り当てられている需要地点の加重を Total_[Cost] 値に掛けたものです。

アクティブなコスト属性には Total_[Cost] フィールドが伴いますが、累積コスト属性にはありません。 累積属性の加重インピーダンスを計算する必要がある場合は、Weight の値と該当する Total_[Cost] フィールドの値を掛けます。

ラインは直線であったり、特定のジオメトリを持たなかったりします。いずれにしろ、インピーダンスとは常にネットワーク コストのことであって、直線距離ではないことに注意してください。

Total_[Cost]

(たとえば、Miles 属性が移動コストである場合は Total_Miles となります)

施設から需要地点に移動するネットワーク コスト。 すべての累積属性とアクティブなコスト属性には Total_[Cost] 属性が伴います。

ラインは直線であったり、特定のジオメトリを持たなかったりします。いずれにしろ、コストとは常にネットワーク コストのことであって、直線距離ではないことに注意してください。

ロケーション-アロケーション解析レイヤーのプロパティ

解析レイヤーで設定できるパラメーターを以下に示します。 これらは [ロケーション-アロケーション レイヤー] タブにあり、[コンテンツ] ウィンドウでロケーション-アロケーション レイヤーまたはそのサブレイヤーのいずれか 1 つが選択されている場合のみ使用できます。

解析

このセクションのオプションを使用すると、クレジットを推定して、解析を実行できます。

解析セクション

実行

入力フィーチャを読み込み、解析プロパティを設定したら、[実行] ボタンをクリックして、解析を実行します。 解析でクレジットが使用され、解析に推定されるクレジット数が利用可能なクレジット数を超過している場合、解析が実行されずにエラー メッセージが表示されるか、解析を続行するかどうかを選択可能な警告メッセージが表示されます。

実行ボタンの表示は、ネットワーク データセットのソースによって異なることもあります。

  • 実行- ネットワーク解析レイヤーがローカル ネットワーク データ ソースを参照しています。
  • サービスの実行- ネットワーク解析レイヤーが ArcGIS Online のネットワーク データ ソースを参照しています。
  • 実行- ネットワーク解析レイヤーがエンタープライズ ポータルのネットワーク データ ソースを参照しています。

クレジットの推定

[クレジットの推定] ボタンを使用して、選択したネットワーク解析レイヤーで解析を実行することで消費されるサービス クレジットの数を推定できます。 このボタンが有効な場合は、解析時にネットワーク解析レイヤーがクレジットを消費することを示しています。

クレジットの推定の有効化

[クレジットの推定] ボタンは、次の場合に有効になります。

クレジットの推定の無効化

[クレジットの推定] ボタンは、次の場合に無効になります。

  • ネットワーク解析レイヤーのネットワーク データ ソースがローカル コンピューターに保存されている。
  • ArcGIS Enterprise ポータルに公開された独自のサービスを使用している。

[クレジットの推定] ボタンをクリックすると、現在の解析を実行することで消費されるクレジットの推定量を含むダイアログ ボックスが表示されます。 クレジットは、解析で使用される入力ロケーションの数に基づいて推定されます。 消費される実際のクレジットは、「解析」操作により生成される出力によって異なる場合があります。 組織がクレジット使用制限および割り当て設定をどのように設定したかによって、利用可能なクレジットが表示されない場合があります。 ネットワーク データ ソースが ArcGIS Enterprise ポータルで、ルート検索サービスが ArcGIS Online から構成されている場合、クレジット推定を常に実行できるとは限りません。

解析タイプごとのクレジット使用量の詳細

推定クレジット消費量と利用可能な総クレジット数
注意:

ArcGIS Online 組織アカウントの構成およびサインインしているユーザーに応じて、推定クレジットが利用可能なクレジットを超えた場合、解析が実行されないか、警告が表示されることがあります。

入力データ

このセクションのオプションを使用すると、入力フィーチャをインポートして、解析に参加できます。

入力データ セクション

施設のインポート

[施設のインポート] 施設のインポート を使用すると、ポイント フィーチャ レイヤーなどの別のデータ ソースから施設フィーチャクラスにフィーチャを読み込めます。

需要地点のインポート

[需要地点のインポート] 需要地点のインポート を使用して、ポイント フィーチャ レイヤーなどの別のデータ ソースから需要地点フィーチャクラスにフィーチャを読み込みます。

バリアのインポート

[ポイント バリアのインポート] ポイント バリアのインポート[ライン バリアのインポート] ライン バリアのインポート、または [ポリゴン バリアのインポート] バリアのインポート ボタンを使用すると、別のフィーチャ レイヤーなどの別のデータ ソースから、バリア フィーチャクラス (ポイント バリア、ライン バリア、またはポリゴン バリア) の 1 つにフィーチャを読み込むことができます。

フィーチャ作成

[フィーチャ作成] ボタン フィーチャ作成 を使用すると、[フィーチャ作成] ウィンドウが開きます。 利用可能なテンプレートを選択して現在のマップにフィーチャを作成します。

移動モード

移動モード セクションのオプションを使用すると、移動モードを選択できます。

移動モード セクション

モード

[モード] ドロップダウン リストを使用すると、「移動モード」を選択できます。移動モードは、歩行者、車、トラック、その他の移動モードの移動をまとめてモデリングする設定のグループです。 このドロップダウン リストで選択できる項目は、ネットワーク解析レイヤーが参照しているネットワーク データ ソースに対して構成されている移動モードによって異なります。

方向

ロケーション-アロケーション解析では、移動時間またはその他のコストを、施設から向かう方向または施設に向かう方向に累積できます。

  • [施設から] 施設から - 移動の方向は、施設から需要地点に向かいます。
  • [施設へ] 施設へ - 移動の方向は、需要地点から施設に向かいます。

一方通行の規制が適用されたネットワークで、移動方向により異なる移動時間を設定すると、移動方向を切り替えて、異なる結果を生成できます。 方向は、解析の目的に応じて選択する必要があります。 たとえば、最も近くにいる消防車 (施設) から火災現場 (インシデント) までのルートを検索する場合は、[施設から] オプションが最適な選択です。 逆に、現在の位置に最も近いガソリン スタンド (施設) を特定する場合は、施設へ向かって移動する必要があるので、[施設へ] の方が適切な選択です。

カットオフ

ロケーション-アロケーション解析では、施設から需要地点への最小コスト パスを計算するとき、需要地点がこのインピーダンス カットオフを超える場所にあると、それらの需要地点の検索を中止します。 この制限を超える需要地点は、当該施設についての検索対象になりません。 カットオフ値に使用すべき単位は、[モード] ドロップダウン矢印の隣に表示されます。

コスト属性の累積

[コスト属性の累積] ドロップダウン メニュー コスト属性の累積ボタン を使用して、累積するコスト属性を構成できます。 ネットワーク データ ソースがサービスの場合、出力ジオメトリ タイプにラインが含まれない場合、またはコスト属性が存在しない場合、このドロップダウン メニューは使用できません。 属性は、グループ ヘッダーとして示される単位ドメインごとにグループ化されます ([時間][距離] など)。 チェックボックスがオンの場合、解析時に解析レイヤーがこのオンになっている属性を累積します。

コスト属性の累積ドロップダウン メニュー

同じレイヤー タイプの複数の解析レイヤーが選択されている場合、すべてのレイヤーが 1 つの属性に対して同一のオンになったステータスを共有しているのでなければ、チェックボックスは混合状態を示します。 次の画像では、[WeekendFallbackTravelTime] 属性が複数のレイヤーに対して選択されているため、ここにはチェック マークがあります。

混合状態を示すチェック マーク

選択したレイヤーが 1 つの属性に対してオンになったステータスを共有している場合、チェックボックスはその状態を示します。

チェックボックスは属性に対してオンになっています。

Facilities

[施設] に値を入力して、インシデントごとに検出する施設の数を指定するか、コントロールを使用して値を指定できます。

注意:

[施設数の最小化][目標市場シェア] の解析タイプでは [施設] オプションが無効になります。

解析タイプ

このセクションのコントロールを使用して、需要地点と施設の間の関係をモデル化するための解析とコスト変換関数タイプを選択します。

種類

[タイプ] ドロップダウン メニューを使用すると、ロケーション-アロケーション解析の対象となる解析タイプを指定できます。

解析タイプ説明

インピーダンスの最小化

需要地点とソリューション施設の間の全加重コストの合計が最小化されるように施設を配置します。 下の図の矢印は、割り当てがすべての需要地点間の距離に基づいていることを示しています。

インピーダンスの最小化解析タイプ
[インピーダンスの最小化] は、加重インピーダンスの合計 (施設に割り当てられている需要に施設に対するインピーダンスを掛けたもの) が最小化されるように施設を選択します。

この解析タイプは、商品を小売店に配送する輸送コストを包括的に削減できるため、一般的に、倉庫を配置するときに使用されます。 [インピーダンスの最小化] は、選択済み施設まで移動する必要のある全体的な距離を短縮するので、インピーダンス カットオフを使用しないインピーダンスの最小化解析は、通常、他の解析タイプよりも、図書館、地方空港、博物館、運転免許センター、診療所などの公共サービスの施設をより衡平に配置します。

次に、インピーダンスの最小化解析タイプが需要をどのように処理するかについて説明します。

  • インピーダンス カットオフが設定されている場合、すべての施設のインピーダンス カットオフの範囲外にある需要は割り当てられません。
  • 1 つの施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、その施設のみに割り当てられます。
  • 複数の施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、最も近い施設のみに割り当てられます。

カバーエリアの最大化

可能な限り多くの需要地点がインピーダンス カットオフ内のソリューション施設に割り当てられるように施設を配置します。

カバーエリアの最大化解析タイプ
[カバーエリアの最大化] は、可能な限り多くの需要が施設のインピーダンス カットオフによってカバーされるように施設を選択します。 この図では、解析は 3 つの施設を選択するように設定されています。

[カバーエリアの最大化] は、指定された応答時間内にすべての需要地点に到着する必要のある消防署、警察署、ERS センターなどの緊急サービスの配置によく使用されます。 解析の結果が実世界の結果を正しくモデリングするように正確なデータを得ることは、すべての組織にとって重要ですが、緊急サービスにとっては必要不可欠です。

宅配ピザの場合、ピザ レストランとは反対に、特定の移動時間内に可能な限り多くの人をカバーできるところに店舗を配置する必要があります。 ピザの宅配を注文する人は、一般的に、店舗までの距離ではなく、広告に示されている時間内にピザが到着することを重視します。 したがって、宅配ピザの場合、広告に示されている配達時間からピザの調理時間を減算し、カバーエリア内の宅配ピザを注文する可能性が高い人を最大限に獲得する候補施設を選択するようにカバーエリアの最大化解析を実行します (ピザ レストランを利用する可能性の高い人は、ピザ レストランまで移動する必要があるため、距離を重視します。したがって、ピザ レストランの場合、アテンダンスの最大化解析タイプまたは市場シェア関連の解析タイプのほうがより適しています)。

次に、[カバーエリアの最大化] 解析タイプが需要をどのように処理するかについて説明します。

  • すべての施設のインピーダンス カットオフの範囲外にある需要地点は割り当てられません。
  • 1 つの施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、その施設のみに割り当てられます。
  • 複数の施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、最も近い施設のみに割り当てられます。

カバー容量の最大化

可能な限り多くの需要地点がインピーダンス カットオフ内のソリューション施設に割り当てられ、施設に割り当てられる加重需要が施設の容量を超えないように配置を行います。

カバー容量の最大化解析タイプ
[カバー容量の最大化] は、すべての需要または需要の最大量を、いずれの施設でも容量を超えることなく提供できるように施設を選択します。 この図では、各施設の容量は 1 で、解析は 3 つの施設を選択するように設定されています。 地図の下方の需要地点は施設のインピーダンス カットオフの範囲内にありますが、割り当てると施設の容量を超えてしまうため、割り当てが行われていません。

[カバー容量の最大化] は、[インピーダンスの最小化] または [カバーエリアの最大化] 解析タイプの処理に、容量の制限を追加したように動作します ([カットオフ] が設定されていない場合、この解析タイプは、容量制限のある [インピーダンスの最小化] のように動作します)。 施設の容量は、[Capacity] プロパティに数値を割り当てることで指定できます。 特定の施設を表す施設サブレイヤーの Capacity フィールドに値が割り当てられていない場合は、[ロケーション-アロケーション レイヤー] タブの [容量] プロパティから容量が施設に割り当てられます。

[カバー容量の最大化] は、指定した数の住人または事業所を囲む領域の作成、ベッド数または処置可能な患者数に制限がある病院や医療施設の配置、収容量に制限のある倉庫の配置などで使用されます。

次に、[カバー容量の最大化] 解析が需要をどのように処理するかについて説明します。

  • [カバーエリアの最大化] と異なり、[カバー容量の最大化] はインピーダンス カットオフは必要ありません。インピーダンス カットオフを指定した場合、すべての施設のインピーダンス カットオフの範囲外にある需要地点は割り当てられません。
  • 割り当てられた需要地点の需要加重は、1 つの施設にすべて割り当てられるか、まったく割り当てられません。この解析タイプでは需要は分配されません。
  • 施設のインピーダンス カットオフ内にある総需要が施設の容量を超えている場合は、獲得される総需要を最大化し、総加重インピーダンスを最小化する需要地点だけが割り当てられます。
    注意:

    需要地点が最も近いソリューション施設以外に割り当てられて、明らかに非効率となる場合があります。 このような状態は、需要地点の加重が変動する場合、および需要地点が複数の施設のインピーダンス カットオフでカバーされる (またはインピーダンス カットオフがない) 場合に発生します。 このような結果は、最も近いソリューション施設の容量が加重需要に対して不十分であること、または解析全体で最も効果的なソリューションにするために、局所的に非効率な地点が 1 つ以上必要であることを示しています。 どちらの場合も、正しいソリューションです。

施設数の最小化

可能な限り多くの需要地点がインピーダンス カットオフ内のソリューション施設に割り当てられるように施設を配置し、さらに、需要地点をカバーするのに必要な施設の数を最小化します。

施設数の最小化解析タイプ
[施設数の最小化] は、施設のインピーダンス カットオフ内に可能な限り多くの需要地点があるように施設を選択します。 さらに、すべての需要地点をカバーするのに必要な施設の数を最小化します。 この図では、解析は 2 つの施設内ですべての需要地点をカバーしています。

[施設数の最小化][カバーエリアの最大化] と同様ですが、配置する施設の数が異なり、この場合、それは解析によって決定されます。 施設を建設するコストが制限要因でない場合、[カバーエリアの最大化] を使用するのが適切な施設 (緊急対応サービスなど) について、[施設数の最小化] を使用すると、すべての考えられる需要地点がカバーされます。 [施設数の最小化] は、スクール バスのバス停を選択するためにも使用されます (生徒が自宅により近い場所に別のスクール バスのバス停が設置されるまで一定の距離を歩く必要がある場合)。

次に、[施設数の最小化] 解析が需要をどのように処理するかについて説明します。

  • すべての施設のインピーダンス カットオフの範囲外にある需要地点は割り当てられません。
  • 1 つの施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、その施設のみに割り当てられます。
  • 複数の施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、最も近い施設のみに割り当てられます。

アテンダンスの最大化

需要加重が施設と需要地点の間の距離と比例して減ることを想定して、可能な限り多くの需要加重が施設に割り当てられるように施設を選択します。

アテンダンスの最大化解析タイプ
[アテンダンスの最大化] は、需要加重が距離に伴って減少することを想定して、可能な限り多くの需要加重が施設に割り当てられるように施設を選択します。 この図で円グラフで表されている需要地点は、その総需要のうち、どの程度の需要が施設によって獲得されているかを示しています。

この解析タイプは、競合店がほとんど存在しない、またはまったく存在しない専門店にとって効果的です。また、市場シェア関連の解析タイプを実行するのに必要な競合店に関するデータを持っていない、一般小売店およびレストランにとっても効果的な場合があります。 この解析タイプが適しているビジネスには、喫茶店、フィットネス センター、歯科医院、診療所、ボウリング場、電化製品店などがあります。 公共交通機関のバス停は、多くの場合、[アテンダンスの最大化] を使用して選択されます。 [アテンダンスの最大化] は、施設に到達するまでに移動する距離が長ければ長いほど、その施設が利用される可能性が低いことを前提としています。 したがって、施設に割り当てられている需要の量は距離に伴って減少します。 距離に伴う減少は、インピーダンス変換で指定します。

次に、[アテンダンスの最大化] 解析が需要をどのように処理するかについて説明します。

  • すべての施設のインピーダンス カットオフの範囲外にある需要はどの施設にも割り当てられません。
  • 1 つの施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、カットオフおよびインピーダンス変換に従って部分的に割り当てられます。 上の図の需要地点には、選択済み施設によって獲得されるそれらの総需要加重の割合を表す円グラフがあります。
  • 複数の施設のインピーダンス カットオフによってカバーされる需要地点の加重は、最も近い施設のみに割り当てられます。

市場シェアの最大化

競合ビジネスが存在する状況において割り当てられた需要が最大化されるように特定の数の施設を選択します。 その目標は、指定した数の施設で総市場シェアのうち可能な限り多くの市場シェアを獲得することです。 総市場シェアとは、有効な需要地点の全需要加重の合計のことです。

市場シェアの最大化解析タイプ
[市場シェアの最大化] は、競合ビジネスが存在する状況において最大量の割り当てられた需要が獲得されるように施設を選択します。 解析によって選択される施設の数は手動で指定します。

市場シェア関連の解析タイプは、配置する施設の加重だけではなく競合施設の加重も把握する必要があるため、最大量のデータを必要とします。 [アテンダンスの最大化] 解析タイプを使用するのが適切な施設の場合も、競合ビジネスのデータを含む包括的な情報を使用できる場合は、市場シェア関連の解析タイプを使用できます。 大型ディスカウント ショップは、一般的に、[市場シェアの最大化] を使用して有限数の新しい店舗を配置します。 市場シェア関連の解析タイプでは、ハフ モデル (重力モデルまたは空間相互作用とも呼ばれる) が使用されます。

次に、[市場シェアの最大化] 解析が需要をどのように処理するかについて説明します。

  • すべての施設のインピーダンス カットオフの範囲外にある需要はどの施設にも割り当てられません。

  • 1 つの施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、その施設のみに割り当てられます。

  • 複数の施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、それをカバーする施設に割り当てられ、さらに、加重は施設間で施設の魅力 (施設加重) と比例して、また施設と需要地点の間の距離と反比例して分割されます。 つまり、施設加重が同じであっても、近い施設には遠い施設よりも多くの需要加重が割り当てられます。 この振舞いは、上の [市場シェアの最大化] の図に示されています。 3 つの施設 (四角形) に同じ加重が割り当てられており、6 つの需要地点 (円) のうちの 1 つが 2 つの競合する施設のインピーダンス カットオフの範囲内にあり、その需要がこれら 2 つの施設間で分割されているとします。 図の中央近くにある需要地点は、左側の施設と中央の施設の両方によってカバーされています。 需要地点は左側の施設により近いため、より多くの需要がその施設に割り当てられます。

    右下の需要地点の需要は割り当てられていません。 [施設] プロパティが「1」に設定されているため、その需要地点に最も近い施設がソリューションの一部として選択されませんでした。

  • 獲得された市場シェアを計算するのに使用できる総市場シェアは、ネットワーク上に配置されている全需要地点の加重の合計です。未配置の需要地点は総市場シェアに含められず、それらを含める必要がある場合は、ネットワーク上で再配置する必要があります。

目標市場シェア

[目標市場シェア] は、競合ビジネスが存在する状況において総市場シェアのうちの特定の割合を獲得するのに必要な最小数の施設を選択します。 総市場シェアとは、有効な需要地点の全需要加重の合計のことです。 獲得したい市場シェアの割合は手動で設定し、その閾値に適合するのに必要な最小数の施設の選択は解析が行います。

目標市場シェア解析タイプ
[目標市場シェア] は、競合ビジネスが存在する状況において使用します。この解析タイプは、指定した市場シェアを獲得するのに必要な最小数の施設を選択しようとします。

市場シェア関連の解析タイプは、配置する施設の加重だけではなく競合施設の加重も把握する必要があるため、最大量のデータを必要とします。 [アテンダンスの最大化] 解析タイプを使用するのが適切な施設の場合も、競合ビジネスのデータを含む包括的な情報を使用できる場合は、市場シェア関連の解析タイプを使用できます。

大型ディスカウント ショップは、一般的に、特定のレベルの市場シェアに到達するにはどの程度の拡張が必要であるかを把握したり、新しい競合施設が出現した場合に現在の市場シェアを維持するためにはどのような戦略が必要であるかを確認したりする必要があるときに [目標市場シェア] 解析タイプを使用します。 通常、その結果は、予算を考慮する必要がない場合に取るべき行動を表します。 予算を考慮する必要がある場合は、[市場シェアの最大化] 解析を実行して、制限された数の施設で可能な限り多くの市場シェアを獲得します。

次に、[目標市場シェア] 解析が需要をどのように処理するかについて説明します。

  • 獲得された市場シェアを計算するのに使用される総市場シェアは、ネットワーク上に配置されている全需要地点の加重の合計です。未配置の需要地点は総市場シェアに含められず、それらを含める必要がある場合は、ネットワーク上で再配置する必要があります。
  • すべての施設のインピーダンス カットオフの範囲外にある需要はどの施設にも割り当てられません。
  • 1 つの施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、その施設のみに割り当てられます。
  • 複数の施設のインピーダンス カットオフの範囲内にある需要地点の需要加重は、それをカバーする施設に割り当てられ、さらに、加重は施設間で施設の魅力 (施設加重) と比例して、また施設と需要地点の間の距離と反比例して分割されます。 つまり、施設加重が同じであっても、近い施設には遠い施設よりも多くの需要加重が割り当てられます。 この振舞いは、上の [目標市場シェア] の図に示されています。 3 つの施設 (四角形) に同じ加重が割り当てられており、6 つの需要地点 (円) のうちの 2 つが 2 つの異なる施設のインピーダンス カットオフの範囲内にあり、それらの需要がこれらの施設間で分割されているとします。 図の中央近くにある需要地点は、左側の施設と中央の施設の両方によってカバーされています。 需要地点は左側の施設により近いため、より多くの需要がその施設に割り当てられます。

    もう 1 つの需要地点は左側の施設と右側の施設の両方と距離が同じであるため、その加重は両方の施設の間で均等に分割されています。

f(cost, β)

コスト変換関数タイプ (インピーダンス変換) であるこのプロパティは、施設と需要地点の間のネットワーク コストを変換するための式を設定します。 コスト変換関数パラメーター ([β]) とともに使用されるこのプロパティは、施設と需要地点の間のネットワーク インピーダンスが、解析でどの施設が選択されるかに影響する度合いを指定します。

変換を適用することで、需要地点から最も近い施設に到達するために移動する必要のある全体的な距離を均等化できます。 図書館と診療所については、サービスの均等性が重視されるため、多くの場合、[累乗] コスト変換関数タイプが使用され、コスト変換関数パラメーターが「2.0」に設定された [インピーダンスの最小化] 解析タイプを使用して施設の配置が行われます。 こうすると、少数の遠くに居住する利用者または患者が相対的に余分に長い距離を移動する必要がなくなります。

顧客がどこに居住しているかに関するデータを収集する店舗もあります。これを行うと、距離が顧客の振舞いに与える影響が判明します。 データを収集することで、店舗はコスト変換関数を設定し、調整できるため、将来に向けてより効果的に場所を選択できます。

正確にコスト変換関数とパラメーターを適合させて、優先事項を指定し、需要地点の振舞いをモデリングするときには、慎重な検討が必要で、ハフ モデルや距離に伴う減少などのトピックについても調べる必要があります。 しかし、最初のステップは、コストがどのように変換されるかを理解することです。 次に、変換のオプションについて説明します。d は需要地点、f は施設です。 したがって、インピーダンスdf は需要地点 d と施設 f の間の最短パスのネットワーク インピーダンスであり、コストdf は施設と需要地点の間の変換されたネットワーク インピーダンスです。 Beta (β) はコスト変換関数パラメーターを表します。

コスト変換関数タイプ説明

線形

コストはネットワーク インピーダンスと等しくなります。 目標が輸送コスト全体を最小限に抑えることである倉庫などの施設の位置を特定する場合は、これをお勧めします。

コストdf = インピーダンスdf

注意:

[f(cost, β)] プロパティを [リニア] に設定した場合、リニア変換のパラメーターの値を変更しても解析の結果には影響が及ばないため、コスト変換関数パラメーター (β) は常に内部で 1 に設定されます。

Power

コストは、ネットワーク インピーダンスの累乗と等しくなります。 コストは、遠くにある位置ほど魅力が少なく見えるように、強調されます。 この強調は、指数関数的減衰ほど極端ではありません。 車の販売代理店などの大きい小売施設の位置を特定する場合は、これをお勧めします。

コストdf = インピーダンスdfβ

指数

コストは、ネットワーク インピーダンスと指数関係があります。 コストは、遠くにある位置ほど魅力が少なく見えるように、強調されます。 この強調は、累乗オプションを使用する場合よりも極端です。 スーパーなどの小さい小売施設の位置を特定する場合は、これをお勧めします。

コストdf = e(β * インピーダンスdf)

指数関数変換は、一般的に、インピーダンス カットオフとともに使用されます。

以下の一連の図と表では、[インピーダンスの最小化] を使用して、異なるコスト変換関数タイプおよびパラメーターを使用した場合の考えられる影響を示します。

コスト変換関数の影響を示すサンプル解析
サンプル解析設定では、端点に需要地点があり、中央に候補施設がある 2 マイルのエッジを使用します。

リニア コスト変換関数タイプでは常にパラメーター値 1 が使用されます。これにより、コストは変更されず、施設 B がそのコストを最小化します。

施設総コスト (リニア変換)選択する施設

A

3+3+5=11

B

7+1+1=9

施設 B が選択されます。

リニア コスト変換関数タイプを使用したコストの比較
コスト変換関数の影響を示すサンプル解析
リニア コスト変数関数が使用される場合、施設 B の変換されたコストの合計は施設 A よりも低くなります。

パラメーターが 2 に設定された power コスト変換関数タイプは、距離を増幅して十分に長くするため、施設 A が代わりにコストを最小化します。

施設総コスト (累乗変換、β = 2)選択する施設

A

32+32+52=43

施設 A が選択されます。

B

72+12+12=51

パラメーターが 2.0 に設定された power コスト変換関数タイプを使用したコストの比較
コスト変換関数の影響を示すサンプル解析
二乗の累乗変換が使用される場合、施設 A の変換されたコストの合計は施設 B よりも低くなります。

インピーダンス パラメーターが 0.02 に設定された exponential コスト変換関数タイプは、近くの需要地点を優先するため、この場合、施設 B が選択される施設になります (図はリニア コスト変換関数の図と同じになるため省略します)。

施設総コスト (指数関数変換、β = 0.02)選択する施設

A

e0.02*3+e0.02*3+e0.02*5=3.23

B

e0.02*7+e0.02*1+e0.02*1=3.19

施設 B が選択されます。

パラメーターが 0.02 に設定された指数関数変換を使用したコストの比較

β

コスト変換関数パラメーターであるこのプロパティを使用すると、[f(cost, β)] プロパティとともに使用されるパラメーター β を設定できます。 ただし、[f(cost, β)][リニア] に設定されている場合、このパラメーター値は無視され、代わりに値として「1」が使用されます。 詳細については、上述の [f(cost, β)] プロパティの説明をご参照ください。

ヒント:

需要地点には ImpedanceParameter プロパティがあり、これが設定されていると、解析レイヤーの β プロパティが優先されます。 都市部の住民と農村部の住民で異なるコスト変換関数パラメーターを指定する必要がある場合があります。 これは、解析レイヤーのインピーダンス変換を農村部の住民に適合するように設定し、都市部の需要地点のインピーダンス変換を都市部の住民に適合するように設定することでモデリングできます。

市場

このプロパティは、[目標市場シェア] 解析タイプのみで使用されます。 これは、解析対象の施設で獲得したい総需要加重に占める割合です。 解析では、この数値で指定される目標市場シェアを獲得するのに必要な最小数の施設が選択されます。

容量

このプロパティは、[カバー容量の最大化] 解析タイプのみで使用されます。 解析のすべての施設に割り当てられる容量です。 施設サブレイヤーの施設の Capacity フィールドに値を指定して、施設のデフォルトの容量を施設ごとにオーバーライドできます。

日時

日時セクションのオプションを使用すると、解析で使用する日時と曜日を指定できます。

日時セクション

日時の詳細

到着/出発の日時タイプ

[到着/出発の日時タイプ] ドロップダウン リストは、コストの単位が時間ベースの場合に使用できます。 このドロップダウン リストでは、ルートが最初のストップを出発する時間を表す特定の日付と時刻の値を指定するかどうかを選択できます。 特定の日付と時刻を設定する主な目的は、変動する交通状況または公共交通機関のスケジュールを利用して解析を実行することです。ただし、解析で交通量または公共交通機関を使用する場合は、ネットワーク データセットまたはルート サービスに交通量データまたは公共交通機関を含める必要があります。

ドロップダウン リストでは次のオプションが選択できます。

  • [時間を使用しない] - ネットワーク データ ソースに時間ベースのデータが含まれているかどうかに関係なく、結果は静的な移動時間に基づきます。ネットワーク エッジ上の移動時間は、1 日を通して変動しません。 [時刻][日付] テキスト ボックスは使用できません。

  • [日時] - 開始時間を時刻とカレンダー日付で指定します。 この情報を入力できるように、[時刻][日付] テキスト ボックスが使用可能になります。

  • [曜日] - 時刻と曜日を指定します。 この情報を入力できるように、[時刻][日付] テキスト ボックスが使用可能になります。

  • [今日] - 時刻を指定します。日付は現在の日付になります。 時刻を入力できるように、[時刻] テキスト ボックスが使用可能になります。[日付] テキスト ボックスは [今日] に設定され、変更できないように無効になります。

  • [現在の日時] - 解析を実行する際に、日付と時刻が現在の日付と時刻に設定されます。 これは、ネットワーク データセットにライブ交通量データが構成されており、解析を実行した直後に取り込まれるルートがドライバーに配信される場合に便利です。 [時刻][日付] テキスト ボックスは変更できないように無効になります。

時刻

出発の時刻を指定します。

このオプションが有効になる場合を確認するには、[到着/出発の日時タイプ] セクションをご参照ください。

Date

出発の曜日を指定するには、次のいずれかの値を [日付] テキスト ボックスに入力します。

  • 月曜日
  • 火曜日
  • 水曜日
  • 木曜日
  • 金曜日
  • 土曜日
  • 日曜日

このオプションが有効になる場合を確認するには、[到着/出発の日時タイプ] セクションをご参照ください。

基準タイム ゾーン

[基準タイム ゾーン] ドロップダウン リスト 基準タイム ゾーン ボタン では、解析で使用するタイム ゾーンを選択できます。 次のようなオプションがあります。

  • ロケーションのローカル タイム
  • UTC (協定世界時)

注意:

複数のタイム ゾーンにまたがるロケーション-アロケーション解析を実行する場合は次の要件を満たす必要があります。

  • 開始時間を指定し、移動方向が施設から需要地点の場合、すべての施設は同じタイム ゾーンである必要があります。
  • 開始時間を指定し、移動方向が需要地点から施設の場合、すべての需要地点は同じタイム ゾーンである必要があります。

出力ジオメトリ

ドロップダウン メニューのオプションを使用すると、出力をマップに表示する方法を選択できます。

出力ジオメトリ セクション

出力ジオメトリの線形形状タイプ

このコントロールを使用すると、出力をマップに表示する方法を選択できます。 ロケーション-アロケーション解析では、常に、ネットワークに沿って最小コスト パスが解析されますが、これらのネットワーク パスはマップに表示できません。 結果をマップ内で視覚化する場合は、出力を直線として表現できます。また、施設、需要地点、ラインの各クラス テーブル内の出力フィールドのみに関心がある場合は、ラインを表示しないようにすることができます。

  • [ラインなし] - 出力の線形形状は生成されません。
  • [直線] - 簡略化されたジオメトリを直線として出力します。

描画

アクティブなネットワーク解析レイヤーのシンボル ウィンドウにアクセスするには、[シンボル] ボタン シンボル を使用します。 次のいずれかのオプションを選択することで、アクティブなネットワーク解析レイヤーのサブレイヤーのシンボルを設定できます。

  • [単一色] - このオプションはすべてのタイプのネットワーク解析レイヤーで利用できます。 アクティブなネットワーク解析レイヤー内の、バリアを除くすべてのフィーチャ サブレイヤーで、指定した色の同じ単一シンボルが使用されます。 たとえば、ルート レイヤーに青の単一色を選択した場合、すべてのストップ フィーチャとルート フィーチャが同じ青色に変換されます。
  • [カラー リンク] - このオプションはルート レイヤーと配車ルート レイヤーで使用できます。 配色がサブレイヤーに適用されて、関連するフィーチャが同じ色でシンボル化されます。 このシンボル構成では関連するフィーチャが同じ色でシンボル化されるため、マップ内の異なるルートやそれに関連するフィーチャを簡単に区別することができます。 たとえば、複数のルートを持つルート レイヤーでは、各ルートとそのルートに割り当てられたストップに適合する色が割り当てられます。

ネットワーク解析レイヤー シンボルの詳細

フィルタリング

ネットワーク解析サブレイヤーをフィルタリングして、プライマリ レイヤーで選択されているフィーチャに関連するフィーチャだけを表示することができます。

プライマリ サブレイヤーおよび関連サブレイヤーに対するフィルターの追加または削除

  • [フィルターの追加] 選択によるフィルタリング - ネットワーク解析レイヤーのサブレイヤーにフィルターを適用して、プライマリ サブレイヤーで選択されているフィーチャに関連するフィーチャだけを表示することができます。 定義クエリが自動的に作成されて関連サブレイヤーに適用されます。 [フィルターの追加] ボタンをクリックするたびに、同じ名前で新しい定義クエリが作成されて以前の定義クエリから置き換えられます。

    施設プライマリ サブレイヤーでフィーチャが選択されている場合、施設という名前の定義クエリが施設サブレイヤー (プライマリ レイヤー) とラインおよび需要地点関連サブレイヤー上に作成されます。

  • [フィルターの削除] フィルターの削除 - プライマリ サブレイヤーと関連サブレイヤーに対する定義クエリを削除します。